「ヒナまつり」6巻、「東京発異世界行き」が発売されました。
もう6巻なんだけど、めがっさ笑える。
ゲラゲラと声出して笑うレベルで、私の笑のツボを北斗神拳のように突いてきますよ。これはギャグ漫画としては異例である。
というのも、私はどんなに面白い腹筋崩壊するレベルのギャグ漫画でも5巻ぐらいで飽きてしまうからなのである。
1~2巻で腹筋崩壊したギャグ漫画も、巻が進むとねぇ…。4巻ぐらいで芸風に慣れてしまうのか破壊力は落ち、5巻ではもうほとんど笑わなくなってしまっているのです。で、「ヒナまつり」も最初からアクセル全開だったので、途中でマンネリ化したかなという印象でした。
だがしかーし!
なんと6巻なのにめがっさ笑えてしまう。これは異例です。
まだまだアクセル全開
マンネリ化したかと思ったら、ここからアクセルをさらに踏みやがった。
6巻クソ笑ったわ。
「ヒナまつり」といえば独特の不条理ワールドが形成されてるけど、一番ツボなのはやはりシリアスな笑いですね。29話「超能力少女誕生」では、マミちゃんの可哀相な人っぷりは只事ではありません。
マミちゃん
ヒナのせいで自分に超能力があると勘違いして暴走して黒歴史を作るエピソードなのですけど、起承転結からオチまで芸術的な流れで繰り広げられてしまい、思わず吹き出したね。電車とか人前で読む時は注意が必要なレベル。
やべぇなんでこんな面白いんだ。
しかも「家族」をテーマにちょっといい話のような風味がいい塩梅となっており、オチを光らせるね。カレーに牛乳とかソース入れる感じで一味も二味も変わってくる。コクが出るね。笑えるぞ。芸の幅広さがなかなかどうして。
ラブコメ風味
32話「がんばれ仁志くん」では家族やラブコメ風に描かれて、最後に落とす。
この芸の幅というか、最後のオチまで貯める構図よ。いい話風でオチまで笑わせるところないのに。え?これギャグ漫画だよねって感じでオチまで笑い所一切無しで描かれる為に、最後のオチが超破壊力を生んでいる。
一見すると同じ芸風なようでいて、幅広い芸風なんだよね。
という感想を短編集「東京発異世界行き」を読んでて思いました。
大武政夫先生初の短編集だけど、これがなかなかどうして。「ヒナまつり」同様にシュールなギャグが魅力的だったけど、投稿作品が異彩放ちまくり。
投稿作品「青信号までの時間」
ギャグとか一切無しで切ないラブストーリーであった。
へぇ、こんなのも描いた事あるんだ、とね。
この短編集も何気に幅広い芸風で面白かったです。この多彩な芸風があるからこそ、「ヒナまつり」は6巻にしてさらにギアを上げる事が可能だったのかな。
もちろんギャグなんて人によって笑いのツボは違うだろうけど、「ヒナまつり」6巻はかなりキテるね。
個人的には29話「超能力少女」、30話「がんばれ仁志くん」、32話「血と暴力と金に飢えた男」から続くEXTRA「組とマスコミと子に泣いた男」が腹筋崩壊を起こすレベル。特に32話~EXTRAは今まで最高に笑ったわ。瞬殺されました。
ギャグ漫画というのは最初の勢いでガツンとやられるようなものである。
ノーガードでくらうから大笑いするわけ。はじめは不意打ち食らったように笑いまくるんだけど、ある程度話が進み巻数を数えると、読者もこれはこういう芸風という認識で構えちゃうわけです。だから最初に比べれば破壊力が落ちるという印象になるのです。
それが「ヒナまつり」は6巻にして、読者が構えてるガードを掻い潜り強烈な一撃を放ったのである。素晴らしい!
「ヒナまつり」面白いです。
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