マガジン読み切り「カッコウの許嫁」（吉河美希）が最高のラブコメだった件！

 

＞2人の運命がまさかの交錯！？

 

今週のマガジン（2019年43号）に吉河美希先生の読み切り「カッコウの許嫁」が掲載されました。これがめちゃくちゃ面白かったです。良いラブコメだ。

 

吉河美希先生といえば最近は悪魔と天使の社会人や吸血鬼家族の読み切りも面白かったのですが、個人的に「カッコウの許嫁」が一番心の琴線に触れる。なんかニセコイの1話を彷彿とさせる感じ。つまり見事すぎる導入ってわけですよ。1話目として完璧でもあるので連載希望です。

 

俺が俗に言う「取り違え子」だと発覚して1ヶ月

お互いの両親の計らいでいよいよ教、初の面会日を迎えていた

 

※マガポケなら無料で読めます。

 

主人公は名門進学校に通う海野凪（16）。

 

事件は16年前に同日に同じ病院で生まれたもうひとりの新生児と取り違えられたことに発する。そのまま血の繋がらない親に育てられていたのですが1ヶ月前に「取り違え子」だと発覚して本当の両親と面会することになります。

 

凪はあまり乗り気がしていません。

そりゃ16年間も海野家で育ったわけですからね。

 

例え血がつながった本当の父と母であろうと、今さら更新しい親を受け入れるのには抵抗がある様子でした。とりあえず面会だけして海野家でこれからも暮らすと心に決めています。

妹の海野幸

やだな…お兄ちゃんいなくなったらやだよ…

 

「カッコウの許嫁」で刮目すべきポイントは妹の存在なり。

お兄ちゃん大好きっぷりが随所に伺えます。名妹の予感。

 

兄の凪が海野家の本当の子でなかったわけで「あっちの家の子になるわけ？」「お兄ちゃんが別の家の子だったなんてねー」と寂しがり泣いちゃったわけですよ。どんだけお兄ちゃん大好きな妹なんだよ（笑顔）。

 

ただ、この幸の反応はこれから大いに変化することを含んでいるからすごい。だってですよ！ついこの間まで大好きなお兄ちゃんは血の繋がった家族だと思っててわけですよ。それが血が繋がらないと発覚したら…。

 

私がこの漫画を連載希望と言うのは幸が化ける可能性が高いからなり。家族として好きから男と意識する変身が絶対あるはずだ。これはヒロインとしても第一線で戦えるってわけだ。主人公が血の繋がら子ならば義妹キャラは必ずいる。そして惚れる。これはもう世界常識です。あくまで我々の世界の常識ですが。

 

いいね！見た目と設定だけで御飯3杯はいける。

これは絶対連載させなきゃ！妹の幸の変身が見たい！

出会う2人

天野エリカ

 

なるほどね。あなたは取り違い子問題で私は許嫁問題…

お互い家族の問題を抱えてたって訳ね

 

実の両親との面談に向かう途中にひとりの少女・天野エリカと出会います。自殺してると勘違いして止めたら胸を揉むなどお約束を外さない。事情を聞けば、彼女は16歳にして親から結婚相手を決められて炎上騒動を起こそうとしてたそうな。

 

ま、この時点で私は彼女が取り違え子のもう一方の家庭の子だなってピンときましたけど。ひょんなことで知り合った2人ですが、許嫁と結婚するつもりのないエリカは凪に彼氏のフリを頼むのでした。

 

とりあえず彼氏とのツーショット写真を撮って親に見せて彼氏いるから許嫁と結婚無理と説得する方向になる。色々な写真を撮る中で名言が飛び出したりするから侮れません。

その時の「空気感」

自然に見える

 

写真ってさ…その時の「空気感」が伝わるのがいい写真だと思ってて

気候とか匂いとかそういうのだけじゃなくて、撮る人や写ってる人の気持ちを含めてそういうのが「空気」

 

なんだこの名言…。

なんてことないコメディと侮ってたら刺さる名言飛び出しちゃった。加工してないありのままの自然体の写真は最初に撮った1枚。

 

で、紆余曲折カップルのフリ写真を撮って、結局、最初に撮ったツーショット写真が一番自然で仲良さそうってことで親に「実は彼氏いるんです」と最初の写真を添付して送ります。父からは「面白い冗談だね（笑）」という返信。

 

ニセカップルだと見破られたと思ったエリカでしたが、ラストでは「面白い冗談だね（笑）」というのはまったく違う意味合いだったことが分かる。裏を返せば最初の写真はとても自然で彼氏と彼女に見えたってことでもある。出会ったばかりの2人がね。この辺の機微が上手くて美味い。

最高の「お約束」

お約束という名の最高オブ最高

 

結局、エリカと凪と彼氏のフリ作戦はできませんでした。親が決めた許嫁と結婚するしかない…というわけでなく、凪とのドタバタで結婚相手をぶん殴ればいいんだって結論に達します。

 

お別れするやり取りがまたいいんだ。

お約束すぎるぐらいベッタベタなんだけど、それがいい！

 

もう二度と会う事ないだろうから言っておく。私…こんなだから友達とかいなくてさ。それになんだかデートみたいで楽しかった…。結婚相手が凪くんだったらよかったのにな…！なーんて！

 

たまんねーな！

なんだかんだで仲良くなった天野エリカから結婚相手が主人公だったらよかったのに発言よ。これお約束。これベタベタ。これ至高なり。

 

「それはこっちからごめんだな」は結婚相手が凪だったらよかったにかかってるのか、冗談で済まそうとした「なーんて」にかかっているのか。やっぱ後者だよなぁ（ニヤニヤ）。

 

そして多くの読者が途中で察したように「お約束」を裏切らないのが「カッコウの許嫁」の素晴らしいことでしょう。テンプレとも言えるけど、テンプレってのは言い換えれば長年愛された伝統の味のようなものです。

 

変に新しさを追求して奇をてらうのも有りだろうけど、こういう伝統の味を現代にブラッシュアップしてあぁ…やっぱりうめーっす。

これは連載すべき！

君と取り違え子になってしまった娘のエリカだ

（許嫁の相手でもある）

 

ニセコイの1話を思い出すな！案の定エリカの結婚相手は凪でした。凪には勝手に親同士が結婚決めてたことを伝えず、エリカは赤ちゃんの頃に取り違えたことを知らせてなかったという。あまりのもテンプレである。

 

だがそれがいい。

それでいいので。

 

別にそのまんまってわけでないしね。

五等分なんてトレースオンやってのけたから。

 

最近は五等分が丸々パク…もといニセコイをまんまというか踏襲してたのも記憶に新しいところでしょう（←これよく炎上しなかったなってぐらいそのまんまだったからね）。そんな偉大なニセコイも高橋留美子作品のパク…じゃなくて現代版にブラッシュアップしてたわけですしおすし。

 

こうやってラブコメは進化していくんですよ（感動）。

 

そんなこんなで我らの臨むものを見事に提供してくれた。読み切り漫画として100点満点中で10000点の出来といっていいのではないでしょうか。とりあえず殴るって決めて本当に殴ったのもグッド。

 

だ・け・ど！

 

読み切り漫画として100点満点中で10000点の完成度だけど、これが連載1話だったとしたら？100点満点中で1000000000000点の出来ですよ！ラブコメの導入として完璧すぎるんだよなぁ。「この後は…」って読者が期待しちゃうんだよなぁ。

 

け…結婚！！？

 

はじまりすぎだろ！

 

親4人が「実の子」も「育ての子」も大切なんで2人が結婚すれば2人とも自分の子やんか！って理論で勝手に結婚を決められてたと。最高か！出会ったばかりの2人はお互い同じ境遇と知らずに含みを持たせて惹かれ合ってたのも旨味が絶品だ。

 

これはもう連載させるっきゃナイトですよ！

読み切りで終わってほしくないなあ。

 

惹かれ合って両思いっぽい感じで許嫁になった凪とエリカ。そして海野家で実兄だと思ってたのに義兄だと知ったお兄ちゃん大好きな妹の幸。三角関係としての下地が完璧すぎる。これはマジのガチで連載でじっくり読みたいって！最高の1話でもあるもん！

 

「カッコウの許嫁」は天下を取れるラブコメのポテンシャルがある。

これをただの読み切りで終わらせるべきでないと思いまーす！頼むぞマガジン！連載だ！

 

＜連載はじまりました＞

マガジン新連載『カッコウの許嫁』が期待大な件！ 妹の幸が最高に可愛い！名ヒロインになる予感！

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