『SINoALICE ーシノアリスー』のプレイレビュー記事です。
最近ガッツリ『NieR Re[in]carnation(リィンカネ)』にハマっており、ニーアシリーズを作ったヨコオタロウ(横尾太郎)氏のゲームをポロロッカしてみた次第です。
『SINoALICE ーシノアリスー』レビュー
オーソドックスなRPG
ゲーム自体はオーソドックスなRPGです。AP(スタミナ)消費してステージ制でバトル(3~5WAVE)。横スクロール型の戦闘となっています。
画面下にある武器カードをタップして攻撃する簡単操作。攻撃するとSPが現象しますが、時間が経過すると回復していきます。
召喚(ナイトメアスキル)で攻撃力上げたり、武器カードなくなったらSP消費で再配置されたりと楽しめるバトルとなってます。楽ちんオートも常備。
後発組の救済措置はいたれりつくせりなので今からはじめても最初jから鬼強でサクサク進められます。
戦略性などバトルも楽しい
けっこう戦略性もあります。
3つの属性があり、火は風に強く、風は水に強く、水は火に強い。逆だと耐性にもなる。これがめっちゃ大事で、敵によっては途中から耐性属性攻撃ほとんどダメージ通らいってのもザラです。
- SP消費のバトルカードシステム
- 召喚(ナイトメアスキル)
- 3属性の有利不利
バトルの戦略性はなかなかどうしてよ。
メインストーリーで操作するのは自分ひとりだけ。CPU(他プレイヤー)が4人助っ人として一緒に戦ってくれます。バトルの醍醐味はフレンドと共闘するイベント戦。5人のリアルタイムバトルとなっています。
んま、『シノアリス』のキモはゲーム性よりも独特の世界観や雰囲気や気になりストーリーでしょう。
独特な世界観と雰囲気
『シノアリス』最大のウリは闇の深さに尽きる(と思う)。可愛らしい絵柄の萌え萌えキャラからは想像できないほど闇が深い。(多分)救いが無い。
ざっくりした大まかのシナリオは、「ライブラリ」と呼ばれる本の蔵書空間で童話のキャラ(アリスとか赤ずきんとかピノキオ)が作者を蘇らせるために殺し合いをするという殺伐としたダークファンタジーです。
狂言回し(チュートリアルなどで色々と教えてくれる)のキジンとアンキって人形も含みを持たせており、各童話の主人公の物語をオムニバス形式で進めていく。
この物語が途中から(いや最初から)匂わせるというか分かるんだけど、ぶっちゃけ闇しかない。救いがない。光がない。これ絶対にバッドエンドしかないやんか!
例えるなら90年代2000年代のエロゲーマーの猛者のような、地雷と分かってて踏みにいくような気概が求められる。いや、『シノアリス』は地雷じゃないですよ。面白いRPGですよ。ただ、爽快感とか充実感とか幸福感を味わうゲームでは断じて無い。
約束されたバッドエンド
うーん…これ絶対に大団円の「めでたしめでたし」にはならないやつよなぁ。
童話のキャラ同士で殺し合いして勝者の作者を蘇らせると言われましても、勝っても地獄行き(バッドエンド)は約束された勝利のラストであることは想像に難しくない。
まだクリアしてないので知らんけど。でも、このヤバイというか闇的な「世界観」「雰囲気」「シナリオ」こそが『シノアリス』の…いやヨコオタロウゲームの最大の魅力なんだろうなぁとは分かる。
ヨコオゲームを論ずる
【シノアリス】【リィンカネ】の2作しかやってなくて論じるのもアレですけど、ヨコオゲームとはムナクソ悪くなるけどそれが刺さるに尽きる(と思う)。
プレイ後に「愛だ!」「友情だ!」「世界を救った!」といった王道的なカタルシスは微塵も無いでしょう。
世界観や設定が楽しいって刺さるプレイヤーは自分のゲス度を可視化するようなものですわ。可哀想な目にあってて可哀想だねグフフ(愉悦)…って闇を抱える者が真に味わえ堪能できる料理ですよ。
例えるなら太宰治(小説家)です。庵野秀明(アニメ監督)です。押見修造(漫画家)です。ゲーム界の太宰治・庵野秀明・押見修造というべきがヨコオタロウ氏なのだろう。知らんけど。
「闇」部分で共感させる
色々とヤベー感じで「闇」を抱える現代人にぶっ刺さるゲームという印象。太宰治・庵野秀明・押見修造は自分の「闇」「恥部」をさらけ出すことでレジェンドになったわけで、ヨコオ氏のゲームもそれに近い。
そもそも複数社絡んでシナリオや世界観にも沢山の人が関わるゲームというジャンルに作家性といった内面が反映されるかどうか知らんけど。
漫画や小説や映画と違って、「○○氏の作品は~」って語るべきなのか謎で微妙なジャンルではあるけどね。突き詰めれば己の内面のドス黒いところを共感して貰うって作風かなと。
『SINoALICE ーシノアリスー』レビューまとめ
そんなこんなで『シノアリス』のレビューでした。
間違いなく続きが気になるダークなストーリーで惹きつけてくれる。キャラも魅力的で育てるの楽しいです。ダークファンタジーなシナリオを楽しむのに最適かなと。