『ナナとカオル』(甘詰留太)18巻読了。
最終巻である。これにて『ナナとカオル』は完結です。幼なじみの男女が「息抜き」という名でSMするって設定で最初は出オチなんじゃないかと思ったものですが、気付けば8年間もの長期連載となりました。お疲れ様です。お世話になりました(←?)。
カオルは沖縄、ナナは勉強合宿へ。ナナの前には、どこかカオルを感じさせる男が現れる。その男もSMの嗜みがあるようで…ナナとカオル、ふたりが向かう道とは!?青春SM漫画の金字塔、完結巻!
ついに完結か…(しみじみ)。
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この漫画は息抜きと称してSMする描写の数々が身体の一部を熱くさせたけど、同時にピュアすぎるナナとカオルの青春ラブコメでもありましたからね。例えるならば、2人の関係はスーパーサイヤ人になれるけど舞空術が使えなかった孫悟天みたいなものです。
※追記、以下のコメントを頂きました。
ひとつだけ疑問なのですが、単行本7巻における予餞会のための化粧時のあれはキスにはカウントしないということでよろしいんでしょうか
!?
7巻第54話「ナナの仕返しと誤算」
これはキスしてましたわ…。大変失礼しました。
「おとなはウソつきだ」と思った少年少女のみなさん。どうもすみませんでした。おとなはウソつきではないのです。間違いをするだけなのです。
色んな意味で順番や過程がバラバラだったけれどじっくりとねっとりと絆を深め合ったきたナナとカオル。いよいよ完結です。ま、両想いなのは明らかでしたけどどう終わらせるのかってのに括目していました。賛否あるかもしれませんが個人的には大満足だったかなと。ナナとカオルは2人とも最高でござった。
『ナナとカオル』完結である
ナナ
ナナはめがっさ可愛いな!
舘さんが好きな男の名前を聞いた後の反応である。「しっ知ってるくせにィ」と言ったナナが可愛いと同時に色っぽくて最高最高アンド最高です(にィがポイント高い)。顔を紅潮させて感情を高揚させて読者のハートをクリティカルヒットさせてくれます。
まあ、初期から両想いなナナとカオルですが改めて良いなぁって。ピュアな年相応な青春ラブコメのようでもあります。それなのに息抜きでSMするとかマジでスゴイよね。最終巻も含めて結局ナナとカオルはキスひとつしませんでした。『ニセコイ』だって最後キス決めたったのに。
少年誌ラブコメよりもラブコメとしては進んでないけどプレイは濃厚。このギャップよ。熱さと冷たさを併せ持つ天ぷらアイスみたいな味わいがあります。『ナナとカオル』はピュアなのに超ド級でエロかった事が特筆すべき点でしょう。見事なまでに純情的であり扇情的であり、ナナは愛くるしい可愛さとメスの顔を持っていました。
で、最終巻は物語をドラマチックに盛り上げるためにもうひとりのカオルともいうべきか、カオルの裏バージョンというべきか、カオルのヒール版の矢神清彦が登場してNTR展開に突入するのでありました。それを救出するというベタで王道なナナがぐうかっこ良かった。
ベタだけど良い救出劇
ナナ大ピンチである
矢神清彦はまあ超絶胸くそ野郎であります。
いきなり登場してラスボスでNTR展開というのは人によっては「う~ん」と思うかもしれないけど、個人的にはとても満足できる終盤の展開でした。
矢神清彦は見た目もキモさもまわりの扱いもカオルの裏バージョンって感じだったんですけど、実はナナと同類だったとい展開はビックリしたね。カオルと同類なんじゃなくてナナと同類か。臭いで分かったってものスゴイけど。故にSMの奥深さもあった(ような気がする)。
SとMという正反対の者同士の行為ゆえだからかもしれません。ナナと清彦が同類ならそりゃ合わんだろって。磁石だって同じ「SとS」「NとN」同士じゃ反発し合ってくっ付かないように。ナナとカオルは違うからこそベストだったんだなぁって思いましたね。
それにしても、ナナのカオルへの想いがぐう素晴らしかった。矢神清彦に向かって放った台詞は至言ですよ。「カオルの縄はあなたなんかよりずっと気持ちいいわ」「そしてあんたなんかよりずっっと強い!!」「私のSなんだから」はグッときましたね(胸に)。ナナの格好にもグッときたけど(身体のごく一部に)。
私のSなんだから
この一言にいかにナナがカオルを想ってるかが集約されてるよなぁ。カオルはナナを想うあまりに「S」に徹しきれないところがあったけど、それを踏まえてのカオルの縄は矢神清彦よりも「ずっっと強い」は2人のSMの関係を象徴するようでもあります。
『ナナとカオル』は精神的に強い結びつきあってこそのでしたからね。またナナを「堕ちる」と言う矢神清彦と一緒に「落ちる」と言うカオルの対比もグッド。自分はSMというジャンルは詳しくないけど、『ナナとカオル』を読む限り相手を気遣い合う姿勢にスポットが当たっててこれがSMなのかと感じた次第です。SMの本質は愛だったんだよ!はい。
愛だったんだよ
最終回「ナナとカオル」
終盤の矢神清彦による事件は強引なドリブルではあったけど、2人の絆を強調するための装置として見ればとても良かったんじゃないでしょうか。絵に描いたドSで、SMとは信頼と絆があればこそと再認識できました。
何より最終回「ナナとカオル」が読了後の満足度よ。最高でしたね。最後まで読んだ後に高校3年の夏休みを描いた『Black Label』を読むと、また違った印象があります。いやー素晴らしいラストでした。
『ナナとカオル』は甘詰留太先生の良さが存分に発揮されて傑作だったんじゃないでしょうか。甘詰先生って、まじでベストカップルを描くのが上手いんですわ。もうこの2人のカップリングしかないというかお似合いすぎるというか。ナナとカオルはとりわけベストなカップルでした。
また、甘詰留太先生といえば唇と鎖骨の拘りも半端じゃないですからね。世界で一番女の子の浮き出る骨を描くの上手い漫画家でもあります。最後までナナの魅力的な唇と鎖骨をありがとうございました!
すごい拘りだ
『ナナとカオル』の題材がSMなのも甘詰留太先生の良さがよりパワーアップしてたとも言えますね。特に縛るという行為が甘詰留太先生の拘りであり魅力であった鎖骨肋骨などがより生々しくなったのも特筆すべき点でした。
「女の子の骨に定評のある甘詰留太先生+緊縛=ありがとうございます!」
という奇跡の方程式を完成させたのであります。またナナの下で唇を舐める行為もまさに唇に定評のある甘詰留太先生の良さを存分に発揮していた。ナナめちゃくちゃ良いヒロインでしたわ。ふぅ。『ナナとカオル』はとても最高の作品でした。まる。
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コメント
いつも楽しく拝読させていただいています
ひとつだけ疑問なのですが、単行本7巻における予餞会のための化粧時のあれはキスにはカウントしないということでよろしいんでしょうか
!?
そうでした。あれはキスしてますね。
追記しておきました。ご指摘感謝です。