今週の『ワンピース』は休載です。
ジャンプの次回予告には「WCI編超佳境!!カカオ島から脱出なるか!?」と、本当にビッグマム編がもうすぐ終わることが示唆されてました。なんたって「超佳境」ですからね。
あとはサンジの作ったケーキを食べてビッグマムは気絶、ルフィとカタクリの決着、サンジとプリンちゃんが上手いことルフィを拾って、見事にトットランドから脱出!ジンベエが荘舵手として一味に加わって「9人目」のサブタイトル(どん!)ってとこかな。
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まあ、プリンちゃんはどうするのかとか(連れていきたい)、囮となってるベッジたちとか、ヴィンスモーク家とか気になることあるものの、「WCI編」のゴールは見えてきましたね。
その後のビッグマム海賊団がどうなるのか、ルフィは「カイドウを倒したら次はお前だビッグマム!」と言ってましたけど再戦しない気もする。分かんないけど。
というわけで、今回は「トットランド(万国)」について。
理想郷は実現するのか
夢の国を作る(868話)
ビッグマムの夢は全種族が平等に暮らせる夢の国を作ること。種族間の差別がない「みんな同じ目線で暮らせる国」である。マザー・カルメルが喜んでくれる国という動機でした。WCI編でも再三語られてました。
・「ママの夢なのさ!世界中の全種族が差別なく暮らせる国…」(827話)
・「おれの夢は…!世界中のあらゆる人種が『家族』となり同じ目線で食卓を囲む事…!」(834話)
本当はカルメルとんでもない人物だったし、そんな夢本人は持ってなかったでしょうが、ビッグマムは中途半端な形でユートピアをつ作るのでした。それが今のトットランドです。
建前だったとはいえカルメルの「種族間の差別も何もない、みんな同じ目線で暮らせる国」というのを完全に履き違えて理解してしまっていたのであった。
同じ目線?すてき!!
みんなが大きくなればいいんだ!!
差別の無い平等って意味で「同じ目線」を、物理的な意味で「同じ目線」と解釈し、みんなが大きくなればいい(物理)と結論するのでした。これは63年経った今でも間違って解釈してしまっている。
シーザーに巨大化の研究を頼むなど物理的に捉え、本人は実の子供すら平然と差別してしまうのがロックですね。「差別」「平等」の意味分かってない。「平等に暮らせる夢の国」「同じ目線で暮らせる国」ってそういう意味じゃねーから。大きさじゃねーから。
そんなわけで完全に建前だったとはいえカルメルの理念を履き違えてしまってる。ビッグマムの作りたいユートピア。物理的には無理っぽいけど、本来の意味で「夢の国」は将来実現するのでしょうか。自分はいつか扉絵で実現するのではと見てます。
理想郷は別の意味で叶う?
165話「作戦名ユートピア」
かつて理想郷を掲げたのがクロコダイル率いる「B・W社」です。「作戦名ユートピア」(165話)、「理想郷」(193話)とサブタイで理想郷を強調されてたました。
まあ結局、アラバスタ王国を乗っ取ることは麦わらの一味に敗れ「ユートピア作戦」は成功しませんでした。しかし!理想郷が実現しなかったのかと言えば、そうでもないんです。
というのも、その後に描かれた扉連載シリーズ「ミスG・Wの作戦名 ミーツバロック」がユートピアを実現させた「B・W社」の面々が描かれていました。最初にクロコダイルの説いた理想郷ではないけど、それは紛れもない理想郷。
411話扉絵「みんなで始めたNEWスパンダーズカフェ」
実現したユートピアである。
ちなみにスパンダーズカフェは尾田っちが大好きな映画『バグダッド・カフェ』をモデルにしています。コミック20巻のSBSでは以下のように述べておられました。
D:「スパイダーズ・カフェ」って、パーシー・アドロン監督の「バグダッド・カフェ」に出てくる風景に似てるんですが、イメージしての事ですか?
O:そうなんですよ。あの雰囲気が僕もたまらなく好きで。まあ、でも、あのシブさはちょっと少年漫画とはかけ離れたものなので、外観だけあんな感じで描いて一人で喜んでました。
バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版 (字幕版)
映画『バグダッド・カフェ』を簡単に説明すると、ラスベガスを舞台にした2人の中年女性の物語なり。異様に太った女性ジャスミン(ドイツ人)が観光でベガスを訪れ、「バグダッド・カフェ」で女主人ブレンダ(黒人)と出会い、紆余曲折あって、なんやかんででバグダッド・カフェが繁盛してハッピーエンドです。キモはデブ&手品なり!
ワンピ内の初代「スパイダーズ・カフェ」を『バグダッド・カフェ』の外観だけ似せて描いたと言いつつ、その後の扉絵連載で「NEWスパンダーズカフェ」はやっぱり荒野の立地で再スタートを切りました。ワンピの『バグダッド・カフェ』は完結してるのだろうかと。
ミス・ダブルフィンガーことポーラは、映画『バグダッド・カフェ』の女主人ブレンダをモデルにしています(間違いない)。さて、じゃあ訪れた異邦人のデブ女・ジャスミンの役は誰だったのかなって今更ながら思うわけです。ちなみにバグダッド・カフェが繁盛したのはジャスミンのマジックショーのおかげです。
当時のアラバスタ編を読むとデブ女はミス・メリークリスマス、手品は戦ったナミさんがやっていました。事実『バグダッド・カフェ』のジャスミンぽい。
デブ女 / 手品女
当時は『バグダッド・カフェ』におけるジャスミン役なのはデブ女としてミス・メリークリマスが担って、手品女としてナミさんの2人で担っているんだなって思っておりました。
そんなわけでワンピ内でモチーフにしたと尾田っちが述べた『バグダッド・カフェ』は、411話扉絵「みんなで始めたNEWスパンダーズカフェ」でハッピーエンドで終了なんだと思ったものです。
がしかし!しかしである!
最近「NEWスパンダーズカフェ」は繁盛しているのだろうかと思うことがある。「デブ」「手品」のジャスミンは、異邦人のジャスミンは、女主人ブレンダとまだ出会っていないのではなかと…。それはビッグマムの可能性が微粒子レベルで存在するんです。まあ、妄想に近い類ですが。
「デブ」「手品」 / 「店主」
ひょっとするとワンピ内における『バグダッド・カフェ』は異邦人ビッグマム(ジャスミン)と店主ポーラ(ブレンダ)が出会ってこそ完結するのでないかと思ったり思わなかったり。
もちろん、ビッグマムは四皇の一角なので、現在進行中の「WCI編」で陥落は無いでしょう。ケーキ食って気絶してルフィたちを取り逃がすと思われ。で、ルフィと再戦するにしろ、黒ひげに食われるにしろ、自称白ひげの息子ウィーブルかもしれんが陥落しそうな予感しか無い。
彷徨える未亡人は「バグダッド・カフェ」ならぬ「スパンダーズ・カフェ」にたどり着き…。尾田っちが「たまらなく好き」と絶賛したエンディングに繋がるような気がしてくるんだよなー。仮に扉絵で描かれるとしても遥か先でしょうが。
ユートピアは、理想郷は、2人のバグダッド・カフェは、「スパンダーズ・カフェ」に結実するんじゃないかって。最近読み返してて思った次第です。はい。
バグダッド・カフェ
異邦人が訪れ、手品&デブ女のおかげで繁盛したバグダッド・カフェのラストこそハッピーエンドでユートピアである。色んな人がイイ感じになる。尾田っちが「たまらなく好き」「心に残る」と評したあの結末を、ワンピ内でまだ拝んでないのかもしれんな。まる。
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コメント
レベルが高すぎる
ビッグマムの理想郷は、目線が同じ(物理)をはじめ間違ってる所だらけですが
クロコやドフラの作った理想郷と完全に違うのは、国民を騙してはいない所ですね
寿命を税金として徴収してますが、別に税金の無い理想郷は謳ってないですし
実際、様々な種族が差別なく自然に暮らしてはいます。巨人族だけ例外であとビッグマムの癇癪やコレクション趣味に触れない限りは、ですが
陥落してカフェのオーナーに落ちぶれなくても、ちょっと軌道修正すれば本物の理想郷に仕上がりそうな気がしないでもないような…
ドレスローザでの麦わらサイドはバトルシーンあったけど、こっちのメンバーはバトルシーンやらないまま終わってしまうんかね?
想像力膨らませすぎな気もするが、面白いね
間違ってるかどうかとか正しいかどうかとかは極論関係なくて
こうやって世界観広げる考察をしたり見るのが楽しかったりするよね
スパンダーズ・カフェがしゅごく気になる
たしかに考察とはかくありたいですね
スパンダーズ・カフェ…
スパンダムと関係があるのだろうか…
素晴らしい考察。
さすがのヤマカムさん。
すごい考察。
カタクリ戦決着したのに
「またビッグマムを倒しにくるのか?」byカタクリ
なんてビッグマム戦がいずれありそうな気配・・・。
と思わせておきながら
ガスティーユ(本名忘れた 人でなし)か
チョッパーの逆ランブルボールで
ビッグマムが小さくなって、みな同じ目線めでたしめでたしー♡
なんてオチに今回ならないよね?
マムがサンジのケーキに感激。
そこからの展開が浮かびません。
ナゾムズ存在忘れてたけど、今までどうしてて
今後どうするのでしょ。
↑ここにしたり顔でネタバレ書くとか頭がどうかしてるんじゃないかお前
「バグダッド・カフェ」好きだった自分にはとても嬉しい考察でした!すごい!
画家のおじさんポジションでミス・GWと仲良しになったりしてほしい