ヤンジャン新連載『相席いいですか？』が期待大な件！これは濃厚な百合の波動があるぞ…！

 

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今週のヤングジャンプ（2023年50号）から『相席いいですか？』（河上だいしろう）という新連載がスタートしました。

 

百合なのかな（ただの日常漫画の可能性もありますが）。ソフト百合ともいえないながら良い感じのキャッキャッウフフがありました。期待大です。

 

※ヤンジャン！なら無料で読めます。

 

椿さんと桃子さん

そういう所です

 

キャリアウーマンの椿さん（下の名前は1話時点では不明）は、新人教育を任されて2週間。新人が辞めたいと言い出すのです。一緒に仕事は出来ないと。

 

なぜなら彼女は超理詰めマンで、何事も細かく洞察して一気にまくしたてるトークで「分かるでしょ？」みたいなノリで接してくるのです。

 

温かみが無いとか言われてしまう。無機質なのです。あとかなりコミュ力弱いです（コミュ症ってわけでなく一方的に話す）。

 

新卒分からん！と悩む中、ランチで10年通ってると行きつけの飯屋で相席をお願いされる。相席になった方は号泣してるのであった。

 

お邪魔します…

 

相席の相手はカフェでバイトする女子大生の桃子さん（1話時点で苗字不明）。かなりのドジっ子でバイト先で失敗ばかりする子です。仕事まったく出来ないけど超コミュ力高く、誰とでもすぐに打ち解けられる。

 

 

正反対の2人が相席で出会う！

正反対なのにお似合い？

相席で出会って早々、席を変わろうという椿さん。

その理由は以下の通りです。

 

あなたBランチだよね。私Aランチだから同時に注文しても出てくるのは私の方が早いから、食べ終わったらすぐ出れるし、食器も手前にあるから店員が下げる時、楽でしょ。荷物もソファー席だと横か窓奥に置けるから妨げにならないし。あとそっち側だと左が壁だから左利きの人食べにくいと思うよ。まぁ左利きってのはあくまでスマホのフリック入力見ての推測でしかないし食事の利き手がまた違うなら—…（1話）

 

「ぽっかーん…」←読者＆桃子さん

 

そういうところだぞ！

 

椿さんは部下に接するようにマシンガントークを理詰めで一方的に言い出す。本人も「…あっ」「またやっちゃった…」と失敗したと思うのですが、桃子さんの反応はまったく別でした。

 

すごい！

 

桃子さんは素直にすごいと満面の笑顔で尊敬してくれたのであった。少しの時間でそこまで気付くなんて天才とヨイショしまくり。

 

あー！これあれじゃん。尊さを引き立てるお互いが足りない部分を補う2人…って関係じゃん。正反対のようでお互いが求めてた…埋め合わせるような、そういう「良さ味」が詰まってる。

 

また、桃子さんの何度も見せるアホの子のようなパーって天使の笑顔は本当に良かったです（小並感）。癒されると言うか、この笑顔を見てると元気になれる。そんなフェイスフラッシュです。

完成度高すぎる1話

椿（この子を見習えばコミュ力を鍛えられるのでは—…！？）

桃子（椿さんと友達になりたい—…！！）

「「あの」」

「「相席いいですか！？」」

 

えんもーっ☆

 

1話にしてタイトル回収してしまった。その手管はよく出来た読切漫画のようで、これ連載1話目なのに「良い最終回だった…」と満足度高いものとなってる。お互いが相手を必要としてる様子も素晴らしい。

 

また、最初は椿さんの視点で描かれてたのに途中から桃子さんの視点に変わってる両面主人公の群像劇場になってるのも面白いところ。ちょくちょく挟まる顔芸含んだギャグも良いし、良い意味で何の説明も無いのも刺さる。

何の説明もない

最近のヤンジャン（に限らんが）新連載でも、1話目はキャラや世界観の説明がデフォです。四角で囲って名前などのプロフィール出したり、これはこういう世界や設定って説明があったり…。

 

『相席いいですか？』はそんなん一切無い。いきなりシチュエーションがはじまって2人が相席して出会って、ちょっと惹かれ合った。だから2人の本名なども分からん。やり取りとモノローグのみで、読者が察していく形。

 

椿さんにしたら、10年以上飯屋に通ってるなら30歳以上なのかなとか。桃子さんは大学1年生で両親に「元気ですか？」ってモノローグなので一人暮らしなのかなとか。そういう一つ一つの会話で世界観と設定を埋めてく。

 

これは噛めば噛むほど味わい深くなってくヤツやで！何度でも読み返して楽しめるし、もしかしたら読み返すたびに発見があるかも。

百合の波動がある（気がする）

バ…バイト頑張っ—…て！

 

えんもーっ☆

 

相席した2人が運命の出会いした感じも何かお互いが惹かれてる様子が素晴らしい。表情などの「間」が絶品なんよね。

 

これが百合漫画かは何とも言えません。

でもあえて主張する！これは百合だ！

 

ヤンジャンの百合（レズ）ってジャンルは『HEN』まで遡るし。あれは女同士のエッッを主観においてたので、関係性の繊細さを掘り下げるのは初かもしれん。知らんけど。

 

 

そういう意味でかなり歴史的なチャレンジャー作品じゃなかろうか（相席して駄弁る日常漫画が展開さるかもしれんけどね）。でも1話にして百合の波動がビンビン伝わってくるんじゃ。

 

…誰かとランチしたのいつぶりだろ

ちょっと楽しかったなぁ…

 

えんもーっ☆

 

偶然の出会いがお互い「楽しかった」と噛みしめて、ちょっとメス顔してるのが読者の妄想を駆り立てる。「交錯する想い」ってのがパンポンに詰まってる。まさにエモーショナルなほのかに甘いフレーバーが漂ってます。

 

まあでも、一番のミソは「癖」に刺さることなんですがね。

 

椿さんのいわゆる「間」の描写が神ってる。

一挙手一投足に魔力が秘められる。

 

たわわなのは明らかだし、ちょっと読み進めるのを止めて扇情的すぎる描写をじっくり堪能できる仕様になってる。これはプロの仕事です。ほとほと頭が下がる。あ、これはこれはご丁寧に豚にエサをくれてるんですね…。

 

あくまでも2人の関係性を掘り下げるテイで、小宇宙（コスモ）を爆発させるど真ん中に扇情的な描写を随所にぶっ込んでる。

 

一件、日常系のランチタイムで女の子同士が駄弁る作品だが、両者惹かれてたり、かけがえのないものになってたり、メス同士のアレコレを感じたり、えっちぃものがあったりする濃厚な隠し味がある。こいつは期待大です！

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