なんだかなぁ…。
もちろん商業誌なので売れなきゃいけないのは理解できる。できるんだが納得いかないんだよなぁ。先々週『RYOKO』が終わり、今週『アノナツ-1959-』が終わりました。来週『探偵ゼノと7つの殺人密室』、再来週『水女神は今日も恋をするか?』の終了がアナウンスされてます。
一気にサンデーの入れ替え時期である。個人的に、サンデーってジャンプやマガジンと違ってじっくり連載させるというか、人気なくても「様子見する」雑誌で短期打ち切りをあまりやらないイメージだったんで、ちょっとビックリしてる。
『アノナツ-1959-』
週刊少年サンデー32号に「アノナツ1959」最終話掲載させてもらってます。短い間でしたが、ありがとうございました! pic.twitter.com/7vphzIlCOe
— 福井あしび (@makoXmako) 2019年7月10日
『アノナツ-1959-』(福井あしび)は全26話で終わってしまった。
個人的にはもうちょっと「様子見」して欲しかった作品だなと。
タイムスリップ野球漫画
1話
主人公の拝郷ナツが60年前にタイムスリップする野球漫画なり。
あと1イニングで法宮高校野球部は60年振りの甲子園出場って県大会決勝戦の試合途中で豪雨に見舞われ中断。カミナリが落ちたと思ったら60年前にタイムスリップしてしまうのでした。ナツは1年生エースでデータや変化球を駆使する頭脳派ピッチャー。
この設定がすごく面白かったんですよ。
60年前に法宮高校を甲子園へ導いたのはナツの祖父・拝郷正也で、お爺ちゃん子だったのもあって、まさかの祖父と同じ野球部で一緒に甲子園を目指すということになる。
現代野球選手が昭和時代へ
ここは1959年7月24日の埼玉県大宮よ。
野球は進化してますからね。
ちょっと前の甲子園は140キロ投げる高校球児がいれば剛腕投手と呼ばれプロ注目だったのに、松坂世代以降は150キロがデフォの投手ばっかで、最近は150キロ後半とかがゴロゴロいます。変化球も多彩。
高校球児のレベルはものすごい進化してる。2019年の甲子園まであと少しのナツもかなりのレベルの投手でしょう。
また、令和の現代野球に比べて昭和野球との違いを描くってのも斬新だったわけです。データなどを使ったり、この時代には一般的でない変化球を使ってみせたり60年進んだ野球を体現する…のは始めだけだったけど。
これからだろ!
昭和の高校野球という…地獄の入り口
ナツが60年進んだ野球の凄みを見せたのは本当に最初だけ。この時代の道具にも慣れてなかったのもある。まあ、スポーツ漫画の醍醐味であるカタルシスはほとんど無くて昭和の理不尽さと古臭さにスポットが当たってたのは事実。
でも、これだっていつかくるナツ無双の「溜め」だったと思うんだよなぁ。徐々にではあるが、ナツも戦後の昭和野球に慣れつつあったからね。慣れりゃあ、良く言えばおおらかな、悪くいえば雑な昭和野球で無双して最高のカタルシスを味わえたんじゃないかなと。
結局、60年進んだ現代野球のすごさをあまり見せることなく練習試合を1つやっただけ(しかもナツの途中降板…打ち切り決まったのかな)で、現代に戻って打ち切りになった。やっぱりもうちょっと「様子を見て」欲しかったのが正直な感想です。
むしろ、面白くなるのはこれからってところじゃん。
昭和野球の環境に慣れた上で、ナツが無双する投球を見たった。最高のカタルシスを味わう「前振り」だったよ絶対。その段階で終わってしまった感は拭えないですね。
サンデー作品なのに硬派…ヒロインいなかったのも、これからじゃん。
60年後も苗字が変わってない山口マネージャー
山口後援会会長がマネージャーしてた若い頃はヒロインになれたかもしれん。あの婆さん苗字変わってなく独身っぽかったし。60年前も「山口」で60年後も「山口」なのは、独身だった「振り」だと思ったもん。
むしろこれナツのラブコメ相手のヒロインにする予定だっただろと。わざわざじっちゃんは別の人と結婚してるばっちゃんがいたからね。山口マネージャーと時代を超えたラブがコメる展開を期待してたのに…。
本当にもったいない。もっと見たかったわい。
ドラクエ風にいえば「ここで打ち切るなんてとんでもない!」ですよ。
作者が温めてたもの(妄想)
拝郷正也の弟?
あと、これはただの想像で妄想なんだが『アノナツ-1959-』は一つギミックを用意してたと思う。2019年の人間が60年前にタイムスリップしても天涯孤独にならなかったのは、祖父の拝郷正也に弟がいてナツがそっくりだったからなり。
これは1話から語られた、満州で亡くなったらしい拝郷夏輝というじっちゃんの弟とナツがそっくりで一目会った瞬間に弟が生きて帰ってきたと受け取られたからなり。火事で燃える中で離れ離れになったようなカットが初期は随所にあった。
おっさんでるーみっく読者ならすぐに「お、これは!?」となったのではなかろうか。
なるほど…
そういう事か…
読めたぜ…完全に!!
(↑ナツが生き別れの弟にそっくりだと知った読者共)
これはアレをやりたかったんじゃないかなぁ。
高橋留美子先生の傑作短編「炎トリッパー」である。
色褪せ縫ぬ大傑作なので若い人も是非読んでほしいものです。
で、この「炎トリッパー」は女子高生が戦国時代にタイムスリップして一人の男に保護されるわけですが実はこの男も現代からタイムスリップしてきた近所の子と判明する。主人公のJKも実は…という。すごいギミックだらけで舌を巻いて感動した結末の名作作品なり。
つまり、『アノナツ-1959-』も同じように、実はナツは本当に満州で死んだとされる拝郷正也の弟・夏輝で未来にタイムスリップし成長してから本来の時間軸に戻ってきたのではないかと見てたんだ。そういうギミックが後で判明する「つくり」だったんじゃないかなぁと。いや知らねーけど。
そんなわけで、これから面白くなるんじゃないかと見てただけに、終わってしまった残念すぎる。もうちょっと「見て」ほしかったですねぇ。もったいない。
無料で読めます
ちなみにサンデー公式アプリ「サンデーうぇぶり」なら『アノナツ』が基本無料で読めます。
23時間回復チケットに加えてコインを購入すればお得に一気に読めます。サンデー本誌もリーズナブルに購読できます。
【基本無料で読める作品】
・らんま1/2
・湯神くんには友達がいない
・だがしかし
・初恋ゾンビ
・H2
・タッチ
・名探偵コナン
・かってに改蔵
・史上最強の弟子ケンイチ
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コメント
よっぽどスタートダッシュがうまくいかなかったのかはわからないけど、自分も楽しみにしてたから残念
無能スパルタ監督とかどういう処理をされるのか気になってたのに、試合途中から存在が消えてたし・・・もう打ち切りが決まってたからだろうけど
いや正直つまんなかったから打ち切りは当然かと
昭和野球と現代野球の対比って設定は面白かったと思う
多分昭和の時代のことが今の時代の読者に受け付けられなかったんだろうなあ
暴力監督だって今だから異常に感じるけどあの時代監督が選手を殴る体罰なんて普通だったしスパルタも当然あった。
そういうにが見てて嫌だって人は多かったんでしょうね。
いや別に昔の世代もスパルタ体罰が好きだったわけじゃないからね。それが当然だったから仕方なく従っていただけ。今の世代云々の話じゃないよ。
だから打ちきりになるのはある意味当然の話だね。
最初の1話2話くらいは期待持てたんだけどなあ
面白そうな設定に作者の力量が付いていけなかった感じ
本作は読んでいないのですが、この時代の人が1959年と西暦で日付を語るのは、大いに違和感を覚えます
(特殊な理由がある場合は、ご容赦願います)
それは読者に分かりやすく伝えるための漫画的表現でいいと思う
時代劇でこの時代にこの言葉は云々とか言ってたら見てられない
水女神終了~ってここの記事で、これこそ今のサンデーっぽい作品だからヒットしそうとおもったのだけれどダメだったのか。ラインナップみてもベテランばっかりでサンデー苦しそうだ。
これはWeb移籍でも良かったんじゃないかと思う
サンデーで野球物は大先輩がまだ現役で頑張ってらっしゃいますからね・・・
あっちはあっちで「お色気厨房漫画」だの「着替えメイン野球おまけ漫画」だの
色々言われてますがそれでも一定の面白さはありますし壁は高かったと言う所でしょうか
新風にサンデー連載陣の風通しを良くしてほしかったのですが
残念でした
女子中学生の着替えや色気シーンばっか注目されて肝心の試合は面白くないし、この漫画も頑張って欲しかった。
サンデー本誌でやったのが間違いだったのかも
裏で読みたい
特にサンデーで野球漫画はなぁ…
タッチ、メジャーというハードルあるからキツいっしょ。
これ、ナツが無双しちゃ駄目でしょう。歴史に干渉するから。あくまで切り札でなきゃ。
終わり方としては、夢かと思っていたけど、祖父がほんの少し健康になっているという変化が、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」みたいで良かったな。分量としても、映画一本程度だし。
個人的にはあまり面白くなかった
溜めの部分だったとしても、その溜めがあまりにも面白くないと流石に打ち切りは致し方ないかなと
設定倒れだったんだよなぁ
肝心の話がまあつまらん…
そもそもスポーツ漫画自体が時代遅れだしね。偏見があった昔と違って今はスポーツなんて簡単に出来る。よほど面白くないと誰も見ないよ。
黒子やハイキューのヒットで勘違いしちゃったのかも知れないが。