『ブルーピリオド』超お勧め漫画!青の肯定からはじまって青を受け入れて終わり…ではない!?

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泣いた!震えた!燃えた!

こんなに感情をグラグラ揺さぶられるなんて…。

『ブルーピリオド』(山口つばさ)を一気に6巻まで読んで、何度も泣いて幾度も胸に熱いものが込み上げて感情がヤバイことになっております。実は私読んでなかったんです。未読だったのは人生大損するレベルで大傑作じゃないですか。

前から友人のトルド氏に勧められてたんですけど、なかなか手を伸ばさなかったんですよ。この前も改めて「絶対に読んだ方がいい」って強調されたので、まあ読んでみるかって読み始めたらヤバイことになった。ここまで感情を揺さぶられるのは久々です。超おすすめだった。

成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!

<試し読みできます>

ブルーピリオド/山口つばさ - モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ

『ブルーピリオド』

心に刺さりまくる名言の数々

一筆目「絵を描く悦びに目覚めてみた」

主人公の矢口八虎は成績優秀で不良グループに所属しており毎日楽しく過ごしていました。ただし、周りの空気を読んで合わせる事に長けてるだけで、やりたいことも無い空っぽの人間でもありました。そんな彼が絵の魅力にハマって東京藝術大学を目指す物語なり。

受験漫画であり芸術漫画でありスポ根漫画です。

八虎の人生観を一変させる出会いは一枚の絵。

美術部に所属する森先輩の絵を一目見て心を奪われてしまうのでした。

「やべぇ…」「うわぁ…」「美術部の絵か?」「すげえ」「…あれ?なんで隣の人緑色なんだよ妖怪じゃん」と大感動。森先輩と話す機会があり、努力って点に共感して先輩のコメントで何かが開けるのでした。そして美術の授業の課題を描いてて楽しいと気づくのでした。

渋谷の空を描いてみた

「美術は面白いよ。文学じゃない言語だから」

その時、生まれて初めてちゃんと人と会話ができた気がした

他人に合わせてばかりだった主人公が絵を描くことではじめて人と会話ができた気がし、描いた絵が褒められて胸に熱いものが込み上げてくるのでした。

魅せ方というか名言がぶっ刺さりまくる。1話だけでも「手放しに才能って言われるとなにもやってないって言われるみたいでちょっと」「好きなものを好きって言うのって怖いんだな…」と響く台詞のオンパレード。

とにかく声に出したくなる熱い言葉がバンバン飛び出します。

・「好きなことは趣味でいい」これは大人の発想だと思いますよ(2話)

・頑張れない子は好きなことがない子でした(2話)

・好きなことをする努力家は最強なんです(2話)

・人は神(天才と認識した者)と比べることはできないから(4話)

・悔しいと思うならまだ戦えるね(4話)

何も無い空っぽの少年が本気で打ち込めるものを見つけるってだけなんですが、その描写や台詞やモノローグがめちゃくちゃ震えるんです。ドキドキ感がダイレクトに伝わってくる。

論理で描く

論理派

『ブルーピリオド』の面白いところは、才能とか感性が全てって印象がある芸術の世界を論理的に描くところ。下手くそな八虎がどうすれば上手く描けるのかってロジックで魅せるモノローグがあることだよね。

例えるなら『ベイビーステップ』の英ちゃんが近いかな。ロジック仕立ててで、凡人の素人がどうすれば上達していくのかって説得力満載で展開していく。八虎は高校2年から絵を描きはじめて、恐ろしい上達速度なのですが、めちゃくちゃ努力して考えているのが分かりやすく軸になってる。

だから、この上達速度は納得できる。しかし、冷静に考えればお遊びな部員を含めた美術部で一番ドヘタ、予備校でも一番下手くそだった男が短時間でのし上がる様は「天才」としか評価できない。

「努力」「天才」ってものを考えさせられます

4筆目「マジ神じゃない」

…アイツみたいなのを天才って言うんだな…。俺、自分に才能があるなんて思ったことないけど、でもここ半年でケッコー上手くなったと思ってたんだけど。俺さあ…ただの人なんだな…

予備校に通ってみたら八虎は自尊心を木っ端微塵に打ち砕かれてしまいます。予備校には2人の天才(と八虎が認識した)がおり、ここまでやってきたとか上手くなったってハートをズタズタに切り裂かれてしまいます。

『ブルーピリオド』は王道で「壁にぶつかる」→「その壁を乗り越える」ってのが流で成長していきカタルシスを得る作品です。その中でも特に「才能」というものは大きなテーマでしょう。「天才」と戦ったらどうなるのかである。

結論から言えば、「天才」なんていない(と自分は『ブルーピリオド』から受け取った)。少なくともいきなり持って生まれた才能だけで最強ってのは一人もいません。全員すべからく死ぬほど努力をしており、「結果」として天才とまわりから認識されるって一貫してる(と思う)。

すっげー絵を描くな!天才だ!って八虎は思うし圧倒される。現時点の結果だけでね。例えばイチローとかクリロナとかメッシは「天才」って称賛されてるけど、100%を超える200%を結果を出すまでに努力して人生スキル全てをぶっ込んでいたのはインタビューとかで明白でしょう。

そこに提示された「結果」だけで天才と持て囃すことより、結果を出す「まで」のアレコレが『ブルーピリオド』の面白味よ。濃厚に綿密に説得力あって「そして天才と呼ばれる」ような結果が後で付いてくる。

「過程」の大切さがキモです。

丁寧に描くからカタルシスがヤバイ。

カタルシスが半端ない

24筆「色づき始めた自分」

"努力と戦略"は俺の武器だと思ってもいいの?

『ブルーピリオド』の面白さはカタルシスがめちゃくちゃ味わえること。これに尽きる。

王道の「超えるべき壁が出される→それを突破する」の連続なんですけど、読者を飽きさせずどんどん夢中にさせるのは八虎が「ただのナメクジクソ雑魚に見せかける」ことがベラボウに上手いからでしょう。

八虎くんは6巻まで読んで「結果だけ」客観的に評価すればマジのガチで「天才」としか形容できないんですよね。しかし、八虎の視点で感情移入しながら読んじゃうもんだから、こんな凡人の下手くそがやってのけてるって最高のカタルシスが味わえる。

コレ、きっちり描かれてないけど、八虎からは(天才と)見てた高橋瀬田介も桑名マキも逆に八虎を「天才め~!」って思ってたんじゃなかろうか。知らんけど、それを匂わせる描写はけっこうある。自覚なき天才だな。

その辺の手法も上手ければ、絶望させたり失意のどん底に突き落とすことも良い意味で納得できるロジックなんです。ゆえに「失意のどん底に落とされる→前進む→頑張る→報われる」のループが大感動で鳥肌立つドラマチックの連続となっております。

凡人の才能無いと思ってる主人公の爽快なスポ根だよコレ!

読者を一緒に引っ張っていく

10筆目「言いたいことも言えないこんな絵じゃ」

もうひとつ『ブルーピリオド』の感情を揺さぶられるのは「迫力」「反応」で読者を連れて行ってくれるところです。

わいの好きな『ピアノの森』『BECK』『四月は君の嘘』といった音楽を題材にした作品にも言えるんですけど、「音楽」は音が描けないのに何度となく震えさせられました。まるで音が聞こえるかの錯覚。

なぜなら、演奏シーンや反応が「すごい…(語彙力ぇ)」って感動的だったからなり。

『ブルーピリオド』で味わうのも同じ感覚なんですわ。

なんか収録されてる上手い絵画一枚見ても、芸術心ない自分は絶対に感動しないと思うんですよね。だ・け・ど!『ブルーピリオド』だと背筋を震えさせられるわけです。

なぜなら、その絵を「見るまで」「見た瞬間」「見た反応」が圧巻の一言なんだもん。いつのまにか感動へして打ち震えるところへ読者も一緒に引っ張る表現力よ。その一連の「流れ」が、凄まじい熱量を生み出してハートをぶち抜いていくのです。気づくと鳥肌が立ってる自分に気づく。

「すごいもの」を見たので「すこい瞬間」に立ちあって「すごい感動」を味わう。これをキャラを通して読者にも純度100%で問答無用で共感させてくる。後で冷静にその絵だけ見たら、大した破壊力ないんですよね。数ページに渡る「流れ」で読者を引っ張っていき感動させる。これはスゴイよ。

ヒューマンドラマもすごい

プラス、友情だったり家族の話だったりライバルのアレコレをヒューマンドラマ仕立てでグッとこさせてくれます。胸に熱いもが込み上げてくること多数。鳥肌立てて「うおおおおお!」と叫ぶこと無数。ガチで涙を流すこと無限。

特に6巻はもう色んな感情ドッカーンってなる。

受験時のモノローグとラストの森先輩の言葉で「ブルーピリオド」というタイトルを回収してるのも芸術的だ。だかた6巻の表紙は森先輩なんだね(多分)。

1話

あなたが青く見えるなら、りんごもうさぎの殻も青くていいんだよ

1話…すべてのはじまりである森先輩の有り難い言葉である。スタートも森先輩の「青」肯定だもんね。

はじめて森先輩と話した「青くていいんだよ」をふと思い出しての閃きと、最後の最後で森パイセンの言葉は感動的でしたわ。青の世界からはじまって青でいいんだって受け入れてのアレコレは筋が通ってて素晴らしい。ピリオドじゃん!

これ続くのか。森先輩のおかげで「ブルー」で始まってピリオドまでいけたって印象だからね。ある意味タイトル回収してる『ブルーピリオド』でもあるのに。つまり、これはピリオドでなく「ブルーカンマ」だったんです!ピリオドがどうなるか楽しみ。

そんなこんなでめちゃくちゃ面白いです!ぶっちゃけ今年読んだ漫画で一番まである。感情がジェットコースターのように上がって下がって上がる大傑作なり。

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コメント

  1. 匿名 より:

    タイトルの意味、自分は勝手に青の時代、青の期間、即ち青春って感じの意味に捉えていましたがヤマカムさんのような考え方もあるのかと唸りました。
    いつも面白い記事を有難うございます。

  2. 匿名 より:

    いまさら取り上げられてもなぁくらいの作品だが、ヤマカムさんは最近になって読んだのかしら

  3. 匿名 より:

    確かに超今更の傑作だな
    受験編もハードモードだったが、先月から始まった芸大編は初っ端からルナティック!読んでてマジでうげってなったわ

  4. 匿名 より:

    この記事見て試し読みして買おうと決めたので自分はありがたかったです!
    漫画のアンテナ弱いのでいつも参考にしてます!

  5. 匿名 より:

    そこまで絶賛されるのなら、私も読んでみます

  6. 日本語おじさん より:

    “すべからく”と”すべて”は無関係。