『いっていっぱいいって』(位置原光Z)読了!
本当にね。最低なのに最高すぎた!
「でーとこーで」「SCENT」「連想ゲーム」「範疇」「爆噛み」「キス練」「コレコレ」「重誤認」「くるこない」「サークルクラッシャーが来た!」「てきせい」「詮議」「終電逃し」「きょうよう」「クエスチョン オブ オナー」「きてもっときて」「無理かも」など表題作含め20本以上を収録!
位置原光Z節が全開
でーとこーで
位置原光Z先生の作品は「下ネタ・漫才会話・ニヨニヨできる」の三本柱が基本で、今作も位置原節健在でキレ味抜群です。
基本的に数ページ1話完結で男女2人が駄弁るだけです(複数人や女性同士の時もある)。
それなのにめちゃくちゃ面白い。ドッカンドッカン笑いを取って、ツボにハマれば声を出して笑ってしまう破壊力を秘めています。
「でーとこーで」は先輩男子と後輩女子の話。後輩ちゃんが、今度告白してデートするので男性目線のアドバイス欲しいとラインのやり取りすれば、ブラジャーの刺繍や下着姿やえっちぃ自撮りなど怒涛の勢いでエロネタオラオララッシュ!
「じゃあウチ来て実際に見て下さいよ」
「今日は親いなくて一人なんすよ。今からでも大丈夫ですよ!」
冷静に考えると「なんでそうなる!?」なんですが、本当は先輩の事が好きなんじゃないのか?と読者が感じる思わせぶりな後輩ちゃんからのオチ。酷いエロラインから謎の感動を生みます。「起承転結」の流れと「結」が本当に上手い。
絶妙な漫才劇
SONET
男女2人が会話するだけなのにめちゃくちゃ面白いです。やり取り読んでいて終始ニヤニヤ出来て「ぷっ」と吹き出してしまう。
頭を空っぽにして、ただ天地自然の理のままに、ぼけーっと読むのに最適の作品です(大賛辞)。
「SONET」は家庭教師の男性と女子生徒の話。いきなり自分の体臭を気にする女子生徒ちゃんが「私…クサいですか?」からはじまる変態アクロバティックな漫才劇場、は
基本、どっちかがボケ役でちょっと残念なキャラ(両方の場合もある)と割と常識人?(なぜか疑問形)の2人による配置で、楽しくもマヌケなやり取りをひたすら堪能できます。
これは酷い(褒め言葉)
えーと。えとつまり、いきなりそうならいく前にいっちゃうっていっていいかっていっといた方がいいっていってる…?(いっていっぱいいって)
表題作にもなってる「いっていっぱいいって」は本当にひどい(褒め言葉)。
具体的に何がは知りませんが男女カップルの「いく」話。いったことがあるとか、いついってたのかとか、いってたならちゃんいってくださいとか…。「いく」って単語を見事に言葉遊びして、大変ひどい会話の応酬をしてました。
非常にテンポが良いやり取り。
このテンポの良さこそ、位置原光Z作品の魅力の一つ。
筆者のノリノリ感が会話を通じてびんびん伝わってくる。内容はほとんどが下ネタ応酬劇という酷い有様なんだけど、よくもまあ、ただの下ネタをここまで膨らませてリズミカルに展開できるものだと、感心するやら、呆れるやら、尊敬するやら。
小気味よい下ネタのキャッチボールからは心地良さすら感じられます。
ラブコメとしても一級
キス練
圧倒的可愛さである。
「キス練」なんてたった2ページの作品で、ニヤリングローリング身悶え3回転半を叩き出す威力なんでビビる。
メガネっ娘で漫画的見た目であんま可愛くない後輩がキスの練習しましょうって誘ってきて、いわゆる80~90年代風のメガネを取ったら逆「3」みたいなのを想像したら、これまた90年代漫画的なメガネの下は美少女だった…という。
「メガネを取ったら美少女」って古典的なギャップ萌えを狙っており、これが位置原光Z作品の「女の子可愛い」のミソでもある。それは高低のギャップ。山本由伸の151キロフォーク並の超速急落差に白旗を上げて降参するのみ。
なんか小悪魔っぽかったり、痴女っぽかったり、普通に友達感覚でやり取りしてた女子が、ふと魅せる女の一面。その落差があまりにも可愛すぎる。
望外の妨害
悶絶。
(おそらく)幼なじみ同士が一緒に家でゲームをして妨害工作して…って一幕。いいよね。こういうお互いが急にふと異性を感じる瞬間。そういうギャップによりニヤリングが凄いんだ。
酷い下ネタショートギャグ漫画でゲラゲラ笑える中で、随所に光るラブコメ模様。それも特大級の可愛さを摂取できる。お化けフォークみたいな落差で、読者をくるくる三振にしてしまうのです。
最強のギャップ萌えがここにある!
これはそのままエロスにも通用するわけで。位置原光Z先生ってお世辞にも絵が上手いわけじゃない…っていうと語弊がありますけど、一目で読者を悩殺させるパンチ力のようないかにもな美少女とかスケベってわけでない。
しかし、読んで摂取すると分かる濃厚なエロスがギュギュっと詰まってる。超絶クオリティの美少女やエロスが描かれる作品より小宇宙が爆発する。
ハカセ用ロボット
エッッッ!!!
ギャップで味わえるエロスがここにある。
エロいというかやたらフェロモン出てる。
さらに付け加えれば、表情、アングル、お胸のこだわり、太ももの魔力、服の皺…等、これでもかとばかりにフェチと変態の拘りのドスケベ描写を突っ込んでくる。
一流のスケベ評論家すら「ほうほう!これはこれは!」と唸るレベルです。ギャップによる笑いと可愛いとエロスを絶妙に調理しており、読後の満足感はひとしおです。ほぼ下ネタなのに卑俗な感じがまったくない。むしろ高尚と呼べるシロモノなんすよ。
マンガPark」ならヤングアニマル作品が無料で読める
白泉社公式アプリ「マンガPark」なら白泉社作品が基本無料で読めます。位置原光Z先生の『お尻触りたがる人なんなの』『正しいスカートの使い方』も無料です。
- お尻触りたがる人なんなの
- 正しいスカートの使い方
- 3月のライオン
- ハチミツとクローバー
- ぱらのま
- お前は俺を殺す気か
- 14歳の恋
- 鉄道少女漫画
- spotted flower
- ディアティア
- コレクターズ
- 想いの欠片
- お尻触りたがる人なんなの
- 正しいスカートの使い方
- 日々是平坦
- 乙女ループ
- フルーツバスケット
- ベルセルク
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