『定額制夫のこづかい万歳~月額2万千円の金欠ライフ~』はヤベー人たちの生き様が謎の感動を生む件

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定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ 定額制夫のこづかい万歳

 

『定額制夫のこづかい万歳~月額2万千円の金欠ライフ~』(吉本浩二)は人生の教科書なのではないかと思う。いや思ったけど冷静に考えれば勘違いだった。

 

「おこづかい、もっとちょうだい!」--ドキュメント漫画家・吉本浩二が叫ぶ。45歳、月額2万千円。1万円は大好物の「おかし」に使いたい。子供にオモチャをねだられたら、おしまいだ。そして、悩ましくも楽しい「おこづかい」との攻防戦が始まった。全国の「おこづかい生活」を営むすべての「定額制夫(ていがくせいおっと)」に贈る吉本浩二流「おこづかい漫画」。

 

 

『定額制夫のこづかい万歳』レビュー

狭いウィングではない

1話

 

『こづかい万歳』は吉本浩二先生のほぼ実話を元にした作品で「この漫画は、ほぼほぼ実話です。団体名等とは。ほぼほぼほぼほぼ関係があります」と謳ってるノンフィクションルポ漫画でもある。吉本先生のお小遣いは月「2万1千円」なり。

 

少ないお小遣いで毎月どうやり繰りしていくのかをゲラゲラ笑う漫画です。これが実に面白い。謎の共感を生むのです。

 

漫画に限らずエンタメってターゲットの主要範囲ってあるじゃないですか。独身男性や学生が子育て漫画に興味持つかといえば持たない。読む対象から最初から外します。バトル漫画やラブコメなら対象読者のウィングが広いのですが『こづかい万歳』はとても狭いと言い切れる。

 

だって小遣い制の中年おっさんの話ですからね。「家庭を持って小遣いで生きてる層」って限られた範囲の人しか刺さらないじゃないですか。ところがどっこい!『こづかい万歳』の面白さはウィングの広さにある。

男なら誰だって共感する

こづかい残435円

 

別に小遣い制でなくても、子供だって学生だって無職だってリーマンだって誰もが何度か経験するだろう(※しない人もいます)次の給料(小遣い)まで「あと○○円」で生きていかなきゃいけないという現代のサバイバル生活である。

 

数多の男はこれを何度も経験したはず。次の給料日まで○○円で生き抜かなくてはいけない。こうなってくると1日に使える額を日割りして生活する。

 

例えば1日300円であと1週間生きるってなれば、パスタ生活、ローソンストア100(鶏肉とパック野菜200円で数食)、もやしとひき肉は無限の可能性、米で色々…と振り返ればあれはあれで楽しかったと言えるわけで。

 

そういった生活の役に立つようなことが満載です(そうか?)。別にそんな生きるか死ぬかでなくても、子供の頃の少ないお小遣いでやり繰りしてた全ての人が共感すると思います。

シビアな?やり繰り

 

おっさんが缶コーヒーひとつを買うか買わないか本気で悩む姿には何とも言えない哀愁が漂っています。これでは夢も希望もない。リアルな生活がそこにある。貧しくなった今の日本で生きる現実がそこにある。

 

貧乏生活をウリにした作品は数多あるけど、なんやかんやで心まで貧しくないって誇りやプライドのようなものがあったりします。がしかし!『定額制夫のこづかい万歳』にはそんなもん一切無い。

 

浪人生が高級なお菓子を食ってる姿を見て、「あの浪人生…一体いくらこづかいもらってるんだよ!」と本気で憤慨する姿は涙なしには見れませんでしたね。そこが面白いところでもある。

 

いい歳したおっさんが子供のような感情を爆発させる姿。駄菓子を悩んで買う姿。めちゃくちゃ美味そうに食う姿。バカだなぁと見ながらも共感する部分が多い。子供の頃に駄菓子屋で色々と悩んだりワクワクして過ごしたかつの自分が蘇る。このドキドキ感が何度も読者を少年に戻す。

 

というか駄菓子買うのにキメ顔する時は少年でなく男の顔になってるのがツボすぎる。ちょっと劇画調で大人の顔してかっこいい風にすんな!笑

ツッコミどころが多すぎる

 

  • 子供おもちゃ 2千円
  • 映画・漫画・本 5千円
  • 古レコード 2千円
  • 服・くつ 2千円
  • お菓子1万円

 

そもそもただの貧乏っぷりを面白おかしくしてるのでなく最初からツッコミ待ちなところも『定額制夫のこづかい万歳』の特徴です。お小遣いの比率おかしいだろ!なんだよお菓子1万円って!

 

ま、吉本先生は酒も飲めないしタバコも吸わないそうなので、お菓子の比重が高くなるのも分かる。分かるがやっぱり色々とおかしいのです。

 

例えば「映画・漫画・本 5千円」で映画館の1コマではポップコーン買ってたり。それ我慢しときゃ甘納豆買えたやろ!別に計画的にやり繰りしてるわけでない。この計画性の無さでお小遣い前にピンチになってる姿こそこが吉本先生エピソードのキモ。というか全てです。

 

夏休みの宿題を計画的にやるつもりでも毎年、最後の1~2日で慌ててやるのと同義です。これはダメな人ほど共感する部分が多い

少年時代を蘇らせる

9話

 

あと特にぶっ刺さるのは子供時代のエピソード。私は吉本浩二先生よりひとまわり下世代ですが、描かれる昭和50年代の少年時代がめちゃくちゃ刺さるんですよね。平成初期もこんな感じでしたわ。

 

ネオジオなんて持ってる子がめっちゃ希少で持ってる子の家に集まってワイワイやったり。「ゲームやってるのうしろで見てるだけで興奮」ってのはもうそのまんまの感情ですよ。子供時代の小遣いにしても、溜めて大きいもの買うか使うかも人によりけり。

 

ディテールは違うけど、根本的な少年時代は同じ。わかり味が深すぎて少年時代の楽しかった思い出が蘇る。

 

なんで子供の頃って…あんなに…楽しかったのかなぁ…。10円の駄菓子がなんであんなにおいしかったのだろう…?

 

青春漫画のような大切な何かを思い出したような鮮やかな感動を生む。そして吉本先生の幼なじみ・村田克彦氏(ステーションバー男)の結論が全てを台無しにする(褒め言葉)。

奇人変人見たさ

3話からは吉本浩二先生の小遣い生活というより、ご近所さんや知り合いなど色んな人の小遣い生活のルポ漫画となっていくのですが、そのヤベー小遣い生活は共感性ゼロでもめっちゃ面白い。

 

これはもう奇人変人を見てゲラゲラ笑う感覚でしょう。特に9話の村田克彦(ステーションバー男)のヤバさは際立っている。

 

通称…〝ステーション・バー〟…!!

 

なにがなんだか分からない。駅の売店でビールとハイボールとつまみを買って、隙間で一杯やるというスタイルである。

 

いわく「ホームはマナー的にNGだし駅を利用する皆さんを不快にさせちゃいけない」のでホーム出たすぐ近くのポジショニング。そこで駅を行き交う人を観察して生の映画を観てるよ涙ぐむのである。

 

色んな人の小遣い紹介でも吉本先生はオブラートに面白く描いてたのですけど、幼なじみだけあって遠慮が無いのか闇しか感じませんでしたね(賛辞)。ステーションバーもヤバイけど、きしめん食う表情もヤバイし、「週刊プレイボーイ」に世の中の全ての情報があるって言うのもヤバイ。小遣いグラフもヤバイ。もうなにもかもがヤバイ。

ヤバイ中に光る何か

12話

 

12話では小遣いゼロ円男も登場する。悟りを開いてるといえる。小遣い無くても楽しいんだ!的な充実してる様子が描かれます。

 

『定額制夫のこづかい万歳』に出てくる人は大なり小なりみんなこんな感じなんですよね。生活が厳しかったりお小遣い少なかったりして日々の生活がキツイのにも関わらず楽しんでる。お金無くても楽しいってテーマが一貫してる。

 

もはや「こづかい万歳」でなく「人生万歳」である。

 

お金が無い中でも楽しく生きる人々の楽しみ方をフィーチャーする。この楽しみ方はお金では買えない価値でもある。みんな実に楽しそうに生きている。

 

村田さんを筆頭に、少ないお金でも前向きに生きていくこと。ちょっとした楽しみ方や幸せを見つけること。それらを読んだ僕ら読者は「お金で買えない価値がある」「楽しく笑うことが勝ちより強い価値だ」と感化していく。濃厚な人生ドラマレポ漫画…では断じて無い(と思う)。

 

とはいえなんだかんだ楽しく生きてる人たちに勇気づけられるのも事実。夢はないけど幸せがある。

 

 

コメント

  1. 匿名 より:

    吉本先生が山本先生になってます。

  2. 匿名 より:

    1ヶ月一万円の先輩や1日六百円の同僚もいたなぁ……

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