『マコさんは死んでも自立しない』#68
伝説を見てしまった…。
ラブコメというものは僕らの乾いたハートを優しく癒してくれるオアシスのようなものです。思わず頬を緩めてニヤニヤしてしまう最高のHP回復装置です。ですが、どうしても「くっ付いたらそこで試合終了だよ」って側面があるので、両想いなのにくっ付きません。
この読者を「やきもきさせる」のも魅力の一つですけど、ずっと同じように山手線をグルグル回ってると飽きてしまうのもまた事実。そのために、「お?ついにくっ付くか?」的な山場を入れるものです。で、告白キャンセルして壮大にズッコケるまでが様式美。普通はね。
さて、マガジンのラブコメ4コマ『マコさんは死んでも自立しない』が決戦のクリスマスを迎えました。
<関連記事>
(※ネタバレ有りますのでコミック派は注意)
『マコさんは死んでも自立しない』
68話で、2人きりでデートしたかったリンですがみんなでクリスマス会をやる流れ…からの「…そうですよデートしてほしいんです」「クリスマス…マコさんと二人きりで過ごしたいんです」の男を見せたのは素直に感動もの。
あの時の「…はぇ!?」マコさんは過去最高値の可愛さをたたき出してたね。いつも、リンに隠れて乙女赤面してるくせに、リンの真ん前で大赤面ですからね。可愛かった。
そしてクリスマスに読者の期待を上げまくりです。
前振りバッチリや!
69話
クリスマスデートに誘った「後」の期待値の上げ方もすごい。まず堂々とリンは「今回は…本気で告白しようと思って」と宣言するのでした。堂々と告白する宣言である。また、今まではあっけらかんと過ごしていた2人の関係がデートに誘ってから気まずくなってるのもこそばゆい。
特にマコさんですよ。今までも恋する乙女な一面は可愛かったものの、ここにきて「男女を意識した気まずさ」があるのもええよね。こんなん描かれたら、クリスマスに大イベントが起きるって思うもん。
そうはいっても、『マコさんは死んでも自立しない』自体もくっ付きそうでくっ付かないスカしをしてきましたからね。もちろんそれがいい意味でラブがコメってたわけです。で、「期待」と「不安」が入り混じるクリスマス前。ただ「今回はいつもと違うのではないか…?」って読者が思うぐらいには前振りが凄かった。
これはひょっとして…?
さあクリスマス!いっぱいの笑顔君に届けんだ!
#70
えー、リンくん言いました。決めました。
「好きです」と剛速球200キロのストレートです。
クリスマスデートではいつものノリになってしまい告白できない状況下になりリン自信「告白できないパターンだ」「またいつものパターンか」と諦めの境地に達するも…そこから見事なV字回復テンションですよ。
もうダメか…と見えかけてからのマコさんを呼び止めて手を握って「好きです」の一言は素晴らしいの一言であろう。今までのマコさん可愛い部分を読者だけが堪能するオチでなく、明確に「引き」として次回へ続いたオチ。
ラブコメの歴史を紐解けば、読者の期待を煽る「引き」を使う時は、それ相応の「オチ」を用意しないかぎり、むしろ逆効果である。別にニセコイに限らず「は?ふざけんな!」ってヘイトを溜めたラブコメは無数にある。安易に期待を煽る引きを使うなら、そのアンサーは納得できる形でないとね。
さて、『マコさんは死んでも自立しない』はこの引きからどうする…?
懸念はあった。直前に「ピザとるピザ?」って言ってたことである。この流れはアレじゃん。ピザが好きってオチになる流れじゃん…?
今年のクリスマスちょっと特別さ
運命の71話
「…ピザが?何ピザとる?」
ですよねー。
これは大方の読者が予想できたオチでもあります。しかし!しかしである!男・リンはこの誰もが考えたであろうオチに対して「言うと思った」と確信してた勘違いオチであることを踏まえて改めて告るのであった。
そこからあらゆるボケで「すき」発言を躱そうとするマコさんに全て全て…「そうじゃない!」的に否定して好意としての恋愛としての「好き」だと連打する。マジで泣きそうになったね。4コマ漫画として「起承転結」でちゃんとオチるフォーマットでありながら、全てを愛の告白になる起承転結。
あまりにも青春である!
とてつもなくアオハルである!
通常ならジャブのピザが好きって勘違いされてヘタれるもんじゃん。リンの野郎、ボケや勘違いをことごとく全否定しやがる。紳士に男を見せやがる。マコさんが綺麗にボケまくるもんだから、ムードもカッコつけるもへったくれもない。それでも…!
聞き間違え、勘違い、ボケ…。
全部潰して勇猛邁進する姿に伝説を見たね。
俺のLOVE
一つ一つ丁寧に「勘違い」「聞き違い」「思い違い」ってオチになりそうなもんを潰して、結果として…5回も愛の告白するんですよ?全ての退路を断ったのである。僕ら読者もこれがガチなやつってなるわね。
そうなれば「マコさんが愛の告白を聞いた上で、どう対応するのか?」というところに、
読者の焦点は当てらます。キャンセル技を全部無くしたわけですからね。で、マコさんの回答は100点満点中で10000000000000点です!燃え上がったテンションが爆発したのです。
悶絶
(*ノノ)きゃああああああ!
むずがゆくて、もう見ていられないよ!
4コマ漫画でありながらおこぞで見開きで決めるのは『徒然チルドレン』に通じるところもあるね。見開きドン!の威力。ガチのマジで破壊力が凄まじい。普通に死にました。死因は悶絶死です。
なんなんだよ!この甘ったるくて、小っ恥ずかしいラブコメとして極上の展開は。見てるだけで超ドキドキするんですが…。2人の鼓動がダイレクトに伝わってくる。分かる。分かるぞこのドキドキ感!青春のドキドキですよ!
また、ここまで色々あった紆余曲折も色んな意味で効いてるよね。2人のやり取りをずっとニヤニヤ楽しんだからこそ。単刀直入に言って、感無量の一言である!カタルシスが半端ない。
いやぁ…面白いですね。もう二度と戻れない状況になる関係の変化。これこそがラブコメにおける物語が進むってやつです。ただ状況が変わるなんて甘ちょろいリセットなど微塵も無い。キャンセル不可。これこそラブコメの前進!前進!前進!前進!
はふぅ…。極上の話を読んでしまったな。
良い最終回だったといっていい(感動)。リンとマコさんはもう「今まで」ではない。これからどうなるか作品自体が終わるのかは分かりませんが幸福度がヤベー。最高のラブコメがここにある!ありがとうございました!
コメント
ひょっとして来週は袋とじかと思って次号予告を確認したが…
(-。 -; ) チェッ
とらドラだっけ?<タイトル
リンの告白のあまりの漢らしさに
マコさんの告白を受けた可愛さに
それぞれスカウターが破壊されるレベルでした!
ニセなんちゃらの告白はスカウターは反応せず
戦闘力3…ゴミめ