『ユーキューホルダー』(赤松健)
あれは…赤松健?!
朗報である。長
いこと行方不明となっていた赤松健先生が発見されました。一体今までどこで何をしてたのでしょうか。え?ずっと『ユーキューホルダー』連載してたって?
いやいや。私は断じて『ユーキューホルダー』を赤松漫画と認めなかったね。だって赤松健先生といえば美少女わんさかコメディー漫画家ですからね!泣く子も黙る美少女わんさかラブコメなの。そんな赤松健先生が発見されたのである。って、どっちみち本人描いてないか(←勝手な想像です)
帰ってきたマツケン
『ニセコイ』がど真ん中世代の若い子は知らないかもしれないので、おっさんとして赤松健先生のスゴさをちょっと説明しよう。萌えラブコメの先頭を突っ走ってきた偉大な漫画屋なのである。『BOYS BE…』全盛期(そうか?)に颯爽とマガジンに登場したのが『A・Iは止まらない!(マンガ図書館Z)』である。
『A・Iは止まらない!』
当時のラブコメにありがちな「冴えない、もてない、不甲斐ない」の三大無い無い主人公が、ある日、作ったプログラムの美少女が具現化するという。パソコンの中から女の子が出てきてしまったのである。夢か幻か女神さまか?そして可愛い女の子を次々とパソコンから出してハーレム完成である。後の『ラブひな』の原型となった作品。
あんま人気なかったのか途中でマガスペに島流しされてしまいました。パソコンから美少女が出てくるという設定がイマイチ生かせなかったしね。少しはウィルスネタとかあったものの殆ど日常生活で完成してたし。まあ時代が早すぎたんです。当時はWindows95も出ていない頃ですし。
そして次回作が伝説の『ラブひな』である。
【kindle】ラブひな
東大のみを受け続け、落ち続けて3年目。幼いときに女の子と交わした約束を果たすため、浦島景太郎がやってきたのは、祖母の経営する温泉旅館・ひなた荘。 |
今では珍しくないですが当時は戦慄が走った最初からタイトルを省略しているのである。完全に狙いすました、オタクによるオタクの為の萌え萌え漫画である。これは大ヒットした。時代が赤松健先生に追いついたと言っても過言ではありません。
冴えない主人公が美少女からモテてモテてモテまくるのである。ひなた荘が元温泉旅館という設定でほぼ毎回ヒロインの入浴シーンが炸裂。景太郎が日向くんの強引なドリブル並に無理やり進んで美味しい目に合うお約束。毎日がフェスティバル状態。スゴイ漫画だった。
また、当時は赤松健先生自身のサイトの掲示板(わいわい会議室)が盛り上がっておりました。そこで毎週毎週感想などが投稿されてたのですが、それをウォッチするのも楽しみの一つでしたね。
「HINATA」というタイトルでスレ立ってましたけど、「HENTAI」に見えてどーしようもなかった。真面目な感想やキャラ萌えは良いんだけど、たまに自分を景太郎に重ねてる香具師(ヤシ、この言い方も古いな)がいて、「自分も受験生です」とか「自分も気になる人が」とか前置きして「景太郎!受験や恋を頑張れ!」とか書き込みしてるの。現実逃避漫画『ラブひな』読んで書き込みしてないで、お前が頑張れっつーの!彼らいま三十超えてると思うんだけど、元気ですか?とにかく香ばしかった。今では良い思い出です。
赤松健先生の進化は止まりません。
次の『ネギま!』も圧倒的であった。
[まとめ買い] 魔法先生ネギま! (1-25) |
実は魔法使いである10歳のネギが、修行として女子高の先生に!!
31人のお姉さまたちとのドキドキスクールライフにネギはたじたじ!?
「ったくよお、読者ウケすんだろうけど、女キャラいっぱい出せばいいってもんじゃねーだろ」「で?今度は何人いるの」「31人です」「クラス全員の女子にきちんとキャラ設定があり、31人分の声優まで決まっているみたいです」「さらにCDデビューして、各キャラごとの曲があるみたいです」
そこまでやられたら、もう何も言えません!
久米田康治先生も白旗上げて無条件降伏をした『ネギま!』である。
もはや言葉もありません。大変素晴らしかったと思います。あざとかったと思います。萌え萌えでした。ブヒブヒでした。私は本屋ちゃんとせっちゃんがお気に入りかな。がしかし!『ネギま!』が諸悪の根源だよな。意識高い系読者と女性読者で赤松健先生が勘違いしたんだよ(個人の意見です)!
『ネギま!』はバトルが良いとか、男がカッコいいとかシタリ顔で抜かしてやつらを今からそいつをこれからそいつを殴りに行こうかって気分でしたよ。新しく入った若い読者は美少女わんさかやあざといのが大好ききなくせにバトル目当てで読んでるとか抜かしてんの!嘘こけ!萌え豚御用達漫画なのに女性が読んでんの。カッコいいじゃねーよ!声でけーのコイツら。事実、マガジンのアンケもバトル回とかのがブヒブヒ展開より人気あったようだし。
絶対神の作者といえども商業漫画家である。
人気商売なんです。資本主義の豚なのです。読者のデカイ声を聞けば「そういうの求めらてんのかな…」と、時代の最先端を切り開いてきたオタクロックオン開拓者も勘違いしちゃうって(あくまで個人の意見な)。
んで、次に始まったのが『ユーキューホルダー』なのだ。
ユーキューホルダー
赤松健先生の新連載キター!からの「あ、はい…」ですよ!
なんだこのイケメン共のバトル漫画は?
FFかっつーの!ホストかよ?新宿帰れお前ら!
真島ヒロ先生のあざとさを見習えと何度憤慨したことか。これじゃない感が半端なかったっつーの。あの赤松健先生はどこ行っちゃったの?行方不明じゃん。俺の中の赤松健先生行方不明事件である。
しかしようやくです。
ようやく帰って来てくれた。
俺たちの頬を緩ませてニヤニヤさせるあざとい展開のラッシュが!
こういうのでいいんだよ!こういうので!
九郎丸の乙女心は最高だった。頬の筋肉が緩むっつーの。
自然とニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべてしまう。
なるほどなー。
仲間からの友情からの恋心か。オーケーオーケー!
最高だ。文句なし。最初からこういうのやれって話しですよ。
キリエも素晴らしいな!
九郎丸の恋を応援すると言いつつ自分がデレるとうお約束すぎる展開に、ハートをニギニギされちゃいました。ベッタベタである。だがそれがいい。それでいい。心地良い。
事故チューからのキリエの乙女心も100点満点です。
どうせ人気なくてのテコ入れだろうけど(勝手な想像です)、赤松健先生が本気を出せばこの通りですよ。我々の心の琴線を鷲掴みです。今やラブコメ漫画の王者『ニセコイ』がウン十万部ですからね。こんなどっかで見たテンプレ王道の手垢がつきまくってる展開でね。元祖・どっかで見た二番禅師王道テンプレベッタベタ漫画家の赤松健先生が燃えないわけない。最初からやれって感じだけど。
やだ!胸がきゅんきゅんしちゃう!
キリエのあざと可愛いのも良いが、報われなさ全開なのも素晴らしいな。まあ、刀太はただ胸元見てるだけのような気もするけど。こういうのでいいんです。突っ込まれる事を前提にした描写こそ赤松漫画の醍醐味よ。小躍りしちゃうよ。マツケンサンバである。踊るのはサンバよりハッスルダンスだけど。
あざといのに眼福、可愛い女の子の恋模様にニヤニヤする。最高ですとも。おれ達の赤松健先生が帰って来た!あと、エヴァちゃんは幸せになって貰いたいので正ヒロインも文句なしだよね。おかえりなさいませ赤松健先生!
コメント