『ベクターボール』第32話 取り憑いた悪
うっひょー!!震えたね。痺れたね。盛り上がったね。熱かったね。何がって『ベクターボール』32話「取り憑いた悪」ですよ。読んでる時はテンション上がりまくりで心の中で「うおおおおおお!」って叫んでしまいましたよん。圧巻の王道少年漫画としての面白さと自分の闘争本能を駆り立てる熱量があった。
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冷静に考えるとたった2話前で「ブス・大銀河」とかロックなことやってたんだよなぁ…。まるで違う漫画のようです。この差がまたすごい。すごすぎる。
腹筋崩壊するような意味不明ギャグ回をやったかと思えば、王道バトル漫画としてめがっさ盛り上げてくるとは…。なんなんだこの違いは。しかも、まったく異なるベクトルなのに振り切れて面白いってんだから恐れ入る。『ベクターボール』はとんでもない傑作なのかもしれない。めちゃくちゃ面白いんですけど!これは名作になる予感がビンビンするぜ!
『ベクターボール』がぐう熱かった件
木筒つづみ
まさかの木筒つづみの中に思念体が入っており襲われて重傷を負ってしまったロゥダー。誰にやられたのかと聞けば「木筒つづみ」であると。人間の魂を身体に留めたまま思念体が入っているというはじめてのパターンです。
やったのが木筒つづみと聞いた後の米炊がね。いいんだ。これこそヒーローという主人公でした。ぶっ飛んだギャグが冴えわたりまくっている『ベクターボール』である。「ブス・大銀河」で腹筋崩壊するぐらい笑った後でこの展開かよと舌を巻くしかない。
ストーリーの流れが素晴らしい。人間の魂を身体に留めて思念体が入っていると、思念体のやっている言動が木筒つづみ本人に見えてしまう。自分の体で悪事をしているのを目の当たりするわけで、木筒つづみはめちゃくちゃ苦しんでいました。
苦しむ木筒つづみ
また、木筒つづみの回想が面白さに拍車をかけるね。たった2ページの父親と母親との思い出でしたが分かりやすく簡潔に木筒つづみがいかに絶望しているかが理解できます。良いお父さんとお母さんに恵まれささやかながらも幸福な家庭だったのに、入ってきた思念体のせいで滅茶苦茶になってしまう。
読者の怒りをいい感じに増幅させてくれる。この思念体は最悪だと。胸くそ悪くなる敵という強烈な印象を持たせてくれる。ふてぇ野郎ですよ。しかも、誰も助けてくれない状況化ですからね。読者の怒りゲージがピークに達した時に、来るんですよ。主人公が!
米炊おかか△□×(さんかっけー死角無し)
やっぱりここか?
前に苦しんだ時もここだったよな?
はい!かっこいい!
絶妙のタイミングである。
やだ、おかかってば超カッコイイ。
誰にも相談できない怪奇現象・思念体で苦しんでいる時に現れた米炊に鳥肌が立つぐらい感動しましたね。王道であり正道の超燃える流れやんか。これが本当に「ブス・大銀河」とかやった漫画なのかと。少年の心に火をつける熱さがあります(少年の心を持つおっさんも)。ギャグだけでなくとんでもない熱量を出すのも雷句節よ。
さらに、米炊の台詞が震えるぐらいヒーローしちゃってんの。
木筒つづみ、オレはお前の体の中にいる奴の正体を知っている。
そいつをぶっ倒す方法も知っている。
もちろんお前の父さん母さんには秘密にする。
両親に余計な心配はさせねえぜ。
お前を助けられる仲間も沢山いるんだ。
だから安心しな。
つづみは必ず助かる
オレが必ず助ける
うおおおおおおおおおおお!
なんだこれは…。魂が震えているんだけど。ちょ、ちょっと米炊の旦那。あんたかっこ良すぎじゃないですか。これが本当にう〇こを漏らした男なのかと。胸くそな凶悪なだけにぶっ飛ばしてくれという読者の怒りが増幅したのも乗っかって木筒つづみの大ピンチに米炊が登場してテンション上がりに上がりまくった今回の『ベクターボール』。痺れたね。
いちいちウィンクしたりカッコつけたり「つづみ」と下の名前で呼んだりとやってることはクサさ爆発なのに臭みがまったく無いのもスゴイ。匂わない納豆「金のつぶ」もビックリの臭みの無さです。今までロックなギャグ展開ばっかやってたせいで、どうせ落ちあるんだろ?と思ったらそのままイケメン米炊で突っ走ってしまた。震えたね。
これ『ベクターボール』だろと思ってた読者の横っ面をひっぱたくような超王道ヒーロー展開である。「王道」で見事な奇襲攻撃って感じです。はい。まあ、普通の少年漫画の王道の道筋じゃんって気もするけど、『ベクターボール』という変化球ばっか投げる、いや暴投ばっかしてただけに、ストレートが200キロの剛速球に見えてしまい完璧に打ち取られちゃうわ。
このストレート自体もとても見事であります。やってることは「コイツ許せなねぇ奴だ」っていう凶悪な敵の提示と、女の子の大ピンチに颯爽と現れたヒロイズムの2つなんだけど、絶妙の調理で魅せる流れに脳汁出るほどテンション爆上げしてくれる。うおおお!です。まだやっつけて無いのにカタルシス満載である。これは燃えるでー!
バトル漫画として一気に物語がヒートアップしましたね。米炊がこんなにかっこいいなんて知らんかったわ。紙面を通して「米炊ならやってくれる!」と実感させられます。いやまあ、勝てるかは知らんけど。
何よりも、木筒つづみちゃんめちゃくちゃ可愛いと思います(←結論)。ブス漫画という流れから可愛い子出してヒロインのような扱いなのもヤバイっすね。「ブスと可愛い子」&「意味不明ギャグと王道燃え展開」&「う〇こ漏らす米炊と超絶イケメン米炊」の揺れ幅の大きすぎるんだってばよ!ギャップ萌えとギャップ燃えとギャップかっこ良さが引き立つ。
ま、このくそ熱い流れから次回ヘタレたりギャグやり出す可能性もあるのが『ベクターボール』という作品なんだけどね。次に何が起こるかまったく分からないのである。いやはやそれにしても。めちゃくちゃ面白いですね。『ベクターボール』は傑作になる予感がするで。まる。
コメント
タイミング、セリフの内容と百点満点でかっこよかったですね。
合併号で星つぶの作者がノロったのは残念だったけどorz
とりあえず事が片付いたら思念体の能力で記憶消してもらえればいいだろうからねぇ。
さてさて、外道相手にオカカはどんな処刑道g…ギミックを創り出すやら。
ギャグもやれる清麿という印象
つづみの苦悩を読み切ってのセリフなのが、頭脳派主人公の貫禄たっぷりで良し
でもまあ助けるにしても、また死ぬほどボッコボコにされるんでしょうね。非肉体派主人公ですし
未だ肉体的には普通の高校生のはずですが、よく死なないもんです。いや2話ほど前にちょっと死んだか
清麿もギャグはできるぞ
ガッシュに比べてギャグ導入のタイミングが荒くて自分は白けてしまう。
好みの問題だろうけど自分もオッサンなんだなあと実感する。
もう少年誌を読む感性が消えたんだなって。