「こじれた青春の、歪んだ後始末。」(オビより)
もの凄く甘酸っぱそうな雰囲気と設定。
だけど、なぜでしょう。嫌な予感しかしないのですけど。それはきっと、作者が緑のルーペ先生だからです!成年漫画でひたすら鬱展開をやる事に定評のある緑のルーペ先生の久々の一般漫画『青春のアフター』1巻が発売されました。まずは試し読みをどうぞ。
<まずは1話を試し読みすべし>
・『青春のアフター』(ニコニコ静画)
オトナになった僕の前に現れたのは、高校生の時に目の前で消えた、大好きなあの娘だった――。女子高生の姿のまま現在にタイムスリップしてきたさくらと、さくらへの想いを心の片隅に残したまま32歳になった鳥羽、そしてその彼女・みい子の歪んだ同居生活が始まる…。
もうね1話からして平穏無事で済まない雰囲気がプンプンする。
胃がキリキリ
冴えないどころかクラスのカースト制度最下位の主人公・鳥羽まこと。
クラスのやつらはバカっぽいと上から目線で友達居ない、休み時間寝たふりして過ごすとか、捻くれた感じが実に良いね。
で、彼は同じくクラスの輪から外れている十和さくらに恋をしていた。そして段々と2人は仲良くなるという甘酸っぱさ全開の青春を過ごす…。
いいね!友達もいない、クラスではみ出した2人の青春ラブコメか!
苗字が似ているからと下の名前をお互いで呼ぶようになったり、一緒にお昼ご飯食べるようになったり、家に遊びに行ってゲームをやったり。
素晴らしい。実に素晴らしいです。
照れ屋で臆病な2人の不器用で未熟なラブでコメる展開。大好物です!
また、ヒロイン・さくらが可愛いのなんの。
普段、クラスでは誰とも話さず孤高に分厚い本を読んでて、文学少女かと思いきやゲームの攻略本だったり。料理を作るのが上手かったり。
時折見せる「デレ」は私の心の琴線に触れるってもの。不意打ちのような一言は思春期男子のハートをブレイクショットするね。
ド、ドキン…!
おいおい!ちょっとこいつは反則的な可愛さだぜ。
不意打ちにも程がある。絶妙のタイミングで悶えさせてくれる。
ハートブレイクショットです!
一緒にお昼ご飯を食べてたら唐突に「男の子って、お弁当とか作ったら喜んでくれるもの?」と照れ照れしながら聞いてきたり。
え?僕の為に手作り弁当を?と思うってもの。一緒にゲームしてたら「二人っきりになれたら良いのに」とぼそっと呟いたり。ドキッとするよね。
いやー青春です。甘酸っぱい青春です。
もうね、どう読んでもさくらは恋する乙女。
しかもそれは自分ではないかという描写ですからね。
さくらは、少ない言葉で主人公を振り回すエキセントリックな女の子ですね。
純で可愛い女の子なり。それがいい。最高にニヤニヤして、この甘いラブがコメる日々を堪能します。破壊力抜群です。
そ・し・て!
地獄へ真っ逆さま!
はい、来ました。出ましたよ。これが緑のルーペ先生です!
まさか、あんなニヤニヤ展開な青春を過ごしていてね。
クラスのはみ出し者同士、カースト制度最下位の2人がお互い惹かれあってラブがコメってと思いきや!両想いだと思いきや!主人公の勘違いで、さくらはカースト制度最上位のキンパツ(彼女持ち)が好きだったのでした。
ハートフルな青春と思いきやね、フラガラックを食らって心に傷を負わせてくれる。
違う意味でハートがブレイクしちゃったよ。
「ラブコメなんて都合の良い展開がひたすら繰り広げられるだけでしょ」と防御してなかった読者を他の底へ突き落す。だが、これは序章に過ぎない!
そして、さくらが消えた。
文字通り消失です。モリアさんが目の前からパッと消えてドフラミンゴによろしく、主人公の目の前からパッと消えてしまいました。
そして16年経過した。主人公は社会人となり、ゲームのデザイナーをしている。仕事は順調。髪の毛キンパツにしてるのが実にアレ意味深だが。可愛い恋人もおり、結婚間近で同棲生活を始める…その時です!事件は起きたのです。
ええええぇぇぇぇぇ!?
なんと16年前に消失したさくらが、16年前とまったく同じ姿で目の前に現れたのでした。
そう、主人公の目の前からパッと消えたさくらは、16年後にタイムスリップしたのでした。
さくらにとっては一緒の出来事。でも主人公にとっては16年経過している。トラウマになるような大ダメージを食らった、16歳の頃の初恋の相手が現れた!
とりあえず、主人公は保護して、恋人とさくらと一緒に暮らす奇妙な同居生活をすることに…。青春のアフター、後始末がはじまる。もうねヤバイ。
何がヤバイって雰囲気がヤバイ。人間関係がヤバイ。1巻ラストまで読むと暗雲たちこめまくってるよ。えーお前まで出てくるのーって。なにこれ。胃がねキリキリ、憂鬱になる臭いがプンプンするんですけど。楽しみですね!
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