「ワンピース」で一番好きなシーンってどこでしょう。
数々の名シーンが思い起こりますけど、私は「死に際の笑顔」一択ですね。
だってさ、純粋にかっこいいじゃん。
そも「ワンピース」という物語自体、ゴール・D・ロジャーの死に際の笑顔で開幕したといえます。
「ワンピース」開幕である
死に際に「おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ…探してみろ、この世の全てをそこに置いてきた」と言い残し大海賊時代の幕開けである。
最期を迎える瞬間は死に際の笑顔。
どんな去勢をはった大物も死の瞬間は必ず青ざめ絶望するのに、対照的に笑顔で死を受け入れる!これが「ワンピース」の美学である。
かっこいいのです。
震えるのです。胸熱です!
例えばベルメールさんだ。
「ノジコ!ナミ!大好き」(笑顔)
ベルメールさんも銃口を額に突きつけられ、本気で自分の人生がここまでだと悟って死を受け入れ覚悟して笑ったのである。
アーロン一味の年貢10万ベリーはギリギリ持っていたし、名簿に結婚も出産も記録されてないから助かったのに。
でも命を落としても「家族がいないなんて言えない」「口先だけも親になりたい」と言って死を受け入れ笑って逝った。美学である。
例えばDr.ヒルルクだ。
「まったく!いい人生だった!」(笑顔)
「まったく!いい人生だった!」と大往生したかのような台詞を残して笑顔で死んだけど、Dr.ヒルルクは自殺である。こんなポジティブな自殺があるのだろうか…、あったのだ!
そもDr.ヒルルクは不治の病で死ぬ寸前、猛毒キノコを食って死ぬ寸前…と死のダブルリーチがかかっており助かる見込み0でした。
病気で死ぬ事を拒否し、猛毒キノコで死ぬ事も拒否した末の自殺である。
しかも自分の夢(冬島ドラム王国に桜を咲かせる事)は、自分が消えても夢は叶うと言い残し。病気も猛毒キノコも拒否し、自分の夢を受け継いで貰い、最高の笑顔で逝った。美学である。
例えばペルだ。
「我―アラバスタの守護神、ファルコン」(ニコ…)
まあ実際にペルは生きてたんですけど。
でも、ペルも時限爆弾抱えて大空へ飛び立った時は、本気で自分の人生がここまでだと悟って死を受け入れ覚悟して笑ったのである。
毎日の訓練は戦う為にあらず、アラバスタを守るために強くならなければならないですよ!戦うのではなく守る、目的が違う!
だから死を受け入れても守れたと思ったから、心より誇らしく死を受け入れた。美学である。
例えばエースだ。
すごく安らかな笑顔です
「愛してくれて…ありがとう!」と最期の台詞まで凄く悲しそうな後悔ありそうな表情だったのに、死に際は安らかな笑顔だったエース。
幼少の頃に大海賊になる、名を世界に知らしめるは、5億5000万ベリーという現状作中最高額の懸賞金だった事でも叶っただろうけど無念だったろうね。
だってさ、白ひげを海賊王にする事も夢半ば、ルフィの"夢の果て"も見れないで死んだんだもん。後悔だらけですよ。それでも笑って逝く…何故だ!
上記の他にも、背中の傷は剣士の恥と言ってミホークに斬られたゾロも、サウロ(生死不明だけど)も、フィッシャー・タイガーも、オトヒメ王妃も、本気で自分の人生がここまでだと悟って死を受け入れ覚悟して笑ったのだ。
尾田っちがどういうつもりで「死に際の笑顔」を描いてるかしらないけど、僕は"信念を貫き通した"からだと思うんですよ。
"腹にくくった一本の槍"と書いて「信念」と読むのがワンピです。
「(海賊旗は)"信念"の象徴なんだぞ!」「命を誓う旗だから」(148話)というように、信念には命を駆ける価値があるのだ。だから死んでもいいのだ!
死んでもいいのだ
「おれは死んでもいいんだ!おれがなるって決めたんだから、その為に戦って死ぬんなら別にいい」
だからルフィは序盤のローグタウンで「わりい、おれ死んだ」と笑顔で死を受け入れるのである。海賊王になるって信念を貫いたから何も成し得てない序盤でも笑顔で死を受け入れる!
ベルメールさんだって助かる命を捨ててでも「親子である」って信念を貫いたから笑って死んだのだ。
ヒルルクだって、エースだって、タイガーだって、オトヒメだって、夢半ばで後悔や無念があるだろうけど自分の信念貫いたから笑って逝くっつーの!これが「ワンピース」最大の美学である。
かっけーな、おい!
こういうかっこいい美学を貫いた敵キャラがいるのだ。
「ワンピース」史上において、初めて敵キャラが笑って逝ったのである。
ヴェルゴさんとモネ
ドフラミンゴ配下のヴェルゴさんとモネの2人である。
この2人、本気で自分の人生がここまでだと悟って死を受け入れ覚悟して笑ったのだ。これを美学と呼ばずに何を美学と呼ぶのか!
ヴェルゴさんもモネもドンキホーテ・ドフラミンゴについていって、最期はドフラの予想以上の事態になって死んでしまった。
それでも最期に笑顔を見せたんですよ。ヴェルゴさんもモネも、ドフラについていくという、自分の信念があったんですよ!自分の命より大切なものがあるんですよ。ドフラの為なら死ねるですよ。
「ワンピース」史上、初めて敵キャラで死に際の笑顔を見せた2人。
ドフラの部下であるという誇り!ドフラについていくという信念!ドフラミンゴには、この2人がドフラの夢の為に死ぬんなら別にいいという信念を貫く価値があったのだ。そんなドフラミンゴが小物であるはずがない!カイドウ?なんぼのもんじゃい!
コメント
死に際の笑顔は、心の自由を表してると思います。
死に際は、不安や恐怖に駆り立てられます。それを超越してこそ、初めて心は自由になれるのかと。