『ワンピース』第1002話〝四皇VS新世代〟
サブタイトルは「四皇VS新世代」か。ビッグマムとカイドウが四皇なのは当然ですが、ルフィ&ゾロ&ロー&キッド&キラーの5人を「最悪の世代」でも「超新星」でもなく「新世代」と表現するとはなかなかどうしてよ。熱いです。
「新時代」を切り開く主役感出てます。

「新世代」ってつくの初じゃないですかね。



目次
1002話「四皇VS新世代」感想・考察
時代の境目っぽい
「○○の時代」というのがワンピで頻繁に語られることがある。大海賊時代に関係なく大物海賊の時代を表現してました。ざっくりした「○○の時代」は以下の通り。
○○の時代 | |
38年前まで | ロックスの時代 |
25年前まで | ロジャーの時代 |
2年前まで | 白ひげの時代 |
現在 | 新時代 |
573話「この時代の名を〝白ひげ〟と呼ぶ」
固有名詞の付く「○○の時代」というのは世界の頂点に君臨する海賊を指して呼んでいるといったところ。白ひげ亡き後は「新時代」と呼ばれていました。
「新時代(新しい時代)」というのはドフラミンゴからはじまり、キッドもマルコも言っていました。
いわく「豪傑共の時代」「誰も見た事がない時代」である。ようするに頂点不在の戦国時代のようなもの。王座が空位の海賊達の群雄割拠である。現在の海賊の頂点に君臨しているカイドウもリンリンを指して誰も「カイドウに時代」「ビッグマムの時代」と呼んでない。
おそらくこの戦いに勝った方が「○○の時代」…事実上の海賊の頂点に立つのでしょう。それは四皇か新世代か。といっても、まだシャンクスも黒ひげもいますが。
「新世代」強いぞ
カイドウの放つカマイタチ。技名は「壊風」らしい。この技は赤鞘九人男にも放っており、誰も対処できずお菊ちゃんくんなんて片腕スパッと斬り落とされてしまいました。これを物ともしないのが「新世代」の5人よ。
ゾロの防ぎ方がとにかくカッコイイ。閻魔でカキンと弾く。お菊ちゃんなんて刀ごと持ってかれたのに(おそらく相当な名刀)。閻魔の強さとカマイタチが見えてるのが強者感を引き立てる。
序盤2ページで赤鞘九人男よりもやりおるわと読者が関心するゴング開始である。
ちゃんと学習してるローとキッド
通常攻撃が効かないのを踏まえて「体内への医術的な死」「潰れて圧死はできるんじゃねぇか?」と宣言してた通り、そういう攻撃を繰り出しダメージ与える流れは、この戦いにいる資格有りと思わせるものでした。
キラーのはよく分からかった。弾く覇気(桜流)使えないから内部へ攻撃って外部から攻撃してるよね?貫いてるように見えるけど、どういうロジックなんじゃろ。
鎌阿音撃(カマアソニック)
「内部へ斬り込めばいいんだな」って、それが出来るのは「オペオペの実」能力者のローみたいな限られた者だけで普通は内部に攻撃なんて出来ませんって。
にも関わらずダメージ与えるキラーの「鎌阿音撃(カマアソニック)」はどういう理屈なんじゃろ。
物理攻撃に見せて文字の通り音の攻撃なのでしょうか。貫いて見えるのは技のハッタリなのか、まじで物理で貫いてるのか。私気になります!
閻魔で一刀流「飛竜火焔」
ドラゴンボールの「避けろナッパ」を彷彿させるやり取りですが、ゾロがカイドウに斬りかかるのは因縁や宿命めいたものがありますね。
刀におでん様の気配がのってるもなにも、おでん様の愛刀「閻魔」ですからね。桜流を勝手に放出するヤバイ刀です。切れ味は抜群。霜月コウ三郎の作品です。
刀も因縁めいたものあるけど繰り出した技も熱い。一刀流「飛竜火焔」とは、かつてワノ国の英雄の剣豪リューマ(本名:霜月リューマ)の肉体を叩き斬った必殺技である。
お前か…大昔に竜を斬った〝伝説の侍〟ってのは。竜なんて生物がいたかどうかも知らねぇが…会いたかったぜ(462話)
リューマの竜殺しは読み切り「MONSTERS」だけでなく、「VIVRE-CARD(AA)」によると数百年前に「ワノ国都の空に現れた竜を斬り捨てる」と説明されています。
まさに今のゾロの状況を彷彿させている。今のカイドウ(龍)はワノ国上空に現れてるわけですしおすし。そんなカイドウへ、リューマを斬った「飛竜火焔」をぶっ放すのは色んな意味で熱い。
おでん様の気配と同じく、「霜月家」の因縁・宿命がガン盛りです。そもゾロ自身が霜月家に与する可能性もありますし。「うおおおお!」ですよ。
ゾロのリューマ超え
心身共にあってこその剣士だ…お前が生きてた時代に会いたかったよ(467話)
ロジャーがジョイボーイと同じ時代に生まれたかった(過去を指してるか未来を指してるか不明)と述べたように、時代が違って会えなかったのはゾロにとってのリューマも同じ。
スリラーバークでリューマの肉体(影はブルック)に勝利するも勝負はノーサイドにしました。なぜなら「心身共にあったこその剣士」だから。ブルックの影のリューマは身体はすごいけど本来の力を出せてなかったのである。
結局、「勝負はなかった事にしようぜ、ワノ国の侍…」とちょっとした因縁や超えるべき壁となったのがゾロにとっての剣豪リューマ。だから、ものすごくこだわる。ドラゴンに!
656話
人工(と思われる)ドラゴンにもめちゃくちゃこだわってましたからね。「コイツはおれにやらせろ!」というのは、剣豪リューマが竜斬ったことを踏まえてでしょう。
伝説の侍が竜斬ったと聞いて会って戦ってみたい。勝利したけど本来の力のリューマではなかった。「お前が生きてた時代に会いたかった」「勝負はなかった事」とした上でこだわる竜斬りです。実際に戦うことは叶わないが同じ偉業を成せば、本物を斬ればリューマと並べる的な。
ま、西洋竜と東洋龍の違いあるかもしれんが、作中では同じ扱いっぽい。錦えもんがパンクハザードのドラゴンを踏みつけ「親の敵同然」と述べてました。カイドウ(東洋龍)を指しての発言でしょう。
だから、ゾロにとってカイドウ(龍)はリューマ超えって意味合いもある。まあ、カイドウは数百年前にリューマが斬った竜より絶対強いだろうけどね。
カミナリぇ…
ビッグマムもやっぱり化け物だー!インドの神の名を持つ「威鼓(インドラ)」、ジャパンの神の名を持つ「天満大自在天神」とカミナリを打ちまくってくる。
ゾロにとって竜(龍)が戦えなかった剣豪・霜月リューマへの挑戦なら、もう一つ意味合いが大きいのは「雷」でしょう。
作中でゾロが敗北したのは2戦ある。1つが世界最強の剣士ミホーク、もうひとつが神エネル戦である。「おれはもう二度と敗けねぇ」と誓ったのにエネルに敗けたのは相手が剣士じゃないからギリセーフ。
277話
ルフィの「お前がいて何で…こんな事になってんだ…」というのはゾロの強さへの絶対的信頼があった上での発言だよね。カミナリ食らって敗れたゾロにとってビッグマムの「雷」もまた超えるべき壁でしょう。
避けるか耐えるはしてこそ、雷に為す術もなかった過去の自分を超えれる。「神」「雷」もまたゾロの宿命なり。まあ、ビッグマムの雷はエネルの雷より絶対強力だろうけどね。
- 龍(竜)を切って剣豪リューマと同じことする
- 過去に為す術もなく黒焦げにされた雷をどうにかする
そういう観点で見ると「四皇VS新世代」はゾロにとってめちゃくちゃ熱い戦いですよ。ゾロは超えられるだろうか。まる。