『ラーメン赤猫』(アンギャマン)読了。
ジャンプ+でかなり好きな作品。癒されるんだ。味がしみてるんだ。
猫が営むラーメン屋に面接をしに来た珠子。店長からの質問に「犬派」と答えて、あっさりと採用されたのだが…、仕事内容は猫の世話係!?ラーメン赤猫、癒し大盛りで始まります!!
ラーメン赤猫
紆余曲折の雑草魂がある
この作品は「ジャンプ+」のインディーズ連載で単行本が確約されてない形式でしたが、人気を博し見事に単行本化されました。
ジャンプルーキーで行われたジャンプ+での連載争奪戦を勝ち抜いた作品でもあります。「ルーキー」→「ジャンプ+のインディーズ」→「本格連載&単行本」とプロ野球でいえば育成契約選手が3軍→2軍→1軍とのし上がったようなもの。
さらに言えばルーキーから連載会議という話もあったようですが、経済的な理由で原稿料+広告収入貰えるインディーズを選んだとか。
ジャンプルーキーでアップしたあとに
ジャンプ+の担当編集さんに
「これは連載会議にまわしてみてはどうですか?」
と声かけていただいたんですが
経済的余力の問題で
インディーズ連載を選択したのは私の判断ですジャンプ編集部がどうとかいう人がいたので
一応。— アンギャマン (@ANGYAMAN) May 10, 2022
プロ野球で例えるなら高卒・大卒でドラフト指名されるかも…でも下位指名って状況で社会人野球を選ぶようなものですね。そして社会人野球を経由してプロ入りみたいな。
欄外も面白かった。まあ、そんなん抜きに本編もいいんですよ。あと店長の柄は猫漫画レジェンドのマイケルに敬意を示してると思う。多分。
猫のラーメン屋
『ラーメン赤猫』は猫たちが営むラーメン屋。叔母の紹介で働くことになった社珠子の視点で描かれるラーメン屋の営業物語である。これが良いんだ。
1話
猫が喋ってラーメン屋やってるー!?
世界観は猫が普通に話してラーメン屋を営んでる以外は現実に則ったもの。ある種のディズニーランド「夢の国」のような猫好き垂涎のラーメン屋さんです。そして珠子さんと猫たちの主人公ヒューマン&猫ドラマも良い味だ。
おっさんが癒される荒野のオアシス。そんな漫画。
ラーメン屋のモットーは「接客一番、味二番」。といってもちゃんと味も美味しいし、拘ってるラーメン屋さんでもある。でもやっぱ猫好きに支持される夢の国…ならぬ「夢のラーメン屋」です。
夢の国のようなラーメン屋になった
「夢の国」がドリームを提供する職人魂は3つあると噂されてる。
- キャストのプロ意識の高さ
- ゴミ一つ落ちてない清潔
- 時計が少ない
真意は知りませんがお客さんに夢を見せてくれるのでさもありなんである。事実、ラーメン赤猫はガチのマジで猫かわいいってドリームを提供してくれるのに拘る。
猫のかわいさに癒されるお客さんから支持されて、ハナちゃんの接客のあざとさを筆頭にお客さんの需要に全力で応える従業員のプロ意識の高さ。清潔なのが大事!珠子さんはその為に採用されたようなもの。さらに時計が少ない。いや1個だけ確認できる。
1話
店内に時計は小さいのが1個だけある。お客さんはカウンター席なら確認できるかな。テーブル席なら時計見るの無理でしょう。
まさに極少数の「時計はあまりない」な夢の国!お客さんには夢の時間を時間気にせず楽しんでって配慮(かもしれない)。従業員用の部屋はばっちり有る。
ラーメン赤猫は夢の国なのかもしれんな。夢を提供するキャストたちの紆余曲折を描いたものとも言える。彦摩呂風に言えば「猫たちのラーメン屋が夢の国になってる宝石箱や~!」である。知らんけど。
染み渡る味わい
『ラーメン赤猫』は日々を必死に生きてる者達に刺さりまくるのも特徴です。むしろそれがキモです。
2話
主人公の珠子さんは前職がブラック企業だったようで、ラーメン赤猫の労働形態がちゃんとしてることに涙を流して感動してしまうのです。号泣してしまうのです。職場の働きやすさ大事!
そういう労働に疲れた者の「癒し」を随所に提供してくれる。ある種「お仕事漫画」として普通に面白い。
前職と違って、今はやれば評価されるし頑張れば報いのようなものが見れて「良かったなー」ってほっこりできる。努力が報われていく。日々のお仕事に白目になってる読者に勇気のようなものをチャージできる作品なり。
ヒューマンならぬキャトドラマがグッとくる
6話
猫の店に採用され働くただ一人の人間・珠子さんとハナちゃんの打ち解けていく過程が良い味出してる。
ハナちゃんは人間でコネ採用の珠子さんを最初は敵視してたのに、話が進むにつれて段々と認めてくれて打ち解けていく過程が最高すぎる。ヒューマン&キャットドラマの描写よ。
単純に全員人間で職場の嫌味な先輩と徐々に仲良くなっていくでも成立するんだけど、「猫」だからこそって行動がまたかわいさを爆発させる。ただツンツンしてた子がデレるかわいさを猫のかわいさで倍増!ニヨニヨ見守るのみ!
珠子さんと猫の従業員たちとのやり取りは本当に味がある。より関係を深めていく過程が素敵。それでいて猫ならではのかわいい仕草がフックになってる。
かわいいは正義だ!
9話
かわいいー!!!!
かわいいは正義である。もちろん美少女の可愛さにも当てはまるけど、ベビーシェマ的なものにも言えるんだなぁ(しみじみと)。いわゆる赤ちゃんは言動に自動的にかわいいって思わせるスキルがあるそうな。この漫画にも言える。猫シェマである。
結論としてはかわいいは正義なんです!
毎日、満員電車でもみくちゃにされ仕事で白目を向いてる人にこそ読んで欲しい。暗黒のアレフガルドに光を照らしてくれるサーチライト的な存在!それは猫!プラス珠子さんの可愛さも堪能できる。
美少女のラブがコメってる可愛さも、美少女たちがキャキャウフフしてる可愛さにも勝るとも劣らない!それが猫です。
『ラーメン赤猫』は決して「うおおおお!熱い!」でも「うおおおお!悶絶!」でもない読了後の感想ですが、日々を摩耗してる令和の現代人に「あー!癒される!」「ま、頑張ろう!」って思わせてくれる作品なのだ。
生きるのが大変って感じた時に読む薬!これが『ラーメン赤猫』なんですよ。学校や職場で疲れた時にも、美少女でなく猫の「かわいい」を補充する意味でも、実に効く薬である。良い漫画やで。明日も頑張ろうって背中を押してくれる。
コメント
ええよね赤猫
常連のお客さんの細かい描写とかも好き
曇りそうな話でも1話で完結する所もいいですね
事業拡大の話とか続くかと思ったら最後の数コマで終わりましたからw
同一作者の夜ヲ東ニってのも読みましたが
こちらは売上なさすぎて打ち切りなんですね・・・
こっちもかなり面白いのに