最高傑作や…(確信)。
最近はFGOのプレイに全力投球で、月刊誌もコミックもほとんど読まずに詰みまくっている状態が続いています。そんなわけで、ようやく『それでは町は廻っている』の最終巻を読み終えました。
連載でも読んでたんですが、コミックでまとめて読むとまた違った良さがありますね。ぶっちゃけ連載で最終回読んだ時は微妙だったのですが、コミック読んで意見が変わりました。エピローグはとても感動的でした。「最高傑作やないか!」って声を大にして叫びたい。余韻が気持ちいいこと!
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ま、自分の中で『それ町』を読むモチベーションは紺先輩が大半を占めておりまして。時系列バラバラに描かれることで、絶妙に紺先輩が高校卒業してからが本人描かれていなかったので「紺先輩はどうなってしまうんじゃ~!?」と読んでいました。
果てして日本に残るのか。はたまたイギリスへ旅立ってしまうのか。で、紺先輩に関しては最終16巻でなく、ひとつ前の15巻で卒業後の進路が描かれていました。
コミック121話
実質、私にとっての最終巻は15巻でした。紺先輩は第一志望の大学に落ちたと語られ、日本にいるのかイギリスにいるのかが『それ町』最大の謎でしたからね。喉の小骨が刺さったようなものでしたが、無事に日本にいることが判明。よかったー!
15巻は、紺先輩だけでなく他の登場人物も区切りというべき結末が描かれており、ラブコメ大好きマンとしても大満足でした。故に、16巻なんて「おまけ」だろう…と思ってたんですよ。
ところがどっこい!まさに『それでも町は廻っている』の集大成でした。最高です。大満足です。この作品は後生に残すべき傑作やで(真顔)。
(※ネタバレ有りますのでご注意を)
『それでも町は廻っている』16巻
コミック第124話「大事件」
16巻は最終回だけあって、今までのエピソードの集大成って話ばかりでした。タッツンの恋(未完)や紺先輩と中学の先輩の再会やシーサイドが普通の喫茶店になる話など。噛みしめる味わいがあります。その中で個人的なお気に入りを上げるとすればコミック第124話「大事件」でしょう。
124話「大事件」は、個人的には注目していたわけではありませんが森秋先生の文学少女の正体が判明しホラー全開ながら今まで散りばめていた小ネタを上手にすくい上げていました。
69話 / 9話
思い返せば9話「恋の方程式」で、森秋先生に恋した文学少女の話が出たものです。そして25話「呪のルーレット」では、その文学少女は5~6年の月日を得てこの学校の教師になってると紺先輩から語られるのでした。
作中では西美波先生があからまに好意を寄せていたので、森秋先生へラブレターを出して教師となって舞い戻ってきた文学少女は西美波先生なのではないかと読者をミスリードさせての溝口奈美子先生でしたオチ。
しかも、溝口先生も初登場のぽっと出のキャラでなく、69話「流血のプロセス」でおっかない先生と語られてました。さらに、19話「ジョセフィーヌの夏」であった夏休みの補習を写真に取ってたこと。歩鳥と森秋が食事したのを知ってるのも、88話「ミラクルスーパーラッキー指輪」を読み返すと居るんですよ!溝口先生が!
溝口ぇ…
すごすぎる。
思わず膝をうつってものです。
そうなのです!『それでも町は廻っている』は読み返せば読み返すだけ新たな発見があり、何度も何度も噛みしめるように読める傑作なのである。ただの日常漫画なんてとんでもない!全てのエピソードが他のエピソードに繋がっている。
それを踏まえて、16巻を読んでは戻って読み返す。いやー、素晴らしい。噛めば噛むほど、読めば読むほど、深みがある味わいです。集大成であり『それ町』読みのはじまりでもあるのが16巻なのである。それを踏まえて読んで堪能ですよ!
128話「嵐と共に去りぬ」
嵐と共に去りぬ
129話「嵐と共に去りぬ」は、9月8日に関東へ超大型台風が上陸し大災害になるのを食い止めるため歩鳥は選択を迫られます。オニギリのような宇宙人から台風を消すスイッチを押すか押さないかと。
このスイッチを押せば死者6000人超えの台風を消すことが出来る。かわりに、歩鳥の存在も消えます。消えるというか、歩鳥が生まれなかった事になり、歩鳥が消えたことは誰も認識できなくなります。それを迷わず押した歩鳥。
で、この話の直接的な続きは14巻111話「夢幻小説」ですかね。
111話「夢幻小説」
この時の歩鳥と着てる服装も一緒だし。歩鳥が生まれなかったパラレルワールドに迷い込み、静ねーちゃんが「門石梅和」として小説家になることによって、歩鳥が生まれた世界へ見事に帰還(?)しました。それを踏まえた日常最終回。味わい深い。時系列シャッフルを上手く使ったエピソードでした。
エピローグ
いや~大したもんだ
『それ町』16巻のキモは当然エピローグでしょう。ここまでの日常があったからこそ、こう胸にジンとくる。まさに集大成です!本編が歩鳥の高校生活3年間を時系列シャッフルで描いていたのに対して、エピローグはそれから数年後。
まず、驚いたのは「いや~大したもんだ」とシーサイド横にいるじいさんでしょう。歩鳥が死んで生き返って入院していた時のじいさんやん。下半身不随になってヒネクレた性格になったものの、歩鳥と事件解決(?)を過ごして少しデレていたのが印象的でした。
オレが退院したら、あんたの店とやらに行ってもいいかな…?
歩鳥も「もちろん、ぜひ来てよ」と言っていました。あのじいさんがエピローグで本当に退院してシーサイドに来てた。胸が熱くなるな。
本当にね。『それ町』は何気ないことが後で大きな感動に繋がったり新たな驚きになるから困る。ま、エピローグ一番の見せ場で私の涙腺をクリティカルヒットさせたのは、書いた小説を賞を取り門石梅和としての静ねーちゃんとの邂逅です!
門石先生
ずっと…背中を追いかけて
どーにかここまで来ました
そっか…。歩鳥は気付いてたのか。背中を追いかけて来たのか。むしろ知らないフリしてここで決めてやるとはやりおるわい。何よりもね、その後の静ねーちゃんの反応がね…(´;ω;`)ブワッ
何度読んでも泣ける。大感動である。いやはや素晴らしい。終わりよければ全て良しと言いますし、最近は「舐めてんのか?」って最終回ばっかだったからさ。なんて綺麗で胸に染みわたるラストなんだ!『それでも町は廻ってる』は傑作や!
歩鳥は「門石梅和」と何故気付いてたのだろう
異界村
歩鳥が「静ねーちゃん=門石梅和」と気付けるとしたら3年生の夏頃に出た「異界村」しか考えられないんだよなぁ。あの大型台風で歩鳥がいない世界となった111話と128話。気付けるとしたらここしかない。
というのも、「異界村」の内容が雪に閉ざされた村に迷い込んだら昨日まで生活してた跡を残して一人も村民がいなかったというものだからです。これ、おそらくトリックは57話「それ町サスペンス劇場Ⅱ」(消えたストック)もしくは93話「歩鳥はコタツで推理する」(消えた人)、設定は102話「廃村」を下地に執筆したと思われる。
102話 / 93話
静ねーちゃんはデビュー作「雲丹飛行船」が高校時代の同級生だった北村早希を下地にしてるでしょうしね。実体験や取材を小説のネタに使うのが静ねーちゃんであります。
57話も93話も102話も静ねーちゃんと一緒だった歩鳥が門石梅和の「異界村」を読んで流すだろうかと。この設定やトリックはひょっとして?と思うのではないだろうかと。むしろ、111話は気付いてて名前出したんじゃないのかと。
そもそも、静ねーちゃんは普通に隙だらけだったしね。
…今、トリックを仕入れるつった?
やはり、歩鳥が「静ねーちゃん=門石梅和」と気付くとしたら3年の夏頃に発売した「異界村」を読んだ時としか思えんなぁ。
静ねーちゃんが執筆で苦労して色々とネタを仕入れてたのが、時系列的には歩鳥が2年の冬頃でしたし。一連のエピソードは全てその辺りで歩鳥も一緒に体験してますしおすし。そして、3年の9月に自分も体験したネタ満載の「異界村」を読むわけですよ。一緒に体験した(話した)設定やトリックが書かれた小説読んで気付いてしまったのではないかと。
静ねーちゃんと歩鳥
自分が書いた小説を読んでくれる自分
自分が書く小説を見つめる冷静な自分
それを具現化したような目…
そこまで読んで歩鳥ちゃんが真相を推理するんだ
歩鳥は探偵としての道を歩み始めた(助手になる)
ひとを見た目で判断する奴は、探偵失格であります
探偵失格であります
それにあの子はバカじゃないから
いずれ自力で見やぶるよ…
犯人は探偵に見破られるのを恐れつつ楽しみに待つもんだよ
よくぞ…(´;ω;`)ブワッ
高校3年生の時に、自分の書いた小説を書いた記憶を無くして読んでみたいと思った願望。近所の子供を自分の「もうひとつの目」として、自分の好きな本を読ませて育てあげてたはずがいつの間にか弟子に超えられていたでござるの巻きですよ。
いや、小説家としてはまだまだですが、少なくとも探偵として育てた近所の子供はすくすく成長して助手となり、いつのまにか探偵として師匠を超えていました。まったく!歩鳥に一本取られちゃったぜ。
元々、高校時代や歩鳥のいない世界でも小説を書いてはいた静ねーちゃん。だ・け・ど!歩鳥がいなきゃデビューはしていなかった。ただのミステリ好きで終わった事でしょう。小説家の静ねーちゃんは、門石梅和は、歩鳥が居なきゃいあり得ない存在ですからね。そう考えると、この2人のエピローグは『それでも町は廻っている』のラストに相応しい。
ラストまで読んで清々しい気分になれました。『それ町』を最後まで読んで良かった。心から思うね。余韻がやべー!心地よさが至福すぎる。
まとめ
エビちゃん
長くなったので総括!『それでも町は廻っている』をまとめると、中学生になったエビちゃんふうの音も出ないぐらい可愛いということである。
今まで、紺先輩紺先輩と言っておいてなんですが。エピローグを読むと、紺先輩に勝るとも劣らないぐらいエビちゃんをペロペロしてる自分がいましたね。はい。
いやー、それにしても凄い名作やった。1話1話を噛みしめるように読み直せるし、今でもふと読み返しては新しい発見や解釈が出てくる。歴史に残るべき漫画だと思います。マジで。
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コメント
エピローグの涙腺崩壊具合はやばかったですね。
大人になったなぁと思わせる歩鳥からのカバー下の流れも良かったです。
回覧板買ってないんだね
回覧板はよむべき。
回覧板を買って自分でも1〜15巻を行ったり来たりしてるんですが。
こちらでも「ストーリーライン」ごとに絵入りでまとめていただけると
ありがたいのですが。
それ町読むきっかけヤマカムだったので最終巻のレビュー書いてくれてよかった。
名作って言葉では言い表せない良さがあった。
98話エピローグで「静姉ちゃんがなんと小説家デビュー」て書いてあるし、
この時点では門石梅和とはつながってないのでは?
最終巻読んで「ああこの物語はほとりと静ねーちゃんの物語だったんだのか!」と実感したわ。あのエピローグは反則!
歩鳥の存在が消えたパラレルワールドで存在してた夢は結局覚えてないだけど存在が消えてなかったってっこと?よく分からなかった。
歩鳥がいつ門石梅数=静ねーちゃんと気付いたかははっきりしませんよね~
少なくともネットで最終回か?と騒がれた歩鳥の未来予想図作文時では、静ねーちゃんが予想図の中で作家デビューしているのでその時点では気づいてはいないはず…
ヤマカムさんの言うとおり111話では気づいてて言ってそうではあるんですよね、というかここで気づいているって所を見せておかないと多分時間軸的に最後らへんの話だと思うのでまったくヒントがないw
[…] […]
名前が単純なアナグラムだから
「好きになったか?」よりずっと以前に気付いていたとするのが普通なのでは…
ライトな記事だからかもしれないけれど、考察がちょっと甘い…かな
漫画は数をたくさん読めばいいってもんじゃないですね。
気持ちわりーやつだな