『テニスの王子様』連載20周年記念特別読切、新時代へ受け継がれる何か…

 

「青学」「氷帝」「比嘉」に続いて、「四天宝寺」「立海」はジャンプSQで掲載。

流石に跡部さんのイチモツほどのインパクトはないが「四天宝寺」「立海」もめちゃんこ面白かったです。

続々テニプリ20周年読切

青学の新部長は海堂、氷帝の新部長は日吉、比嘉の新部長は新垣…。

この辺はまあ納得できないくもない。理解できないところはあれど。

 

で、四天宝寺＆立海は色んな意味でビックリでもあります。

新チーム「四天宝寺」編

ええ～っと新部長の財前っす

 

…え。

 

四天宝寺の新部長は財前くんだって。ビックリですね。いや、そもそも前レギュラー陣の下級生は2年の財前光と1年の遠山金太郎しか残ってないので、財前くんがキャプテンになるのは当然っちゃ当然なんですけどね。それでも「え？」感はぬぐえない。

 

だって、あの財前くんですよ？

 

なんか作中では「天才」ってもてはやされたけど、何の活躍もしてませんからね。むしろ大恥かいた印象しか記憶に無いんだけど…。そうか、あの恥ずかしい男だった財前光くんが次の部長か…。四天宝寺は大丈夫なの？

あの財前光くん

あの財前くんの恥ずかしい姿の名前を僕たちはまだ知らない

 

財前光ってあの財前くんだよね…。

テニプリ史上で最も生き恥じを晒した男…。

 

なんたって試合開始直前に白石部長から受けたアドバイスがすごい。

 

財前！この試合は千歳と手塚の一騎射ちになるでぇ。千歳の「才気煥発の極み」はダブルスでは効果を発揮せぇへん。分かるな！

 

要約すればこの試合はダブルスだけど、千歳の「才気煥発の極み」はシングルスでのみ力が出るし、対戦相手の手塚との一騎打ちになるからお前は手出すな！って事実上の戦力外通告ですから。

 

そも、このオーダー両監督がなんで手塚と千歳をダブルスに入れてんだよ！って突っ込み所心満載だったけどさ。それでも試合前にお前邪魔すんな！って言われた財前くんの気持ちは泣ける。前戦の不動峰戦は補欠だったわけだし。

 

ようやく試合出れると意気揚々と臨めば邪魔すんな！ですよ。

ちょっとムカつくわね。試合に介入したくもなるわね。

で、コレです…。

 

悲しき財前光

 

手塚と千歳の打ち合いに意気揚々と介入しようとしたら、前代未聞の空振りを晒してしまう図です。うわぁー！財前くんの存在感なさすぎぃ！ですよ。泣けてしまいます。その情けないポーズでずっと固まってるし…。

 

調子こいて参戦しようとしたら空ぶって固まる。財前を置き去りに「パァァン」「パァァァンと」とラリーの音が鳴り響いているのが、またなんともいえない哀愁を醸し出してます。クソダサだぜ！

 

なんなんですかね。

この財前くんの情けなさと虚しさは…。

 

例えるなら、同棲してる彼女を脅かそうとベッドの下に隠れて待ってたら、彼女は別の男を連れ込んで来てベッド上で「パァァン」「パァァァンと」と始めちゃったので、驚愕と悔しさと惨めさで出るに出られず固まってしまった男の哀愁に近いものがあります。

 

うわぁ！財前くんかっちょ悪すぎぃ…！！

トラウマしかない財前光

もうやめて！財前くんのライフはゼロよ！

 

止めておいたほうがいいだろう。

もはやこの勝負…俺達の入れる領域じゃあ無い

（by、ラケットすら持たずノート持ってジャージも脱いでないツンツン頭メガネのお説教）

 

きっつー！

 

意気揚々とボールを打ち返そうとしたら壮絶な空振りして固まってた男へ向けられらキツすぎる乾のトドメです。最高にかっこ悪い台詞を最高にかっこ付けて言われてしまいました。

 

この乾についても突っ込もうと思うと原稿用紙100枚レベルなのでスルーするけど、財前くんのメンタル崩壊だよなー。

 

中学生部活の全国大会です。

きっと、財前くんの母親とか家族も試合を観戦しに来てたでしょう。

 

なのに前の試合では空中に対戦相手を吹っ飛ばして血まみれになったり、骨折させたりする凄惨極まりない殺し合いが起きたわけす。「死んで来い」とかアドバイスしてるんですよ。え？これテニス部の全国大会だよね？戦争じゃないよね？

 

財前くんの試合前にゴリラが二匹凄惨な殺し合いしてた

 

財前くんはファンブックによると兄は結婚して子供もいるそうです。家族仲は良好かな。親御さんだけでなく、お兄さんの家族も全国大会の応援に駆けつけていたのは想像に難しくない。両親と兄一家が応援に来て、財前光くんの試合前にゴリラ2匹が悲惨な殺し合いをしてた…。

 

こんなん見せられたら、「う、うちの光ちゃんはあんな風になったりしないザマスよね…？」 とママがものすごく不安になったりするわね。親族一同中学テニス部の応援に来たのに、まさか生きて帰って来る心配することになるなんて夢にも思わないでしょう。

 

朝に元気よく家出て試合会場に向かった息子が棺桶で帰ってくるなんて、タッチだけで十分ですよ。ガタガタ震える財前家の親族たち。そんな不安を抱え光くんの試合が到来。対戦相手を観察したところ、さっきの異次元ゴリラ2匹とは違い、まともな人間のメガネ2匹（手塚と乾）。

 

よかった。財前光の対戦相手はまともな人間だった…と安心したことでしょう。

なのに試合が始まったらコレですよ…。

 

コレ

 

対戦相手はまともな人間だって安心したのも束の間。試合がはじまれば、コートの端っこでポツンと邪魔にならないように固まってるだけ。たまに、財前家の息子さんが試合に介入しようと手を出しても情けなく空ぶりって固まるだけ。試合はそのまま何事もなかったかのように手塚と千歳のラリーが続く…。

 

もしも私が財前家の親族で全国大会準決勝の応援に駆け付けた身になったら、悲しくて泣いちゃうね。乾と財前は無我の奥底どころか遥か前にある扉「身分不相応の極み」の扉開けちゃってんだもん。

 

また、ファンブックによると財前光の趣味は「ブログを書くこと」だそうな。ブロガーですよ。テニスの名門四天宝寺でレギュラーになったぜとか。転校してきた千歳先輩のせいで試合出れねーとか。そういう内容のブログを書いてことでしょう。

 

そして、全国大会準決勝で、ダブルスでレギュラーに選ばれたなら、ブログで「うえーい！」って感じで明日は団体戦レギュラーだぜと書いたことは想像に難しくない。で、実際の試合ではコレです。

 

コレ

 

多分この日を境に財前くんのブログは更新が止まったと思う…。

 

もしも自分が財前光の立場だったら部活に顔出せねーわ。

退部届け出すね。登校拒否になってもおかしくない。

 

それぐらいあんまりに酷いトラウマになるような事件だったわけですよ。なのにテニス部を辞めず、部長になって頑張ってるわけです。もうそれだけで、財前光くんの鋼鉄メンタルに感動です。

 

事実、財前新部長はすごかった…。

 

財前光新部長

 

財前光さん…。

 

全国大会で前代未聞の恥を晒し、それでも尚クールぶった姿がすごい。なんか前部長・白石の大変さを痛感してクール一辺倒ではいかんとボケをかます姿すごい。まったく面白くなく完全にすべって生き恥を＋アルファしてるのもすごい。

 

凡人ではとても部活に顔出せないし、引きこもって登校拒否しておかしくないトラウマ。なお恥を上乗りさせる…そんな新部長の生きざまに謎の感動を生みました。はい。

新チーム「立海」編

立海新部長・玉川よしお

 

 

…え。

 

常勝立海レギュラー格で唯一の2年生だった切原赤也が新部長…ではなく、ポッと出の玉川よしおなる人物が新部長になる立海新チームであった。これが「意味不明の極み」か。この流れで赤也だけ部長になれないって…。新部長は玉川よしおって…。

 

いやいや。

誰だよお前…。

 

どう考えても赤也が新部長になって然るべきでしょーが。ただ「ロブに定評がある」ってのは意味深だ。むしろ納得案件にすら思える。

 

なんたって、立海といえばロブです。

具体的に言えば、皇帝真田のロブこそ立海理不尽さが詰まってる。

 

ロブに定評があった真田くん

 

立海の皇帝真田といえば「風林火山」ですからね。その中の「林」は対戦相手がガンガン押せ押せで来たところをいなすロブを打つ試合巧者っぷりの必殺技です。

 

これを関東大会決勝の青学・越前戦で見せれば、真っ向勝負の打ち合いでオラオラって来る越前を軽く柳のように交わしてロブを決めます。それを見た観衆は「百戦錬磨だ」「一本のロブで流れを引き戻した」と大絶賛してました。

 

これとまったく同じ現象が全国大会決勝の青学・手塚戦で起こり反応は180度違いました。雷を手塚ファントムで返されるので林・ロブで打ち返せば、観衆は「何が皇帝だよ…」「汚ねぇーぞ」「真っ向勝負しないで何が皇帝だ！！」とブーイングしてくるのです。

 

いやいや。越前戦では力押しの相手にロブ決めるの絶賛してたやんか。それを手塚戦でやったら、真っ向勝負を捨てた卑怯者ってブーイングですよ。意味が分かりません。

 

同じ力押しの相手を交わしてロブ打っただけだよ。最初は百戦錬磨と絶賛されたのに、後から真っ向からの打ち合いから逃げたって避難浴びる。「理不尽の極み」です。

 

ロブを打つことは立海サイドにとってトラウマになってもおかしくない。故に、赤也でなく、ロブに定評がある玉川よしおが部長に選ばれるのも妙に納得できてしまう。かつては試合巧者の代名詞だった「林」が、なぜか卑怯者呼ばわりになった「林」。

 

ロブを…いわれなき避難を集めディスられた全国大会の無念を晴らしてほしい。そんな真田の想いがロブに定評のある玉川よしおに込めたのかもしれんな。このシリーズ面白いのでザコバナさんが抜けた不動峰とかも見たいですね。まる。