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『付き合ってあげてもいいかな』、幻想とリアルの絶妙なバランス感覚…最高の百合や!

付き合ってあげてもいいかな(1) (裏サンデー女子部)

 

『付き合ってあげてもいいかな』(たみふる)読了。

これは良い百合作品ですね。なんて可愛らしいんだ…と何度ものたうち回ったものです。

 

私に、彼女ができました。

超モテるのに「好きな人と両想いになったことがない」パッと見いい女のみわ。大学入学を機に軽音サークルに入り、絶対友達にならないタイプ!と思ったお調子者の冴子と急接近。なんだかちょっと新しい扉が開いちゃう感じ…?

「せっかくだからあたしたち、付き合ってみない?」

軽音サークルの仲間たちと織りなす、ホンネの女子大生ガールズラブ!!

 

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『付き合ってあげてもいいかな』

まわりから目を張るような美人みわと、軽いノリでお調子者の冴子が大学入学で友人となり、軽音部で一緒に過ごす中でお互いが「実は女の子のほうが好き」とお互いカミングアウトして付き合うようになる…という話。

 

とにかく2人のやり取りが、リアルというか「ありそう…」というか。

等身大カップルのようなアレコレなんですよね。

友達からはじまる

友達

 

みわと冴子は大学で知り合った友達って関係からスタートするのが特徴かな。「友達発」って関係が効いています。付き合うことになっても友達の延長線上と恋人の狭間での揺れ動く様がなかなかどうして。

 

そもそも、この2人の関係がもう普通に男女の大学生でも成り立つ感じなんですよね。もちろん良い意味で。そこら辺に男も存在するし、みわは野郎にモテモテだし、そんな中で「女の子同士で付き合う」ってのが新鮮にも映る。

 

なんていうか、僕の中で百合ってファンタジーなんですよね。夢の世界を描いているような、現実には無い雰囲気というか。なのに『付き合ってあげてもいいかな』は大学生の恋を等身大で描いた作品なのに加えて女の子同士ってのがミソよね。

付き合ってあげてもいいかな

付き合ってみる的な

 

タイトルである「付き合ってあげてもいいかな」は1話と2話で回収してしまいます(実はもっと深い意味がある可能性もあるが)。軽いノリで女の子が好きってカミングアウトしたら「せっかくだからあたしたち、付き合ってみる?」と提案されたのが2人のはじまり。

 

なんていうか、僕の中でラブコメってファンタジーなんですよね。付き合うまでのニヤニヤする展開を楽しむのが醍醐味で疲れた日々に癒し効果とか糖分補給なんですよね。なのに『付き合ってあげてもいいかな』は速攻で恋人になり、付き合った「あと」に重点を置いてるのがミソよね。

 

むしろ、今まで友達とか親友としてしか見てなかった相手を今日から恋人で…って、急激な変化に紆余曲折するところにニヤリングの極みがあります。また、実は過去に…って、SAN値を削る描写もありまけど、重すぎることもなく軽すぎることもない絶妙のバランスがあります。

 

このバンラス感覚こそ素晴らしい。

友達としてと…?の好き

友達として好きではある

 

「友達発~恋人行」列車なのが実に素晴らしい。最初は軽い気持ちで友達としては好きなので「とりあえず付き合ってみっか?」的なDBの孫悟空がチチと結婚したような軽いノリではじまるも、徐々に深く「好き」ってものを追及するようでもある。

 

昨日までは親友!今日からは恋人!って切り替えがお互いが不器用にする中で、まるで真実の愛を追及するかのような展開は素晴らしいの一言でしょう。そうか…これが好きってことなんだ…!ですよ(気づいてしまった本当の気持ちマジコイなり)。

 

「友達として親しくなるから恋人として親しくなる」の絶妙な距離感と相克が、ドラマチックに2人の紆余曲折を盛り上げるのです。いい仲だなぁ…(しみじみと)。真面目に2人を見てると、真実の愛のありかが見えてくるようでもある。

 

そして、何より刮目すべきは2人の痴話喧嘩です。

痴話喧嘩こそ花でもある

ちょいとすれ違うのも極上

 

真面目というかお固いみわと、軽い感じの冴子の価値観などの相違ですれ違う様がむずかゆい。悶絶もの。例えば、初めてのセッッッに対するアレコレとか。経験云々でつい強がってキスをする様とか。全てが一撃必殺級の破壊力を持ってます。

 

これ別に女同士でなくてもあるじゃんって。ついつい強がって経験有るように振舞ったり、はじめての朝チュンに対する葛藤とか。付き合ってどれくらいの期間でヤってもいいのかと、ムードが大切だと夢見たり。

 

そこには初めて付き合う高校生ぐらいのカップルが突き当たる壁が満載です。それを自然と女の子同士でありながらテーマにしてるのもリアルっぽさに拍車がかかる。また、この作品のキモは2人の痴話喧嘩でもある。百合なのに共感度が半端ない。

 

等身大の不器用な付き合いはじめのカップルがそこにあるのである。2人の距離感の掴めなさはどこかおかしくて滑稽なのにめちゃんこニヤリングしてしまう。

艶めかしさもツボ

そもそも、この漫画1話冒頭からみわと冴子がラブラブのベッドでギシアンしてるところから始まります。いつかこういう関係になるって結果が明示された作品です。レズセッッッに至るまでのやり取りが等身大の思春期であるが面白いうま味でもあります。

 

その感情が妙に生々しいのもグッド。いや、自分にとって百合ってのはファンタジーでおとぎ話が理想なんですよ?女の子同士がキャキャウフフしてるのは大好物だけど、キスまでしかいかないようないわゆる「ソフト百合」が大好きなんですよね。

 

だって、客観的に見てもニヤニヤできるじゃないですか。自然と頬が緩む。そこにレズセッッ…一線を越えてしまいガチになってしまうと「これは俺の好きなメルヘンではないな…」って覚めてしまう感覚があったんですよね。

 

百合的な幻想世界から覚めてしまうというか。自分の視点って男視点なんで、女の子同士のソフト百合は微笑ましさもあってニマニマ俯瞰的に見れるけど、目線は下半身の棒なので、ガチになると感情移入する視点を見失ってしまうのです。

 

感情移入する場が失って置いてけぼり食らうみたいな寂しさがあったんですよ。ところが、『付き合ってあげてもいいかな』は説明が難しいけど「俯瞰的にニマニマ見る」視点と「感情移入する視点」が奇跡の同居があったのです。目からウロコ。いける!

 

可愛すぎる

 

まあ、本番は2巻ですけど、この「客観的にニヤニヤできるファンター的な百合」でありながら生々しい女の子同士の描写も普通に楽しめる新たな発見がありました。それはみわと冴子のどちらもヒロインであり肉棒的視点もあるからなり。

 

どう語源化すればいいのか…。2人はどちらもヒロインでありヒーローであり、感情移入もできるし客観的にニヤニヤできる百合があったんです。童貞を捨てるために必死な思春期男子と経験をしたいけど夢見る思春期女子の絶妙な心情がクロスしてる。

 

つまり、とても良い百合漫画です。絶妙な苦みと甘さと重さと軽さがあり、どっちも可愛く恰好良い。愛でれるし性的にも楽しめる。この味のバランスこそ青春やな。甘味と苦味のバランスが最高のコクのある味わいとなってます。まる。

 

 

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コメント

  1. 匿名 より:

    みわじゃないの?みやなの?

  2. より:

    面白そうなんだけど、絵が古くさい…

  3. 匿名 より:

    絵は昔のDISTANCEさんに似てるように感じたので、古めな絵柄なのかもしれませんが個人的には大好きです!

  4. 匿名 より:

    前作の「空気人形と妹」が大好きだったんですが、これは完全別路線で自分はダメでした。

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