漫画の神様・手塚治虫先生は、あらゆるジャンルの漫画を輩出しました。
もちろん「ラブコメ」も開拓しております。その名も「やけっぱちマリア」です。
「やけっぱちマリア」という漫画は、手塚治虫先生の長女・手塚るみ子さんが次のように説明してます。
『やけっぱちマリア』は、手塚漫画の中でも知る人ぞ知る傑作学園ラブコメディ
手塚漫画のラブコメ。
一体どういう漫画なのか非常に興味あります。早速見てみましょう。
やけっぱちマリア
いきなり喧嘩してる場面で始まります。しかも蹴り一発で3人もの人間を倒しています。1コマで3人敵を倒すなんて車田先生の元祖みたいですね。
主人公の名前は、焼野矢八(やけの やはち)。
あだ名はヤケッパチ。
市立第十三中学一年生!一年落第。
中学で留年くらってます。喧嘩が強く学校でも問題児です。
そんな熱い主人行のヤケッパチですが、相当悩んでる様子。目をギラギラさせて、保健室に直行。保険の先生に、真剣に相談にきました。切羽詰ってます。
これは相当悩んでるようです。
一体どんな悩みなんでしょうか…
「先生…おれ、子供が生まれそうだ」
なるほど。中学生が妊娠したら悩みますよね。
コリャ深刻だ。
って男じゃねーかよ!
さすが神様・手塚先生です。
斬新にもほどがあります。
男が妊娠なんて…
普段からヤケッパチが嫌いなボス・ナンバー3が、喧嘩を売りにきます。
この中学を仕切るタテヨコの会のナンバー3の実力者のようです。
ボス・ナンバー3
ヤケッパチのボディーをパンチで連打。
ボディーに何発も貰って嘔吐し気絶してしまいます。
何か出てきました。
どうやら妊娠してた正体のようです。
ちなみにコレが生まれたヤケッパチは驚きながら…
「おれは、もっとまともな赤ん坊が生まれそうな気がしてたんだがなァ。こんなもんが生まれるとは、ひでえや」
そういう問題なんでしょうか。
この物体(♀)の正体は、エクトプラズム。
生霊らしいです。
エクトプラズマに人形の入れ物をみつけてやることになります。
「こりゃアね。ダッチワイフちゅうて、オトナのオモチャでさ」
凄すぎます。
神様・手塚先生は恐らく少年漫画で初めてダッチワイフを登場させたんじゃないでしょうか。
そして、ダッチワイフにエクトプラズムを挿入。
名前はマリア。
生霊とダッチワイフで形成されてる可愛い女の子です。
あまりに斬新な展開に手塚先生の偉大さを改めて知りました。
マリアをヤケッパチと同じ学校に編入させることになります。
試験を行うのですが…
「フワ~ッかわいこちゃんいらっしゃ~い、ようこそ~~」
「合格だ。合格!もう、誰がなんといおうと、わしゃ合格!」
こんな適当でいいんでしょうか。
あまりの素敵展開が驚愕しながら進めると、学校で待ち構える男が1人登場します。
ボス・ナンバー2です。
ボス・ナンバー2
「あしたのジョー」のような独特な髪型。
偶然?にも、この「やけっぱちのマリア」が連載されてた1970年に、力石徹の追悼会が行われていました。
どうやらヤケッパチをタテヨコの会の勧誘にきたようです。
しかし、ヤケッパチは即断しました。
断られた事をボス・ナンバー1に報告するボス・ナンバー2。
まるでスネオです。
ちなみにボス・ナンバー1は…。
パンチラつきのサービスシーン。
ちなみに鼻が低い事がコンプレックスらしいです。
実力も相当のモノで、ボス・ナンバー3に鼻の高さでキレ。
ナイス飛び蹴りが炸裂。
こんなタテヨコの会とヤケッパチ&マリアのドタバタ劇が繰り広げる学園ラブコメ。
様々な苦難を共にした、ヤケッパチとマリア(ダッチワイフ)に恋愛感情が芽生えるのです。
キスシーン
相手はダッチワイフの生霊。
そんな中、マリアがタテヨコ会にやられて、死刑囚に宅配便で送られてしまいます。
マリアを探す為にボス・ナンバー1の元へ単独で乗り込むヤケッパチですが、ボス・ナンバー1はヤケッパチを誘惑。
ボス・ナンバー1が誘惑
「どう?あたしとマリアとどっちがきれい?フフフフ」
今から34年も前に中学生が全裸で男を誘惑する漫画を少年漫画で連載させてたなんて、手塚先生はどこまで偉大だったんでしょうか…
その後、苦難の末で死刑囚からマリアを奪還。しかし、ダッチワイフだということでマリアが警察につれていかれてしまいます。ヤケッパチは必死で説得。
「マリアは人間だ。アトムだって人間あつかいされたんだぞォ」
「鬼太郎だって人間なんだ」
「オバキューだって…人間なみじゃんか!!」
鉄腕アトムだけならまだしも、藤子・不二夫先生のオバQや水木しげる先生の鬼太郎まで。さすが手塚大先生。
そんなわけで色々あって、結局マリアとヤケッパチはお別れすることになってしまうのでした。
捨ててるし。
子犬や子猫を捨てる、けしからん飼い主が問題化するものですが、ダッチワイフならOKなんでしょうか。
(自分で捨てておいて)最後は泣きながらの感動シーン。
ちょっぴり切なくなりました。
結局、人間とダッチワイフは結ばれない運命なんですね。
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