『14歳の恋』(水谷フーカ)12巻読了。
和樹の引っ越す日が近づく中、「恋人」となって初めてのバレンタイン。愛の誓いの日を前に、14歳には遠すぎる別離への怖れの中、共に乗り越えようと二人は改めて決意する。
これが最終巻です。いやぁー素晴らしいラブコメだった。汚れた心が洗浄されるようなキレイな青春を見た感じ。可愛らしい14歳の恋でした。
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『14歳の恋』12巻
1巻表紙を踏襲する中表紙
表紙をめくると中表紙がある。これが1巻表紙と同じような構図で描かれている。夏服から冬服になり、その間の紆余曲折が『14歳の恋』の物語であり彼方と和樹の関係を見事に表してる(ような気がする)。
1巻…というか1話でキスしてるぐらいちょっと大人な2人だったけど、1巻表紙はまだまだどこか「余所余所しさ」が感じられます。
しかし12巻中表紙で2人が同じように座ってる雰囲気。なんつーか「自然さ」があるよね。隣にいて当たり前でくだけた感じ。まるで何十年も連れ添った、仲睦まじい老夫婦のよう空気感が出てる。
そんな感じで隣にいれるようになったのが彼方と和樹の「14歳の恋」だったと総括できるんじゃないでしょうか。
青春群像劇な14歳の恋
「楽園」冬のweb増刊・18日目は水谷フーカ「14歳の恋」。今増刊11月29日に続く2度目の登場。
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『14歳の恋』は彼方と和樹だけでなく青春群像劇だったのも特徴。いろんなキャラの「14歳の恋(14歳じゃないのもいたけど)」をニマニマしたり、胸がキューッとなったりしながら楽しんでました。
そんなオムニバス形式の中で特にお気に入りとなったのは内海さんと土井のエピソード。この2人は「15歳の恋」ですね。
なんのかんので他のキャラはメインの彼方と和樹に近しいので影響を及ぼす事が多かったのに対して内海さんと土井は絡みもなく完全に別枠。それが逆に良かった。
12巻に収録されたのは進路の話。土井が進路を決められないせいで、内海さんも決められない(一緒の高校に行きたいから)。「内海さん→土井」って恋愛状況から逆転サヨナラホームランが放たれたラストの破壊力。思わず声が出た。うおおおおおおお!!!
日野原先生
この漫画で一番好きなキャラを上げるならば即答で日野原先生であると答える。長井との「教師×生徒」という世間的には禁断な恋模様が最高であった。
初期こそ目を細めて上から目線のように見るのにゾクゾクさせられたものです。からかい上手の日野原先生とあたふたする不良の長井という関係。それが逆転していくのが実に素晴らしかった。話が進むについれてどんどん長井に陥落ちてる言動に何度も頬を緩めたものです。
そんな日野原先生の長井への気持ちがね。良い。「悔しい」とね。クリムゾン漫画(悔しい!でも感じちゃう!)のような独白がすこぶる胸を打ちます。
10歳も年下の男にこんなに、ねぇこんなに、いつの間に
ああ、なんて良いタイミング。これ以上一緒にいたらもう「先生」ではいられない
まあ、読者にはモロバレだったけどね。モノローグで自身の気持ちをきちんと述べるシーンは集大成感すらありました。からの、からかい上手の長井よ。
伝説とも呼べる大赤面を叩き出してニヤリング&ローリングで身悶え3回転半を記録するのみ。お互い「振り回されてる」って最高やね。
水谷フーカ節の卍解
『14歳の恋』でもお馴染みの水谷フーカ先生の真髄とは「決めコマ(ページ)」に尽きる(ような気がする)。決めるんです。文字通り必殺のコマ(ページ)。
1話ラスト
1話ラストで炸裂した2人のキスシーンなんか顕著ですね。
強烈なインパクトを持つ決めるシーンである。大ゴマか1ページを丸々使って絵的にもストーリー的にもめちゃくちゃ重要なワンシーンを「ここぞで決める!」のが水谷フーカ節です。
解析すれば、水谷フーカ漫画は「決めコマ(ページ)」に向かって、キャラクターが動いて物語が進んでいくのです。そしてラスト、もしくはラスト数ページ前に「決めコマ(ページ)」が描かれ強烈なインパクトを残す。
恋愛・青春群像劇における各キャラの感情や言動の積み重ねて、積み重ねて、時にこじらせて、紆余曲折の末に「決めコマ(ページ)」に爆発させる。これが水谷節であり、読了後に「うおおおお!」とさせる。
これを過去最高に決めたのが最終話であった。1話の積み重ねでなく、連載すべての積み重ねで放たれた「決めコマ(ページ)」と言っていい。1ページ丸々を超える2ページの見開き!!
ウォーズマン理論(二刀で100万+100万で200万パワー!いつもの2倍のジャンプで、200万×2の400万!そして、いつもの3倍の回転を加えれば、400万×3の1200万パワーだーっ!)もビックリの破壊力を生み出すのである。
あぁ、余はこの「決めコマ(ページ)」を見るために『14歳の恋』を読んできたのだな…と達観するぐらい完璧に決めてたのです。からの顛末や余談やエピローグも最高と断じるに些かの躊躇もない!
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