漫画史に残る名作だ(断言)!
『7SEEDS』(田村由美)35巻を読了。
連載16年間本当にお疲れ様でした。いままで何度身震いしたことか。何度鳥肌を立てたことか。何度叫びそうになったか。何度泣いたことか。歴史に残る最高傑作と声を大にして叫びたい。ついに『7SEEDS』完結である。
16年もの長きにわたった、命を描いた大人気連載「7SEEDS」がついに完結!!
過酷な状況下で出産を終えたくるみと流星。その背後に忍び寄る巨大な蟻たちから、新しい命を守ったのは、自らを盾にして向かっていった要だった・・・。
一方、崩れ落ちてゆく佐渡の地下で、上を目指して方舟で脱出を図る花たち。
一人で行き場を阻まれて、もはや絶対絶命の嵐。
茂の亡骸を背負って、壁に挑む安居や涼たち。
ケーブルカーの道をたよりに必至で脱出する新巻たち・・・!今、壮絶な戦いが、そして最後の命運をかけた戦いが始まった!!
最終巻、残された35人の戦いを見届けよ!
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世界が滅んだ終末系としても、生きるか死ぬかのサバイバルとしても、先が読めないストーリーも、散りばめられた謎と回収にしても、最高だったわけですが、あえてズバリと総括すれば人生だったかな!
少女漫画特有の絵柄で男性は読むのに抵抗があるかもしれませんが、読んだ事が無いって方は是非読んで頂きたい超名作であります。教科書に載せたい漫画でもある。
今さら『7SEEDS』の魅力を語る
名作すぎた『7SEEDS』
『7SEEDS』の魅力は何と言っても世界観でしょう。人類滅亡後の地球が舞台。政府は事前に隕石衝突を知っており、7SEEDSプロジェクトとして「春・夏A・夏B・秋・冬」の計5チーム(7人+ガイド1人)を冷凍保存させ、人が住めるようになった環境で目覚めるように未来を託す。
しかも、「夏Aチーム」以外は、事前にその事をガイド以外は知らされておらず、普通に日常生活を送ってて、体感的に翌日に目覚めたら見知らぬ場所で世界は滅んでたっていう状況なのが面白い。今日を過ごして明日になったら文明も滅んだ大自然にほっぽり出されるって想像も出来ませんよ。
それで生態系も変わってますからね。見た事も無い自然と生物が闊歩する日本。終末&サバイバルとしてめがっさ面白いのが初期の見所なり。はじめは、各チームごとにスポットを当てて、チーム同志の人間関係は喜怒哀楽を炊きつけながら必死で生きていく様が胸熱。
特に、過去エピソード含めて容赦の無さが凄まじい。個人的には「夏Aチーム」の過去、地下シェルター「竜宮」のエピソードは何度読み返しても無慈悲で理不尽な結末でボロボロ泣いてしまう。こんなの絶対おかしいよ!って何度叫んだことか。最初は絵柄が受け入れられなかったけど、シナリオ回しと独特の描写で、逆にこの絵柄だからこそとすら思うようになります。
中期からは各チームごとでなく、チーム内で離れたり、他のチームとくっ付いたりと、出会いと別れ満載のヒューマンドラマにスポットが当たるのが味わい深い。特にエリート集団の「夏Aチーム」の安居と涼が落ちこぼれの「夏Bチーム」と触れ合って変化していく姿は何とも言えないものがあります。
シナリオ回しから世界観の設定、キャラの心情…と見所満載すぎる。凄すぎる名作ですよ。あ、もちろんラブコメ的な見所もあります。どんどん絡みついて複雑になってく恋愛(なのか?)模様もグレート!
(※ここからネタバレ)
35巻を読んで
一緒に未来へ行こう
やっぱ安居なんだよなぁ…(しみじみと)。
『7SEEDS』の各グループの中で一番感情移入してたのは夏A組でとりわけ安居なんですよね。自分が男で、普段は少年漫画や青年漫画ばかり読んでるからでしょうか、安居が一番グッときてしまう。
もしも『7SEEDS』が少女漫画でなく少年&青年漫画だったら主人公に据えられたのは安居で間違いないと思うね。設定も境遇も立ち位置もナツでも花でもなく主人公になってもおかしくない男であった(『7SEEDS』は全員が主人公ともいえるが)。ヒーローになれただろうになれなかった。少女漫画だった為に全体を通すと悪役ポジションになってしまった感があります。もちろん許される事ではないのは分かる。
茂の遺体を抱えて、あの選抜試験と同じ場面の焼き直しで「一緒に未来へ行こう」で号泣してしまった。牡丹さんが「グッドラック」と言ったのも含めてね。茂を切り捨てて登った時に貴士先生に言われた言葉が「ラッキー」だったのと対比してしまう。
それぞれのチームのキャラも魅力的だったけど、特に「夏A」は胸に刺さり終盤の展開は感動的だった。というのも、絶望に叩き落とされた彼らの心情を涼はこう説いてました。
誰もオレたちを救えない(9巻)
過酷すぎる最終試験を突破した夏Aの涼は誰も自分達を救えないと言ってました。まあ、凄まじい絶望に叩き落とされて7人に生き残ったのにみんな目が死んでましたからね…。その時のサブタイトルが穀雨の章15「<新世界>より家路」である。
原点はドヴォルザークが新大陸アメリカ滞在中に故郷ボヘミア(チェコ)へ向けて作られたと言われています。後に弟子のフィッシャーがその旋律に「goin'home」と歌詞を付け、「家路」「遠き山に日は落ちて」と日本じゃ有名。僕らの世代は下校時によう流れた放送曲「家路」。
夏Aは家路へ帰れたのだろうか…。物理的にはモチのロンだけど、精神的にも帰れたんやろうなぁと思わせる描写の数々に涙がホロリですよ。
間に合った
( ;∀;) 小瑠璃…。
幼少期から7人に選ばれるまでを見てたせいで感情移入の度合いがピカイチなんですよ。夏Aチームの終盤にはボロボロ泣かされましたわ。安居、涼、源五郎、鷭、小瑠璃、あゆ、虹子の7人が変わっていったことが一番涙腺にクリティカルヒットですよ。
涼は「誰もオレたちを救えない」と言ってたけど、自分はまつりに救われてるし、他の面々もパンピーのチームの者と触れ合う事によって救われているのがなかなかどうして。涙を誘います。年間降水量に匹敵するぐらい涙ドバーの大洪水だって!
一番感情移入してたのが夏Aだったけど、他のチームの面々も泣かせにくるよね。角又万作なんてただの脇役だと思ってのに終盤で涙腺直撃のエピソード満載なのは卑怯だよ!こんなん泣くわ!
様々な名曲をサブタイで使ってきた『7SEEDS』でも、総括すれば「手のひらを太陽に」になる。僕らはみんな生きているですよ!生きてるから悲しいけど、生きてるから笑うし嬉しいんですよ!みんなみんな生きているんだ!
花と嵐
花と嵐
『7SEEDS』は見所満載の傑作であり、少女漫画としても面白さも十分あったと思う。それ以上に過酷で残酷なエピソードの連続で界王様も「見ちゃおれん…」と顔を背けてしまうインパクト満載だったが…。
ラブがコメる的な視点でもグッド!恋愛漫画といえば「勘違い」「すれ違い」「思い違い」を駆使してハラハラドキドキさせるのが鉄板です。『7SEEDS』は極論を述べれば花と嵐の恋人同士が時を超えて巡り合う物語だったともいます。それまでの紆余曲折も芸術的ですよ!
花と嵐を中心に、ナツと蝉丸と安居と新巻とあゆまで複雑に絡み合って変に結び合い、7角関係のような状況にまでなってこじらせてた状況はひどかった(褒め言葉)。どんどん関係が複雑怪奇になるんだもん。こんなにごちゃごちゃ絡まった関係はどうしようもないじゃんと途中で思ったものの、ドッシリと真ん中に「花と嵐」の絆があったからこそ、上手くほどけた(ほどけたのか?)。
見事な完結!
いわゆる滅んだ世界の終末系の作品は多いんですけど、最後まで完走してまとめた作品というのは少ない。あえて作品名は出さんが、酷いラストを飾るのが最近のトレンディーですよ。途中まで面白いけどまとめにくいんですよね終末作品。だってゴールがないんだもん。
最初こそ「うおおおおお!」と設定で魅せるけど、滅んだ世界ってのはゴールが明確でないからこそ最後は尻すぼみになってしまうことが多々ある。そこいくとさ、『7SEEDS』はよくぞぶん投げずに終わらせてくれたと感謝しかありません。田村由美先生はプロの鏡ですよ!
突き詰めると「生きる」とは何なのかって哲学的な話でもある。
『7SEEDS』って歴史に残る大傑作を最後まで完走して大満足なり。重厚な世界観と設定で膨らませ膨らませて、読者を何度も谷底へ叩き落とした末の感動がそこにはあった。『7SEEDS』の完結を読めて、生きてて良かったと心から思います。
生きてます。
少女漫画が無料で読めます
ちなみに集英社公式アプリ「マンガMee」ならたくさんの少女漫画が無料で読めます。「りぼん」「マーガレット」「クッキー」レーベル作品がほとんど無料です。
【無料で読める作品】
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・高校デビュー
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・アオハライド
・思い、思われ、ふり、ふられ
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コメント
生きてて良かったです
管理人により以下削除されました。
発売日以後に感想記載するサイトやブログなんていくらでもあるぞ
セーフとは言わないけど黒ではない
一人のキッズが頑張ってるようなので温かく見守ってますw
同作者の「legend of BASARA」も大好きなので読んで欲しいですよ。導入はファイアーエムブレムシリーズやアルスラーン戦記のような戦記ものですけど、この作者特有の過酷で残酷でグチャグチャな展開とラブコメと伏線回収に引き込まれますよ
「legend of BASARA」はアニメ版のタイトルだったわ。原作は普通に「BASARA」ね。間違えた
最初は絵柄を受け入れられなかったってことは、この作者の前作BASARAは読んでないってことかな?
7SEEDSもすごく面白いですけど、個人的にはBASARAの方が好きかな
BASARA、超面白くてオススメですよ!ぜひ読んでみてください
完結しましたね。今回取り上げて頂いて改めて感無量です!
作品についてはヤマカムさんが語ってくれましたのでなにも言うことはないのですが、一点、前作のBASARAを読まれていないことが気になりました。
古い作品ですが他の方もおっしゃっている通りかなり面白い作品なのでぜひ見てほしいです。7SEEDSと同じく文明が崩壊した日本が舞台の作品ですが、戦記物・冒険物という切り口で描かれ、7SEEDSと同じく悲壮感を含みつつも、それ以上に読んでいてワクワクする作品です。
実は、今回ヤマカムさんが提示しておられる「花と嵐」のコマもBASARAの14巻のラストシーンをオマージュしたコマとなっています。テンポがよく難しい設定もあまりない作品でストレスなく読めますので、とりあえずそこまでいかがでしょうか?
あぁ…
BASARA14巻のオマージュって観点はありませんでした。
確かに上げたこのシーンとBASARA14巻ラストは構図が男女逆にしてまったく同じですね。でも前後がやっぱり違うし、運命的な再会なものの、BASARAは偶然的に出会ったシーンであり、7SEEDSは必然的に出会ったシーンなので自分にはオマージュだったか分からんス。
BASARAいいですよねー
個人的に和歌山コンビ+群竹さん(だっけ)が好きだったなあ
みなさんコメントありがとうございます。
『BASARA』は読了済みです。ラストに関してはこっちのが好きですし。
もともと数巻時に友達に『7SEEDS』を教えていただきドハマりしてしまい、次の巻が待ち遠しくて前作もポロロッカしましたので…。
読んでますよ!当たり前じゃないですか!
ほんと名作ですよね。
男性方には絵が無理とか言われて最初は拒絶されるんですけど、無理矢理読ませたらハマってくれるんですよねー。
絵がどうのこうので読まなかったらホントもったいないと思います。
個人的には秋ヲのパンピーをなめんなみたいなセリフが好きです
あーこれやっと完結したんだね
バサラをドハマリして途中まで追いかけてたけど完結したら一気に読もうと途中で買うのやめたんだよなぁ
大傑作!
何度も泣きました。
安居に感情移入って性犯罪者丸出しで怖い…
ちゃんと更生してほしいなとは思うけど
女でもこの絵柄はキツいよ(笑)
中身が面白すぎるから絵は我慢して読みましたが
少女漫画でもわりとさっぱり目の絵柄も普通にあります
安居が主人公なのは勘弁してほしいですね
感情移入はもちろんできませんでした(過去エピソードは衝撃的で好きですが
でも青年漫画だったら確かに彼が主人公になってしまいそうですね…恐ろしい
少女漫画でよかった
7SEEDS、面白いですね。
自分は女ですが安居に感情移入しました、わりと。でも花との絡みはいらなかったかな。
唐突に襲っちゃうあたり、ストーリーの必然性と言うよりは作者の嗜好ありきで、ちょっと萎えました。そのあと花が傷ついたみたくチヤホヤされるけど、のび太の扱いの方が絶対トラウマもんだと思ったし。でものび太のフォローは全くなくて。
あとはナツが良かった。要所要所で入る彼女の心理描写はなかなか説得力ありました。
強引なストーリー運びでうーんと思う場面もあったけど(安居達のプロジェクトで脱落者を殺す必然性が感じられなかったり、犬が人とコミュニケーション取れすぎだったり、シイタケ生えたり)あの世界観は間違いなく素晴らしいし、きっちり終わらせたとこは本当にすごい。読んで良かった漫画です。
海外ドラマによくあるパターン。漫画化したのはいいけど、結構無理のある理屈が多いのに目をつむれば、それなりに面白い!
オタクはすぐに、神回とか歴史に残る大作とか言う!
大袈裟で表現力がゴミとしか言いようがない!憐れ!
語るな!この程度の作品、履いて捨てるほどある!
面白くないわけではないが、馬鹿どもが褒めちぎるほどではない!
中の上程度!大袈裟に評価する奴らって、どこ見てるの?何見てるの?
これで泣く奴って頭いかれてる!病院行け!安い頭してる!