さて、水谷フーカ先生の「GAME OVER」がニヤニヤしすぎて困る。オビに「年の差よりも愛の距離」と謳われており、年の差カップルの話がメインに収録された珠玉の読み切り集。
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ある美人OLが通勤のバスで、隣に座っている男性を自分の美貌を意識させて二度振り向かせたら勝ちというゲームを繰り返す日々。ある日、ターゲットに選んだ中学生男子が楽勝と踏んでいたら、まったく振り向きません。
リベンジに燃え、毎日ゲームを繰り返すも全て黙殺。そして段々と中学生男子を意識している事に気付き…という内容。
いやーこれは素晴らしいですね。
何が素晴らしいって、いい年した大人の女性が中学生男子に振り回されて赤面する姿がどツボに嵌るというものですよ。
特に1話ラストの展開はニヤニヤしまくり。
中学生男子に告白じみた事を言われて赤面する姿の可愛い事!
「GAME OVER」
中学生男子に振り回される
「こっち見てよ」
振り向かせようとしているものの、逆に恥ずかしくなって赤面して振り向く事ができませんでした。二人はこうして出会い始まるのです。ラヴが!これは出会いから物凄いニヤニヤっぷりです。
さらに、初めは女性のほうが歳の差を気にする描写ばかりでしたが、実は相手も自分の事を子供だと思っており、お互いが歳の差を意識している描写がちょっと切ないのです。
視点が男女で変わり、その心情の吐露が心に響きます。
年上にコンプレックスを感じる女と子供っぽく早く成長したという男…。
とにかく、年下にハワハワする女性はすんごい可愛い!
すんごい可愛い
うむ、大人ぶっても、このギャップに全力でニヤニヤするのみですな。
そして、「これじゃ、どっちが大人だか分かんないじゃない!」と、中学生に翻弄されて赤面しする女。「絶対、身長伸ばしてやる」と早く姉弟にしか周りから見られない事にコンプレックスを抱く少年。そしてお互いが赤面する様子。どう考えても頬が緩む。マーベラス!
そして、出会いは中学生だったのに、時は経過し高校生、大学生へと成長していきます。表紙のウエディングドレスでのお暇様抱っこの通り、2人の結婚まで描かれています。
成長しても絶対に埋まる事のない2人の歳の差。
出会ってから5年が経過した時のやり取り良すぎる。
「俺、朱美に追いついた。大人になったよ」
デートをしても姉弟にしか見えなかった2人。今では身長も完全に追い越し「追いついた。大人になったよ」と訴える姿がマーベラスとういうものですよ!
でも、絶対に追いつけない歳の差。「追いつけない!」「一生、私はあなたより年上なの」と叫ぶ姿に胸が熱くなるというもの。それでも追いかけると断言して、プロポーズまでの流れが珠玉のラブコメなのです。
お互いがコンプレックスを抱えながら、それを乗り越えるというか、2人の想いが通じ合った時の爽快感は本当のパねぇ。私はプロポーズの話でニヤニヤどころか悶絶を打ってしまいました。破壊力がヤバイ。
結婚式の話は、かなり感動してしまいました。最後も、やっぱりお互いが「年齢の差」を気にしてしまうという流れで綺麗な話の流れと締めで読後はなんだか幸せな気分に。
特筆すべきは、始まりがバスであり、終わりもバスである点ですよ。出会いは1回きりのゲームで振り向かせようとしたのに、いつの間にか夢中になり…。1話ラストで恥ずかしくなって赤面する姿が、とにかく可愛かったわけで、始まりはここから。
「ねぇ、こっち見てよ」と言われているのに恥ずかしく見る事が出来ない。振り向かせるゲームでしたが、逆になってしまい自分で振り向けない。ゲームオーバーです。
キモは「GEME OVER」というタイトルが素晴らしいということ。水谷先生は後書きで」、タイトルについては以下のようにコメントしていました。
去年の秋にプロットのOKを頂き、その原稿を描き始める前に、もうこのタイトルでの単行本のお話が浮上していました。
「GEME OVER」というタイトルは、原稿を描き始める前から決まっていたとか。
ゲームは、隣に座る男性を自分の美貌で意識させて振り向かせること。
今までは、ゲームを全勝だったのに、はじめて敗北を喫するわけで、立場が逆になってゲームオーバー。
始まりは、ゲームオーバー
そして、 終わりは…。
最終話
「ねぇ、こっち見てよ」
1話と同じバスという舞台でまったく同じ台詞。出会った時から数年経過して、同じシチュエーションで「ねぇ、こっち見てよ」と。そして、出会った時には恥ずかしくて赤面して振り向けなかったのが、数年越しでついに振り向くのです。
相手を振り向かせるゲームが詰み。振り向かせるゲームでは「GAME OVER」でしたが、彼女は自分が振り向いたのです。
この彼女が振り向く時の爽快感はマーベラスとしか言いようがありません。「GAME OVER」は至高のラブコメであり、出会いから結婚までが描かれ、成長しても追いつけないという「年歳の差」を乗り越えた先の爽快感がヤバイわけです。ただ頬を緩めてニヤニヤするしか術なし!お勧めです。
で、私は電車で漫画を読むのがライフスタイルなのですが、「GAME OVER」を読んでいるとニヤニヤと気持ち悪い顔をしてしまうわけです。周りから、何だコイツという目で見られるのです。可哀想な人を見る目で見られてしまいました。俺、詰んでる\(^o^)/。まさにGEME OVERですよ(上手い事言ったつもり)
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