今月の『かくしごと』
今回のエピソードは姫ちゃんが写生の宿題を出されるというお話。
唐突に「お父さんて絵描くの上手?」と聞かれて漫画家として小さなプライドがムクムク湧き出てしまうかくし。そもそも背景などアシスタント任せで何年も描いてない、カラーページなど何年も貰っていない…というわけで、写生の実力は「いい感じで上手い素人レベル」でした。
プロのプライドよりも姫ちゃんの尊厳を優先させ、「絵画教室」に通い出すのでした。
『かくしごと』は狭いサーク内(漫画家の職場)の出来事と広い町中での出来事の組み合わせが絶妙で、職場では漫画家ネタというややディープな内容をやって、町中では誰でも安心安定で楽しめるコメディを描くね。この箱庭の先に鎌倉があるのでしょうか。
一番心の琴線に触れたのは町中の出来事です。
今回はとてもラブコメをしていた。
ラブがコメる
いやまあ冷静に考えれば『かってい改蔵』も『さよなら絶望先生』もハーレムラブコメのコードはありましたけど、今作『かくしごと』はとりわけニヤニヤしてしまうラブのコメりっぷりです。どうも久米田先生の集大成なところがある『かくしごと』。久米田流ラブコメとしても集大成なのかもしれません。
ラブがコメってる
ラブコメというよりかくしが天然ジゴロを発揮するわけですけど、勘違いして噛み合わずに好感度がモリモリ上がっている千田奈留がめちゃくそ可愛くてニヤニヤできる。2人の噛み合わなさがコミカルでありながらラブコメにツボを完全に抑えてて頬が緩む。
そもそも久米田先生って物事や世界を俯瞰して一つ上のステージで見て捉えるところがあったので、この人が本気でラブコメを描けば凄いのではないのかという気はしてたんですよ。『かってに改蔵』で、「ラブコメの基本は見間違い」(23巻3話)とネタにしてましたが、「勘違い」「思い違い」を巧妙に使ってラヴコメしまくっている。
つまりだ。千田奈留ちゃんペロペロってことです。可愛い。
ま、本気のラブコメつってもきっちりギャグに昇華しています。
黒いおばさん
かくしのハーレム要員で真っ先に惚れたチョロインでもある六條先生。
どうも扱いがネタ担当ですよね。オチ担当のお笑いキャラともいえる。
褐色好きの担当にまで「全くときめかない」「褐色好きのボクが全くかっし欲をそそられない」などと言われる有り様でしたし。実際にあんまり可愛いと思ったことは無かったんですけど、今回はけっこう可愛いって思いました(小並)。
かくしとの噛み合わないラブコメ展開といい、ひとりデート(ひとりよがりデート)の模様は笑える上に見てて切なくなくなってくるってものです。ようここまで上手く勘違いしたまま話を転がせるなーって関心しきり。
六條先生はボクの中の「かわいそうな子好き」がムクムク盛り上がってきましたね。残念な六條先生の残念な部分を愛でるのが醍醐味と化しつつある。ほら、昔からよく言うじゃないですか。残念な子ほど可愛いって。六條先生は残念可愛いを極めつつある。
今回、奈留ちゃんに「なんなの」「あの黒いおばさん」なんて見られてたので今後が楽しみでもあります。まだ六條先生は戦える!まあ、奈留ちゃんと六條先生どっちが可愛いかって比べるとぶっちぎりで奈留ちゃんですけどね(←)。
姫ちゃんかわいい
今回はかなり面白かった。テンポも良いし小気味いい勘違いラブコメもニヤニヤできて可愛かったし笑えました。ひょっとしたら『かくしごと』で最高エピソードの一つに数えられるぐらいの出来だったのではないかと思う程度に面白かったです。マーベラス!
それにしてもラストの姫ちゃんは可愛い上に温かみがあるね。
この漫画はラストは父娘のホームコメディで落とすのがお約束なんだけど、これがまたグッとくるんですよ。父と娘のやり取りが最高なんですわ。特に今回の姫ちゃんが描いた絵と母親が生きてた(?)時の写真は素直に感動するしかない。
「あの絵、母親視点だったのかなぁ」
( ;∀;)イイハナシダナー
『かくしごと』は久米田康治先生の集大成で到達点なのかもしれない。
実に心の琴線に触れてくる作品です。「笑い、萌え、感動」の好きな三要素がぎゅぎゅっと濃縮しています。ホームコメディという新しい作風も大変グッドです!傑作になる予感がビンビンするぜ!そんな『かくしごと』2巻は10月17日に出るぞ!
コメント
育ってダーリンかな?
ルートパラダイスかな?
太陽の戦士ポカポカかな?
地丹「ぷっ、ラヴコメですか?」
百見様だ!百見様がおられるぞ!
育ってダーリン好きでした