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『火ノ丸相撲』堂々の完結!人生という名の結びの一番「八卦良い残った」ですよ!愛なんだ!

『火ノ丸相撲』後日談

 

『火ノ丸相撲』堂々完結である。

 

ジャンプ本誌ではあっさり塩味な終わり方でしたけど、ジャンププラスの後日談が最高オブ最高な締めでした。素晴らしい最終回を見たぜよ。レイナを笑顔にして相撲で幸せになるって大相撲編のテーマが綺麗にまとまっており大団円と呼ぶに相応しい。やっぱり結婚式エンドを迎える作品は名作ばかりだ。

 

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『火ノ丸相撲』完結

横綱とは「心」「技」「体」そして「愛」

2日目で最強横綱刃皇との取り組みで問われた「君は…何で相撲を取ってるんだい…?」の問に答えなかった火ノ丸もレイナを「ワシの相撲で笑顔にしたい」とアンサー見つけたし実現。これも刃皇に言われた言葉だけど「相撲で周りの人達を笑顔にしろ」も見事達成。

 

あんたが笑顔だからみんな笑顔なんだよ

 

大団円と呼ぶに相応しいラストでしたわ。「大相撲編」は「愛」というか「人生」が一つのテーマでしたからね。相撲は「心」「技」「体」そして「愛」が必要であるって随所で語られていました。『火ノ丸相撲』とは愛だったんだよ!

 

それにしてもなんて15日間だったんだ。

『火ノ丸相撲』のすごいところは王道を外しつつきっちり王道なところだよね。何言ってんだって感じだけど。「愛」だ「友情」だとかちょっと恥ずかしくなってしまう言葉を真面目に語ってたのが良いよね。これぞ王道。それでいながら、ビックリする展開が多かった。

13勝2敗のドラマ

私は「大相撲編」が始まった時は刃皇は歴代最強横綱っていうんだから15勝同士で最後にぶつかるとか思ってたんですよね。しかし2日目の対戦相手で敗北。それを引きずり2連敗した火ノ丸が優勝って無理ゲーじゃねと。

 

ここから優勝するなら最強横綱も2つ敗けなきゃいけないわけです。これはラスボスとしてどーなの?横綱の「格」落ちないかって疑惑がありましたがそんな事無く最後に13勝2敗4人の優勝決定戦で最強横綱だったのがぐう熱い。

 

途中からどうやって刃皇に2つ黒星つけさせるんだってのも見どころの一つでした。1つ目の敗北は7日目に起こりました。兄弟子である同門の冴ノ山。4人の優勝決定戦で冴ノ山との同門対決もドラマでしたね。

 

冴ノ山に敗れた理由は単純に油断。舐めプしたが故に負けてしまったのです。最初は舐めプして尚強かったのが描かれたけど、そこを突かれて一瞬でやられてしまいました。家に帰った後の刃皇が色んな意味で衝撃的でした。

全てを受け止め包み込む様な大きな

230話

 

―…愛の無い相撲を取りました。相撲は「心」だ…技術的に私が劣っているとは思わない。ただあの瞬間彼は私より力士だった…

 

奥さんの胸に顔を埋めて甘えだしたのです。

というか敗けて帰ってきた旦那に「どうぞ」ってお腹を差し出すってどんな妻だよ!あの刃皇が土下座して「お願いします」と敬語を使って赤ちゃんみたいに甘やかされてんだもん。あんた一体どこの萌えキャラだよ!

 

しかし、これは201話と204話で横綱との取り組みとデジャブしたレイナのナレーションに通じるものがありますね。

 

201話 / 204話

 

目の前には…全てを受け止め包み込む様な大きな…

 

なんでレイナにつけるナレーションが刃皇と同じなんだよ!って爆笑したんだが、2日目横綱戦の「私の愛で救ってあげよう」って刃皇の言葉がそっくりそのままリボンを付けて返ってきましたわ。横綱の愛に救われレイナの愛に救われた火ノ丸。刃皇もまた奥さんの愛で救われてたんだ。

 

横綱の弱みがとても可愛らしくもありました。ただいかんせん身体も面もゴリラなので笑いが込み上げてしまう(褒めてます)。そんな小動物らしい一面見せられても似合わなさすぎる。横綱をさらに一つの高みに登らせてしまった。元から最強が盤石になった感出てました。

2敗目をつけた久世草介

油断して冴ノ山に負けてしまった刃皇から「隙」というものが無くなって、これ2敗目無理だろと誰もが思いきや。最終日のドラマよ。高校相撲編のラスボス久世草介というのも熱い展開。草介は今場所は壁にぶつかって成績は微妙だったが最後にやってのけた。

 

244話

 

悪足掻き――

 

火傷するぐらいの熱さ。というのも草介が今場所不調だったのは父の相撲にこだわる美学があったから。もはや研究しつくされてちょっと相撲変えれば勝てるのにそれでも己の道を突き進む。

 

だから火ノ丸に怒っていました。小さい身体で真っ向勝負ってのが火ノ丸だったのに八艘飛びなど小技使いだしてブチ切れですよ。

 

例えるなら火ノ丸も草介もストレートしか投げないピッチャーみたいなものですからね。壁にぶつかってもストレート一本だけで同じ高みを目指す同士みたいな。それがある日いきなり火ノ丸はカーブやスライダー投げたようなものです。そりゃブチ切れ案件ですよ。

 

そんな草介が悪足掻きした。これは完全に自分の求める道と違いますけどめちゃくちゃかっけーんだ。それが奇跡をよぶから泣ける。わいは華麗に投げる事を信条としてた「YAWARA」の本阿弥さやかを思い出したぞい。

 

プライドも理想も矜持も捨てた泥臭いお嬢様

 

どんなに頑張っても柔ちゃんに秒殺され勝負にならず最期の最期は己の美学の華麗な立ち技を捨てて、寝技のみに活路を見出し、まったくライバルでなかった噛ませ犬が最期の試合だけ泥臭く食い下がって意地だけで勝ち星を追求し後一歩まで柔ちゃんを追い詰めた執念。ジョディやテレシコワ並の強さでした。

 

「理想よりも美学よりも勝って繋ぐ!」ってナレーションが鳥肌モノです。

泥臭くあがくもみっともなくも足掻く意地。その演出も芸術的でした。美学を貫くのもいい…だがそれを捨てて奇跡へ至る大勝負!

 

刃皇と国宝世代

 

潮君…――

…国宝世代のみんな…

…託されてしまった…

まるで…団体戦みたいに…

 

あー!って膝を打ちましたね。

高校編の国宝たちが団体戦やってたんだと言われれば妙に納得できる。先鋒は火ノ丸で、典馬や沙田が良い勝負しても及ばなかった刃皇に大将草介が勝利することで代表戦に持ち越せるみたいな。

 

「必ずしも強い方が勝つとは限らないんですなぁ…」というように実力は刃皇が遥かに上だった。ただの運かもしれんけど、それでも2敗にして優勝決定戦に繋いだのはドラマチックでしたなぁ。物言いをつけたのが同じく国宝世代の天王寺っても良い。

 

244話のサブタイが「刃皇と国宝世代」ってのもグッド。

一人じゃダメなんだ…ってのは高校編で駿海さんの言葉です。

無数の刃

157話

 

…3年後、叩き上げられた無数の刃が刃皇に届く頃…大相撲はかつてない程の盛り上がりを見せるだろう!その為にも皆…力を貸してくれい…!

 

今の相撲界は刃皇一強なんで「国宝世代」のメンバーが各界に入れば盛り上がるって野次馬的な盛り上がりで言ってるようなニュアンスでしたが、ただ大相撲を盛り上げたいってだけではない。

 

駿海は刃皇の恩人でもあり、モンゴルから日本へ来たばっかの頃に良くしてもらっただけでなく今でも慕っていました。そして、すでにモチベーション切れかけていた刃皇の引退を後3年だけ待ってくれとお願いして約束していました。

 

3年後だ!必ずお前を喜ばせてみせる!

 

そして3年後に本当にそうなったのが凄すぎる。

笑顔で駿海が「待たせたな…刃皇…」って呟いてるのがグッときますね。

 

これは火ノ丸が一人で勝ち星積み上げて刃皇と戦っても絶対に出ることのない熱量でしょう。高校相撲編の団体戦を経験した「国宝世代」が全員で刃皇に挑んだからこそのもの。火ノ丸が挑んで、典馬が挑んで、沙田が挑んで…団体戦してて最後の大将草介が土をつけた。

 

無数の刃

 

3年後…叩き上げられた無数の刃が刃皇に届く頃、大相撲はかつてない程の盛り上がりを見せるだろう

 

ここで157話の駿海の台詞をナレーションで使う演出もより熱くさせてくれます。高校相撲部編の団体戦であった次に繋ぐって精神が横綱の有終の美に待ったをかけた。13勝2敗が4人の優勝決定戦!

 

それでいて横綱の強さの格は落としてませんからね。1敗目は油断で「全てを受け止め包み込む様な大きな」って刃皇ですら「愛」を傍受される男であったと知り、2敗目は「国宝世代」のバトンが成した偶然かもしれんが必然である。

 

2敗もした最強王者であるが、こっからさらに「格」を上げたってんだから盛り上がりは最高潮でしょう。いくつもの顔を持っていた刃皇の最期の顔である。

牢屋に入ってた刃皇の顔

己の弱さが腹立たしい…!!!

 

団体戦やってるかのように挑んできた「国宝世代」最後の相手草介に勝負は圧勝してたのに試合では敗けて、己の描いた理想の引退の花道を汚され、何が国宝だと。綺麗な引退ロードぶち壊しやがってと。腹立たしいと。

 

深層描写で何かの封印が解けちゃいました。

 

振り返れば刃皇の脳内にはいくつもの別人格がありました。かぐや様もビックリの脳内会議をする描写多数。その全てが横綱としての強さを見せること無数。そんな多くの人格というか顔を持っていた刃皇でも一人だけ封印されてました。牢屋に入ってた者が大相撲編初期から描かれていました。

 

196話

 

「憐憫の刃皇」「憤懣の刃皇」「暢気の刃皇」「揚々の刃皇」「静謐の刃皇」…沢山の顔を持っていた史上最強の横綱の脳内会議において、鎖に繋がれ牢屋にぶち込まれてた肩書不明の「○○の刃皇」である。

 

死ぬのは怖い。だけどもっと嫌な事があるって含みを持たせていた発言。正式な名称は不明ですが、火ノ丸と同じものと言っていました。かつての刃皇は「死にたがり」「勝利することでしか自分の居場所を守れないと思い込んでいた」なにか

 

それを牢獄に繋いで愛で受け止める史上最強の大横綱になったのが、その封印を解いてしまったわけです。これはイコール未熟時代の刃皇って側面というわけではない。なぜなら、この刃皇は大和国を引退に追い込んだんだから!

 

牢獄の中にいた死にたがりで勝利しか見えなかった…若き日の刃皇が解き放たれたのです。史上最強のいち力士である。この顔の刃皇は同門の加納も見たことが無く、優勝決定戦準決勝で瞬殺されてしまいました。

 

この演出ですっげーっと思ったのは未熟ともいえる時代の若かりし頃の勝利のみ追求した「○○(牢獄)の刃皇」の顔をちゃんと脳内会議して代表に選んだ過程があって、最後に刃皇として顕著する顔として託したことでしょう。

 

結論は出た様だな

勝つ…土俵の上では私こそが神なのだ!!

 

この男もまた団体戦における代表決定戦に繋いでいたのである。

「国宝世代」が大将の草介へ託して黒星つけ代表戦1名・火ノ丸へ繋げように…。

 

最後の最後の優勝決定戦に顕著した刃皇もまた「憐憫の刃皇」「憤懣の刃皇」「暢気の刃皇」「揚々の刃皇」「静謐の刃皇」…の代表として最後に1人だけ戦う男を選んでいた。牢獄の中にいた刃皇に全て任せるぞと。

 

いや、刃皇の中の代表というのは正確でないかもしれない。

こいつは全ての刃皇の顔を背負ってる。それは火ノ丸も同じなのかもしれん。

優勝決定戦決勝戦

怪獣対決かな…?

 

優勝決定戦決勝。

刃皇―――鬼丸。

 

これはただの代表戦の優勝決めることに非ず。一見すると人外の化け物同士の戦いですけど、自分の中では代表者1人と1人が戦ってるようには見えなかったですね。

 

「憐憫の刃皇」「憤懣の刃皇」「暢気の刃皇」「揚々の刃皇」「静謐の刃皇」を全て内包する牢獄に封印されてた刃皇。国宝世代全員を内包してる鬼と化した火ノ丸。そんな「1人(何人いんだよ)対1人(何人いんだよ)」の優勝決定戦でしたわ

 

団体戦の大将戦で引き分けて…代表戦に持ち込んだ2人は全て背負ってるって感じでしたわ。この大一番で刃皇の十八番でもある愛を語るのが熱量MAX!「ワシ愛を疑いますか?」ですよ。『火ノ丸相撲』は愛の物語だったんだよ!

結びの一番!八卦良残った!

174話

 

刃皇との優勝決定戦は今までの集大成感がある大一番でした。しかしね。本当の意味で『火ノ丸相撲』の「結びの一番」は刃皇との相撲ではありません。ええ、レイナとの最期の相撲こそ真の「結びの一番」ですよ。

 

思い返せば、2人が付き合うようになったのは174話でした。素直になれないツンデレだったレイナが「私と相撲取って!」と切り出して、レイナが勝ったら「付き合う」。敗けたら「付き合わない」って謎の相撲対決をしました。

 

結果は火ノ丸が敗けました。

決まりて「押し倒し」です。しかし、いやいやお前レイナと付き合いたいからってワザと敗けただろと読者の100%が突っ込んだ対決でしたからね。そんなんじゃねーだろ!なんで横綱目指す男が押し倒しで敗けてんねん!下心丸見えの片八百長試合でした。

 

横綱とは「愛を受け取とめる」ものなのだ。

付き合いたかったからって押し倒されちゃ横綱にはなれんだろ!

 

 

目の前には…全てを受け止め包み込む様な大きな…

 

ってヤツですよ。

下心でわざと押し倒されてはいけない!

 

そんなんだから15日場所の途中でレイナから火ノ丸はボロボロになってしまうより敗けて引退した方がいいかもなんて思われるんですよ。しかし、最期のたどり着いた本当の「結びの一番」は最の高だったね。

 

そもそもだ。

横綱との因縁は愛の伝道師が女の子を泣かせる悪い男をとっちめてやろうからはじまったんだよね。

 

198話

 

女の子を泣かす様な悪い男は懲らしめてやらんとねぇ…!!

 

悲しくて泣いてたレイナが嬉しくて泣いてるわけですよ。

横綱の美学を超えたってことだな。嬉しくて泣く女の子もいるんです。悲しくて女の子を泣かす男を懲らしめたけど、最後には女の子を嬉しくて泣かせる男に懲らしめられるという。。。

 

そんでもって、火ノ丸は15日目場所…3試合相撲取ったけどさ、本当の意味で「結びの一番」だったのは小関元部長でも冴さんでも刃皇でもないよね。4試合目があったよな。それがレイナです!

 

250話

 

「横綱」とは…「愛」とは…「全てを受け止め包み込む様な大きな…」の帰結があった。優勝した火ノ丸に駆け寄って抱きつくレイナは付き合うことになった決まりて「押し倒し」のデジャブであるが、しっかりと受け止めた火ノ丸にアッパレやって下さい!

 

真の意味で「結びの一番」をしっかりと受け止めて勝敗を付けなかった。残ったんだ。「ワシの相撲人生はまだまだこれからじゃ…!」ですよ。はっけよいのこった!のこった!のこった!ですよ。

 

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コメント

  1. 匿名 より:

    後日譚のことを書くのかなと読み続けたら…

  2. 匿名 より:

    この人にバチバチの続き描いてもらいたい。

  3. 匿名 より:

    冴ノ山に負けたのを「単純に油断」で片づけちゃうのはちょっと気に入らないかなぁ。
    油断もあったにせよ、それだけが理由じゃないでしょ。
    まるで冴ノ山の努力が全部無駄だったみたいな言い方に聞こえる。

    • 匿名 より:

      あれは油断というよりは「落胆」かなあ。冴関に正面から向かい合ってなかったというのは確かだけどね

  4. 匿名 より:

    夜の大一番も卒業までお預けなのか?

  5. 匿名 より:

    結婚式はまじで現実もあのままやりそう

  6. 匿名 より:

    結婚式エンド……
    ウェディングケーキ……
    同級生……

  7. 匿名 より:

    負けヒロインに結婚式でウェディングケーキを作らす名作もありましたよね

  8. 匿名 より:

    名作じゃねーよ定期

  9. 匿名 より:

    連載終了後に完結話がGIGAとかの増刊じゃなくてプラスに載ったのって初?

  10. 匿名 より:

    学生編と大相撲編が「団体戦」で重なるの熱い…
    この感想読めて本当によかったです、にわかだから駿海さんの台詞とか完璧に忘れてたよ…

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