『MIX』11巻読了。
うむ。良い意味であだち充作品ですねぇ(しみじみと)。
野球やってる間にラブコメやってるのか、ラブコメやってる間に野球やってるのか。どっちがメインか分からない。だがそれが良い!良いのだ!
あー、これこれ。これこそあだち充ワールドなり。絵柄など進化が見えますが、根底は変わってません。長年愛されてきた伝統の味とでもいうのか。代わり映えはしないかもしれませんが、でも変わらない美味しさを我々に提供してくれるというか。ロングセラーにはワケがあるのです。
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で、『MIX』11巻。夏の大会が終わり、箸休めというか日常エピソード満載というか。
これからどーなるんだろ?(多分作者にも分かりません)。
再起の明青学園。鍵は、あの上杉達也!?
両投手譲らぬ東東京大会準決勝戦は、
最後は明青のエース立花投馬のエラーで、
延長14回の激闘に幕を下ろした。
そして夏が終わり、再起を目指す明青野球部に、
ちょっとワケありな入部希望者が…!?更に、投馬の野球人生に関わる、
とある重要人物の存在が明らかに…
立花兄弟の高1年の夏が終わりました。
高1の夏が終わった
立花兄弟の1年夏が終わると同時に、西村の1年夏も終わっていた。
どうやら決勝戦の「勢南VS東秀」は東秀に軍配が上がったようですね。
1年生でいきなり甲子園出場とはならず残念ながら準決勝敗退か。明青学園としては上杉世代以来の成績でしょうか。それにしても、明青を破った東秀は良いチームだっただけに、もったいない。実にもったいない。エースの三田が3年生なので来年いないじゃん!
赤井の健丈(元須見工)か西村の勢南に敗れたとなれば、来年でリベンジや!となっただろうに。なにこの次にまったく繋がらない敗戦は…。さすがあだち先生です。絶対、この先の展開を考えてないね(褒めてます)。
あ、でも、冷静に考えてみればあだち先生って、「今年は負けた→翌年でリベンジ」って学園スポーツ王道展開を全然やりませんからね。おそらくやったことあるの『クロスゲーム』の竜旺だけじゃなかろうか。元祖『タッチ』だって、西条高校なんて1年で消えたし、勢南にはリベンジしなかったし。
一発勝負で、あっさり勝っちゃうか負けても負けたまんまで終わってしまうのがあだち充クオリティである。甲子園出た東秀の三田も、近い将来、そんなんにいたなぁ…ってなってることでしょう。
健丈の赤井です
赤井さんラスボスに格上げされる
夏に準決勝で明青、決勝で勢南をやぶった東秀はやっぱこのまま消えますね(確信)。
夏一回戦敗退だった健丈の赤井が春の選抜甲子園で全国区の選手になった模様。来年の地区大会は、明青と勢南と王者・健丈って立ち位置になるのでしょうか。
まあ、赤井は元須見工で新田並の逸材ってことだったので、そりゃラスボスになるのは分かるし納得だけどさ。分かるが、じゃあ何で一回戦で明青と戦わせて負けさせちゃったんだよ!この何が起こるか分からないのが、先の読めなさですね(褒めてます)。
上杉達也とかいう英雄
これが明青学園、上杉達也のストレート!
甲子園決勝の舞台で活躍する上杉達也さんの図。
『MIX』で上杉達也が出たのはじめてじゃなかろうか。そもそも、タッチから26年後の舞台って触れ込みではじまったくせに、タッチの続編である必要性がまるでありませんでしたからね。舞台が明青とか西村jrとかパーツはそれっぽかったけど。
それが、実は投馬が幼少の頃から何度も見ていた憧れのヒーローだったとは…。いま冷静に考えると、ストレートだけで甲子園優勝したとか上杉達也まじ化け物である。これでタッチの続編である意味合いが出てきたのかもしれん。
はっ!いかんいかん。真面目に高校野球漫画のごとく語ってしまった!『MIX』のキモは、あだち充作品の集大成であり、高校野球以上の見所はモチのロンでラブコメ要素でありますからね。
大体の人間関係分かりました
5巻と11巻より
すさまじい立花投馬の「持ってる」っぷり。初期から義妹の音美と義兄妹という名の両想いなのは何度も見せつけられましたからね。絆のようなものをこれでもかと描き、このラブコメ戦線は異常なし!義理の兄と妹で完結する!と確信しました。
そして、途中から出てきた監督の娘、大山春夏は走一郎に当てる為のヒロインなんだなって思ったものです。ところが、投馬と幼なじみだったと判明し、実は投馬のことが好きなんじゃないかと読者が想像できるぐらいに微妙なこそばゆさがある。
投馬の両手に花っぷりは半端ないな…。まるで、若松みゆきと浅倉南の両方から好かれてるような恐るべし勝ち組です。まあ、投馬はどう見ても妹の音美一筋ですけどねん。ここで注目すべきは、弟の走一郎でしょう。
走一郎から上杉和也の怨念を感じる
走一郎と春夏
走一郎は勉強もスポーツ文句無しで学校イチのモテ男でプレイボーイ。そんな彼は、春夏にひとめぼれしてからは、他の女の子の誘いも全部断って春夏一筋となりました。春夏は新体操やったり、完全にタッチの南ちゃんに被せてますし。
つまり、これは上杉和也の弔い合戦なのではないかと。
「兄のことが好きな(?)美人マネージャーを弟が…」って。
あだち充ラブコメワールドにおいて、ひとつ言えるのは「努力」とか無意味ってことでしょう。男女の惚れた腫れたなんてフラグやイベントほとんどありません。最初から好きでそのまま予定調和ゴールこそあだち充ラブコメワールドの醍醐味なり。
例えどんなに努力しようが、どんなに頑張ろうが、「特に理由がないけど好き」で終わってるんです。その最たるが上杉和也です。南ちゃんのために一生懸命頑張ったけど、南ちゃんが好きだったのは達也のほうなのです。
たぶん、交通事故で途中退場しなくても、甲子園に連れていっても、やっぱり南ちゃんが好きだったのは達也で心変わりはしなかったと思うな。まじピエロじゃん!和也が怨念のように言うのです。あんなに努力したのに何でなんだよと。
小さい頃に…=あだち充ワールド最強の宝具
上杉和也が、間崎竜一が、門松直人が、仲西弘樹が、寺西が…言うんです。「オレの方がどう見てもいい男だろ!なんでダメ男に負けるんだよ!」って。(H2は例外な)
『MIX』の立花走一郎からは、和也の敵討ちみたいな、和也を成仏させるようなものが感じられるんですよね(個人の意見です)。兄(ダメ男)超えが裏のテーマなのかもしれんな。関羽の関所越え、徳川家康の伊賀越え…そして、上杉和也の達也超えなり!
走一郎の双肩に和也の亡霊を見た(気がする)。
『MIX』はあだち充作品の集大成感があると同時に新境地なのかもしれません。この恋の交差はどーなっちゃうのか括目。
安心できるのは、あだち充ラブコメにおいて、かなりの作品で途中でぶん投げてもメインの男女の結末(未来暗示)だけはきっちり描いていることでしょう。『MIX』もラブコメ方面だけは安心できます。はい。
音美と春夏
今後も投馬と走一郎と音美と春夏を交えた四角関係が一番楽しみなり。それはそうと、11巻は音美と春夏の視覚的な攻防戦も魅力的でした。両者がお風呂上りの姿を見せたかと思えば、レオタードとブルマって。ムフ。
11巻で高1編も終わりいよいよ2年生です。音美も次から高校生なり。
高校2年編ではどんな展開になるのか、野球もラブコメも楽しみです。まる。
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※あだち充作品はほぼ全てサンデーうぇぶりで無料で読めます。
コメント
なんだか「MIX」があだち充最後の連載作品みたいな書き方
自分も同感です
「OTOMI」逆さに読むと「妹」
イモトじゃねーか!!
いつかあだち充版の大甲子園やってほしい
めっちゃ見たいけど作者かき分けできんのかw
めっちゃ見たいけど無理ではないでしょうか。
描き分けもだけど、あだち野球漫画って舞台が全部東京じゃ…。
甲子園で一堂に戦うは不可能では…。
でも、見たすぎる。
面白い意見だったので真面目に考えたけどやれそう…。
どこの県か不明な『ナイン』の青秀と『陽あたり良好』の明条。
『ラフ』の舞台は埼玉っぽい?緒方がいる栄泉高校(終盤転校しちゃったけど)。
『H2』千川か『クロスゲーム』星秀は架空の「北東京」なので「西東京」にすればどっちかは甲子園に出せる。
『カツ』からは岬新一が神奈川なので出せる
東東京は明青学園でいける(タッチ世代かMIX世代かで別れるが)
いけるやん!まじで描いて欲しいなぁ…。
>ストレートだけで甲子園優勝したとか上杉達也まじ化け物
っても所詮昭和の甲子園だから……
もちろんそれでも凄いことは確かだけど
今ストレートだけで甲子園優勝したらマジ化け物だな
たとえ漫画でも無理あるわw
リアルタイム世代ではないので詳細分かりませんが、当時でもストレート一本って凄いんじゃなですかねぇ。連載が81年~86年で、荒木水野桑田渡辺富男の時代なのでやっぱ化け物ではないかと。
ストレートだけで甲子園優勝したとか中西球道か藤村甲子園かよwww
いいぞもっとやれ(正座待機)
む、無意識に2シームと4シームを使い分けてたんだよきっと…(震え声)
タッチでは和也が死んじゃったからMIXでは音美と春夏のどっちか死にそう(小並感)
いやでもヒロイン死亡はクロスゲームでもうやったか…
でも今見返すと和也と達也だと達也を選ぶ気持ちもわかるんだよな。
達也もなかなか内面格好いいから
南が熱出したの真っ先に気付いたりとか
達也自身も頑張ってるところもあるし
投馬が弟で走一郎が兄です。