めっちゃ最高だったわ!!!!!
鉄道少女漫画シリーズ『君曜日』の最終巻を読了。
鉄道周辺のあれこれを舞台に展開するコミックス『鉄道少女漫画』。同書に収録された「木曜日のサバラン」からスピンアウトしたアコちゃんと小平君の初々しい恋物語、感動のフィナーレです!!!
なんつーか、これぞ青春ですわ。キラキラと眩しく初々しい恋愛模様をこれでもかって丁寧に丁寧に調理されて出されれば、そりゃ胸がキュンキュンしちゃうし、読了後の清々しさは最高になるってものですよ。甘酸っぱい気持ちにつかれて終始幸福でしたね。
雑誌掲載時にも感想書いたけど、事実上のラスト「春のきざしを君と見る」はこれでもかって盛り上がりで、これでもかってドキドキさせて、これでもかってカタルシスを味わえます。控え目に言って極上でしたね。
※マンガParkなら基本無料で読めます。
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もともと『鉄道少女漫画』に収録された短編の登場人物アコちゃんを主人公にし、ど真ん中に王道少女漫画をやってました。ただただ好き合う女子と男子がくっ付いただけなのに胸がすく。グッときて感動しちゃうわ。
(※ネタバレ満載だよ!)
『君曜日』最終巻
アコちゃん
『君曜日』最大のキモはアコちゃんが可愛かったことでしょう。
いつのまにか良い表情するようになったよなぁ。普通に笑顔で会話するアコちゃん。尊い。
中村明日美子先生って絵柄や雰囲気が独特の強いクセがあったんですよね。不思議な色気があったんです。ストーリーもかなり尖った作品が多く。それが絵柄とマッチして耽美っぽい魅力でもありました。で、『君曜日』はポップな作品なんだけど、絵柄も雰囲気もめっちゃ合ってたんですよ。ビックリ!
アコちゃんはキュートであり同時に超色っぽいの!
中学生らしく年相応の可愛さを誇りながら、たまに仕草や表情に「ドキン!」とさせられちゃうんですよ。かわいらしいのに艶めかしい。相反するのに見事に同居している魅力がありました。
アコちゃんだけでなく他の女の子も色っぽい一面出すの(特に持田)。お前ら本当に中学生なのかよってぐらいゴクリと鳴らしちゃうわけですよ。女の子なのに、一瞬「女」の側面を出すの。これがめっちゃ良いんすわ。思春期特有の子供でもなく大人でもない曖昧な年頃にマッチしすぎ。
超魅力的な脇役がグッドだ
『君曜日』は主人公のアコちゃん小平が魅力的なキャラだったのモチのロンで、脇役の存在感も最高であった。個人的一押しは持田ですが、みさっちんもなかなかどうしてよ。良い脇役でなくてはならない活躍でした。
アコちゃんの親友ポジションであり、小平から告白されれて「私わからない…」と振ってしまう形を取れば、小平から避けられてへこみまくりで泣いちゃいます。そんなアコちゃんの中の本当の気持ちを引き出したみさっちんは助演女優賞を上げたい!しかし中学生で「恋は比べるものじゃないわ」とかアドバイス出来るみさっちんまじ大人。
持田も同様に助演女優賞を受賞です!
倉木さんがいらないなら、とっちゃうよ pic.twitter.com/1v1oGyn0kJ
— 山田 (@yamakamu) 2016年11月3日
持田…(´;ω;`) pic.twitter.com/voRANyCzfk
— 山田 (@yamakamu) 2016年11月3日
特に持田は泣けましたなぁ。
「倉木さんがいらないならとっちゃうよ」の発言、即答で「…それはだめ」の返し。
からのアコちゃん抱きしめは、当て馬ヒロインとして完璧な仕事をしたと言えます。
このアコちゃんと持田のやり取りは何度読んでも本当良すぎる。屈指の名シーンやで。それぞれのキャラが良い仕事して物語を引き立ててます。
ストーリーが最高すぎた
春のきざしを君と見る
何度も読み直したくなるストーリーラインも良い。
いや、「お話」自体は単純なんですけどね。
例えば、小平がおばあちゃんの話を聞いてる時にアコちゃんは泣いてしまいます。最初はただ良い子で感情豊かなんだなって思ったのですが、終盤ハイライトでアコちゃんとお爺ちゃんの想い出が描かれ小平の話とほとんど一緒なのね。自分と祖父の想い出を重ねちゃって感極まったのかと。
やっぱ「春のきざしを君と見る」は100回読んで100回もんどりを打つ。
「お約束」の集大成で、ここが物語にキモですよー!ここが盛り上がるところですよー!って分かっているし、事実ベッタベタな展開なんですけど、ど真ん中ストレートを剛速球で投げられたらそりゃ打ち取られるわ。グッときますわ。
フラれたと思って旅立った小平と、それを追ったアコちゃん。電車ですれ違って、駅で降りて全力ダッシュ!そしてめぐり遭いゴール!もう最高としか言いようがない。これこそ思春期メロドラマですよ。
また、終盤の『君曜日』は情景描写が芸術的ですらある。
漫画読んでるっていうか青春映画見てるみたいだったもん。
背景が良いんですわ
なんというか雰囲気が非常に良い。
もとから電車シーンや旅先の街並みシーンも特徴的だったけど、終盤の繊細な情景は凄まじいものがあります。だって、ここぞの決めシーンで最も盛り上がるところを背景をバンと載せて台詞だけなんだもん。インパクト絶大。風景描写がとにかく印象的です。
台詞やシーンとも合ってる背景だしね。自分自身、背景って添えもの程度にしか見てなかったんですよ。そんな風景や背景描写をこれでもかと本編に組み込んでスポットを当てて描かれてるわけです。故に美しい一瞬が切り取られるし良い雰囲気だったなーってなるわけです。
でも、普通ならそんな決めるべき見せ場のシーンはキャラの表情とかが普通じゃん。もちろん、ここまで情景をピックアップしたからこそのラストのアコちゃんが最っっっ高に輝いていたんですがね。
私も好き…
全てが「私も好き…」というシーンに収束してたね。
「小平から告られる」(情景)→「わかんない…」(情景)→「(小平取ること)…それはだめ」(情景)→「私も好き…」(グチャグチャのアコちゃん)
ここぞの決めシーンを情景オンリーで進めていたのは全てはアコちゃんのぐちゃぐちゃの泣き顔のためだったのかとすら思えるね。そりゃグッとくるわ。破壊力が半端じゃない。
手を繋ぐ話
手
最終巻の後書きで中村明日美子先生は『君曜日』を総括して以下のようにコメントしていました。
君曜日は分かりやすい男の子と分かりにくい女の子が、鉄道にゆらゆら揺られてちょっとずつちょっとずつ近づいていって、やがて手をつなぐというお話しです。手をつなげてよかった。
なるほどね。2人が手を繋ぐお話しだったか。
事実上の最終回の手をつなぐ2ページがアコちゃんの可愛さ満載でしたね。驚き戸惑い照れて…って表情の流れが芸術的ですらあった。ま、補導された時も手を繋いでたけど、あれは小平が一方的に握ってたって感じですので、ラストこそ手をつなぐでしょう。
エピローグもグッド。
『君曜日』を総括すれば、王道ながらも一筋縄ではいかない90年代のトレンディドラマのような「回り道青春ラブストーリー」でしたからね。どうやら社会人になっても2人は遠まわりな青春ラブストーリーを刻んでた模様です。しかし、最後の最後は…これぞ!
うん。『君曜日』は名作だったとしか言いようがないね。
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コメント
タイトル、スキマスイッチの曲「君曜日」をまんまぱくっている。