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『もっこり半兵衛』が染み渡る良い漫画すぎて全オレが感動した…

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もっこり半兵衛

『もっこり半兵衛』(徳弘正也)読了。

染み渡るような良さ味がある。

月並半兵衛はある藩の剣術指南役。あることで脱藩し、江戸へ。ひょんなことで江戸の夜廻りの仕事を月一両ですることに…。それから八年。家族は、こまっしゃくれた八才の娘さやか。夜鷹の協力も得て江戸の夜の悪を退治するのだ。

<試し読みできます>

月並半兵衛はある藩の剣術指南役。あることで脱藩し、江戸へ。ひょんなことで江戸の夜廻りの仕事を月一両ですることに&。それから八年。家族は、こまっしゃくれた八才の娘さやか。夜鷹の協力も得て江戸の夜の悪を退治するのだ。

『もっこり半兵衛』

主人公の半兵衛はどこかの藩で剣術指南役をしてたものの、殿様が猟奇的趣味すぎて人を殺すことに嫌気がさして脱藩。江戸で夜廻りの仕事をしながら、血のつながらない娘を育てております。時代劇の人情ものなり。

下ネタギャグの勢いとグッとくる人情エピソードのバランスが絶品なり。基本1話完結の中にもテーマがあって、何度も読み返してしまうスルメのように噛めば噛むほど味が出ます。めっちゃ面白い。

もっこり半兵衛のカッコ良さ

月並半兵衛

『もっこり半兵衛』は主人公の格好良さがいいね。徳弘先生の代表作『ターちゃん』『狂四郎2030』に通じているというスケベだけど、正義を守るナイスガイです。狂四郎程殺しすぎて狂ってはいませんが、生死感や人生観は通じるものがあります。

半兵衛は人を斬り過ぎてたおかしくなりかけていたところを、江戸の夜廻りを通じて真人間というかまっとうというか、きちんと(?)普通になれた背景がええ。娘とか夜鷹のおかげで、スケベだけどちゃんと人として生きてる。

例えるなら『狂四郎2030』アフターみたいな。狂四郎がラストで志乃と貧乏だけど幸せに暮らしたらこんな感じだったんだろうなぁ…と思いましたね。同名の妻がいたりしたが、こっちでは娘と夜鷹が狂四郎によっての志乃みたいな役割ですね。

何より格好良さ。

幸せになれよ

半兵衛△□〇(さんかっけー死角は丸々ある)

半兵衛は「カッコ悪い」のに「カッコ良い」んです。往年の徳弘主人公イズムがギュギュっと詰まってます。カッコ悪い中に光る本当のカッコ良さを見せてくれる。イケメン系とか中二チックなポーズとかもないが、男の中の男の格好良さよ。

だせーしくせーしおっさんだしスケベだし…それなのに震える格好良さよ。人情だけで魅せるのが最高すぎるぜ。

怒涛の下ネタギャグ

しこしこしこ

もう本当に下ネタが最高。数ページごちに、しょーもない下ネタギャグが挟まるんです(褒めてます)。この真面目な展開で突如ギャグをぶち込むセンスに脱帽です。グラマーな美人は脱衣です。

相変わらずの怒涛の下ネタは一種の中毒性すらあるよね。シリアスとギャグのバランス感覚で、話全体が引き立つというか。寿司でいえばガリを間に食べるお口直しです。串カツで言えば間にキャベツを食べて胸焼け起こさない。

ギャグ一辺倒でもなくシリアス一辺倒でもなく、どちらもいい感じで引き立てる「オン」「オフ」のセンスが最高です。このシリアスとギャグの混合とか笑いのテンポは『ワンピース』にも通じてる。ご存知、尾田っちは徳弘先生の弟子であり、おそらく最も影響を受けた作家でしょう。

ジャンプ2018年36・37号

もっこり半兵衛面白い。侍物なので勉強になるけど別物を描かねば。ワノ国!!<栄一郎>

尾田っつも絶賛。ワンピのワノ国とは別物ですが、『もっこり半兵衛』に通じるところも随所にあります。ギャグのテンポと、人情で格好良さを見せる、弱きを助けるヒロイズムは徳弘節なり。

テーマが深い

8話

個人的には『もっこり半兵衛』が特に面白くなるのは2巻からです。1巻は、徹底的に「弱きを助け強きを挫く」熱いヒロイズム満載でしたが、2巻からはもっと深く考えさせられるテーマが満載で重厚だ。

悪い奴を倒して「めでたしめでたし」では決してない。むしろ良かったで終わるハッピーエンドの方が少ないぐらいです。例えば8話では、近所の仲良かった娘(お玉ちゃん)が父親に遊郭へ売り飛ばされます。

普通なら、金をどうにかしたり、売っぱらった父親をどうにかしたり、遊郭自体をどーこーするってのが正義の味方じゃないですか。しかし、一個人では出来る事と出来ない事があるのです。個人で出来るヒロイズムが『もっこり半兵衛』の人情噺をよりブラシュアップさせてくれる。

手の届く範囲で救う

お玉ちゃんを遊郭に売られるのは、もうある種仕方がないことで、ならばそれを踏まえて救ってあげるという。お玉ちゃんが遊郭で出世できるように教養を身に着けさせる。おかげで禿から花魁にまでなれた…が…(´・ω・`)。

「めでたしめでたし」では決してないものの、半兵衛が出来る精いっぱいだったのが尚泣けます。『狂四郎2030』ラストの後書きでもあったけど、個人で国のシステムどうこうとか転覆はできないって、ある種のリアリズムとそれでも個人で可能な限りで救う。その辺が徹底されててグッとくるんだよなぁ。

めちゃくそ泣ける

11話

スカッとハッピーエンドにはならないのがミソよね。個人じゃ出来ることとどうしようもないことがあって、その間で可能な限り全力で生き様が感動もの。人情物の時代劇として、最高品質となってます。人間を庶民を描いてるなぁと。

特に2巻10話は泣けましたなぁ。良い話だったなー、ハッピーエンドだーとは決してならない。めでたしめでたしの予定調和の斜め上を行き驚かされる。人情や恩義という、武士の格好良さやプライドの矜持がたまらんぜよ。

また、単純な善悪論でないところもすげーよね。「弱者=正義」「強者=悪玉」として描くだけでなく、弱い者もいい感じでクズがわんさかいます。このバランス感覚は本当に読み応え増し増し。何が正しいかは分からないけど、それでも手の届く範囲でヒーローをする。

3巻はもう神漫画です

13話

3巻はもっと顕著です。なんかみんな救われてハッピーエンドなんて一つもない。されど、読了後の満足感は凄まじいものがあります。どこか救いはある。ヒューマンドラマとして最高傑作やね。

また、重くなりそうなものも絶妙な下ネタで調和させて、1話毎に感情をグチャグチャにさせてくれる。弱きを助けて悪いヤツを倒してめでたしなんてチャチなもんじゃ断じてねぇ。もっとヒューマンドラマの深いところへ連れていかれるぞい。

なんだかんだで精一杯に生きてる人がキモやねぇ。無情に、優しく、単純に、克明に、描かれているのです。僕らはみんな生きている!って叫びたくなる。どこかに最低限の救いがある至福感と絶望感が絶妙の塩梅。良い漫画すぎるんだってばよ。超お勧めです。まる。

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コメント

  1. 匿名 より:

    徳弘先生は変わらないねえ。
    この人ほど人間の暗黒面と真摯に向き合う事が出来ている作家は数えるほどしかいないと思う。
    時々引っ張り込まれて漂白に時間かかったりもするけども。半兵衛長く続いて欲しいなあ。

  2. 匿名 より:

    本当にこの方の作風は芯があって昔から変わりませんよね。
    時代の流れに媚びる事なく、ずっと新作を送り続けてもらいたいもんです。

  3. 匿名 より:

    ちなみに「もっこり」の元祖はシティーハンターではなくシェイプアップ乱

  4. 匿名 より:

    徳弘作品は、本当に人間や人間社会を深く描いていると思う
    男性読者から見てもあまりに過激な下ネタがなければ、女性読者も増えて人気作家になれたのでは

  5. 匿名 より:

    ジャンプの枠を固めてた
    漫画家さんだけあって話作りは上手いなぁ。

    シティーハンターくらいの下ネタなら良いけど、生々しい所があるから
    万人にはおすすめ出来ないのが残念

  6. 匿名 より:

    絵師の話がすごい泣けました
    よかった…