今週の週刊少年サンデー(2024年11号)に『野球教えて!』(豊林サカネ)という読み切りが計8歳されました。
これがね。とてもとても良かった。
あー!アオハルって綺麗なものを見て心が浄化されかけましたね。
※サンデーうぇぶりなら豊林サカネ先生の読切無料で読めます。今作もそのうち配信されるかなと。
野球教えて!
野球教えてよ。
主人公の汐見くんは野球部所属の中学生。中1で肩を痛め、中2では肺炎を患って体力が急激に落ちてしまい、中3の最後の夏はベンチで終わりました。
もう野球は中学までにして引退を決めており、高校は進学校へいくために勉強を頑張ってました。ある日、ほとんど話したこともないクラスメイトの九条さんが「野球教えてよ」と言ってくるのです。
どうやら家庭の事情で母親の再婚相手が野球観戦趣味の人らしく、せっかく家族になるから野球を覚えたいということでした。そして仲良くなってく2人がとても良き。
ポニテール(うなじ)の拘り
この作者さん、以前も読み切りを発表してて(そっちも素晴らしい)ポニーテール大好きというか、うなじへ凄まじすぎるこだわりを見せておりました。
で、今作の読み切り『野球教えて!』のヒロイン九条さんの髪がストレートでした。
「一体どうしたんだ?」と心配したら杞憂でしたね。
ポニーテール
ふむ。
黒髪ロングだったのは最初の学校シーンだけです。バッティングセンターではヘルメット被るから…ってポニテールにしたと思ったら、その後ずっとポニーテールだったので流石だと思いましたね。
流石は令和のポニテール伝道師と呼ばれる豊林サカネ先生だ(呼んでるのは私だけです)。シレッとポニテが標準にする手管が見事です。
含みがめっちゃある
汐見くんと九条さんさんは表面だけ見ると「恋」と呼ぶには早すぎる、それでも淡いものが芽生えそうな甘酸っぱさがあります。友達って言葉がぴったりかな。
しかし、心眼(ラブコメ脳)を持ってすれば別の解釈も出来る仕様となってる。
「九条さん見てたら打ちたくなったんで。」
(ガッツポーズ決める九条さん)
はい!ここ重要!
そもそもだよ。汐見くんのクラスには野球部たくさんいたじゃん。それなのに、あえて「汐見くんって野球部?」とすっとぼて声かけたとしか思えない。もう汐見のみロックオンしてたんじゃないかって解釈ですよ。
で、バッセンで汐見が打ちたくなった(≒野球もうやめる状態から野球する)で、ガッツポーズを決めてるわけですよ。
- 野球部なら誰でも良かったでなく汐見くんに野球教えて
- 汐見が打ちたくなったらガッツポーズ決める
「おやこれは…?」のがある。
極めつけはデート…もとい野球観戦ですよ。
今度の日曜ならいけるよ。
野球のルールもよく分からない九条さんに「横で解説してくれる人と観戦するとかいいと思う…ス」とアドバイスすれば、日向くんのドリブルみたいに強引にデートを取り付けます。端から見たらデートそのものって、まじでデートをご所望だった説。
汐見くんのくっそダセー私服(個人の意見です)に比べて九条さんの気合入ってることよ…。てか、本当に九条さんは野球のルール覚える気あるのか…。
野球熱取り戻す汐見くんを嬉しそうに見つめる九条さん
あれれ?おかしいぞ?野球のことになると熱く語るの新しいお父さんとそっくりって言ってるけど本当かなぁ~(子供探偵の口調でニヤニヤしながら)。
野球好きの汐見くんが好き(?)だった九条さんが心眼(ラブコメ脳)で見えるのです。マガジン読者の約7割ならそう解釈します。
(野球好きなのは変わらないと聞き)…だよね!もー一瞬焦ったし!
>一瞬焦ったし!
別に野球部の汐見くんが野球を好きでも嫌いでも野球を教えて貰うためなら何の関係もないのに、焦ったそうな。競技者として引退しても野球好きのままって聞いて最高の笑顔決めてるわけよ。
これを深読み・裏読みすると、九条さんは野球を諦めの境地になってる汐見くんに再び野球好きになって欲しいって行動してたのではと。汐見くんが1年の頃は試合出てたか知らんが、ケガや肺炎でボロボロになっても頑張ってる姿を見て…好きもしくは気になる男子ぐらいだった可能性が微レ存。
九条さんのモノローグは一切無いので、読者は彼女の本心は想像するしかないのも妙になってる。絶妙な安牌で「恋する乙女なのではないか…?」がある。
九条さん可愛い
楽しかったし、けっこー好きかも。
はい!可愛い!
野球の試合の長さにぐったりしてたし、野球のルールもよくわからし打てないしで…って奇譚なきネガティブ的な剛速球ストレートな感想をしつつ「でも」ですよ。
楽しかった(汐見くんと一緒だから?)
けっこー好きかも(野球なの?汐見くんなの?)
って、小宇宙を爆発させる妄想まで出来るのです。
また九条さんの表情とちょっとからかい上手な小悪魔チックなのも可愛さ100倍です。九条さんのモノローグは一切無いので、本心は読者が想像するしかない。でもさ…、これってさ…、ねぇ…(満面の笑みで同意を求める)。
九条さんは汐見くんを…ってアレコレが如実なんよね!
野球教えてから始まり、強引なデートで、野球熱再会させるような言動、その後も繋がりを求める数々よ。体育祭で見ててねとか投げ方まで教えて欲しいは、恋する乙女ムーブにしか見えません。ラブコメ大好きな現代のマガジン読者の約7割なら心眼でそう見えるね(サンデーの読み切りです)。
あと隙あらば、うなじ描写カットぶっ込むのも素晴らしいです。
前向きになれる
よ!今日も走ってたんだ!頑張ってんねぇ。
季節は移り変わり、晩秋か冬になって、野球への情熱を取り戻した汐見くんは体力つけるためにランニングを日課にしてました。彼が高校でも野球部に入るかどうかは分からない。
括目すべきは、すっげーくだけたフレンドに喋るノリになってる九条さんの態度ど「今日も」ってところ!登校前の早朝に走るようになってる汐見くんなのは分かる。そんな彼に偶然装って気合入った格好&髪型(うなじ)で偶然出会ってるテイ(としか思えない)会話よ。
「今日も」って、それは日常でランニングしてる汐見くんにめっちゃ遭遇してる証左だし、くだけた言葉になってるのを踏まえるとねぇ…。色々と想像が膨らみすぎる。
心眼…という名のラブコメ脳で読んでもニッコニコニーなのに加え、普通に読んでも「頑張ろう!」って前向きになれる清々しいものがある。好きなものは好きだし、夢を諦めても「まだでしょ!?」みらいな、励ましがあった。
それは「○○に懸命に打ち込む」って全力で結果が伴わなかったとしても、肩の力抜いてさ…それでも好きなら頑張ろうって励ましみたいなメッセージもあった。もうちょっとだけ頑張ろうってエールがあった。それでいて、深読みすれば高度なラブコメ模様があった。
それは中島みゆきの『家なき子』主題歌「空と君との間に」A面よりもB面の「ファイト!」こそ真の名曲だって後世で言わるぐらい、表よりも裏が真骨頂ってものがあった。
恋する乙女なの?汐見くんの進学先は?(近場に野球名門校)九条さんの本当の真意は?それらを読者がいくらでも想像できる解釈を見せての、前向きにファイト!って頑張ろうって思わせるお話でした。読み切りとして100点満点です。
だけど、気になるじゃん?裏走ってる設定とか、これからの2人の続きとかがさ…。連載希望すぎる!すごい設定?やアオハルが感じられる。B面の裏こそ真髄!ファイト!闘う君の歌を!があった。
ファイト!
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