『ドラゴンボール』ヤムチャさんを再評価する記事！

 

『ドラゴンボール』のヤムチャを再評価したい。

 

もはやZ戦士が誇る絶対的なネタ枠で、天下一武道会一回戦負け、サイバイマンと相討ち…と作中では散々な扱いであるが、果たして本当にヤムチャはそこまで卑下される存在なのか？

 

平成で擦られすぎたからこそ令和でヤムチャの良さをきちんと論じたい。

 

荒野の悪党ヤムチャ

9話

 

「荒野の悪党」「荒野を根城にするハイエナ」と初期のヤムチャは荒野で盗賊していたヤムチャであある。通る者から金かホイポイカプセルを巻き上げる生活をしてました。

 

悟空に付きまとう内に、ドラゴンボールの存在を知って、彼が求める願いは「女の前にいってもあがらないようにしてもらう」というもの。プーアルから天下を取るとか大金とか…と言われても、「天下に興味無い」と一蹴。

 

ピラフ一味を筆頭に、悪党がドラゴンボールで願うものは権力や世界征服や永遠の命が当たり前の中で、根は悪い奴じゃないところを見せてます。その後もウサギ団、ピラフ一味の随所で悟空たちを助けてくれた。後の仲間思いキャラは初期からあったわけ。かっけー！

場を和ませる気遣い

19話

 

ピラフ一味に捕まって閉じ込められる中、「ハナクソの秘密をそっと話くそう！」とギャグを言って滑ってしまった。笑いは取れなかったが閉じ込められてる絶望的状況化で、場をきちんと和ませる事には成功（してるように見える）。

 

またこのギャグはアニメ版では界王様の修行は笑わせなきゃ受けられない条件で、真面目な天津飯が笑わせられず困ってる時にヤムチャは「ハナクソの秘密をそっと話くそう！」を授けて、何とか天津飯も合格できました。

 

しょうもないシャレが仲間を救う！

大猿孫悟空に立ち向かう

22話

 

ヤムチャ△□×（さんかっけー死角無し）！

 

悟空が大猿になった時、冗談抜きでヤムチャがいなければブルマもウーロンもプーアルも死んでたと思う。まず倒壊するお城から3人を抱え込んで脱出。

 

そして、暴れ回る大猿孫悟空相手に立ち向かう男気！弱点は尻尾だったと何とか尻尾を握ることに成功してプーアルとの協力プレイで悟空を元に戻します。

 

ヤムチャがいなきゃ全滅だった。悟空がブルマたちを殺さないで済ませた。凄すぎるだろヤムチャさん！

弱点を克服したヤムチャ

23話

 

お気づきでしょうか？ヤムチャがドラゴンボールで叶えようとした「女の前にいってもあがらないようにしてもらう」が既に達成してることに。

 

本当に女が苦手で緊張してしまうようで、ブルマと目があっただけでカチンコチンに固まったり、録に喋れなかったり、頬ずりされれば「ぐわわわ～っ！」と叫び取り乱してました。

 

それが短期間でブルマと手を握ってダンスできるようになってる。すごい成長である。たった1日でブルマと普通に喋って触れるようになってる。己の弱点を克服したのです。

第21回天下一武道会

37話

 

天下一武道1回戦負けがお約束のヤムチャ伝説の始まりである。といっても、相手は優勝したジャッキー・チュン（亀仙人）です。触ることも出来ずに敗北したのは仕方が無い。

 

当時のヤムチャは荒野のハイエナ時代に毛が生えた程度で、亀仙人、孫悟空、クリリン、ナムには逆立ちしても勝てません。バクテリアとランファンに勝てるかな。ギランはどうだろう？ってところ。

 

そこで1回戦でジャッキー・チュン（亀仙人）は運が悪かったとしか言いようがない！むしろ、強敵がいかに凄いかの査定マッチ…噛ませ犬に選ばれるヤムチャは実力者の証左。

 

ポジティブキングのヤムチャ

レッドリボン軍編は、ブルマ、亀仙人、クリリン…と随所で出番がある中、ヤムチャだけはお呼ばれしませんでした。しかし、悟空がレッドリボン軍本拠地へ突入すると知らされ、満を持して助太刀としてやってきます。

 

まあ、既に悟空が全滅させてたので無駄足でしたが、そこでポジティブすぎる発言するのです。

 

オレたちがつぎの天下一武道会で優勝しようとおもったら、わずかばかりの所業では歯がたちませんね。ちょっと前までは、ほとんど五角だったのになあ…（97話）

 

ヤムチャが悟空と互角だった時なんてあるのだろうか。初期の荒野で相まみえた時に、腹ペコの悟空に狼牙風風拳を当てたことを功績と勘違いしてるのか。それだってダメージほとんどなく「ハラへった～」って感想で、腹ペコで力が全然出ない悟空のジャン拳で実質敗北しそうになってましたが…。

 

翌日の腹いっぱいの悟空相手には自慢の狼牙風風拳も通用せずにボコボコにされてました…。

 

10話

 

昨日は腹減ってた。今は「ハラポンポンだぞーっ！！」→「一方的にボコボコにされるヤムチャ」さ。最後に「おぼえてやがれ…」と三下のように去ってました。

 

「ほとんど五角だった」とは…？

 

ヤムチャの迷言の一つです。しかし、これも裏を返せばボコボコにされてもほぼ五角だったと思い込み次は負けないというポジティブなマインドと捉える事ができる。

 

例えば『3月のライオン』の島田は宗谷はどんなに努力しても絶対勝てない相手と決め込んでしまったがゆえに、実際の実力差は紙一重なのに敗れてしまった。

 

 

相手を大きく見過ぎる事は良くない！あくまでもポジティブな心理状態のヤムチャは武道家として大切なメンタルを持ってるのだ。

ヤムチャ唯一の勝利

100話

 

ヤムチャさん初勝利する！

 

作中で描かれたヤムチャの初勝利です。第21回天下一武道では予選描かれてなかったからね。また、天下一武道の予選を除けば作中唯一の勝利である。

 

透明人間のスケさん相手にクリリンと亀仙人とブルマの強力があったとはいえ立派なものですよ。この時のヤムチャはクリリンより数段劣ってる戦闘力なのに、クリリンはドラキュラマンに何も出来ず負けましたからね。

 

そのドラキュラマンも、ヤムチャの頭脳プレーで勝利したようなものです。実質、ヤムチャの上げた2勝ですよ。ミイラくんには何もできず敗北したけど、立派な戦績です。

第22回天下一武道会

118話

 

安定の一回戦負けである。「気の毒にな、いきなり消えるとは」「あっという間に白目向かせてやろう」が、そっくりそのままリボン付けて返されてしまいました。

 

しかし、相手は優勝する天津飯。2大会続けて優勝者と1回戦で当たったわけで擁護できる。ヤムチャの成長具合は凄まじいものがあった。まず「かめはめ波」の習得。亀仙人は弟子に武道は何一つ教えず、身体を超人の領域に鍛える事しかしません。ヤムチャは独学で努力してんです。

 

さらにヤムチャは1年遅れて亀仙人の弟子になったわけですよ。

 

でも…ボクと同じくらいの実力のヤムチャさんも負けちゃったし（122話）

 

クリリンいわく、ヤムチャと実力は同じくらいらしい。前回の天下一武道の対亀仙人を比べても明らかなように、クリリンはそこそこ戦えてたが、ヤムチャは触れることすら出来なかった。3年前は格が違った実力差でした。

 

で、1年遅れて亀仙人の弟子になり、クリリンと実力伯仲にまでなったわけよ。ヤムチャさん…遅れて弟子入りしてクリリンに追いついたって普通に凄くない？ヤムチャは凄く努力できる人！

ピッコロ編で漢を見せるヤムチャ

と…当然だ！みすみす仲間を死なすわけにはいかん！（161話）

 

ピッコロ大魔王相手にヌンチャクで何が出来るんだ…というのは野暮なツッコミというもの。そもそもヤムチャは骨折しており、ドラゴンボール集めにも帯同せずカメハウスでお留守番係でした。

 

怪我人なので戦力として役に立たないので少しでも何か…と諦めない精神が見て取れる。

 

というか、来るのも凄いよね。天津飯が「魔封波」でピッコロ大魔王と相討ちすると連絡受けて駆け付けたのですから。その理由は「仲間を死なすわけにはいかん！」というめちゃくちゃ男らしいもの。

 

そもそも戦力外になった怪我は天津飯にやられたのに、ちゃんと仲間と言う器の大きさ、命を投げ打ってでも少しでも役に立つ為に駆けつけた男の中の男です。ヤムチャの行動は称賛されるべき！

 

男ヤムチャ！仲間の為に自分の命すら懸けられる！

第23回天下一武道会

175話

 

1回戦の相手はシェン（神様）。安定の1回戦敗退ですが、これまでの初戦敗退とはわけが違う。これまで何も出来ず一撃もダメージも与えること無かったヤムチャが神様相手に操気弾で一撃を食らわせて傷を負わせました。

 

神様はこの時点で悟空、ピッコロ（マジュニア）に次ぐ超実力者。

そんな相手に一撃与えたのは褒めていい。

 

「足元がお留守」とDISられるも、神様は「あなたが素晴らしい素質を持ってるから言うんですよ」「直に追いつけますよ」とヤムチャのポテンシャルの高さも追及してます。

 

有耶無耶の雑魚キャラ演出でラッキーで終わらせようと思った神様が試合途中で溢れるヤムチャの素質を見て、稽古とアドバイスしてくれたのです。ヤムチャさんのポテンシャルは凄い！

サイバイマンと相討ち

215話

 

ヤムチャのハイライトである。

 

『ドラゴンボール』史のヤムチャといえばコレ。サイバイマンの自爆で死んでしまう。サイヤ人と戦う前に汚いボロクズと化してしまいました。これは確かにネタにされても仕方ない。

 

しかし！しかしである！

 

アニメ版では次回予告の段階でサブタイ「ヤムチャ死す！おそるべしサイバイマン」と前週で「死ぬのかよ！」と突っ込まれる案件だが、原作漫画のサブタイは215話「ヤムチャの予感」ですからね。含みがある。

 

クリリンは一度ドラゴンボールで生き返っている。もし万が一のことが起こってしまえば二度と生き返られない（215話）

 

先鋒の天津飯はサイバイマンを圧倒した。しかし、普通に起き上がってきた所でベジータが木っ端みじんにしました。いわく、舐めてかかったからだと。で、サイバイマンの自爆攻撃をZ戦士に見せることなく初戦が終わったわけ。

 

コレってさ。実は最初の犠牲者になったかもしれないの天津飯だよね。サイバイマンを圧倒して殺すに至らなかったって状況は同じだもん。だからこそ、ベジータは手の内見せる前に処理した（ように見える）。

 

なんたって、215話のサブタイは「ヤムチャの予感」ですよ！次鋒戦に名乗りを上げるヤムチャとクリリンだが、ヤムチャはクリリンは一回死んでるので「もし万が一のことが起こってしまえば」と忠告して次鋒戦に出た。

 

結果は天津飯の時とまったく同じで圧倒するもトドメを刺すに至らない。で、結果的に自爆攻撃食らって死んじゃいました。

 

き…きっとヤムチャさんは嫌な予感がしてたんだ…。そ…それで、オレのかわりに…（215話）

 

もちろんクリリンの過大評価＆拡大解釈の可能性はゼロでないが、原作のサブタイが「ヤムチャの予感」で、次鋒戦前のやり取りを踏まえると、本当にヤムチャは嫌な予感を察してた説は濃厚です。

 

もしかしたら、サイバイマンの犠牲になったのはクリリンや天津飯だったかもしれない。そこを嫌な予感が過って、ヤムチャが身体を張った…というのは十分有り得る。

 

ピッコロ大魔王戦で天津飯をみすみす殺されるわけにはいかん！と怪我した状態で駆け付けたように、ヤムチャは仲間の為に自らの命を投げ打てる男なんです。もっと言えばZ戦士はサイバイマン戦では次のサイヤ人の戦いの為に、余力すら残そうとしてた可能性もある。

 

ヤムチャは身を呈してサイバイマンの危険性を知らしめたのです！

第二の親友

ご…悟空…死ぬな…死ぬなーっ！！！！（328話）

 

ナメック星爆発寸前で悟空が助かる見込み無い状況で叫んだヤムチャは屈指の友情エピソードでしょう。

 

孫悟空にとって一番の親友はクリリンでスーパーサイヤ人になった際は「クリリンはいい奴だった…ホントにいいヤツだった…一番の仲間…」と亀仙流で苦楽を共にしたクリリンをベストフレドに上げてた。

 

そして二番目の親友はヤムチャでしょう。付き合いだけならクリリンより長いですからね。悟空がナメック星爆発寸前でどうしようもない状況で悲痛に叫んだヤムチャの友情っぷりも胸を打つし、サイヤ人編でもヤムチャの史だけ他のZ戦士に比べて怒り度合が違いました。

 

224話「孫悟空の静かな怒り」

 

ピッコロ、天津飯、チャオズ…Z戦士の仲間たちが死んだことに静かに怒ってた悟空だが、ヤムチャが死んだことにはめちゃくちゃブチ切れてて、他の仲間とは違う雰囲気でした。青筋立ててましたもん。

 

明らかに悟空にとってもヤムチャが特別の存在だったかが想像できる。

 

一番の親友がクリリンなら、二番目の親友はヤムチャやで！それはお互いの相手が死んだ（と思った場合の）反応からも顕著です。孫悟空とヤムチャは特別な友情関係だったわけです。

ヤムチャは器がデカイ

ベジータ…まだ地球にいやがったのか…。（何か言いたそうだな）もちろんだ。言いことは腐る程ある…何しろオレは貴様らに殺されたんでな…。一緒に住んでるヤムチャの気が知れんぜ（330話）

 

一緒に暮らし仲良くバーベキューすてるヤムチャさんの図（329話）

 

天津飯がベジータに嫌悪感抱くのは当然でしょう。一緒に暮らすヤムチャをさり気なくDISり嫌味を言う気持ちも分かる。ヤムチャはサイヤ人でなく前哨戦のサイバイマンに殺されたから…って、突っ込みも理解できる。

 

で、思い返すは、自らの足ヲポキッと折った天津飯がピッコロ戦に臨む時のヤムチャですよ。恨むことなく、短い付き合いなのに「仲間」認定して命を懸けて助太刀に向かった男です。ヤムチャは、過去にやれられたとか気にせず大枠で物事捉えて仲間認定してるわけよ。

 

ヤムチャさんは器がでかいし、仲間認定も良い意味で大味なんです！

 

こんなヤムチャの「優しさ」を踏まえれば、ベジータを仲間認定して一緒に暮らすのも余裕じゃろ！ヤムチャさんの懐の深さ舐めんなよ！よ。

ヤムチャさんは濡れ衣被った

ヤムチャさんは…その浮気症だったらしくて…アタマにきて別れたとか…そんな時に、寂しそうな父（ベジータ）を見て、ついなんとなくらいいですが…でも結婚はしてなくて…あ…ああいう性格の母ですから…（335話）

 

ヤムチャがベジータにブルマをNTRされた紆余曲折である。

 

自信もって否定させて貰う！それは有り得ない！

 

まず、ヤムチャが「西の都」でモテまくったのは作中でも描かれてる。ゆえに、ブルマはボーイフレンドがモテて気に食わなかったと描かれてるわけ。

 

そもそも、浮気しまくってるのはブルマの方なんです！

 

イケメンに食らいつくブルマ

 

それこそ初期のウーロンが変身したイケオジに食らいついたり、ザーボンはイケメンなんで良い奴の可能性を探るなど、イケメンならGOGOGな精神で浮気しまくってたブルマです。

 

作中でヤムチャが浮気男って根拠は微塵も無い。むしろ、ブルマこそ見境なくイケメンに靡く女でした。

 

もう答えは明白だろう。ヤムチャが浮気症なのでなく、ブルマが浮気症なのです！レッドリボン軍編を思い返せば、ヤムチャがモテて喧嘩してもっといい男見つけるマインドなのに、悟空が本拠地攻めるって連絡受ければ喧嘩してる素振りもなくやり取りしてた…。

 

ブルマとヤムチャの喧嘩…とは、ブルマが一方的に嫉妬してキレてた可能性が微レ存！

 

 

ヤムチャさんやっぱ器でけーわ！

 

これっを踏まえて、ブルマがベジータの子を身籠ったのは、ヤムチャは悪くないし、NTRでなく、浮気性女の顛末と結論できる。

ヤムチャさんは優しすぎる

人造人間・セル編までくれば地球人は戦力外通告なんですけど、Z戦士の責務として善戦にやってくるヤムチャである。早速20号に出会って半殺しにされるなど、ザ・ヤムチャ（真っ先にヤられる）イズムを見せて仕事してました。

 

ここで、自らZ戦士の中で自分が一番役立たずと主張したこと（合ってるが地球人のクリリンも天津飯も大差ない）は、空気読んで裏方に回れる器のでかさなのは主張しときたい。

 

情けないがオレが一番、役や立ちそうにない…（343話）

 

ここまで戦闘力インフレが進んだ状況化では、別にヤムチャに限らず、クリリンも天津飯も戦力外なことは変わりません。地球人が前線に立てるレベルじゃない。

 

その中で、自分は役に立てないから…と即座に裏方に回るヤムチャの言動はもっと評価されるべき！人造人間・セル編ではオブジェのような存在感ながら、裏方の力持ちに徹してた。余計なプライド捨てて、最適解の行動してるわけ。

 

ヤムチャさんは凄くカッコイイ！！

 

原作基準で判断すれば浮気なんてする要素無いのに、浮気性のブルマを寛大な心で見守ってる描写しかない。それで、ベジータの子孕んで産んでも、変わらずの見守ってる男感が満載ですからね。

 

470話

 

男ヤムチャさん…別れた元カノの精神的支えになる！

 

っぱ、ヤムチャさんはスゲーよ！原作基準なら浮気してる描写は一つも無くブルマ一筋だし（レッドリボン軍編ではヤムチャがモテて嫉妬して新しい男探すよになったブルマの図ですよ）、ブルマを思い遣ってるなって細かい描写は枚挙にいとまがない。

 

、

作中の中で判断すれば浮気しまくりはブルマである。

 

なのに、ヤムチャさんがはモテる…って描写しかないのに、浮気したのヤムチャになってる。真実は…と想像すると、ヤムチャさんの男気がより分かるってもの。

 

ヤムチャこそ最高の男！

はっきり分かんだよね！