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『葬送のフリーレン』第33話「フォル爺」感想・考察 忘れてしまった何か大切なことを思い出す

『葬送のフリーレン』第33話:フォル爺

 

『葬送のフリーレン』を読んでると忘れてしまった大切な何かを思い出しそうになる。実際は思い出せないんだけど、昔に何か確かにあったはずのものがボンヤリと浮かんでくるのです。この漫画の読了後はそんな感想がある。

 

33話「フォル爺」はそんなエピソードでした。何かがあった。確かにあった。おぼろげだけど、かけがえのないものが確かにあったのです。

 

おっさん読者にだって今では忘れてしまった大切な何かがあって、「大切な何かを思い出しそうになる…」ってふわっとした読書感想が出るよね。

 

それにしても何度も読み返したくなるような神回だ。

 

※『葬送のフリーレン』はサンデーうぇぶりで無料で読めまずぞ。

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第33話「フォル爺」感想・考察

ポイント

『葬送のフリーレン』を具体的に総評しちゃえば、虎舞竜の「ロード」となる。アニメ化する際の主題歌は「ロード」がベストやぞ(←)。

 

ちょうど80年前にこの道を通ったのです。なんでも無いようなことが幸せだったと思うのです。二度とは戻れない夜なのです。

 

んで、33話「フォル爺」はそれが濃縮してた。

個人的な(勝手に深読みする)ポイントは2つある。

 

  • 冗談にしたフリーレン
  • 「じゃあね」だけだった別れ

冗談が上手いね

…フォル爺は冗談が上手いね。

 

『葬送のフリーレン』のエモエモポイントはキャラの表情もある。フォル爺は半分ボケてた。ドワーフの平均寿命は約300年らしく、フォル爺は400歳を有に超えてる存在。

 

これはもう昔の記憶が曖昧になってしまうのも分かる。

 

で、フォル爺は人間の女性と結婚してたそうな(子供…というか400年なら子孫がいるかは不明)。妻の「顔」も「声」も「眼差し」も思い出せない。

 

それを聞いた時のフリーレンの「…フォル爺は冗談が上手いね。」がすごい味わい。なぜならフリーレンにとって長寿仲間のフォル爺は合わせ鏡のような存在でもあるからね。

 

勇者ヒンメルの死後から29年、全盛期の冒険を共にして80年が経過してる。ヒンメルは亡くなったが今でも克明に「顔」も「声」も「眼差し」も思い出せるのがフリーレン。

 

では、これから100年後、200年後、300年後…でも今のようにヒンメルを思い出せるのか?それは分からない。

 

今のフリーレンは絶対に覚えていられる自信も確信もある。だ・け・ど!同じ「大切」な人なのにフォル爺はもう思い出せないと言う。

 

…フォル爺は冗談が上手いね。

 

「冗談」ということにしてしまったが、自分もいつか忘れてしまうのではないか…的な哀愁まで含んでるなんとも物哀しい表情だった。人の夢と書いて儚いと読む。なんとも物哀しいわね…ってアグリアスも言ってたわ。

 

極論をいえば『葬送のフリーレン』とは「儚さ」である。大切な人のメモリーを忘却することを冗談にしたフリーレンであった。

 

フォル爺は妻の夢を見たが、「顔」「声」「眼差し」を思い出せたのだろうか。人の夢は儚い。答えは沈黙なり…。

 

まあ、エルフの寿命は明かされてないし1000年前の師匠のことすら覚えてるので大分先まで余裕で覚えていられるだろうが。

「じゃあね」

じゃあね、フォル爺。元気で。

 

もうひとつの(勝手に深読みする)ポイントは別れの言葉です。フリーレンはドワーフの平均寿命300年をとっくに過ぎてるフォル爺に対して「じゃあね、フォル爺。元気で。」とお別れしました。

 

これはかなり意味合いがディープじゃ。

 

なぜなら、フリーレンの長寿ライフにおいて50年ぐらいはちょっとした期間だから。また明日ぐらいの感覚が長寿エルフにも間違いなくあるのです。

 

例えば「笑っていいとも」が終了し最終回のタモリ。最後は「また明日も見てくれるかな?」(僕ら視聴者:いいともー!)である。例えばSMAP解散した中居によるメンバー呼びかけからの「それじゃあ、また、じゃあね」である。

 

「またね」ってのはいつか再開することの意味。

 

ただの「じゃあね」と「またね」は意味が180度違いますしおすし。1000年以上生きてるエルフのフリーレンはそこをかなり自然と徹底してる(と思う)。

 

またね

 

長寿のフリーレンの中で「またね」は再開できる相手を意味してる。だから1話でハイターと別れた時には決して「また」と言わんかった。だから再開したら「まだ生きてたんだ」である。

 

それを踏まえると「じゃあね、フォル爺。元気で」は少なくともフリーレンの中で今生の別れなんだよなぁ。フォル爺の記憶を未来に連れて行くも増し増しで含みがあるよね。

 

仮に、元魔王城にたどり着いてヒンメルと再開した帰路で立ち寄りフォル爺が生きてたら「まだ生きてたんだ」でしょう。「またね」が無いのは、もう次は会えないってフリーレンの中でなってる説。儚い。なにか大切なことを思いだす…。

※追記

これ今回の話の中で一番の肝って、案外フォル爺がフリーレンに言った「魔王を倒しに行くのか」の一言じゃないかなと。前に真の勇者ってフリーレンじゃないか?って記事ありましたけど、その話とひっかけてると見ると案外的射てる推測になるじゃないかなという個人的感想。
コメントより

 

 

面白い意見ですね。真意は分かりませんけど、こういう「深読み」ができるのもこの漫画の素晴らしい点でしょう。

 

 

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ヤマカム

コメント

  1. 匿名 より:

    人はいつか忘れられていってしまうということを見越して
    ヒンメルが各地に銅像作ってたと考えるとエモい

  2.   より:

    実はフリーレンは経験豊富なんだけどずっとご無沙汰だったため性に関する知識を全部忘れてしまっている可能性もあるのか

  3. 匿名 より:

    これ今回の話の中で一番の肝って、案外フォル爺がフリーレンに言った「魔王を倒しに行くのか」の一言じゃないかなと。前に真の勇者ってフリーレンじゃないか?って記事ありましたけど、その話とひっかけてると見ると案外的射てる推測になるじゃないかなという個人的感想。

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