『初恋』(ハルミチヒロ)読了。
ハルミチヒロ先生の短編集です。表題作だけで初恋をテーマにしてる話が多いかなって印象です。どのエピソードも至高で珠玉の短編集でしたわ。甘いのから苦いのまで幅広いです。
『初恋』レビュー
収録作は以下の通り。
- 終天
- 彼岸
- ふうりんかざん
- アンバランス
- missing
- 蓮の花after
- 初恋
- 埋み火
全8本。特にお気に入りは「アンバランス」読んでて何度が大声で叫びそうになりましたね。
終天
「楽園」第30号は全国的に発売中です。今回ご紹介するのはハルミチヒロ「終天」。5年前、封印された年下の従妹との記憶。再会した少女の美しさに封印が解かれて…。最新刊『柔肌』は7月31日(水)発売&配信開始です。 pic.twitter.com/LUTDtLbfJA
— 楽園編集部 (@rakuen_info) July 9, 2019
子供の頃に従姉妹と一緒に寝てた時、胸がはだけており手を伸ばして触ろうとした記憶。すっかり忘れていたけど5年振りに田舎に帰って思い出して…。思春期の性的倒錯やそれによる嫌悪感がありつつコミカルに仕上がってる。妙にフェティッシュなのも良い。
彼岸
刊行10年目を迎えます「楽園」。発売中の最新第31号から。今回ご紹介するのはハルミチヒロ「彼岸」。夏休みの白昼、14歳の少女の前に現れた少年の正体は…。
コミックス『夜をとめないで』『あにいもうと』『柔肌(やわはだ)』好評発売&配信中! いずれも値千金の読み切り作品集です。 pic.twitter.com/s6Q96RaR5G— 楽園編集部 (@rakuen_info) November 2, 2019
母親の元彼の幽霊が現れて生活態度を説教し出す。恋というか(深読みするとそう捉えることもできる)ホームコメディに近いかな。スルメのように味わい深い良い話でした。
ふうりんかざん
「楽園」夏のweb増刊、13日目はハルミチヒロ「ふうりんかざん」。コミックス最新刊『柔肌』は本日発売&配信開始! 発売&配信中のコミックス『夜をとめないで』『あにいもうと』共々宜しくお願い致します。
増刊はhttps://t.co/GlVSTBqJ1k HPトップ左下のウサギのボタンから。 pic.twitter.com/jvLkS6q5bE— 楽園編集部 (@rakuen_info) July 31, 2019
2ページだけの作品ですが、強くて大きい彼女と小さい病弱の彼氏のデート時のお話。これと連続で掲載されてる「アンバランス」と比較するとより味が出る。
アンバランス
「楽園」第32号の御案内、9番目にご紹介するのは最新刊『柔肌(やわはだ)』絶賛発売中のハルミチヒロ「アンバランス」。仕事の上での上司部下と、背丈の高低のギャップの大きさに揺れる男女の、ちょっと危なげな日常を描く読み切り26ページです。 pic.twitter.com/Kzj1vDRkER
— 楽園編集部 (@rakuen_info) February 6, 2020
新入社員の巨漢の小石川くんと小さい道明先輩のオフィスラブ。道明先輩は性格も仕事もめちゃくちゃキツいと有名ですが実際に一緒に仕事をすれば先輩はやさしかった。
ある日の満員電車でドキドキイベントが発生して恋の急行列車が発車です。いい歳こいた大人が中学生みたいに初心なの。
表情や間の取り方で、惹かれる様子や不安になる瞬間がとても丁寧に描かれてて100点満点中1000000点を叩き出してましたね。もう終盤は声を大にして叫んだね。最高か!
missing
発売中の「楽園」第33号からご紹介その18はハルミチヒロ「missing」。トレッキングデート中の二人が出会った少女は蠱惑的で謎めいていて…。
仮初めの恋や兄妹愛からガールズラブまで様々な読み切りが楽しめる著者の作品集第3弾『柔肌(やわはだ)』絶賛発売&配信中♪ pic.twitter.com/SXCuy8hLsk— 楽園編集部 (@rakuen_info) July 9, 2020
幼少期に母親に置き去りにされた過去があるひな。デート中にミステリアスな少女と出会ってイライラ嫉妬してしまう話。ねちょねちょした女の嫌なところが上手い。
蓮の花after
『柔肌』収録「蓮の花」の有田さんと岡沢さんのその後を描いた3Pのショート漫画。名前で呼ぶのに勇気出してドキドキするかりんがとにかく。友達以上恋人未満のドキドキが濃縮されてる。
初恋
本日発売の「楽園」第34号からご紹介、その20はハルミチヒロ「初恋」。
高校生女子の初めての恋の思わぬ展開と行方を描く24ページです。 pic.twitter.com/YZpn3HzwZs— 楽園編集部 (@rakuen_info) October 30, 2020
表題作の「初恋」はタイトルのようなキラキラしたものでなく濁ってる。勇気を出して告白しにきたヒロインの子が見たものは姉のタオルの匂いを嗅いでた好きな人という。どうやらヒロインの姉が好きなようだ。そこからのジェットコースター展開は凄いの一言。なんだこれ…。
埋ず火
発売中の「楽園」第35号からご紹介その12はハルミチヒロ「埋み火」。柔らかな筆致で奥行きの深い画面を構成する作家による、再会した男女の揺れる想いを描いた読み切りです。
「楽園」から3冊目の作品集『柔肌(やわはだ)』絶賛発売&配信中❤ pic.twitter.com/jV0vQstlaU— 楽園編集部 (@rakuen_info) March 1, 2021
学生の頃に付き合ってた彼女は陶芸家になる夢のために町を出てった。別れてから久々に町に戻ってきて再会したあとのやるせなさやどこか気まずさを孕んだ空気感が良き。
『初恋』レビューまとめ
そんなこんなで『初恋』感想でした。
甘酸っぱくてニヤリングローリング身悶え3回転半かますものから、闇が深く暗く淀んでいくものまで様々。読み応え満載の短編集となっています。おすすめ!
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