『柔肌』(ハルミチヒロ) 友達以上恋人未満な絶妙な塩梅の恋愛短編集なり!

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柔肌 1 (楽園コミックス)

『柔肌』(ハルミチヒロ)読了。

とても味わい深い珠玉の短編集でした。良いぞ~。

代表作「ベルベット・キス」のハルミチヒロが「楽園」で発表した恋愛読み切りの第3作品集。仮初めの男女関係やガールズラブまで著者特有の美しい描線と繊細な描写が光る5作品+ショート3本収録。

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『柔肌』

ガールズラブや貞操観念や幼なじみなどバリエーション豊かな短編集です。共通していることはかなり尖っている恋愛モノってこと。「心の傷」があります。どの話も「普通」ではない屈折したものがあります。それが感情だったり性癖だったり…。刺さるよ。

何よりも全編通してテーマとなってるのが「友達以上恋人未満」である。

男女や女女の「ふたり」はこの曖昧で見事な距離が芸術的すぎる。

「柔肌」「柔肌 after」

今は私たまきさんが好きかも。

しないよ

だってココは子供だもん

表題作「柔肌」はハードでありながらライトな読了感あるガールズラブもの。

湖子(ココ)ちゃんは母親の再婚で義父に…って過去があり、実母に相談するも「あんたがあの人を誘惑してんでしょ?」と突き放されトラウマ状態。そして親戚のたまきさんに引き取られて一緒に暮らすようになります。重すぎる設定やで。

で、たまきさんは女性なのに「女性が好き」という人で、ココちゃんを少なからず想っております。手は出さないが、最初は可愛い子と暮らせてラッキーぐらいに思ってても純真無垢なココちゃんに充てられ自己嫌悪したり…。

そして、ある日、ココちゃんから好きかもと言われる。いわく「気持ち悪い男のひとよりずっといい」である。それは恋愛感情ではないと思うたまきさんは…。もっと続き読みたいって思わせる絶妙な女性と女の子のお話でした。

たのしいからだ

紗良美と舞浜くん

貞操観念ゆるゆる系女子の紗良美(サラミ)は友達グループで寝てしまう子。それを軽蔑している舞浜くん。辛辣な言葉で突き放す舞浜に恋をしてしまったサラミのお話。価値観が正反対の2人は…。

一生懸命アタックするサラミがいじらしくもあるが、無理なものは無理な舞浜くんであった。恋心全開モノローグで強く焦がれているのに、やはり上手く絡み合うことのない絶妙な距離がコミカルでちょっと切ない。顛末はこれはこれで…。

「ガールフレンド after」

菊池えみか

前作の短編集『あにいもうと』に収録された「ガールフレンド」のその後を描いた作品。

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久保田と上野が仲良しになって、もとからフレンドでそれが面白くない菊池さん。上野さんを敵視してるもグイグイ仲良くなろうとしてきて…。

久保田さん好き女子2人が仲良くなる(?)までもアレコレが微笑ましいやり取りをします。「好きな子が一緒なら友達になれるかな」って上野のセリフが素敵。赤面する菊池さんも可愛い。

あくまでタイトル通りガールフレンドの範疇であり、絶妙な友達以上恋人未満なガールミーツガールっぷりよ。この三角関係?はニヤニヤしちゃう。

「蓮華の花」

(こっち見ろ)

ハルミチヒロ先生って、前からストーリー上で意味を持たせた上で扇情的な男女のセッッッが個人的にツボだったんですよね。楽園連載ではそういう作品もありつつ、新境地として「女の子と女の子」の話がこれまら心の琴線を鷲掴みにする

なにが良いって距離感だよな。友達以上恋人未満の女の子同士のアレコレがめちゃくちゃぶっ刺さる。百合というには恋愛感情はあまり感じられないけど、友達というには執着とメスの匂いを濃厚に感じる何とも言えぬ塩梅よ。なんだよこの女同士の感情は(笑顔)!

「蓮華の花」は前半&後半の2部構成。芸能人の兄を持つ妹が兄を傘にチヤホヤされまくる中で、芸能人?読モ?なにそれ食えんの?って兄を知らないクラスメイトに執着しまくる話。

自分をまったく見てくれず、チヤホヤもしてくれず、ついには自分を見ろってイジワルするのであった。そもそもまわりは「兄の妹」としか見られてないのもフックになってる。

私はあんたが大嫌いだから

私のこと同じくらいに嫌いになってよ

ぶっちゃけ「好きな子にイジワルする小学生男子」の行動原理でありますが、イジワルしまくったクール女子とやり取りして…。あぁー!たまらん!「尊い」って言葉はハルミチヒロ作品の女子と女子にあるのかもしれんな。

「film」

付き合うことがない「男女の幼なじみ」ってものをとことん掘り下げた2人のお話。女の子同士のアレコレ同様に徹底的に「友達以上恋人未満」なこそばゆくもあり少し切なく感じてしまう。

身内のような遠慮ない気さくさがあるのに、男女を意識してる気まずさが同居していて身震いしちゃいます。今作の短編集は「友達以上恋人未満」がこれでもかと盛られており、ハッキリしない曖昧で絶妙な関係がニヤリングさせてくれます。はい。

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「夜をとめないで after2」

前々作『夜をとめないで』のその後なり。

もはやただのバカップル劇場です。本当にありがとうございました!

「いとほし」

ふぅ…

感想を一言で述べれば「へ、変態だー!」ってもの。いわゆる身体から始まる恋愛モノ…なのですがヤバイものが内包されて「なんじゃこれは…」と震えてしまいましたね。はい。

パパ活をするOLさんは2万円を定期的に得る。その相手は、寝るわけでもなく喪服を着せられて匂いを嗅いで男は自分でする。まったく手を出されることがなくて、逆になんだコイツ…と思うようになって気になってしまいます。

そして、リアルの仕事で出会うもまるで気にもされず、やはりいつも通り喪服だけ着せられ匂いだけ嗅がれる関係でしかなく…。なんともいえない背徳感全開と一応身体からはじまる恋愛感情なんだろうけど、色んな意味でぶっ飛びまくってます。

おそらく男は前妻の喪服を着せているのではないかと想像でき、前妻しか愛さないと決めてる…とか想像できるものの、まったく詳細明かされません。これマジで続き読みたいなぁ。

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そんなこんなで全てひねくれているというか、友達でないが恋人でもないアレコレの機微が最高でした。おすすめです!

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コメント

  1. 匿名 より:

    この人の作品はおもろいですよな