『ヒストリエ』11巻 「心」がある場所は身体の何処だと思いますか?「頭」か「心臓」かそれとも…

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ヒストリエ(11) (アフタヌーンコミックス)

『ヒストリエ』(岩明均)11巻読了。

めちゃくちゃ面白かったです。こんな楽しいんだけどさぁ。問題は、果たして自分が生きてる間に完結するのだろうかということ。

エウメネスは恋人・エウリュディケがフィリッポス王の第7王妃となること、自身が「王の左腕」に選ばれたことを知り、引退を決意する。その頃、どこか王子アレクサンドロスに似た男・パウサニアスが不穏な空気を漂わせていた。パウサニアスの過去には何が? そして彼はエウメネスとどこで交差する?

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『ヒストリエ』11巻

11巻はストーリー的に大きく動いたというよりも今後に起きる大事件への伏線を張り巡らせたって感じですね。副題「心の座」シリーズの6話でアレクサンドロス王子そっくりのパウサニアスを通してじっくり描かれていました。

「心の座」

88話「心の座・1」

心がある場所は身体の何処に存在するのか?

人間の「心」がある場所はどこなのかって記者の質問からはじまる「心の座」シリーズ。なんの意味があって描かれたか現時点では想像するしかありません。エウメネスは「頭」、アリストテレスは「心臓」、アレクサンドロス王子と取り巻きたちも「心臓」と述べていました。

で、このシリーズの主役・パウサニアスは最初「脳」と回答してました。

だ・け・ど!本当にそうなのかってのがテーマになっている(と思う)。

そもそも、人間の「心」がある場所って質問の回答では「頭」と「心臓」で拮抗しているそうだけど別にその二択だけじゃないからね。

お前の心は何処にある…?

パウサニアス

お前の心は何処にある…?

役目を果たせパウサニアス…

「お前の心は何処にある…?」って亡き兄の言葉がずーっと木霊してるパウサニアス。「心の座」シリーズで何度も述べられています。実際、パウサニアスは幼少期から無表情で何を考えてるか分からず「心が無い」と言われていました。

何考えてるか分からん。心臓はちゃんと動いてるのか。「心は無い」と評されるパウサニアス。少なくともパウサニアスの心の在処は「頭」か「心臓」ではないように見えます。

あと興味深いののは兄の形見のコップをずっと飾ってることかな。

93話 / 89話

兄が亡くなる寸前に投げたコップ。取っ手の片方が欠けてしまうも「…まだ使える」と思うパウサニアスでした、その後の時系列で使用してる描写は皆無である。でも捨ててない。ちゃんと飾っている。これどういう意味なんじゃろ。

「まだ使える」「それなりに約に立つ」と言いつつ、コップとしては一切使っていない。でも大事に(?)飾って残してる。兄の遺志を継いでる?なかなか深読みできそうな取っ手が欠けた兄のコップです。

結局、「心の座」シリーズ6話も使って明確な回答を出してない。しかし、フィーチャーされていたのは「頭」でも「心臓」でも無かった。ずばり「顔」です。「心」がある場所は「顔」と描いていたシリーズのようでもある。

瞳に映る顔(貌)

93話

…野生の獣があんな貌になるか…?

まるで底知れぬ悲しみと…そして怒り

アレクサンドロス王子そっくりだったパウサニアスの顔が変形してしまったこと。ライオンの意味深な貌。これが「お前の心は何処にある…?」のアンサーなのか現時点は何とも言いようがありませんが、「心の座」って副題で「顔」だけをひたらすら掘り下げていたのは興味深い。

ライオンは本当に野生の獣がそういう顔していたのか、パウサニアスだけにそう見えてしまったのか解釈が難しいけどねん。前者なら面白顔に気を取られたドジっ子、後者ならパウサニアスの深層心理がそう映して気を取られたドジっ子である。何とも言えんが…。

ずっとライオンの貌が気になってる

おれがこの世に生まれてきた理由…役割。あるいはもともと生に理由などは無く、各が自分の一生に勝手に理屈づけするだけの事か…。己が己に出題し、そして己だけが答えを求めただ進んでいく…。であるなら、この世界におけるおれの引っ掛かりはあの貌…。あの時のあの獅子の貌だけだ。あれは…一体何だったのか…。

ライオンの貌が気になって気になって仕方ないパウサニアス。人生とは自分に何か出題してその答えを求めて進むことって哲学のような心境に至り、自分の宿題は見た「獅子の貌」は何だったのかのアンサーを得ることであると。

まるで「底知れぬ悲しみ」「怒り」と例えていた貌。ライオンのものか自分のものか?これが今後、パウサニアスの行動にどう繋がるのかとても気になります。心は瞳に映る顔(貌)にあるのか?

パウサニアスの役割

パウサニアスのお仕事(wikiより)

史実でパウサニアスの役割はフィリッポス国王の暗殺である。

11巻時点の年代が「紀元前337年」なので、もうあと1年でフィリッポス王はパウサニアスに殺害されてしまうのだろうか。

『ヒストリエ』でどう描かれるかは分かりませんけど、パウサニアスを登場させて掘り下げたならば重要な役割で絡むことは間違いないしょう。すでにそこへ向けて動き出してる。

96話

エペイロス王にはクレオパトラを娶らせる事とした

フィリッポスとオリュンピアスの実子(エジプトとは無関係)を、オリュンピアスの実弟の嫁にさせると述べるフィリッポス(叔父と姪)。この2人…、エペイロス王とクレオパトラの祝宴の席でフィリッポスはパウサニアスに殺害されてしまうわけですが…。

かなりキナ臭く描く『ヒストリエ』です。

なんたってパウサニアスはアレクサンドロス王子と瓜二つだからね。

アレクサンドロスそっくりではないか!

オリュンピアス王妃が息子とそっくりだとパウサニアスに気づいた。これが後の…すぐそこまで迫ってるフィリッポス王の暗殺に繋がるのでしょうか。考えられるのは2つかな。

1、史実通りパウサニアスがフィリッポス王を殺す

2、アレクサンドロス(ヘファイスティオン)がやった濡れ衣を被る

「1」ならパウサニアスは「心が無い」なんて言われても実は亡き兄と同じく併合され滅ぼされたオレスティスの怨念があった。「2」なら王殺しをオリュンピアス王妃とアレクサンドロス(エウメネスヘファイスティオン)がやった罪を被る役割かな。

どっちにしても、パウサニアスはロクでも無い最期になる予感しかしない。ただ、あの時のライオンが見せた「底知れぬ悲しみ」「そして怒り」の顔の答えだけは得られるかもしれんな。分かんないけど。

フィリッポス王の意味深な願い

94話

エウリュディケと…やがて生まれてるエウリュディケの子ども、王子や王女たちをぜひ見守ってやってほしい。いや…!お前には生まれた王子!特に王子をぜひ護り育ててほしい!

エウメネスの恋人エウリュディケをフィリッポス王に寝取られる形になってしまったわけですが、フィリッポスから意味深な提案を受けるのであった。作中では「紀元前337年」として婚礼の少し前が11巻で描写されてる。

エウメネスとエウリュディケが恋仲で朝チュンしてたのは『ヒストリエ』のオリジナル設定でもある。もうすぐ暗殺されてしまうフィリッポスがエウメネスに子供を頼むって述べてるのは色々と引っかかる。

wikiによるとエウリュディケは男子カラノスと女子エウローペーを産むも、オリュンピアスに殺されてしまうそうな。『ヒストリエ』ではその子供2人の父親って…と思ったり思わなかったり。いや知らねーけど。

そも、フィリッポス王が本当に暗殺されるかも分からんしね。「フィリッポス=アンティゴノス」説で生き延びるかもしれません。『ヒストリエ』が今後どう紡いでいかうのがめちゃくちゃ楽しみです。はい。

心がある場所はどこかってテーマでじっくり描かれた11巻。「頭」なのか「心臓」なのか?「頭」なのか「心臓」なのか。それとも…って色々と考えさせられました。

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コメント

  1. 匿名 より:

    1巻の冒頭が大好きなんだよなぁ

  2. 匿名 より:

    生きているうちにラストが見られるならそれでいい

  3. 匿名 より:

    これとバスタードとハンターハンターにガラスの仮面
    どれか一個でも終われば御の字