『ハンター×ハンター』No.396◆結成②の感想・考察です。
幻影旅団が結成されるまでの幼少時代のエピソードが描かれてめちゃくちゃ面白い!クロロとか今とキャラが違いすぎてビックリですね。そして次回読むの辛いさんの予感。
幻影旅団のナンバーについて
前回、パクノダ(NO.9)を抜かして穴埋めしてる事と幼少期のクロロとパクノダに尊さを感じ、ラブコメ脳によってナンバー9は永久欠番説を出したらまっとうな順番ではと指摘を受けました。
確かにヒソカは最初からメンバーじゃなかったので真っ先に4を埋めて、次に死んだウボォー(NO.11)の順番を埋めたというのはまあ確かに…。
ノブナガさん確認
幼少期のノブナガさんが確認できました。102話の「始めはただ欲しかった」(詳細が395話)はまるでノブナガの過去回想のように描かれてたけどその現場にノッブいねーじゃん!!
102話
ウヴォーに追いかけられながらビデオをパス回してる3人(クロロ、シャルナーク、フランクリン)を見守ってる風の右上2人誰なんだろ。
まったく関係ない人物なのか今後出て来るクモの初期メンバーなのか。私気になります!
「幻影旅団」初期メンバー
396話までで判明した幻影旅団は団長が頭で左右の足が6本の計13人の初期メンバーは以下の通り。
幻影旅団13人 | 初期 | 現在 |
NO.0クロロ(団長) | ||
NO.1ノブナガ | ||
NO.2フェイタン | ||
NO.3マチ | ||
NO.4カルト |
初期不明 (オモカゲ→ヒソカ→カルト) |
|
NO.5フィンクス | ||
NO.6シャルナーク | ||
NO.7フランクリン | ||
NO.8シズク | 初期不明 | |
NO.9パクノダ | ||
NO.10ボノレノフ | 初期不明 | |
NO.11ウボォーギン→イルミ | ||
NO.12コルトピ | 初期不明 |
※シーラとサラサはまだクモでも幻影でもないが旅団の初期メンバーである(ナンバー不明)。
サラサは最年少
サラサは仲がまったく良くない初期クモの面子をうまく繋ぐ緩衝材のような役割をしてますね。
「サラサ(最年少)に護られてる内は「皆の弟」だよねー」
「クロロはそれでいいの」
(396話)
サラサは最年少でガキ大将のようなウボォーギンも、ガキでヤンキー丸出しのフィンクスやフェイタンも何かやってと言われたら「ぐぬぬぬ」となりつつ言う事を聞いてあげる関係。
苦手というよりみんなの「妹」ポジションですなあ。愛されてるとも言えるだけにラストの不穏な動きに次回の展開が予想できて欝々しくなる。あー、これは非道なクモになる原因かなと思っちゃうね。
十中八九サラサは流星街の住人を狩ってるやつらに酷い目に合されるでしょう。これが純粋無垢な幼少期クモのメンバーの転換期になる予感。
幻影旅団の前身っぽい「旅団」
「幻影旅団」という名前の由来の原初が触れられている。
396話
カタヅケンジャーの声を当てる人員がクモのはじまり。登場人物多くて人が足りず、シャルナークが「団員募集する?」と言い出したのがはじまり。フランクリンとウボォーも乗っかって、自分たちは「団」なのか?そりゃ「劇団」だろと子供の「ごっこ」遊びのように語り合うのである。
決め手はノッブとパクノダのやり取りでしょう。
「オレは劇団ってゆーよりか旅の一座ってイメージだなァ」
「じゃ、旅団とかどうかな?」
というわけで自分達は「旅団」であると。まるで一昔前のサーカス一団のような芸をする「旅団」という意味合いです。ここから「幻影旅団」を名乗りクモのタトゥーを入れる紆余曲折が気になるところです。
つっても今回でサラサが酷いことになるのは予想付くだけに、クモの意味合いはなんとなく想像できるんだなぁ。
クモの足は欠けても再生するのである。生えます。おそらくサラサが…ということになり、そういう意味合いで初期メンバーは「クモの足」になるんだろうなと。
- 「旅団」はサーカス一団のような芸をする旅の団員
- 「クモ」は(おそらく)亡くなるであろうサラサ(クモの足は再生する)
- 「幻影」はなんだろうか?
「始めはただ欲しかった」とウボォの夢
102話の「始めはただ欲しかった」はウボォーの(自称ナワバリ)にあったビデオテープが欲しかったというだけでなく、なんとなくジャイアンしてたウボォーの胸の内でもありました。
最初は…まあ何でもいいから欲しかったんだがな…。ハッキリと欲しいモノややりたい事があるってのは格別だな(396話)
もっと突っ込むと流星街出身の初期メンバー全員のアイデンティティだったのかもしれない。ウボォーが明確に「欲しいモノ(カタヅケンジャーのビデオの続き)」「やりたい事(劇の声当て)」と同じようね。
・みんなが「欲しいモノ」「やりたい事」が見つかった
・カタヅケンジャーの上映会で盛り上げるぞ!!!!
って感じだよね。
まさに「始めはただ欲しかった」ですよ。カタヅケンジャーの役が欲しい!やりたい事が見つかった!無気力に生きてた流星街のキッズたちが前向きに夢を見たと言っていい。
もっと妄想するとハンターの美学「欲しいものより先に来た」がギュギュっと濃縮されてる(と思う)。
オレが一番嬉しかったのは、ずっと願ってた王墓の「真実」を目の当たりした事じゃなく、いっしょに中へ入った連中と顔を見合わせて握手した瞬間だった。そいつらは今も無償で役員をしながらオレに生きた情報をくれる。この連中と比べたら王墓の「真実」はただのおまけさ。大切なものはほしいものより先に来た(338話)
『ハンター×ハンター』の美学って最終目的よりも大切なものはその過程にあったよね。単行本6巻で冨樫先生自身が色々と集めるの趣味だったけど、欲しかったものGETする前段階こそ本当に面白いって意見よ。
それぞれ集め方にもいろんな手段があって面白い」「欲しかったものをゲットする瞬間の快感(コミックス6巻)
作中でジンも結論出してた本当に欲しいものは「おまけ」であり、それまでの紆余曲折こそ本当の宝物であったと。
このロジックなら幻影旅団の「始めはただ欲しかった」の意味合いは深みが増す。はじめは「カタヅケンジャーのビデオが欲しかった」「カタヅケンジャーの劇中の役割が欲しかった」「流星街のみんなで盛り上がったお祭りの様な高揚が欲しかった」である。
だからこれは過程の段階で本当に欲しかったものが後から分かるなら、クモ初期メンバーになる彼らの「仲間意識」という事が想像できるわけよ。
この後の展開でサラサが酷い事にならなきゃ、おそらくジンと同じ結論になった(ような気がする)。劇をして世界中を旅して、リアルのサーカス一団のような笑顔を届ける「現光旅団」になってウボォーさんは「世界一の悪役」になれたかもしれない。
しかし、そうはならかった。「幻影旅団」は世界に絶望を届けてるのである。世界最悪のヤベーやつらである。ウボォーさんの「世界一の悪役」は最悪の形で「世界一の悪(役では断じて無い)」になってる。
団長命令「派手に殺れ!!」である。
ウボォーさん聞こえますか?オレ達から貴方へ鎮魂曲(レクイエム)です(97話)
「お前(クロロ)と劇で世界中巡って世界一の悪役になる事」は叶っちゃいるけど「役」でなく「リアル」に世界一の悪となってるのは色んな意味で含みもあるなあ。
「始めはただ欲しかった」で、ハンターの美学が「大切なものは欲しいものより先に来た(欲しかったのはオマケ)」を踏まえると、最後に気付く「大切なもの(仲間)」って結論の前段階で失って修羅道突き進むんかなぁって思ったり思わなかったり。
クロロは演技派
クロロは演技上手。
これには「なるほどなぁ」と妙な納得がある。
ヨークシン編の段階で「幻影旅団の団長としてのクロロ(威厳有り)」と「ゾルディック家のシルバ&ゼノと戦った年相応の若者っぽいクロロ(威厳無し)」が見てとれました。
舐めたガキだったクロロくん(100話)
マジのガチでヨークシン編中でも、「幻影旅団」の団長としての威厳があるクロロと単独行動のクロロは二重人格なのか?ってぐらいキャラ違いましたからね。鎮魂曲(レクイエム)で「ウボォーさん」と呼んだほうが素。
セメタリービルで好き勝手やってた単独のクロロは「(クジラも動けなくなる薬だけど)問題ないすか」とか「サシでやったらオレとアンタ」とか「しんどー、ありゃ盗めねーわ」とか…深夜のコンビニでレジしててもおかしくない若造っぽさがあった。
どっちが素かといえば、個人で動いて心の声や独り言してる方が素でしょう。幼少期は絵に描いたような真面目な優等生で年相応で「っス」みたいな口調の若造になる。これが素で、威厳を保つ団長は演技であると。
だからこそ、パクノダの回想(114話)のマチはメタファーギャグでなくマジの意味がある(と思う)。
「あれクロロ?」(112話)
112話で描かれた回想のクモの意味合い。
そこでマチは「あれクロロ?」と。
これまでの作中描写にない恰好のクロロで、読者的にメタファーで「あれクロロ?」と突っ込んだのでなく、マジのガチであれがクロロなのか?と思ったのかもね。
幼少期は真面目で控え目な少年。青年期でも「っス」みたいな口調が素だとしたら、「幻影旅団」の団長として威厳を保ち堂々としてるクロロは演技派なのかもしれない。
「あれクロロ?」はメタのツッコミでなくマジの豹変説!
そんなわけで演技がすごいって判明したクロロは「幻影旅団」団長としての振る舞いこそフェイクっぽいですなぁ。素は少年期と同じように「ウボォーさん」と呼んで、年相応の若者って感じますな。
団長として大物っぽい「あれクロロ?」は演技!それを踏まえると、パクノダ回想の「オレ(クロロ)もクモの一部」「生かすべきは個人でなく旅団」を思い出してクモよりクロロを生かす事を選択したのも尊味が増す。知らんけど。
コメント
クルタ族の件、勘違いでああなったらやるせないな
幼いクラピカが助けた旅の女性「シーラ」が旅団メンバーだったぽいので、クルタ族が情報漏洩を恐れてうっかり手を出してしまったのかな
コンビニで立ち読みだからこの昔話の重要さが分からない。
早くノブナガの能力が見たい。
そこは買っとけよ
4年でジャンプ10冊なんだから一ヶ月あたり60円くらいだ。安いもんだろ
旅団が冷酷な殺人集団か?をよく考えたら、今まで殺した相手のほとんどがマフィア関係だよな。
エリザやスクワラもマフィアのボディガードだった。地下オークションの客もマフィアに大きな利益を提供している。
マフィア関係ではなかったのはバッテラの運転手とグリードアイランドの念能力者と、キメラアントくらいじゃないか?
初登場でヨークシンのオークションを狙った時は、マフィアでもかまわず殺す凶悪集団という印象だったんだが、実際は「マフィアだけ積極的に殺す」んじゃないだろうか。
これから描かれるサラサの話で、旅団はマフィアに強い敵意を持つようになる、という予想をしておきたい。
いまクラピカがマフィア傘下で収入を得ているように、クルタ族も金を稼ぐためにマフィア絡みの仕事をしていた可能性はある。
クルタ族は一方的な被害者なのか、それともクラピカにとって辛い事実が出てくるのか、どうなんだろうな。
劇団が元になってると考えると、幻影旅団各メンバーの服は「何かの物語のキャラクターから引用したもの」ってことになるな。
怪物が元になってるフィンクス、フェイタンとかはいいとして、シャルナークやパクノダも元になる物語があるんだろうか?
あと、フランクリンの顔の傷は112話ではついてないので、あれは自分でつけた可能性もあるな。
あれだけウヴォーキンや仲間のことを大切に思っていたノブナガが、昔はどちらかというとツレもいない孤立した存在だったことが印象に残ったわ
ノブナガにとってほしかったのは「相棒」であって、それが誰かと組むと強いって能力の元になったのかな
誰かと組むと強いのはウヴォーな。
ノブナガの能力はタイマン専用。
月曜になったので、続きがどうなったか検証してみます。
◯フランクリンとノブナガは遅刻常連
時間に厳しいウヴォーにいつも怒られていたことが裏付けられています。
◯サラサ、上映会になっても現れない
乳母衆(めのとしゅう)という養母らしき人々がいることが語られますが、サラサはそこにも前日から戻っていません。
◯上映会を中止して総員でサラサ探索
ウヴォーが率先して子供達をまとめています。長老たちに期待されているクロロの名前が集落の大人たちにも広まっていることも伺えます。
◯サラサのバッグや車の轍からサラサが連れ去られた森を推測、遺体を発見
作者のツイートにあった背景ですね。執拗に描き込まれた森の絵と、吊るされた袋、張り紙、スナッフ撮影に使われた杭があり、何が起きたかを語っています。
◯袋の中にはバラバラにされたサラサの遺体
遺体の頭部にも文字の書かれた紙がピンで刺されています。クロロは何が書かれているか読めますが内容を語りませんでした。後の記述から犯行声明や住民への挑発など、快楽殺人者が自己顕示している内容と推測できます。
◯サラサの遺体が修復される
エンバーミング技術者のレンコが修復を担当。生きているように綺麗に復元されています。
◯マチ、レンコにエンバーミングの方法を聞き、習得は無理と言われるものの念の素質を見出され、教わることになる
サラサの死が旅団と念能力を繋いだんですね。マチが最初からオーラが見えていた事も語られます。
また、マチの撚糸縫合の能力がエンバーミングから来ていることも伺えます。クロロ戦後のヒソカの遺体を見て縫おうとしたのは本来の目的だったんですね。
◯レンコの住居はキリモリ谷、交通費がタダになるしおりのようなものを渡される
乳母衆の許可が下りたら、というセリフからは、集落の外にあることが伺えます。
また、最終バスに乗れ、という指示から、運行終了後に回送車両で送ってもらえる場所にあると思われます。
しおりは特徴的な図柄ですが、交通機関が特定の技術者を優遇するような取り決めでもあるのでしょうか?
◯集落を出ようとするウヴォー、3年待ってくれというクロロ
「14歳になるまでに」のセリフから、この時クロロが11歳であることがわかります。
現実世界でいうところのインターネットの初期らしく、そのネットの普及を使って犯人を誘き寄せる作戦が語られます。
◯クロロの意図をわかりやすく解説するシャルナーク、そこに集まる旅団初期メンバー
この時に「悪党」としての旅団が結成されたとも言えます。
◯旅団に参加しないシーラ
復讐は望んでいないようですね。シーラが参加しないことで、旅団No.が開いている謎は解かれないままになりました。
◯自分の人生を捧げる覚悟が必要だ、と語るクロロ
サラサの復讐だけではなく、今後の犠牲者をなくす、という目的のために多くの人を殺す悪党になることを宣言しています。団員にもその覚悟が必要だ、ということですね。
◯ウヴォーにリーダーを依頼、しかしウヴォーはクロロが頭だと返答、団員たちも同意
団員8名と団長が確定した瞬間です。
◯ラストのコマでNo.114の旅団過去シーンにつながる
No.114に映ってなかったシャルナークも描かれていますね。この時は悪役や怪物の外見ではないので、このあとそれぞれがキャラメイクしていったんでしょう。
▶︎旅団がクルタ族を襲撃した経緯は語られませんでした
▶︎シーラがクルタ族襲撃に関係したかどうかは説明されませんでした
▶︎流星街と念能力にはマフィア以外での接点があったことが語られていますが、もしマチがいなかったら念は教えてもらえなかったことが伺えます
No.397が掲載されている今週のジャンプの発売後、ツイッター上でクルタ族襲撃の真相についての考察が盛り上がっているんですが、実際の本編中にはそこに関係する情報は何も描かれていません。
旅団の設立目的が語られたことで、彼らが無意味な殺しをしないと受け取った読者が多いようなんですが、「犠牲者を出さないため多くの人を殺す悪党になる」という目的からは、流星街に関係なければ罪のない人でも殺す、ということが伺えますし、実際に旅団は特に罪のない人もかなり大量に殺しています。
シーラや旅団とクルタ族には何か関係があるらしいがよくわからない、という状況はそのままです。
流星街の人々の命は想像以上に軽く扱われるが、住民たちは怒りを捨ててもいないしあきらめてもいない、復讐の連鎖はそう容易には断ち切れない、ということが再確認できただけではないでしょうか。
ひとつ訂正。
サラサ殺害現場の地面に刺さっているのはナイフのようです。
P439でビニール袋に入った証拠品が並んでいますが、上段のナイフがそれだということのようですね。
タバコの吸い殻は証拠品用のビニール袋に入れてクロロが持ってるから、あの並んでる証拠品は警察じゃなくクロロが現場から回収した、ってことだろうな
流星街は「この世に居ないことになっている人たち」の街だから、当然警察もないんだな
読みながら、昔の旅団の純粋な描写があればあるほど悲しさが増していった回でした
戦隊物を楽しんで「俺はグリーンだな」とか言い合うような人間だったなんて
「旅団」「団員」が最初はああいう意味合いだったなんて
あのウボォーが世界一の悪役を願ったり、フランクリンが「流星街が変わるかも」なんて言ってたなんて
不穏なサラサも合わさってただただ悲しかったです
そして旅団の始点に日本の特撮物が直結していたという衝撃の事実・・・
本記事も素晴らしかったです
敢えて旅団の名前は演劇時代からそのまま使いつつ蜘蛛を足したのは、脚が再生することになぞらえたから、かぁ
思いもしない考察でした