『僕らはみんな河合荘』(宮原るり)11巻読了したった。
これが最終巻です。最高のラブコメだったなぁ(しみじみと)。
河合荘の強烈なメンツにいじられながらも、遂に律への告白に成功、めでたく付き合うことになった宇佐くん。毎日の生活がばら色になるも束の間次は進路の話が出て、河合荘のメンバー達の生活にも変化が!?一つ屋根の下ラブコメ遂に完結!外伝も入ってます!
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『僕らはみんな河合荘』11巻
一言感想を述べれば…感無量です!
まさに大団円という内容。それも今までのイベントを思い出という形で掘り起こして読者も一緒に余韻に浸れる小憎い演出も光りました。最高かよ。
律ちゃん可愛すぎた問題
律ちゃん
悶絶!
律ちゃん可愛すぎませんか?可愛すぎますますよ。11巻の本編完結前のメイン部分はどちらかというと、メイン2人の律ちゃん&宇佐くんよりも、麻弓さん&シロさんの男と女のアレコレに焦点が当たってました。
それでも、さすがはメイン2人よ。
律ちゃん&宇佐くんのやり取りは控えめに言って最高でした。
ラブコメ漫画なんて基本的に付き合う「まで」の紆余曲折がキモですが、付き合いだしてラブラブイチャイチャする付き合った「あと」の描写もニヤリングと尊さが際立ってたのが『僕らはみんな河合荘』だよねぇ…。
とにかく、律ちゃん&宇佐くんの不器用ながら前に進んで行くのが良い。明確に描写されたわけじゃないけど、このまま河合荘にとどまり続ければ「付き合う(仮)」なので、「付き合う(本)」になりたい律ちゃんの乙女心が芸術的ですらあった。可愛い。
最も完成されたラブコメ
このまま河合荘にいたら…
河合荘は居心地よくてすべて許してくれるから、このままじゃ甘えて宇佐くんに頼りきっちゃう。佳子さんがシロさんのこと「時期がきた」って言ってた。私もうそう。
あ、あぁ…(´;ω;`)。
「河合荘」って何だったんだろと振り返れば「思い出がいっぱい」に集約される。大人の階段上る君はシンデレラさ♪だったのである。外伝含めて、「河合荘」に残った者と旅立った者…そして旅立ったけどいつでも皆帰って来れるところとしての「河合荘」があった。
仮に10年、20年したらこのメンバーは誰も「河合荘」に残ってないかもしれない。しかし、それでもいつでも帰って来れる。でもでも…皆巣立って行くんだろうなぁと想像できる。
「河合荘」という舞台を具体的に巣立つまでの故郷でもあると。
それを佳子さんは明確に語ってました。
佳子さんは語る
河合荘(あそこ)にいた日々がその子にとって重要なものでなくてもいい。でも時々ふと、思い出すそのすみっこに私がいるかもしれない。たくさんの人生の欠片に、ちょっとだけ登場するのよ。「河合荘」と私が。
あ、あぁ…(´;ω;`)。
「河合荘」とは故郷であると同時に巣立つための場所でもあると。なんか、すっげー泣けたんだよなぁ。だって旅立つための所であるけど、いつでも帰ってきて良い故郷なんだもん。
現代ラブコメにおけるひとつの完成型
めんどうくさい律ちゃん
ヒロインとしての律ちゃんを振り返ると序盤中盤終盤面倒くさいと思うよ。だけど…俺は負けないよの精神で攻略したと言えよう。とにかく難易度が高かった。10巻でも「私は最初まっっったく無反応だった」と述べたように、高嶺の花を振り向かせた物語だったと総括できる。
自分は1巻の感想で『僕らはみんな河合荘』を現代版の『めぞん一刻』だと評していた。
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これはその通りだったなと。むしろ、あえて時計の針を戻して古き時代っぽくすら描いてた。まず第一にヒロインが小田原城もビックリの難攻不落だった点でしょう。振り返れば宇佐くんはようこんな攻略難易度高いヒロインを陥落としたと感動ものです。
昨今は「早い、安い、チョロい」的なヒロインが重宝されますからね。高値の花のような届かないマドンナに手を伸ばして掴み取るなんて泥臭く汗臭い80年代や90年代のラブコメ展開を現代でやってのけた過程が凄まじいし達成感もある。普通に今やれば受け入れられず打ち切りになりそうな事を成し遂げた。
近代ラブコメの集大成
近代ラブコメとは…?
それ何てエロゲー?みたいなドーテーの妄想を具現化するラブコメ。私は大好きなジャンルですが漫画界で紐解けば4人の豪傑の存在は欠かすことができないでしょう。
・高橋留美子…『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』
・あだち充…『みゆき』『タッチ』『ラフ』『じんべえ』
・まつもと泉…『きまぐれ☆オレンジロード』
・赤松健…『ラブひな』『ネギま!』
「織田がつき羽柴がこねし天下餅すわりしままに食うは徳川」という言葉がある。これ現代ラブコメでもそのまんま当てはまりますからね。「留美子とあだちがつきまつもとがこねし天下餅すわりしままに食うは赤松」である。
しばしばインタビューで萌え豚ご用達漫画で天下を取った赤松健先生はヲタの理想郷『ラブひな』という作品は、まつもと泉先生の『きまオレ』が源流でそこからライバルの男等を排除してよりストレスの無い世界、居心地の良い場所を構築したとインタビューで追及されてます。
『きまオレ』があったから『ラブひな』が出来たと。
しかし、もっと川流れを求めればあだち充&高橋留美子に行き着くであろう。
あだちの充っちゃんは、義理の妹と一つ屋根の下とか、可愛い幼馴染から好かれてるとか、血の繋がって無い娘とのアレコレとか…。それなんてエロゲ的な裏山シチュを構築したのである。美少女わんさかと、理想郷を構築したのは留美子女史といえるな。
『めぞん一刻』の一刻館とは理想郷でしょう。いつまでも居たい居心地の良い場所でもある。ひなた荘だって、鳴滝荘だって、ゆらぎ荘だって、もちろん河合壮だって…一刻館が親のようなものです。
そこはいつでも帰って来ていいけど巣立つ場所
番外編2
そういう観点で見ると「河合荘」は古典でありつつ新しい。番外編2では麻弓さんの友人の住処が火事にあって河合荘に身を寄せる。河合荘はなんて住み心地が良いんだろうかと。なんて居心地が良いんだと。安らぎを得るものの、やっぱりこれ以上ここに居たら…と巣立つ。
安らぎの理想郷のような「河合荘」。そこから出ることを自立という側面で捉えるわけでなく、いつでも帰ってきていいとも描かれる。別にそれを賛否で語ることなく、理想郷から出てってもいいし、留まってもいいという答えを出していない。別にどっちが正解ってわけでもないけど唸ったね。
前史の理想郷はすべてそこへ帰って来るのを、留まるのを是としたというか、夢の世界に浸って何が悪いというものだったから。そこから外に出てみたら…という描写をしつつも、留まり続けることも戻って来ることも有りであると。
意識高い風に言えば、疲れたら理想郷に浸っていい!でも現実もあるぞ!だがそれでも、それでも…いつでも戻って来ていいぞ!と言われてる(ような気がした)。「い、嫌だ!俺はもうここから帰らんぞ!」と駄々をこねてしまってもいいのだ。
あえて、時計の針を戻したちょっと古臭いラブコメ。現代風にディティールまで凝ってるものの、ライバルの男もいるし、ヒロインの攻略難易度は高い。それでもやり切った達成感は半端ない。
成長した律ちゃん可愛すぎ問題
大学生律ちゃん
可愛すぎる!
総括すれば、大学生になっても律ちゃん可愛すぎたというものです。もちろん、河合荘を出ってるんだけど、普通に自然といつでも帰ってきてるのもグッドだ。手を伸ばして伸ばして、ようやく掴んだ律ちゃんはぐう女神。
手を繋ぐシーンは何度もニヤニヤしちゃう。
大団円としか言いようのない見事なその後の番外編でもありました。最後の最後、両者が成長してもやおおあり手を繋ぐラストの余韻の気持ちよさよ。感無量である。
コミック表紙の変換
コミック『僕らはみんな河合荘』1~8巻はカメラ目線のように視線を向けて来ているのが特徴的。そして見てるだけから9巻では手を伸ばす律ちゃん。10巻で手を繋ぐ律ちゃん。
最終11巻にして表紙初登場の宇佐くんと手を握っている。
まだこっち(読者)を振り返っているように視線を2人して向けています。今まで見てくれてサンキューとでも言ってるようでもある。
それを踏まえて、最終回のラストのページを見ると味わい深さがダンチだよね。
さようなら!そしてありがとう!
まるで巣立つひな鳥を見守るようである。されど!またまた表紙を見ると振り返ってる。そう…いつでも帰って来ていいのだ。巣立つも自由、振り返るも自由、戻ってきたっていいんだ。それが僕らの河合壮。まる。
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コメント
みそララの続きはよ
梶さんと麦みそのラブコメがこれからってとこで休載でずっと待ってるんだよ
流石8年も生殺しにされただけはある。まさかキスもないのにここまで満足感の高さを与えたラブコメがあっただろうか……
しかし大学生の律っちゃんがかわいすぎる
みそララの続きは確かにすごく見たいな
休載入ったころは学生だったのに社会人になってしまった
なにはともあれ河合荘お疲れさまでした
細かいこと言って申し訳ないが
高嶺の花
な
今更感すごいが宮原るり先生お疲れ様でした。
もちろん入居の手引き買いましたよ
画力の高さが凄すぎる…
少し分けてほしい