全俺が泣いた…。
『無能なナナ』を読んだ。なんやねんこれ…。
やべー!これは大傑作なんじゃないのー!
2018年で最も感動する漫画決定だぞ。
絶海の孤島にある学園。そこでは人類の敵に対抗すべく、若き能力者達が訓練に明け暮れていた。そして転校生の主人公も同様に「人類の敵抹殺」を胸に、行動を開始する…。想像をことごとく裏切る、正義と悪の知略サスペンス開幕!!
※マンガUP!なら基本無料で読めます。
『無能なナナ』
前から友人に勧められていたものの読むタイミングがありませんでした。で、1巻がkindleで半額セールやってたので「せっかくだから読んでみっか」と購入してみればこれが大正解。あれよあれよと4巻まで一気読み。特に4巻は大感動してガチ泣きでしばらく茫然としちゃったよ。
一躍、自分の中で最も面白い漫画の1つに躍り出たぞい。
デスゲームでもありビックリ展開の連続で目頭を熱くするとは恐れ入った。
原作者・るーすぼーい
かつては二次元「四大文明」の一つに数えられていた美少女ゲーム業界。いまやすっかり崩壊寸前となってしまいました。中年達は荒野を去ったのだ。エロゲ業界からラノベ業界への人材流出は後を絶ちません。
『無能なナナ』の原作者・るーすぼーい氏も当時の有名ライターの一人なり。漫画原作者となったのか。『車輪の王国』『G線上の魔王』は泣きゲーの最高峰。色褪せぬ名作です。毎日毎日更新そっちのけで帰宅即PC起動し睡眠時間削ってマウスのクリックに全力投球だったものです。輝いてた青春の日々よ。
あの頃の輝きに群がっていたエロゲユーザー達は行き場を失ったわけです。当時「年間降水量に匹敵する」とまで言われた泣きゲー大好きな我らの涙は行き場を、流し場を失ったのですね。『車輪の王国』『G線上の魔王』で泣いた日々はもう無いのかといえば、媒体を変えてあったのです。それが『無能なナナ』!
『無能なナナ』のキモはどんでん返し
1話
とりあえず1話を読んで頂ければ分かりますが思わず「えー!?」「まじかよ…」とビックリ仰天します。これぞるーすぼーい先生の真骨頂とも言うべきか、まさかまさかの展開で予想外の「どんでん返し」させるのが特徴です。
『車輪の王国』『G線上の魔王』でもその設定と美少女ゲームの視点を駆使して叙述トリックのような驚きが炸裂して「うおおおお!」と何度も叫んでしまったものです。その作風は今作でも健在で、1話だけでもひっくり返る。
超能力者ばかりが集められる島の学校。「人類の敵」と戦う訓練してるようで、「無能クン」と呼ばれる中島ナナオが主人公のように描かれます。ナレーションも担当して彼の視点で描かれるので、タイトルの「無能なナナ」とはナナオくんを指してるんだと思うじゃん。
で、2人の転校生がやって来て柊ナナという子と仲良くなっていきます。
彼女の能力は「人の心が読める」というもの。
青春の1ページを感じた
ボーイミーツガール
1話序盤を見て浮かんだ感想は、能力者の中でもレベルの低い男の子の成長と恋を等身大で描いていく作品なのかなと。少年の確かな成長も見れる。
周りのクラスメイトは炎や氷を出した完全ファンタジー世界の中にあって、「他人の能力を無効化させる」って使えるんだか使えないんだがイマイチな能力を駆使して認められていく過程がありました。ついにはクラスのリーダーになるのです。
この学校で能力者をまとめていき、来たるべき「人類の敵」と戦うことが伺えました。そして、おせっかいでも勇気付けてくれるナナちゃんはヒロインとして、青春盛沢山でハートフルなボーイミーツガールになると。
これからこのナナちゃんと一緒に、甘酸っぱかったり、ほろ苦かったりする能力者学園生活を送れると思うと期待に胸が膨らみますね。手なんかつないじゃって心を満たす青春の1ページじゃん!これからもよろしくね…。
なぜ僕は今からこの子に殺されなければならないのか…だろ?
そして、崖から突き落とされます。
きたきたきた!心を満たすハートフルなイベントが…ってええっ!
なんと、「他人の心が読める」はただのブラフで彼女は何の能力も持っていないと言い出すのです。能力者ばかりの学校で無能力者が紛れ込むのは疑われるから心が読める能力を持ってるフリをしていたと。「お前たち(能力者)こそ人類の敵」であると。
主人公かと思ってたナナオくんはナナちゃんに殺害されてしまいました。
『無能なナナ』とは無能力者で心が読めるふりしてたナナちゃんだったのです。主人公もこっち。まさかの「どんでん返し」です。こうして開始された無能なナナによる能力者狩り!
無能力者ナナVS能力者
2話
いやー、すっかり騙されてしまいました。
主人公も設定もタイトルも1話でひっくり返るとは恐れ入った。
「人類の敵」と戦うために集められた孤島の学校。実は「人類の敵」とは集められた能力者の子達のほうだったのです。この世界では能力者によって悲惨な事件が起きている歴史があり、政府が能力に目覚めた子を集めて隔離していたのです。
ナナは彼らを始末する為に政府から送り込まれた刺客のような存在でした。
彼女自身も謎だらけですが、指示通りに次々と能力者を倒していきます。同時に、殺すべき能力者たちからは信頼を得ていきます。
これからはわたしがリーダーになり学校を支配する
すごい殺人鬼や!
過去へ戻って歴史を変えれる能力者、不死身の男、未来予知夢者、ネクロマンサーと馬鹿力、毒使いと瞬間移動女子…。時に懐柔し、時に頭脳を使って…無能力者のナナは能力者を狩っていきます。個々の戦いも面白く、超能力者共を普通の人間がどう倒すのかという見所があります。
「そう来たか!」「なんだと!?」という驚きが満載です。読み応えあってビックリ展開の連続。また、徐々に世界の設定というか島の歴史やナナの過去も見えていきます。本筋はナナの能力者狩りですが、同時に何かありそうな壮大さもある。
VSキョウヤ
小野寺キョウヤ
ナナと同じ日に転校して来た不死身の能力者。どうやっても死なないので、ナナに普通なら殺されるような危機も突破してます。ナナにターゲットにされて唯一殺せなかった彼は「能力者VS無能力者」としてシリーズ化してます。
「キョウヤVSナナ」もこの作品の見所の一つ。
うまく学校へ溶け込んでるナナを唯一疑っている人物でもある。また、彼は妹が先にこの島へ能力者としてやってきてるのに行方不明になっているので、この島に何かあるのではないかと色々と調査もしてます。
普通の少年漫画ならこっちが主人公になりそうな正義感もある。ナナは「心が読める」というウソを信じてる状態で何度か対峙して追い詰めてるので2人の戦いも今後は期待大です。同時に、この作品は善玉と悪玉の曖昧さもキモよね。
能力者の子は「人類の敵」なので、ナナはガンガンぶっ殺していくし、中には頭のネジが3本くらい飛んでる奴もいるけど、基本的には超能力が使える普通の子ですから。それを情け容赦なく狩るナナはどう見ても正義ではない。かといって悪かも微妙。
ナナの他にもイレギュラーの存在があり、5年前の生き残りや、クラス内でも殺人鬼が出てきたりと今後のストーリーがどうなるかまるで分からないのもグッド。
何が正しいか分からん
14話
次々と冷酷な殺し屋のように能力者を狩っていく中で「わたしはなぜこれを投げ捨てたふりをした…?」と自分でもよく分からない言動をしてしまったナナ。この辺も善悪としての深みが増してますな。
どうもナナは幼少期のトラウマを利用されて、政府に与する組織に都合が良いだけのマシーンに育てられたような描写もあり、裏を返せば彼女も被害者なのかと思ったり思わなかったり。
「どんでん返し」がウリで、最上のビックリエンターテインメントを提供することに定評のあるるーすぼーい原作なので何が起こるか楽しみすぎる。ミクロで見れば「無能力者の化け物狩り」や「頭脳を駆使した心理戦」の側面で楽しめ、マクロで見ると陰謀などが蠢いてて大きな流れも楽しめる。
能力者を殺害する為に送り込まれたはずのナナが徐々に変化していくのもハラハラドキドキをより加速させていきます。それが最高潮になるのが4巻なり。
ともだち…?
ミチルちゃん
さて、『無能なナナ』は3巻まででも十分面白かったのですが、全ては4巻への布石だったのかもしれんな。冷酷な殺人鬼だったナナですが、凍ってた心を解凍させたというか温かさというものをはじめて教えてくれたミチルちゃん。
ミチルちゃんもキョウヤ同様にすっかりレギュラーキャラとなった重要人物の一人でした。能力は「ヒーリング」で、舐めた傷を治癒できます。ナナの回復能力は便利だからと懐柔して殺すの後回しにして生かしていました。
そんな彼女がナナの凍り付いたトラウマの過去を能力でなく純粋さと優しさで癒してしまったのは素直に感動的です。ナナ自身も殺す対象であるミチルちゃんの天使っぷりに、完全に変わってしまう。頬を赤らめながら、「ともだち…」とか恋する乙女のような超反応はなかなかどうして。
ミチルちゃんとナナ!2人は尊い!
犬飼ミチル
推定殺害者数十五万人以上。
ナナの使命は能力者を全員ぶち殺すことである。
彼ら彼女らは「人類の敵」なのだから。しかし、初期からずっと子犬のようにナナに懐き、ナナのために一生懸命だったミチルちゃんと触れ合う内になんだか分からなくなってしまうのです。
殺す対象なのに、なぜか看病をしてしまう。自分でも何やってるのか分からない行動。推定殺害者数を見ても、殺してやろうとは思えず、むしろ苦しんでしまいます。もはや何やってんだろ…状態でしたが、確かに明確に2人に絆以上のものが生まれていました。
尊い…。素直な感想です。
利用しててそのうちぶち殺す相手のミチルちゃんだったのに、自分の過去のアレコレを話してしまい、紆余曲折で凍った心を温めてくれたのです。ナナもミチルちゃん好きになった百合百合しくも、温かみのあるグッとくる一連の流れでした。素直に泣けます。
2人は尊い…
ナナもミチルちゃんもお互いに色んな感情を吐露しました。
ミチルちゃんが今のミチルちゃんになった過去も凄いエピソードでした。よくわからないナナもミチルちゃん大好きになって、己の胸の奥底にあるダークな部分に光りを当ててもらったし。どちらも闇だけど、どっちにとっても太陽の輝きですよ。
清々しくすらありました。
何度もグッときました。胸が熱くなりました。ナナとミチルちゃんのやり取りと真の意味で友達となる紆余曲折は100点満点中で10000000点です。ハートを温める「良い話」としか言いようがありません。
ナナ&ミチルの神々しくもあり、同時にソフト百合的なニヤリング満載ですわ。ハートをぽかぽかと温かくさせてくれる上質なエピドードに白旗です。2人は尊い。2人は泣ける。大感動です!鮮やかな感動を呼ぶのです。
だ・け・ど!
それすらるーすぼーい氏の手のひらの上だったとしたら?なんだと…!?
4巻の「どんでん返し」
初めてお友達ができた…
もう既に自分の中で感動させる上質エピソード満載の4巻だったのですが、ラストはある意味全てを超越した「史上最大の感動」を生んだ。はじめて友達ができたと認めるナナ。ミチルちゃんっていうんです。
初めての友達…だからあんな行動をしたナナに泣ける。
そして、初期から「良い子」120%だったミチルちゃんはそんな行動したんだね。
2人の友情とキャキャウフフの全てが収束してました。陳腐な言い方だけど「大号泣した」の一言です。ラストは感動のあまり立っていられなかった。ガタガタ震えていた。溢れる涙をどうしようもなかった。それぐらい打ちのめされる凄まじいエピソードと顛末。
奇跡は起きたのです…。だけどさ…。
いやもう凄まじいとしか語るべき言葉がない。良い意味で「そう来るのかよ!」って驚きのどんでん返し。
今までのどの章よりも感動しました。特に最後の言葉は鳥肌もの。ナナとミチルちゃんのやり取りは一つ一つに考えさせられる重みがあり、心を温めて泣かせてきました。それが大きな魅力でもありました。ラストの言葉はシンプルでありながら、辿りついた境地のすべてが込められていました…(´;ω;`)。
今年最も泣ける漫画で賞ですわ。ハンパ無いって!
『車輪の王国』『G線上の魔王』に続くるーすぼーい先生の大傑作がここにあった。媒体をノベルゲーから漫画に変えてもあの衝撃と感動は健在だ。
※マンガUP!なら基本無料で読めます。
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コメント
この漫画1巻から厚いけど巻数進むごとに厚くなるから新刊見るたびにフフッてなる
ミチルちゃんは能力の対価を聞いた時にあっ…(察し)って思いましたけど
見せ方というかエピソードの積み上げ方がよくてグッときましたねー
ガンガンで今1番面白いんじゃないでしょうか無能なナナ
売り上げ的には禁書のコミカライズが看板でしょうけどね
まあ知名度ないからなあアニメ化してほしいです
一人戦争、白蝶記は微妙だったけどナナは面白いよな
つい最近4巻を読んだのですが読後はヤマカムさんとほぼ同じ状態でした。
しんどい世界観の話を好んで読んでいた自分がまさか(どちらかと言うと)ほのぼの系の漫画で泣かされるとは思いもしませんでした。
まだ4巻にしては展開も早いし純粋に面白い漫画だと思います。
出かけるのが面倒なのでガンガンオンラインで読んでます
どんでん返しの連続で面白いです
面白かったので買いました
紹介してくれてありがとう
これ面白いけど
タイトルで損してるな
この記事読んで気にはなっていたけど今まで読んでなかった
1巻が電子書籍無料だったんで読んでみたが気がついたら4巻を読み終えていた…
この作者のことだからこれはミスリードなんだろうなとかひっくり返してくるんだろうなとか考えながら読んでたが面白い
5巻はこれから読むけど、この先の展開はさっぱり想像できない…
山田さんの感想も楽しみにしてます