『♀ガキとおじさん』頭ヤベー奴ばっかなのに泣かせて温かいロリコンおじさんとメスガキの令和最高峰シットコム

 

『♀ガキとおじさん』（サラマンダ）読了。タイトルから想像したものと全然違って、「あ、そういうテイストなのね」となりつつめっちゃ面白いハートフル？疑似家族コメディでした。

 

例えるならメスガキとロリコンおっさんの『うさぎドロップ』かな。

 

オタクおじさんの部屋に現れた幽霊（？）少女は誘惑、挑発、
ワケアリ……のまさに♀ガキ！
おじさんイチコロかと思いきや――？

「僕みたいなロリコン男性のいちばん大事なものって……何だかわかるかい？」

怯えて笑って腹が減る。
少し生き辛いふたりのハートフルスイング同居コメディ!!

 

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メスガキの幽霊

1話

 

メスガキが現れた！！

 

ロリコン趣味のおじさん（小路鷹太）42歳。ひとり暮らしで隠れオタク（幼女趣味のロリコン紳士）。そんな彼のもとに、突然メスガキ（かげりちゃん）の幽霊が現れたのである。なんでも、昔この部屋で死んだそうな。

 

ロリコンのおっさんに幽霊の幼女が登場する。あとは分かるな？期待をムクムクさせながらページを読み進めます。おっと！おじさんいきなりベッドにかげりちゃんを連れて押し倒した！

 

はじまるんだよ！エルオースピリッツが！

そして…包丁でぶっ刺そうとして除霊を試みます。って、えええええ！？

 

バイバイかげりちゃん

来世は幸せになって

 

おじさんいわく「ボクみたいなロリコン男性のね。一番大事な物って…なんだかわかるかい？」「世間体だよ」とのこと。ロリコン厳冬の時代に、そんな嗜好は大っぴらに出来ないのである。

 

そう！このおじさんはロリコンだし、そういう漫画やグッズを沢山持ってるけど、ちゃんとした社会人。世間体を気にしている。若干サイコパス入ってるけど、擬態したオタクそのもの。

 

だからかげりちゃんにいられると困る。地縛霊らしく出てく事も無理なので殺す（除霊する）しか無いとなったわけです。おじさんは、まともなんだかヤベー奴なんだか…。

 

あた…し、こ…声や姿消せます

 

おじさん「なら問題ないか」

 

って、問題ないのかよ！他の人に見えない聞こえないメスガキと暮らすのは問題ないらしい。世間体を気にしまくるおじさんなのです。こうしてメスガキ幽霊のかげりちゃんと小路鷹太の同居生活がスタートするのです。

 

タイトルから想像したものと違ったんですけど、これが良い意味で別方向に面白かったわけ。

設定が絶妙

あたしは餓鬼道におちたみたい

 

メスガキの地縛霊だと思ったら、かげりちゃんは「餓鬼」という妖怪だったのです。

 

親から虐待されネグレクト受けて最期は餓死したという非業の死を遂げたのである。重っ！だから死後は食べ物に触ると燃えてしまい食べることができない。

 

 

タイトル『♀ガキとおじさん』の「♀ガキ」は分からしてやりたい生意気な「メスガキ」という意味と、妖怪の「メス餓鬼」というダブルミーニングになってる。

 

これまでロリコン男性の生気を吸って飢えを凌いできました（実はサキュバス要素もある）。それはとてもまずいらしい。おじさんに声かけたのも魂を食らう目的だったのです。逆に分からせられちゃいましたが…。

心温まる

許されることならご飯を食べたかった

 

って、食べれたー！！

 

許しがないとご飯が食べられない餓鬼は、おじさんの許しでご飯が食べらるのであった。

 

ネグレクト受け生前はずっとまともな料理をまったく食べた事がなかったかげりちゃんが、死後に餓鬼となって、はじめてまともな食事にありつける。それがとても良い話風で展開される（実際良い話なんだが）。

 

なんだろう。これ購入した層って、絶対にコミックエルオー的なのを一般でどこまでやるのか…って感じだと思うんですよ。『女子小学生はじめましたP!』『無邪気の楽園』『俺はロリコンじゃない!』とか好きな層なんですよ（決めつけ）。

 

で、メスガキ分からせ漫画かと思って読んだら（分からせはあるけど）、とても心温まるわけですよ。グッとくるんですよ。

 

例えるなら、ラーメン屋入ったらカレー出されたのに、そのカレーが文句のつけようがなく、めちゃくちゃ美味かったみたいな。なんだこれ。期待したのと違うのに超面白いぞ…。

料理漫画としても絶品

2話

 

食事描写はマジのガチで美味そうで気合入ってる。へたな料理・食事漫画が裸足で逃げ出すぐらい、リアリティある調理と美味そうな食べ物が登場する。

 

醤油バター乗せご飯（美味しんぼにもあったよね）、北海道ローカル飯のエスカロップ、朝食のシャケ、ユーリンチ、ペペロンチーノ…どれも普通に美味しそうだし、ちゃんと作ってる。

 

本格料理漫画じゃないのに絶品な料理漫画！！

 

『無邪気の楽園』読もうと思ったら『甘々と稲妻』だったでござるの巻き。しかし、とても素晴らしい料理＆食べる姿と心温まらせるものが詰まってたのである。

 

 

とくにかげりちゃんが料理食べるリアクションがね。いいんだ。

 

おいっしー…！おいしいぃよぉ！！

 

ハートフル料理漫画って、幼女がご飯食べて美味しいってリアクションするのがキモだと思います。

 

かげりちゃんは生前の重すぎる設定や背景と、餓鬼となってからおじさんの手料理を食べる一挙一動のリアクションがまじで美味しそうに食うから読んでるこっちまで幸せな気分になれる。ご飯を食べてハッピーがここにある！

 

料理そのもの美味しそうな描写も食べるリアクションも100点満点です！

疑似家族

あたし達けっこー家族っぽい（3話）

 

疑似家族モノとしても秀逸。おじさんは世間体を気にしまくる隠れオタク（幼女大好きのロリコン）ですけど、かげりちゃんを性的な目で見てない。かげりちゃんはおじさんを「パパ」と呼ぶわけです。

 

もうこれ父と娘なんだわ…。

 

私よりも世代が上で老兵のキモヲタ猛者の方たちって、若い頃は「○○はオレの嫁！」みたいな感じだったのですが、「○○はオレの娘！」という感じに変わってるんですよね。そういうニュアンスがこの作品にある。

 

かげりちゃんはロリコン紳士のおじさんの娘なんですよ。なんやかんやで2人は絆とか深めていくわけですよ。家族っぽくなってくわけですよ。ロリコンおっさんとメスガキが『うさぎドロップ』みたいなことしてる。

 

 

疑似家族の父娘モノとしても素晴らしいのです！

 

令和最高峰の「シットコム」という評になる。それもド変態でヤベー奴等ばっかで成立させる、笑えて泣ける仕立てだもん。シチュエーション・コメディとしての面白さがヤバイ！

変態交響曲でギャグがキレキレ

4話

 

ギャグ漫画としても最高なんだ。

 

ロリコン紳士で手を出さないおじさんも世間体気にする擬態オタクなのでサイコパス全開だし、かげりちゃんもから回るメスガキ幽霊（餓鬼）としてコメディが成立してる。その上、後発キャラたちの頭のネジ2～3本飛んでるヤベーやつらは最高にアホ漫画として昇華させてくれる。

 

おじさんの姪（姉の娘）の鵙ちゃんとかヤベー奴すぎる。ガチで叔父さんLOVEで常に盗撮してて、「ボクっ娘」「見た目はかげりちゃんより幼女（実はJK）」「おじさん取るなら殺すよ」とトリプル役満で頭おかしいキャラ。あと強い（物理）。

 

そんなストーカーみたいな姪に加えて、妖怪を滅することができる虚無僧（女性）がロリ趣味だったりと、ヤベーやつらばっか出てきてコメディするのでわちゃわちゃガヤガヤするだけでも楽しい。

 

頭がどうかしてるキャラばかり登場します。

ロリコン紳士も大満足

6話

 

素晴らしい！！

 

やっぱ、分からせてやりたいメスガキといえばホットパンツです。ホットパンツを着用した生意気なメスガキこそ癖を直撃させるわけです。

 

感動し立ててで疑似家族モノの親子とか料理で繋がる絆がありつつも、メスガキの良さ味はしっかり描いてる。かげりちゃんのホットパンツ描写の数々はとてもブヒれるのです。メスガキ大好きな諸兄も満足できるシーンはバッチリなので安心していい。

 

 

あれ？これひょっとしてアウトコースギリギリを攻めてるくせに完璧なんじゃないの？

 

昭和のシットコム傑作『じゃりン子チエ』、平成のシットコム傑作『ちびまる子ちゃん』（クレヨンしんちゃんでもいいが）、そんで令和のシットコム傑作は…『♀ガキとおじさん』なんだな！マジで！

 

変態ばっかで大いに笑わせ大いにグッとくる。万人におすすめできるけど、大っぴらにおすすめできない。面白要素はたくさんの角度ある。え？これすごい傑作なんじゃないの？（声を大にして言え内ことめて）。

 

令和の『うさぎドロップ』『甘々と稲妻』が軸でも、変態ロリコン紳士の需要にもちゃんと応えてる。良いなこれ。

 

超お勧めです！！！

 

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