『無能なナナ』(原作:るーすぼーい、作画:古屋庵)6巻もめちゃくちゃ面白かった。アニメ化決まったようなのでそちらも楽しみですね。上質なサスペンスであり、ハッタリを駆使した頭脳戦であり、感動物語でもあります。
心変わりしたナナに対し鶴岡は、一週間以内に一人殺せなければナナを殺すと通達。ナナの前に現れたのは自白を執拗に迫る三島コハル。殺人をせずに鶴岡を欺こうとするナナが、舞台を本土に移し正義を問う知略サスペンス第6巻!!
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『無能なナナ』6巻
双子のトリック
双子のトリック
6巻は三島コハル&ヒヨリとの「双子のトリック」シリーズが収録。相変わらず大長編です。ナナが三島コハルに襲われるも彼女はずっとクラスメイトと一緒にいたという完璧なアリバイがある。それがよくある(?)トリックの双子だったというもの。
『無能なナナ』といえば二転三転するビックリ展開の連続こそキモなのになんだか普通ですね。私も「えらい早くトリックが判明するな…」「え?このトリックしょぼくねぇか?」とか思いながら読んでたらやっぱりすごいどんでん返しの連続だった!
この「驚く」ことこそ『無能なナナ』の醍醐味です。
展開がひっくり返ってまたひっくり返って…オセロのように目まぐるしく裏がっていきます。
どうでもいいけど、クラスメイトの能力者は「無」から湧き出すぎである。『ラブデスター』に勝るとも劣らない何も無いところから新生徒が生えてきます(褒めてます)。
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圧巻の頭脳戦
44話
「柊ナナVS三島コハル&ヒヨリ」の対決は、いかにして絶対的なアリバイを崩すか、証拠をつくるか(見つけるでないのがミソ)がキモでした。『無能なナナ』の面白味は真実なんてどーでもよいことに付きます。
普通の探偵作品とかなら、「三島コハルは一人ではない!実は双子だった!」と地道な調査とかしてトリックの真実を暴いていくものですけど『無能なナナ』はそんなところに着眼点を置いていません。
お互い言い訳できない状況にする…どっちがハメるかの頭脳戦を駆使していくからこそ、ひと味もふた味も違う「犯人」ゲームとなっております。真実の外で「そう来るのかよ!」「これをひっくり返すか!」とビックリの連続です。
真実はいつも一つ!
だ・け・ど!
本当のとことを度外視で頭脳戦が展開していきます。
6巻の対決は本当に読み応えありましたね。なんのかんので、仰天した後で読み返すとちゃんとそういうシーンが描かれていたりしてて唸る。謎解きをしない濃縮サスペンスなり。今巻も満足なり。
『無能なナナ』のサスペンス
言い逃れ出来ない状況をつくること>>>>>>>>真実
島から出た「人類の敵」による世界情勢
40話
6巻はメインである「双子のトリック」だけでなく見どころ満載でしたね。最も刮目すべきは、「人類の敵」である能力者軍団が島から出て日本本土に移動したことでしょう。
能力を持った子供たちが「人類の敵」と戦うために島に集められ訓練している(世間一般では英雄)…というのは仮の姿で、本当の「人類の敵」は能力に目覚めた子どもたち。ナナは国家の命令で彼らを処理していたのが任務でした。
島に幽閉して「人類の敵」を皆殺しにするって約100の歴史が行われてきた『無能なナナ』の世界で前代未聞の出来事が隔離した島から能力者を出すである。これが今後どう転がっていくのか。
能力者を島外に出すことは5巻で政治が絡んで語られていました。
34話
「人類の敵」などいない。本当の「人類の敵」とは能力者のことなのだと国民に真実を明かした上で今度こそ表だって弾圧を始めればよい
野党の幹事長は能力者が本土で凄惨な事件を起こすことがお望みでした。約100年前の再現といったところか。責任は与党にあるので糾弾して政権交代したい。次の首相を狙ってる政治家である。
ただし、鶴岡の真意はよく分かりません。むしろこの政治家を利用しているような節も伺える。ただ、一致するところは能力者である「人類の敵」は100年前と同じ様に、ガチのマジで人類の敵になって欲しいこと。本土で怪物どもが大災害を起こすことを所望してる。
気になるのは、今の学校の面子でそんな人類の敵になる災いを起こしそうな子が見当たらないこと。なんのかんのでみんな良い子です。クズは大抵死んだ。まあ、この漫画は無から新生徒が湧き出るので何ともだが…。
橘ジン(偽物)と橘ジン(本物)
41話
前巻で最も衝撃を受けたのは橘ジンは橘ジンで無かったことでしょう。
キョウヤやモグオたちの一世代前の生き残りで、皆殺しにされたはずが生きていた能力者…だけではなかった。本体は変身能力者であるが、それすらハッタリで橘ジンという男(念能力者)に化けてた何者かである。
5年前の「人類の敵」
・橘ジン(偽)…生きてる者にしか変身できない(能力もラーニング可)
・橘ジン(本)…生きてて本土で植物人間状態(本当の念能力者)
少なくとも5年前に島に集められ殲滅されたはずの能力者は2人生きてる。ジン(本物)は本土で植物人間のような状態になってました。国家から殺害対象なのに、隠れてけっこうな設備で生きながらえさせている。
先代は2人だけ生き残ってるわけでなく、それなりの協力者(医療設備を隠れて用意できる)がいないと不可能な状況だよなぁと。これは組織かなんかがいるということだろうか?
また、橘ジン(偽物)は5年前に集められた能力者の生き残りでそこそこ年いってるジンでないとなる文脈的にキョウヤの妹の可能性が高いが果たして…?
3話
妹は俺よりも前にこの島に来てたんだ。以来ずっと音信不通なんだ。能力者として島に訓練を受けに行ったきり行方不明になっている
漫画的な文脈で見れば、橘ジン(偽物)は変身能力者でキョウヤの妹なのでは…と思うが、るーすぼーい氏はドンデン返し好きやからなぁ。ちょっと分からない。
※追記
だからキョウヤの妹はどう考えてもナナちゃんやろって……
・ナナちゃんは顔を覚えてないが歳の離れた兄がいる
・妹の髪型はナナちゃんと同じ
そんでもってキョウヤは不老不死の代償として記憶が消える(これもどう見ても確定)から
妹の顔を覚えていないのでナナちゃんを見ても気づけない
何で髪型だけ覚えてたのか不思議だったけど
ナナちゃんの髪型は、ナナちゃんが大好きだと1巻で言ってた漫画の主人公を真似したものなんだろう
妹がその髪型を真似しているという事実だけは覚えていた(というより記憶メモのノートに書いてある)んだろうただ自分より先に妹が島に送られたってのだけが解せないが、まあクソッタレな委員会に適当ほざかれたんやないか?
もしすべてがミスリードで橘さんが妹だったりしたら爆笑するが。さすがにお兄ちゃん来てたらアクション起こすだろうしありえんよ
でも橘さんの本体は女だろうなとは思う>コメントより
善の方向へ転がりだしたナナ
45話
今後の物語の趨勢を占う面でも、ナナが大天使ミチルちゃんとの百合百合友情で善玉に転びつつあるのが気になるところでしょう。
『無能なナナ』でツボだったのはデスノでいえばライトのポジションだったことも上げられますからね。普通の漫画なら、正義のキョウヤを主人公にして悪のナナをライバルかラスボスに据えるところを、配置逆にしてナナを主人公にしてきました。そこが面白い部分でもあった。
果たして、このままナナが「もう無実の人を殺したくない」「人類の敵」と一括にするのは間違ってるとか正義の心に目覚めて改心していくのだろうか…。
仮に「ナナちゃんは国や軍に命令されてただけの被害者」「たくさん殺したけど仕方ないね」とかで許され「めでたしめでたし」なんて展開やろうものなら、はっきり言ってそれは茶番である。もう無理だぞ。
もっといえば、能力に目覚めたら抹殺ってルールは日本だけでなく世界規模でやってそうなので、「軍が悪いー!」「国が悪いー!」「支配者が悪いー!」なんて全世界の支配体制転覆するぐらいの戦争に勝たなければ能力者の幸せな結末はない。しかし、それは大多数の「人類の敵」行為そのものだ。
もうどう転んでも「みんな」の幸せな結末なんて無いよなと。
どうなっていくのかただただ楽しみです。まる。
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コメント
だからキョウヤの妹はどう考えてもナナちゃんやろって……
・ナナちゃんは顔を覚えてないが歳の離れた兄がいる
・妹の髪型はナナちゃんと同じ
そんでもってキョウヤは不老不死の代償として記憶が消える(これもどう見ても確定)から
妹の顔を覚えていないのでナナちゃんを見ても気づけない
何で髪型だけ覚えてたのか不思議だったけど
ナナちゃんの髪型は、ナナちゃんが大好きだと1巻で言ってた漫画の主人公を真似したものなんだろう
妹がその髪型を真似しているという事実だけは覚えていた(というより記憶メモのノートに書いてある)んだろう
ただ自分より先に妹が島に送られたってのだけが解せないが、まあクソッタレな委員会に適当ほざかれたんやないか?
もしすべてがミスリードで橘さんが妹だったりしたら爆笑するが。さすがにお兄ちゃん来てたらアクション起こすだろうしありえんよ
でも橘さんの本体は女だろうなとは思う
コメント失礼します。
気になったがそもそも、これだけ大規模な事件を起こした能力者たちが何故、殲滅されなかったのかが不思議だ。
政府の都合で幾らでも、能力者を秘密裏に暗殺することもできたはず。
わざわざ、偽の歴史を作ってまで能力者を隔離という形で飼い殺しにする目的とは。