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『無能なナナ』5巻 良い意味で「まさか…」の連続!これぞるーすぼーい節やで!

無能なナナ 5巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

 

『無能なナナ』(原作:るーすぼーい、作画:古屋庵)5巻読了。

物語も本格的に動いてきて俄然盛り上がってまいりました。

 

ミチルを失い憔悴するナナの前に、教官鶴岡タツミが姿を現す!! 揺らぐナナの心を籠絡しようとする鶴岡だったがそこに橘ジンが立ちふさがり…。信念と疑念が入り乱れる、知略サスペンス第5巻!!

 

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『無能なナナ』5巻

これ本当に面白い。自分は2018年のベスト漫画上げろと聞かれたら『無能なナナ』を選ぶね。とにかく読んでて「えー!」って驚きよ。特に4巻はシナリオ展開だけでなく、感動して号泣しちゃったもん。

 

原作のるーすぼーい先生は、まだ美少女ゲームが元気だった頃、「車輪の国、向日葵の少女」「G線上の魔王」でユーザーを驚嘆させて泣かせまくったものです。氏のよさ味が『無能なナナ』で発揮されまくってる。

 

ストーリー上の「えぇー!?」ってドンデン返しが一番面白いところなので、未読の方は注意。基本ネタバレの感想なので是非とも読んだ上でどうぞ。

 

 

 

ミチルちゃんを失ったナナ

30話

 

ミチルちゃん…(´;ω;`)

 

あかん。前巻の衝撃でミチルちゃんの亡骸を見るだけで涙が出てきてしまう。真犯人と二転三転するどんでん返しの「見えざる刃」シリーズの解決編でした。「なるほど」と納得のトリックや真相はまだあったのかと唸るね。

 

で、ナナはほぼ何もしませんでした。キョウヤがほぼ解決させた。ただずっとミチルちゃんに抱き着いているだけだった。その様子がすこぶる泣けます。ここまで無情にぶっこおしまくっていただけに変化が凄まじい。

 

5巻のキモでもあるけどナナが明確に変わったのが「これどーなんだ!」って感想しか出ないっすわ。

ナナが疑問を抱く

わたしのしてることは…いったい?

 

『無能なナナ』の圧巻のシナリオ回しはドンデン返しにありますからね。はじめは能力者が「人類の敵」と戦うために集められた学園生活のボーイミーツガールかと思いきや、主人公すら違い本当の「人類の敵」は集められた能力者たちだったというドンデン返し。

 

そして、ヒロインに見せかけて実は主人公だったナナが無能力者で、政府から送り込まれた「人類の敵」である能力者共を次々と殺していく展開。そこに何の疑問もなかったはずが、ミミチルちゃん(推定殺害人数15万人)と友達になり百合っぽくなって、めちゃくちゃ100%純真な子と知って疑問が出てきて…。

 

さらにプラスで政府側のアレコレを知ってしまったナナは今までの行動は何だったんだと疑問に思ってしまうのも仕方ない。仕方ないよー!ドンデン返しが光りまくる、これぞエロゲ時代から培ったるーすぼーい流の叙述トリックでもある。

 

ここまで読むと、「人類の敵」である能力者が悪ではなく日本政府が悪にしか見えませんが、「能力者」が社会を滅茶苦茶にしたのも事実だろうし、早めに能力者を始末するって方針も分からなくもない。正義の反対もまたもう一つの正義やな。

新キャラのモエ

どうして僕は今からモエに殺されるのか?

 

新たに政府から送り込まれたモエもなかなかどうして。良いキャラしてます。かつてのナナを彷彿させる容赦無くぶっこおそうとするのがいいね(爪は甘いけど)。能力者抹殺という任務でナナの後輩にあたり「ナナしぇんぱい」と懐く姿も可愛らしい。ナナが裏切ったら殺せって命令を受けています。

 

けっこう良い感じでクズキャラですが、ナナの境遇を神の視点で見て知る読者としては実はモエもエグい過去があるんじゃなかと思ったり思わなかったり。殺人術はお手の物で、ナナ同様に鶴岡から色々と教わったと思われる。

 

ナナは実の両親が殺されてからどこかで引き取られた(後?)鶴岡に育てられたようで、人の操り方から嘘のつき方、毒物の取り扱いにありとあらゆる殺し方を教えられたそうな。これはモエも同様っぽいだけにね。色々と勘繰ってしまいます。

 

26話

 

前巻で両親はナナが窓を開けっぱなしにしたせいで強盗に殺害された…ってのを根底からミチルちゃんに覆されてましたからね。じゃあ誰がやったんだってばよ!?まだまだどんでん返しを残してそうなアレコレ(まさか鶴岡の「委員会」?)。

 

そんな仕組まれた(ように感じさせる)孤児となったナナ。殺人術を学んで一端の殺し屋になったけど、同年代のモエの境遇も気になるでござる。鶴岡は「年端もいかぬ娘」…高校生年代の殺し屋を手ごまに持ってる。ナナとモエの他にいるか知らんが、孤児を仕込んでることは伺える。鶴岡は何者なんだってばよ!

鶴岡は野党に与する者(?)

34話

 

「調査によると政治家の皆さんが認識してるよりも、はるかに大多数の国民が人類の敵にの存在について疑念を抱いてるとか」

「もはや国民を騙し続けるのも限界がきている。ことが露見したら私の首ひとつではすまんぞ」

「ならばあなたが先に真相を暴露してはどうか?」

「…ほう」

「人類の敵などいおない。本当の人類の敵とは能力者のことなのだと国民に真実を明かした上で今度こそ表だって弾圧を始めればよい」

 

悪い会話してます。

 

少なくとも「人類の敵」を倒す勇者として能力者を島へ集めるって国民に表向き述べ、実は能力が発言した子供を島へ隔離してぶち殺すのは与党がやってることの様子(野党も既知でなのか、このシルエット幹事長だけ知ってるか不明)。鶴岡と話してる野党の幹事長さんはそれをエサに政権奪取を狙い次の総理になるつもりのようです。

 

5年前を含めて、これまで「島を爆破」「討伐隊を派遣」してたこと。派手にやりすぎたので、今回は同年代の子を(ナナとモエ)を紛れさせ、能力者たちを殺す内紛と自滅を誘発させる作戦を取ってるとか。

 

なかなか面白くもキナ臭いお偉いさんたちの野心が裏にありますね。ただ鶴岡が本当に野党幹事長の手駒なだけなのかは不明。むしろそれを利用してる感が透けてみえてる(ような気がする)。

 

とりあえず、これからは能力者(人類の敵)は本土と橋一つ隔てた埋め立て地帯へ移送されるようです。能力者達が凄惨な事件を本土で起こすことがお望みで、それを国民にきちんろ「能力者=人類の敵」と公表して鎮圧するのが目的なようです。

 

すごい新展開になりそうな予感ですね。

ナナしゃん立ち向かう!?

ただ、もう能力者を内部潜入してぶっこおす役目だったナナがミチルちゃんとのアレコレで、完全に裏切ってしまったのが燃えまくる。「人類の敵(能力者)」を上からの命令で殺すのはもうしないと。

 

もう命令に従わんぞい

 

ミチルちゃんがわたしにくれた一番大事なものは、自分と―

自分の本心と向き合うということだ

わたしはもう誰かの言いなりにはならない

 

ナナ△□×(さんかっけー死角無し)

 

上からの命令通りもう能力者狩りはしないと拒否してしまった。「〇〇推定殺害人数〇万人」ってスマホを叩き割ってしまった。ナナがここで「委員会」を完全に裏切る形になったのはめちゃくちゃ面白い!燃えるぜよ!

 

なにが正しいのかもう分からん。ただ、ここまで無実の能力者を相当ぶち殺してるだけに、ナナの裏切る行動が純粋な「ヒーロー像」って単純なものでもない。鶴岡にマインドコントロールされ騙され「人類の敵」を殺しまくってた方があるいは幸せだったかもしれん…って未来しか見えんぞい。

5年前の生き残り「橘ジン」

これは本当の私ではないのだよ

 

 

なんだそれ?

 

5年前に同じように島に集められた能力者の生き残りと言ってた橘ジン。政府の真意を探っており、ナナに協力を申し出たり意味深な人物でした。氏の能力はチートすぎて「返信能力」。動物にも虫にも化けられすし人間にもの…。

 

橘パイセンが化物だったのは「能力者に変身すればその能力を使える」ことに尽きました。変身の弱点が徐々に明かされたら、そっからすさまじいドンデン返しですよ。5年前の生き残り橘のメガネ青年姿は本当の姿ではなかった。

 

この姿が本当の橘としてここまで見せかけて、この姿だと他の能力使えんと見せかけ、「念動力」能力保持者に変身してた誰かだった。お前誰だよ!

 

まあ、ここまでの意味深な文脈と伏線をから察すると、キョウヤの妹なんじゃと思ったり思わなかったりしますが…。

 

3話

 

妹は俺よりも前にこの島に来ていたんだ。以来ずっと音信普通なんだ。能力者として島に訓練を受けに行ったきり行方不明になっている

 

キョウヤは自分が能力が発現してこの島にくる前に、妹が能力者として来てたと初期にサラっと語ってましたしおすし。年齢を考えれば前回の5年前と思われる。で、唯一の生き残りを自称してる橘ジン…ならぬ誰か(橘ジンは5年前に念能力者としていたのだろう)。

 

パズルが繋がりそうである。キョウヤの「行方不明」の妹って…と。だって、「行方不明」という扱いになってるもんね。橘ジンの半分ウソで(おそらく)半分本当の過去を照らすと「行方不明」って政府の公式見解が引っかかる

 

19話

 

私は人類の敵と戦って勇敢に戦士したことになっていたのだ

 

橘ジンは「勇敢に戦死」したことになってた。今ではこいつは橘ジンで無いのでどこまでナナに語った話が本当か定かでないが、おそらく「誰か」は橘ジンとして本土へ帰って戦死したことになってたのはガチでしょう。

 

つまり、5年前の集められた能力者ども。内ゲバで殺し合いしたのに「戦死」と「行方不明」の2種類がある。モノホンの橘ジンは死体が確認されたからこそ「戦死」扱いになり、キョウヤの妹は死体が確認されてないから「行方不明」扱いになってるのではないかと。

 

キョウヤの妹こそ、この「5年前の生き残りの変身能力者」っぽいかな。まだ、なんとも言えませんけどね。それにしてもストーリーが動き出しめちゃくそ盛り上がってきました。果たして『無能なナナ』はどうなるか。続きが楽しみです。まる。

 

 

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コメント

  1. キムコウ より:

    6巻のレビュー待ってます!!

  2. 匿名 より:

    いや5巻の時点で妹はナナちゃんなこと明白だったでしょ……
    まあ未だに確定してないからミスリードかもしれんと言われればそれまでだが
    髪型が同じだとか、ナナちゃんに年の離れた兄がいたらしいとか、どう考えても兄妹じゃん

    顔で気づかないのかなってのだけは不思議だったが6巻で謎は解けたしね

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