すっげー胸きゅんするんですが!が!が!
今俺の胸を最もきゅんきゅんさせるのは恋愛漫画は『恋は雨上がりのように』で間違いない。
あきらが可愛すぎるんです。
一挙一動が可愛すぎる。
45歳のおっさんに片思いする女子高生の恋する乙女っぷりが究極の一品と言ってもいいレベル。
まず率直な感想を述べます。
即死レベルの威力である
あっぶねー。あきらに殺されそうになりましたよ。
鼓動がドキドキどころか、心臓を「ボン!」と爆破させるぐらいの胸きゅん力があった。
悶絶する威力!
店長の服を「ぎゅっ…」と抱きしめる仕草が宝具級!好きな人の服を抱きしめる…恋する乙女心が実に良いね。
それと同時に「すん」ですから。
匂いかいでるやん!以前にも店長の制服の匂いを嗅いでましたが、やっている事は好きな娘のリコーダーを舐める行為と変わらない。
可愛らしい仕草と変態チックな仕草!
相反する2つを同時にやってのけるのに違和感がない。
ギャップを自然と同居させてしまうのがあきらの魅力であろう。
普段はキリッとして「美しい」のだが、店長に対しての乙女モードは「可愛い」としか言いようが無い。ギャップ萌えの極み!
また、3巻では味への追求をビシビシと感じましたね。
元から素材も調理も上質なのに貪欲にもっと上へという姿勢が見てとれる。
アクセントが効いてる。例えるなら、カレーにソースを入れてコクを出しましたみたいな(例え分かり難っ)。新たな隠し味を出してきたのだ。その隠し味とは…「あざとさ」です!
初期は大雨でびしょ濡れになろうと鉄壁なYシャツだったのに、最近は頻繁に下着がチラチラ見えています。
際どくなっています。
とはいえ、卑俗な感じがまったくなく、ごく自然とやってのける。露骨なサービスシーンという程でもなく、あくまで隠し味ぐらいの塩梅である。あれば嬉しいわけで、味わいに奥行きが出ています。この辺りの調理は高尚と言ってもいい。
何より、特筆すべきはあきらと店長の根っこやね。
あきらは足の怪我で陸上を辞めざるを得なくなり、宙ぶらりんの中で店長に恋をしたわけだが…。
『恋は雨上がりのように』ってタイトルがど真ん中だよな。
雨とは、あきらの陸上への思いというか夢というかモヤモヤするアレ。
それを雨上がりさせるのは「恋」だってんだから、胸にストンと落ちるタイトルである。
叶わぬ夢と書いて「雨」と読む!雨が降っているのはあきらだけなんですかね?
店長はまだ豪雨っすか?
店長のアパートは1Kではない!2Kなのだ!
閉ざされた部屋には、ぎっしり詰まった本棚と机と沢山の原稿が…。あっ(察し)!
小説書いてるね。書いてたと過去系なのか、今でも書いてる現在進行形なのか分からんけど。
10話では「45歳。夢も希望もない。僕はカラッポの中年だ…」と、自分をセミの抜け殻に例えていました。
この台詞から察するに、もう夢(小説家)を諦めている感じですが。
雨はまだ降り続いているのでしょうか。ザーザーですか。晴れてませんか。
3巻の店長は意味深すぎるんですよ。
誰だよ!九条ちひろって!夢を諦めた(と思う)あきらと店長はどこか似通った根っこがあるのかもしれない。恋は雨上がりのようになるのか!
また21話も良かった。
あきらが補習で「羅生門」の問題に四苦八苦し、店長に色々とアドバイスを受ける。そこで店長が下人だったらどうするのか?という質問をします。店長は下人と同じようにはならないと回答。
店長が羅生門の下人だったら?
「この年になると、小さく生きていく癖がついちゃっているし、風波はできるだけ立てたくない」と悲しい中年の極めて現実的な意見でした。
んで、羅生門の下人と同じように「ニキビ」は若さの象徴であると語られる。
「俺はもう、ニキビすらできないただのオッサンだからさ」とい言う店長なんだけど、ニキビが出来ちゃうんだよね。
おっさんなのに「ニキビ」が出来た店長。
さらに『羅生門』を被せるのがグッドだ。『羅生門』の下人はずっとニキビを気にしてたわけです。
ニキビを気にしていた下人が、最後に勇気を出して盗人になる時になって「ニキビから手を離して」しまうのです。
まあ、生きるためには仕方ない。盗人になる段になり、執拗に気にしてたニキビから手を離す。そこを店長に被せる。すっげぇ生々しい比喩だな!
店長のニキビ
下人と同様にニキビをめっちゃ気にする店長である。
ニキビを気にしてた間、下人は一切の悪事を働かなかったわけで、ニキビを気にする事は「良心」の象徴ともいえる。そこを店長に被せるんだから生々しすぎる。
しかもあきらの回答が「下人の勇気が、今後彼の人生のプラスに働けばいいなぁと思います」ですからね。店長はニキビを気にしている。下人みたいに勇気を出しイケナイ事をする時、ニキビから手を離す時(≒女子高生のあきらに食いつく)は来るんでしょうかね。
さらに面白いのは、「ニキビ」は若さの象徴ってとこ。羅生門の下人の場合は、生きる為に仕方なく、若さのシンボルから手を離して盗人になる…極めて現実的というか若者特有の理想からの脱却というか大人の階段登る的なものだけど。
店長は元からおっさんですからね。
羅生門と逆じゃん!この辺りは人によって面白い「読み」が出来ると思う。
そんでもって、『恋は雨上がりのように』最大のキモは良い意味での読み易さでしょう。
ぶっちゃければ、文字だけでストーリーを追ってると速攻で読み終わってしまします。
恋愛漫画の花形ともいえる恋する心情がほとんど語られない。
台詞はないけど、あきらは表情と仕草で語るのだ。
表情と仕草で語る
普通だったら、なんか喋れよ!とか何かモノローグ入れりよ!って思うような時でも、あきらは必要最小限の台詞と心情しかない。ほとんど表情と仕草だけで語ってしまう。
それなのに手に取るように分かりやすく雄弁に語っちゃう!
これが実に素晴らしい。漫画でしか「読めない」よ!
3巻は肝心のストーリーも最高だった。
あー!これだよ!これ!って膝を叩いてしまうレベル。
店長の言葉が容赦無さすぎですよ。届きませんか!あきらの恋心が!「胸キュン」とね「胸イタ」がとっても良い感じにブレンドされていた。濃厚な味わい深さ。甘味と苦味のバランスが絶妙すぎる。その殆どを、心情無しに、仕草と表情だけで訴えてきやがる。最高かよ!悶絶きゅんきゅんだよ!
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