一緒に住もうなんて言ったの?
『ストレッチ』3巻は凄く良かった。
この漫画は基本的にOLの小松慧子と医学生の佐伯蘭の2人がルームシェアしながらストレッチをする漫画である。『ストレッチ』というタイトル通り、ストレッチするだけの日常漫画でそこに大きなドラマとかは特に無いんだけど面白いっすわ。ストレッチの知識は役に立つしね。
とても良い!
何が良いって、2人の関係でしょう。
ゆるーい日常を描きながらストレッチをして、蘭が悪ふざけして絞められるか、慧子が調子こいて逆襲されるか。そういう他愛のない事だけど遠慮のない関係。これが実に良いよね。私の心の琴線に触れます。
調子こいてす巻きにされる蘭
いやー実に良いよね。
こんな遠慮のかけらもない2人の関係がさ。気心の知れた関係っていうのかな。作中でたまーに描かれる小出しの2人の過去を見るに、こんな親密な関係になっているのは感慨深くすらあるんですよ。
元々は高校の先輩後輩だった2人。
どうもぎこちないというか遠慮があった2人(特に蘭)だけど、今ではこんなに気心知れた関係ですよ。なんつーか実にほっこりするよね。 まあ2人のやり取りがほとんど罵倒の応酬なんだけど。
時に慧子が罵倒し、時に蘭が罵倒する。しかもストレッチをしながら罵倒するというのがなかなかどうしてよ。まあ、ようここまで、ただの罵倒合戦を上手にストレッチに組み込んで読ませるなって。
テンポよく、しかもストレッチしながら罵倒合戦してるもんだから。その様はコミカルに、リズミカルに展開するなと。感心するし呆れるし。読んでて心地よさすらあるんですよね。「すっかりシニアですね」「ごめんなさいだろ」「もっかいいえ!」と蘭が調子に乗ってシメられたり。ほとんど蘭がイジられてり、シメられるんだけど、それがいい!
昔から言うじゃないですか。
残念な子ほど可愛いって。まさに蘭はそういう子なんですよね。ぶっちゃければ、イジられるほどキャラとして光り輝くのである。蘭はそういうキャラなんです。壮絶に自爆する様が私の心の琴線に触れます。
『ストレッチ』とは、そんな2人の罵倒合戦や蘭のイジられっぷりを楽しむものです。ええ、ストレッチなんてオマケです。そんな仲の良い2人のバックボーンがねなかなか暗く重いもんですから、仲良く過ごす2人の価値観は高まるよね。かけがいのないものとなってる。うん…。
3巻はお気に入りのエピソードが多い。
とりわけグッとくるというかニヤニヤと頬を緩ませたのは29話のバレンタインでしょう。お互いが友チョコを渡すわけですけど、その様はどう見ても友達以上である。
友達以上ですよ!
蘭「チョコ、本命だよ。」
ドドドドド…ドキン。
かなりドキンとしちゃったじゃないの。友チョコを渡してたのに「本命だよ」ときたもんです。この台詞にはさすがに慧子もドキッとするかと思いきや「ハイハイ私もです」と完全なスルーである。ですよねー。
からの~。
からの~です!
素晴らしい。
最初はギャグのようにスルーしてたんだけど、その後の慧子が蘭を見つめる視線というか表情ね。グッときましたね。慧子の表情を見て下さいよ。物すごく慈愛に満ち溢れているじゃないですのん。これも蘭のアホ可愛さがなせる故ですよ。蘭はアホ…だからこそ可愛い。アホ可愛いを具現化した蘭と母性的な慧子のやり取りはなかなかどうしてよ。素晴らしい。
あ、3巻ではク30話も素晴らしかったと思う。ここでも2人の友情を超えた関係が描かれてすばらすぃぃぃ。何時ものノリで罵倒し合うんですけど、その様子はどう見てもイチャイチャするカップルである。そしてお手々繋いで家に帰るシーンは胸に熱いものがこみ上げるね。
30話はすばらしいね
先輩&後輩の間柄以上の関係。
親友?…うーん、まあそうなんだけど。でもやっぱ違うかなぁ。ましてや百合なんて言葉では言い表せないよ。この2人の関係は。「かけがいのない人」ってのが一番シックリくるかな。
というのも、2人の小出しで描かれるバックボーンが凄くアヴァヴァってなるからね。慧子の闇はけっこうキツいよね。そして3巻では、2人がルームシェアするようになった経緯が描かれるんですけど、蘭の過去もマジで重い。ああ、2人は闇があるのか。そんな2人が楽しく罵倒合戦してる様子は「かけがいのない時」なのであろう。胸に刺さるよ。なんのかんので凄い面白し。ドラマの山場とかは無いけど、淡々と描かれる2人の様は大切な時だし、過去の闇はグッとくる。素晴らしいっす!
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