その時です。私は走り出したのです。
『四月は君の嘘』が11巻で堂々の完結である。
最終巻、11巻は公生の圧巻の演奏がスゴイ!
バトル漫画の見せ場が戦闘シーンであるように、スポーツ漫画の見せ場が試合シーンであるように、演奏漫画の『四月は君の嘘』は演奏シーンが最高に面白いのである。
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ぶるっと鳥肌が立つし、胸に熱いものが込み上げてくるってもの。圧巻の大迫力の演奏シーンからは、音が聞こえてくる。盛り上がる。
噛みしめるように読破しました。
間違いなく名作でしょう。
最終回を読むと、どうしても涙が溢れてきてしまいます。
さらに、最終回を読んだ上で1巻から読み返すと、違った発見というか新しい解釈というか「これはこういう事だったのか」というのが分かりますね。まさに何度も読み返したくなる名作です。読み返す度に、違った発見があるでしょう。
最高の名作だった
例えば1話でかをちゃんと出会った公生。
かをちゃんのお蔭でモノクロだった景色がカラフルに色づいたわけですけど、当初は色々と疑問に思うこともあった。それも、最終回を読めばスーッと理解できるよね。
1話で出会ったかをちゃん
かをちゃんはなんで初めて出会った時に泣いていたのか。
ピアニストの公生がバイオニストのかをちゃんのピアニカの演奏を技術的に「上手い」と思ったのか。それは全て最終回を読めば分かるね。泣いていた?ピアニカが上手い?ヴァイオリンの演奏を公生に感想を聞いた時に震えていたのは?全てが判明するよ。
最終回を読んで。1話から読み直す事をすすめる。
色んな発見があるぞ。
演奏の感想を公生に尋ねた時、なぜかをちゃんの手が震えていたのか?公生の為の演奏だったからさ。
公生に耳が聞こえないとカミングアウトされ即効で、「甘ったれんな」「ボロボロでもどん底にいても弾かなきゃダメなの」と言い放ったのは?かをちゃんは耳が聞こえないってレベルじゃなかったからね。
他にも、なぜ伴奏の相手を公生に拘ったのか?ピアノから逃げる公生を攻めてたのに、突如「くじけそうになる―私を支えて下さい」とボロ泣きしたのはなぜか?
最終回を読めばかをちゃんの真意が分かるね。最初は天真爛漫なかをちゃんでもコンクール前で緊張してるのかなと思ってたけど、とんでもない!恐ろしく作り込まれて、練られた伏線だったと今なら分かる。何度も読み返したくなる名作である。
(以下、ネタバレします)
大感動だった
最終回のかをちゃんの手紙が胸を撃ちまくる。泣くしかないよ。
最後の独白ともいえるかをちゃんの手紙には、今までの『四月は君の嘘』の物語がフラッシュバックして呑まれる。感情がぐちゃぐちゃになってしまう。まだ心の整理がつかないよ。
今なら分かるよ!
8話における、かをちゃんと公生のやり取りの本質が!
8話のかをちゃん
かをり「何かにつき動かされて私達は演奏するんだ」
公生「君もそうなの?」
(かをちゃん問いに答えず)
最初に読んだ時は、意味がよく分かりませんでした。
でも、今なら全て理解できるよ。「何か」に突き動かされて演奏する。それはかをちゃんも同じである。君もそうなの?そうだったんだ。
何かに突き動かされたんだ
私が初めて君の演奏を見たのは5つの時。当時、通ってたピアノ教室の発表会でした。ぎこちなく登場した、そこコは、イスにおしりをぶつけ笑いを誘い、大きすぎるピアノに向かい、一音を奏でた途端、私の憧れになりました。音は24色パレットのようにカラフルでメロディは踊り出す。(最終回のかをちゃんの手紙より)
かをちゃんは公生の演奏を聞き、ピアノを辞めたのである。
まさか、絵見の隣にいた子がかをちゃんだったとはね。
ビックリしたよ。その後、公生はピアノを辞めてしまった。
かをちゃんの人生を左右したのに。だからピアノを辞めてヴァイオリンをはじめたんだ。公生にピアノを弾いて欲しいから。
かをちゃんもピアノを辞めたんだ。投げ捨てたんだ。
奏者として失格なのか?否である。そんな演奏家たくさんいるよ。かをちゃんだってそうだ。「やってられるか」「お前が弾け」ってね。
そして最も美しい嘘が生まれたのだ。
もっとも美しい嘘が生まれた
そして一つだけ、嘘をつきました。
宮園かをりが渡亮太君を好きという嘘をつきました。
その嘘は私の前に有馬公生君、君を連れて来てくれました。
もっとも美しい嘘がここに誕生した。
何てことはない。『四月は君の嘘』は思春期の、両想いの、男の子と女の子の話だったんだ。
もっとも美しい嘘は、かをちゃんの前に公生を連れて来てくれた。なぜ1話で泣いたいたのか?9年越しの片想いの相手と対面し感極まったからだ。なぜピアニカが上手かったか?元はピアニストだったからさ。
公生は以前の疑問の答えは見つかりましたか?
あの時の疑問の回答が。復帰して最初のコンクールで公生は演奏を途中で辞めてしまい、かをちゃんの為にと弾き直した。それを聞いたかをちゃんは「君がいるよ」よ感極まっていた。アゲイン!
あの時の疑問
「あの時、君は、何のためにヴァイオリンを弾いたのかな―」
「終わったコンクールで何を思って弾いたのかな何のため誰のため?」
「あの時」とは、初めて共演し伴奏した藤和音楽コンクールである。
何のため?何を思って?誰のため?お前の為だよ公生!
音が聞こえなくなり演奏を途中で止めてしまった公生にかをちゃんは「アゲイン!(もう一度)」と促した。あれはただ単純な「もう一度」演奏をやり直そうって意味なのかね。今なら、かをちゃんの人生を変えた最初の演奏を再びという意味での「アゲイン」に思えるね。
最終回のかをちゃんの手紙は有馬公生の演奏の回答である。まったく同じ心情で綴られている。公生の演奏とは愛の告白である。それに「対」になっているのがかをちゃんの手紙である。公生の告白のような今までの演奏と、かをちゃんの手紙は対なのだ。
かをちゃんの手紙 / 今までの公生の演奏
まったく恐れ入る程に構想が練られていたのだろう。
「走り出した」「届くかな、届くといいな」等々…今までの公生の演奏してる時の心情の独白が、最終回のかをちゃんの手紙と「対」という鳥肌が立つような見事すぎる構成である。凄く深いね。凄く泣けるね。凄い物語だったよ。
『四月は君の嘘』は『いちご同盟』(三田誠広)のオマージュ的側面が強かった。
でも、9巻では「君は王女様じゃないよ」「僕はラヴェルなんて絶対弾かない」と述べていたので、かをちゃんは『いちご同盟』の直美ではないと思ったものです。それなのに助からなかった。
公生の演奏時における「ありがとう―」(18話)は生きてるかをちゃんに向けたものである。じゃあ、かをちゃんの「ありがとう―」は?ここが最大に私の心をモヤモヤさせる。まあ、死を覚悟して書いた手紙なのは間違いないでしょう。
私の姑息な嘘が連れて来た君は想像と違ってました。思ったより暗くて、ひくつで、意固地で、しつこくて、盗撮魔、思ったより声が低くて、思ったより男らしい、思ってた通り優しい人でした。
ああ、これは思い出を語っているのか。
「でした」「だった」「ました」「○○った」…と、過去形で語られるかをちゃんのレターである。じゃあ、これ遺書なの?そうは思えないんだよなぁ。過去形で綴っているけど、途中から現在進行形になるからね。
やっぱり君でよかった。
届くかな、届くといいな。有馬公生君。君が好きです。好きです。好きです。
「好きでした」と過去形でなく「好きです」である。
泣けますね。今でも現在進行形で好きです。心に刺さる。
かをちゃんは残り少ない寿命を全部公生のために使ったのか。公生と知り合う為についた嘘、ヴァイオリンを始めた理由、最後の手紙は公生への愛が溢れていた。「君でいいや」でなく「君がいいや」だよ。涙が止まらん。
かをちゃん…。
かをちゃんは幸せだったのだろうか。幸せだったはずだ。
幸せだったはず
自分の寿命が長くないと知った。
「その時です。私は―走り出したのです」と、後悔を天国に持ち込まない為に走り出したかをちゃんの人生のラストスパートは儚く美しかった。
「生き甲斐」を見出して走ったのだ。かをちゃんを「可哀相」と思う人もいるだろうけど、これは決して「可哀相」な話じゃない。断じてなるものか。
生き甲斐とは喜びである。生きている事の喜びや幸福感。
かをちゃんは寿命が残り少ないと知っている。それは「可哀相」なのか?否であろう。最後の手紙は、かをちゃんが掻い潜ってきた感情を追体験させてくれる。
これまで生きてて良かったと心底思えるね。
喜びで一杯だよ。でも、やっぱり胸がモヤモヤする。未だに感情の整理がつかない。僕にとって『四月は君の嘘』はかけがいのない作品であった。
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コメント
アマプラでアニメの方見てきて感想漁ってたらヤムカムに飛んできたぞうわああああああ
見終わったけどうわあああってなった
今うわあああってなって漫画の単行本買ったけど山田さんアニメの出来も凄いですぞ
昔、ヤマカム感想を見ていずれ読もうとおもい
今日読みました。
そして、コメントを見、 アニメも来週あたり見ようと思います。