狂ってる…(誉め言葉)。
『てるみな』(kashmir)3巻読了。
2巻で完結と思いきやWEBで「てるみな Neu」(wでなくuなのがミソだぞ!)として続き3巻目が出ました。めでたい。
どういう漫画なのか簡単に説明しますと「可愛い猫耳の女の子が電車に乗って旅したりする話」です。これだけだとゆるふわほんわか日常系のように思われるかもしれませんが、日常とは程遠い超常ファンタジーです。全体から漂う狂気は凄まじいものがあります。
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なんとも不思議な読書体験ができ、これが妙なクセになってキまるんですよ。
「猫耳幼女+電車+不気味な世界=読むおくすり」ですよ。混ぜるな危険な材料をぶち込むと病みつきになる料理が完成するから不思議だ。萌えであり鉄道でありホラーでもあります。なにを言ってるのか分からねーかもしれねぇが、事実そうなのでーす。
糸井重里風にキャッチコピーをつければ「ねこみみようじょも金髪ついんてーるも、おねーさんも」「可愛く、おもしろい。そして、くるってる。」である。
『てるみな』の可愛い狂気
多魔基地前駅
『てるみな』は実際リアルで実在する駅をモチーフにしています。
東京の多磨霊園駅ならぬ、东京の多魔基地前駅に降り立つ猫耳少女。「东京猫耳巡礼記」って副題通りに、可愛い猫耳少女がリアルにある駅や電車のモチーフに架空の世界を旅します。
3巻1話目の「多魔基地前駅」。そこでは高度経済成長期に建設資材不足で霊園の墓石から石を削って良いっつー「新墓採石法」が適用されて、墓石の石で不足していた建設資材を賄うって世界である。
情弱のぼくなんて『てるみな』を最初に読むと「へー!そんな法案が可決されてそうなったのか」と、普通に信じてしまいそうになってしまいますからね。最近流行りのフェイクニュースもビックリの「本当っぽいエピソード」が特徴的。
最初は信じれそうな話から徐々にファンタジーへ突入していくから、どこからがマジでどこからがファンタジーなんだと分らなくなってきます。おくすりキメて幻覚見てるようでもある。最初から「架空」ですよ!
この「架空」世界をさらにハッタリ効かせて真実味があるように見せかけるのが、V林田氏のコラムである。
V林田氏のコラム
私は面識無いんですが各所から「やべー!」って噂が耳に入るV林田氏。
各話の案内として書かれている氏のコラムが漫画で描かれる駅や路線の歴史や背景を「さも本当にあった出来事」のように補完しており、架空の有りもしない事をよくこんだけリアリティ満載で解説できるもんだと感心するやら呆れるやら。
もちろん『てるみな』で描かれてるエピソードは「虚」なんですよ。しかし、あまりにも作中でリアル歴史のように自然と描かれ、謎の説得力を持つ解説分の合わせ技で「あれ?これはガチなんじゃ…?」と本気で思ってしまうから不思議だ。
本編の漫画と解説が、あまりにもテンポ良くリアリティ満載で載ってるものだから、まるで「勉強になった!」とキッズが信じてしまいクラスで『てるみな』で得た知識をひけらかして、ウソだと発覚してイジメに合わないかと本気で心配するレベルです。
そういえば6話の解説途中で切れてたぞい。(わざと?)
動物園へ出かける際にはどちらの路線を使ってもほぼ差はないが、行き帰りの使用路線を同じにしなければならないことだけは注意しなければならない。もしこれを怠った場合には(お終い)
多摩都市モノレールならぬ、多魔都市モノレールの解説で行き帰りの使用路線を同じにしないといけないと注意勧告して、怠った場合には…どうなるんだってばよ!?
ちなみに漫画本編じゃ、猫耳少女のてるちゃんは行き帰りで別の電車に乗ってました。
行きと帰りで別にしました
で、使用路線を行きと帰りで変えたらどうなったかといえば…きゃっー!
とにかく「ギャップ」の差が凄まじい。
可愛い猫耳幼女のほのぼの旅日記か舐めると、あまりの異常さにビックリ仰天です。もはや軽いホラー漫画です。
「ギャップ」がクセになる
しょうゆおねえさん
猫耳少女は常識人でぐうかわなのに、描かれる背景や町並み、ゲストのわき役のヤバさが半端じゃないです。7話の「しょうゆおねえさん」はまじでヤバイと思う(精神的に)。
「可愛い少女に超不気味な背景」「可愛い少女に精神アレなゲスト」のコンボこそ、ギャップこそ『てるみな』が読むおくすりになる原因ですよ。だって、あまりにのギャップ差なのに、謎の統一感すらあるからね。
コミカルな猫耳少女とシニカルなその他。”コミカルなのにシニカル”っていう相反する印象が奇跡的に同居してるのです。見事なまでに猫耳幼女のイカレタ世界で孤独っぷりと、でもペロペロって愛くるしさが演出されています。すごい化学反応だ(褒めてる)。
あ、もちろん女の子可愛い漫画としても重宝できます。
主人公だけでなく、でてくる女の子はみんなペロペロです。しょうゆおねえさんのアレな精神すら尊いと思えるkashmirワールドよ。
クセになって、戻ってこれなくなるかもしれない刺激的な猫耳幼女電車記である。東京の電車乗ってる人なら分かる「あるある」を極限までファンタジーにホラーにしてる。キマるぜ。まる。
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コメント
毎回の悪夢感が凄いですよね
いつかの夢で見た気がする情景と
通っているような、いないような理屈