『湯神くんには友達がいない』最終回!
今週の週刊少年サンデー(2019年25号)で『湯神くんには友達がいない』が完結しました。連載7年も経っていたのか。個人的な体感は2~3年ぐらいだった。ま、月一連載だったからかな。最終話はもう最高の一言でしたね。
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『湯神くんには友達がいない』堂々完結
主人公・湯神くんの友達なんか必要ないっておひとり様コメディとしてはじまり、それがクスクス笑えて楽しかったのですが、途中から僅かに確かに感じるラブコメの波動が大好きでした。綿貫ちひろは素晴らしいヒロインだったと思います。
最終回も神ってましたが、前回の卒業式も良かったよね。
2連ちゃんで極上のエピソードでしたわ。
まずは卒業式のおさらい。
80話:湯神くんには卒業する
80話
「ありがとう。」
卒業式直前に湯神くんから友達でないと言われて不貞腐れ落ち込んでたちっひーは、これまでの学校生活を振り返って湯神からたくさんもらってると気づいた末の卒業式の「ありがとう」はグッとくるものがありました。
答辞よかったとか、春から大学生だよとか、野球を続けるのか、ひとり暮らしすること…言いたいことが沢山あったけど、全てを言葉にすることが出来ない「きゅー」からの、最後くらい笑ってさよならしたいと結論しての言葉だったもん。
最後に笑って感謝だけは伝えたちっひーに胸が熱くなったよ。
ちっひーのあふれ出る巨大感情が「ありがとう」の言葉に集約されてましたね。目に涙をためつつ笑顔なのがたまらんわい。
同時に、夏祭りで湯神くんが言おうとして花火の音で掻き消えたことを思い出す。
ありがとう。(ドーン)
湯神くんはちっひーに「ありがとう」と感謝する対象であり、ちっひーは湯神くんに「ありがとう」と感謝する対象になったのがあまりにも尊い。尊すぎる。
「ありがとう」って感謝し合う関係って素敵やん。湯神くんはちっひーと出会えたからこそ、ちっひーは湯神くんと出会えたからこその紆余曲折の高校生活。同時に、この物語は湯神くんがちっひーの「ありがとう」って感謝を受け入れる話でもあった 。
「ありがとう」を受け止めた湯神くん
1話
出会ったばかりの2人を思い出すと格別だ。
湯神くんは感謝を受けつけなかったから。
1話で3度もちっひーは「ありがとう」と感謝を述べてるが、言われた湯神くんの塩対応っぷりは半端じゃありませんでしたらから。微妙な顔してスルーしたり、話を最後まで聞かずどっか行ったり、感謝を完全無視していたのが湯神くんクオリティでした。
ちっひーの「ありがとう」を受け入れないことに定評があったわけです。
受けないどころかめちゃんこ辛辣だったから。
「ありがとう」を受け入れない男
いや、俺は困らないし。よろしくしない。
別にあんたに何も望んでないし。
そんな湯神くんも野球はちっひーのおかげで勝利したり、平楽の質問コーナーで固まってたらちっひーのくだらん質問で解放されたりと…困った時は確かにあったし、ちっひーに助けられていたからね。「よろしく」な仲になってた。
そんなこんなで、ちっひーからの一言だけ口に出せた「ありがとう」を聞いた湯神の反応は胸に染みわたるものがりました。微妙な顔してあの湯神が…感謝を無視したあの湯神が…キツイ言葉でこき下ろしたあの湯神が…「ありがとう」を受け入れる。これ至高なり。
「ありがとう」と言われた湯神くん
いい顔してんじゃねーか!
まるで「どういたしまして」「こちらこそありがとう」とでも言ってるかのような表情ですよ。いやまあ、湯神くんは笑って聞いた後に一言も喋らず去って行きましたけど。それでも青春が…アオハルが…あった。
『湯神くんには友達がいない』は湯神くんがちっひーの「ありがとう」を素直に受け入れるための物語だったと総括してもいいぐらいですわ。格別の「ありがとう」と笑顔でした。なんて卒業式なんだよ!答辞も最後の最後まで「友達がいない」を貫いた。
タイトルは「けど」と続く
タイトル回収である
湯神くんには、友達がいないけど、
私にとって湯神くんは友達です。
タイトル回収である。
「友達がいない」は最後まで貫き通した湯神くんの美学でもありました。その上でタイトル「湯神くんには友達がいない」に続く形で「けど」がなかなかどうして。感動的でしたね。ちっひーは湯神くんがどう思おうと関係なく、私にとって友達だと結論。
『湯神くんには友達がいない』が漫画のタイトルだけど続く形で「けど」があった。だからもしかしたらこの漫画のタイトルは「湯神くんには友達がいない けど…」がより正確なのかもしれんな。
湯神くんには友達がいない「けど」問題無かった。
湯神くんには友達がいない「けど」楽しそうだった。
湯神くんには友達がいない「けど」なんの心残りもない。
湯神くんには友達がいない「けど」ちっひーにとっては友達。
「けど」がズシリと響いたね。最終回もそう。
(続くぞい)
コメント
いい最終回だった、ほんとうに。
ホントに。
いい記事書くな…
月が綺麗だった二人に幸あれ
最高だった
ロシア語訳ありがとう。
いつか気付くんだろうね。
余韻がヤバイ
最後までキャラの動機に説得力あって素敵
前にも書きましたが、夏目漱石が「I love you.」を「月が綺麗ですね」と訳したという逸話は、後世の創作である可能性が高いです。
いや、それをわかっててみんな使ってんだから、指摘いらんやろ
頭湯神かよ
「湯上くんには恋人がいない」で続編をひとつ
客席にちひろちゃん見つけて全てを察した平楽も粋
素晴らしい作品だった。サンデーは良作多いのにアニメ化しなくて勿体ない。絶対話題になるのに。まあ改悪アニメにされるくらいならとも思うけど。
テーマとしては前回の答辞で完全に全部やりきっちゃったので
今回はエピローグ兼ファンサ回だろうな、と思って覚悟しててもこの破壊力よ
本当に尻尾まで美味い鯛焼きのような最高のラブコメだった。佐倉先生ありがとう。
ここからNTR展開にしてくれる同人が出れば俺は買うよ
湯上は好き放題やったツケを支払うべき
単行本で読むと拾えると思うけど、好き放題やったツケならいつも払ってると思うぞ
無駄に苦労したり、障害物にぶつかったり、台無しにされたり。
湯神本人がポジティブで気にしないから読んでてその辺流しちゃうけど
いつも明るく愉快に酷い目に遭ってるなと思ったら、ちひろちゃんが手紙でそこ指摘してたので意図的だったんだなと
しかし、ここ前から読んでたけどこれまたいい記事だった…
イヤーきっちり回収したね。やっぱり八神君には友達はいなかったわけだ。
その代わり…てことで。きれいなオチだわ。
最高にニヤニヤした最終回だったけど、ロシア語の意味をこの記事で知ってからはもっとニヤニヤしたw
日本人の言葉にしないけど、表現で伝えて行くスタイル、ほんと素敵。
幸せになれよ二人とも!
一気に最終巻を読んだので、ここを見るまで気づかない部分もありました。
より一層最終話に深みが出ました。
素晴らしい記事をありがとうございます!
もっとたくさんの人に知ってもらいたい作品ですね。
最高です……
ありがとうございました
ゆがとも好きもっと増えて欲しい
最高のレビューでした
ありがとう
ひねくれた主人公のタッチみたいな。
って言ったらちょっと違うかw
あまり話題にならなかったけど、
ずっと読んでた。ラブコメになりそうでならない。
このまま終わるのかと思いきや、気をそらせてそらせて最後にど真ん中だからなあ。
やられましたよ。いい作品だった。ありがとう。
レビューも、作品も、最高です。
ほんといいマンガ読んだわぁ。
最高のレビューをありがとうございます