『葬送のフリーレン』第34話「英雄の像」感想・考察 元祖「戦士ゴリラ」のクラフトを掘り下げる

『葬送のフリーレン』第34話：英雄の像

 

ザインの旅の目的は10年前に一緒に冒険者になろうと誘われた親友を探すことでした。ついにザインの親友にの名前が判明しました。「戦士ゴリラ」です。…って、えぇぇ！？

 

いやまあ、本名ではないんですけどね。

むしろザインが本名すら忘れてしまう程の「戦士ゴリラ」なのです。

 

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34話「英雄の像」感想・考察

戦士ゴリラ

戦士ゴリラについてはザインと出会った27話で以下のように語られていました。

 

一緒に小さな冒険を沢山した親友がいたんだ。無鉄砲な体力馬鹿で、ゴリラみたいな奴だった。とはいっても友達思いでいいゴリラだったよ。

 

すでに当初からゴリラゴリラ言ってましたが、「戦士ゴリラ」で通ってたとは恐れいった。ちなみにザインは「僧侶アゴヒゲ」です。

 

しょうもないあだ名と思いきや二重三重の深い意味に昇華させた珠玉のエピソードでした。

忘れ去られた英雄

…クラフトだ。

 

「戦士ゴリラ」「僧侶アゴヒゲ」はザインの村にもある名も忘れられた銅像から付けられたもの。戦士の方は24話で出会った変態エルフことクラフトでした。

 

ほえー！クラフトさん自分はすごいことをしたと言っておりましたが、本当に大偉業を成し遂げた英雄だったんですねぇ。

 

一体何をしたのか。

しかもコレもう遥か昔の昔ですよ。

 

ちょっとクラフトの偉業を掘り下げてみましょう。

戦士クラフトはフリーレンを知らんかった

24話

 

フリーレンは約1000年前から生存しており、故郷の村を魔王軍に滅ぼされ大魔法使いフランメ（今ではおとぎ話の人物扱い）に拾われて魔法研鑽してました。

 

ざっくり言えばこの世界は約1000年は魔王が厄災だったと言える。そんな魔王を倒した勇者パーティのフリーレンは80年経っても超有名人。勇者一行はレジェンドです。

 

その有名人フリーレンを指して「お前のことなんてこれっぽっちも知らん」と言い放ったのはすごい。逆もまた然り。フリーレンもクラフトなんて知らない。

 

この事から歴史的に見ると1000年単位の魔王支配よりも遥か昔にクラフトは大偉業を達成したといえる。また同時に、1000年君臨してた魔王に興味すら無くなっていたとも。打倒する気もさらさら無かった。

 

戦士クラフトの偉業

今は心の底から女神様を信じている。いや、いてくれなきゃ困るんだよ。俺の成してきた偉業も正義も、知っている奴は皆死に絶えた。（24話）

 

相当な正義による偉業を成し遂げたことが伺える。

 

クラフトを知ってる者はみんな死に絶えたからこそ天国で女神様に褒めてもらいたいという願望を抱えておりました。

 

また、銅像が立ってるのが「ザインの村」→「ローア街道付近の村」というのも興味深い。おそらく、勇者ヒンメル一行のように北を目指してたっぽい。

 

1000年前よりも大昔、ヒンメルが討った魔王とは違う、先代魔王的な存在を倒したのではないかと思ったり思わなかったり。クラフトが成した「正義」「偉業」の相手は同じオレオール（魂の眠る地）にいた？知らんけど。

 

仮にそうなら、魔王が約1000年前にエルフ絶滅計画立てたのも納得いくような気がする。

 

エルフを皆殺しにしろ。それが魔王様の命令だ。（21話）

 

 

「戦士（勇者？）」から「武道僧」へ

今、24話を読み返す深みが増す。名乗っても誰も知らないことにどこか達観した表情だったりといった含みあるけど、特筆すべきは職業が違っていることでしょう。

 

武道僧（モンク）

 

この前会った（といってももう1年前）クラフトは「武道僧（モンク）」だったわけじゃないですか。

 

昔は剣まで持ってて「戦士」か「勇者」にしか見えません。はるか昔は「戦士（勇者）＆僧侶」のパーティで、今はクラフト一人で「武道僧」。これもかなり含みがある。

 

クラフトの相方の僧侶は像からただの人間であることが分かる。もうとっくに天寿を全うしてるのでしょう。

 

そんな相方「アゴヒゲ」の職業を背負って「武道僧（モンク）」となったなら熱いね。誰も覚えてないからこそ的な。前回のフォル爺風に言えば、「僧侶アゴヒゲの記憶を未来に連れて行ってくれる」ですよ。

 

モンクを名乗る時、女神信仰アクセサリーを見つめてたのも深い（かもしれない）。死後に女神様に褒められたいからもあるでしょうけど、相方の僧侶アゴヒゲと再会できると信じてるのでは…。

 

天国にいる

 

お互いに素性も知らんので身の上話を聞かせろ。お前の偉業を褒めてやるって流れで、フリーレンは褒めてくれる友人がいるから遠慮しました。その人はもう天国にいると聞いた時の「なら、いずれ会えるな」がエモさ200％増しですよ。

 

クラフトは、死後に天国で相方「アゴヒゲ僧侶」と再会できると信じ続けて生きてると踏まえて読むと24話の深みが半端ない。

 

 

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