『14歳の恋』(水谷フーカ)8巻読了。
8巻にしてここまでの破壊力をたたき出すとは恐れ入った!
最近は田中彼方と吉田和樹のメイン2人だけでなく、長井と日野原先生、同性の彼方に恋する志木さん、江藤さんと佐々木先生、『GAME OVER』の2人、3年生の土井と内海…といった青春群像劇にシフトしてきました。
個人的には他のキャラ達のほうがニヤニヤできる威力があって、彼方と和樹はよくいえば安定、悪く言えばマンネリしてたかなって印象でした。しかし!8巻では改めてメインの2人が最高のニヤリングを計測するのでした。
二人だけになりたい。でも、「二人だけ」に慣れない。
幼馴染の二人が「彼」と「彼女」になって初めての冬。二人の周りの人達にも心が温かくなる出来事が…。中学生の日常のドキドキをじんわり味わう8巻
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さらに8巻の見どころは、同級生の志木さんと加藤にも掘り下げたエピソードでしょうか。それぞれ違った方向性であるものの、ますます多種多様に広がっていきます。
『14歳の恋』8巻
彼方と和樹
なんと!2人はガチのマジで幼なじみだったか!
小学校の頃から仲が良かったとは語られてたけど、小さい頃はお互いの家へ行き来するような関係であったか。いわゆる「一緒にいて当たり前」というやつです。
ここで「幼なじみ」の王道進化系を抑えておきましょう。
【正しい幼なじみの進化】
「隣が当たり前」→「腐れ縁」→「友達以上恋人未満」→「付き合う」
小学生ぐらいまでは一緒に遊ぶのが当然の仲ですが、中学生や高校生辺りから「腐れ縁」「友達以上恋人未満」の微妙な青臭い関係を存分に味わった末に好きだったなるのがオーソドックな進化形態でしょう。青い鳥は近くにあったと気づくのがオーソドックです。
そう、幼なじみとは青い鳥なのです。
一番大切なものはすぐ近くにあると後から分かるんですねぇ。
そこいくと14歳で同級生よりも大人っぽく(身体的な意味で)成長が早かった2人は正しい幼なじみの進化を踏まずに付き合っているという状況といえるでしょう。
【彼方と和樹】
「隣が当たり前」→「付き合う」
「腐れ縁」「友達以上恋人未満」という超弩級の青春幼なじみイベントを通過する事無く付き合ってます。正確には1話でちょこっと意識してるシーンありましたが、「友達以上恋人未満」の青臭いイベントを飛ばして好き合ってるといえる。
例えば何をするにもずっと一緒だった幼なじみがいるとしよう。ある日、クラスメイトの矢島くんから幼なじみの子が可愛いから紹介してくれと頼まれます。で、紹介したらモヤモヤしてる自分に気づくわけです。
そう!自分はあかりを隣にいて当たり前の存在だと思ってたけど本当はずっと好きだったんです。気づかない振りをしてただなんだと悟るわけですね。やっぱ、矢島にあかりはやれねえっ!ですよ。(おじいちゃん今の若い子は『To Heart』で例えても通じません)
おっと、話が逸れた。彼方と和樹の幼なじみは「腐れ縁」「友達以上恋人未満」イベントが無く付き合いだしたわけですけど、そこを逆手に取って超ド級の幼なじみイベントをやったのであった。
これは幼なじみの「友達以上恋人未満」イベント!
彼方が昔みたいに家に行ったり来たりを懐かしみ、いざ和樹の家に行けば昔のまんまでなかった事に気づく。
もうここは、昔みたいにくつろげる場所じゃない
「仲良しの友達の家」から「好きな人の家」に変わってしまったんだ
うっ、眩しい!
これは紛れもなく「友達以上恋人未満」の幼なじみ同士が一番美味しく熟した頃のイベントだ。なるほどなー。彼方と和樹は好き合って付き合ってたけど、そこから「友達以上恋人未満」のイベントをやるのか。
むしろ今まで散々イチャイチャしてだけにこっちのほうが破壊力あったぐらいです。
「幼なじみを尊ぶ」市民の会代表を(勝手に)やってまいりましたが、新たな幼なじみの可能性を見た気がしますね。
【彼方と和樹】
「隣が当たり前」→「付き合う」→「友達以上恋人未満」
この方程式が発見されました!
彼方と和樹の初々しい幼なじみは珠玉です。
加藤くんと有坂さん
加藤と有坂
『14歳の恋』は尊さこそがキモだと思うんですよ。そんな中でも加藤くんと有坂さんはグンバツで尊いカップルだ…。
加藤は14歳で中学生なのに見た目も中身もクソガキそのもの。対して有坂さんは女子小学生なのに身長も高くぱっと見の雰囲気も「キレーなお姉さん」そのもの(?)でした。
お互い、最初は相手を小学生の中学年(本当は中学生)、女子高生(本当は小学生)で実際の年を誤認したことからはじまった、見た目は小学生中学年と女子高生、中身は中学生と女子小学生のカップルの尊さは作中ピカ一。
デリカシーない年上のお兄さんとおマセさんのJSの2人のエピソードはヤバイぐらいに頬を緩ませまくり。ラブコメ萌えによるニヤリング&ローリングで身悶え3回転半を記録ですよ。
微笑ましすぎるでしょ!
尊い…それしか言いようがない。
志木さんと灰島先生
志木さんと灰島先生は…?
ヤベーなこの2人。
それぞれの愛情好感度は「志木 → \すぽん!/ 彼方 →← 和樹」「灰島 → \すぽん!/ 日野原 →← 長井」という絶対に報われない状態であります。志木さんと灰島先生は報われないズなのである。
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そんな2人の関係に変化(?)が起きるんじゃないかという前触れに見えなくもない。いや、実際にどうなるかは分かりませんが、悲しい片思いで百合同士でもあるので間違いは起きても何もおかしくありません。
この2人だと「尊い」というより「痛々しさ」が先行してしまいますけど、なんのかんのでお似合いのようにも見える。志木さんと灰島先生は、他のカップリングがコーヒー牛乳みたいな優しく甘い味わいに対して、ちょっぴり大人味のほろにがビタースイートの味だね。苦味がある。
甘さだけでなく苦さも味わえるので『14歳の恋』は素晴らしい青春群像です。まる。
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