『キャプテン2』4代目キャプテン近藤茂一の世代！元祖の味に加えてコージィ城倉節スパイスが面白すぎる件

 

『キャプテン2』（コージィ城倉）読了。

 

やっべー！めちゃくちゃ面白い。個人的な野球漫画の最高傑作といえば『キャプテン』であり、谷口世代も丸井世代もイガラシ世代も大好きだった自分にとっては近藤世代をもっと読んでみたかったという気持ちが強かったんですよ。

 

そしてらコージィ城倉先生は『プレイボール』に続いて『キャプテン』のその後も描くってんだからビックリです。ファンとしては最高すぎる。

 

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『キャプテン2』近藤世代

レガシーを作る

1話「レガシーを作れ！」

 

4代目キャプテン近藤はこれまでの先輩キャプテンが築いてきた墨谷二中スタイルとは一線を画する。谷口も丸井もイガラシも少数精鋭によってボロボロになるまで徹底的に練習して鍛えてきましたが、近藤キャプテンは部員全員を練習させる層を厚くするスタイル。

 

近藤パパに「卒業後にどのようなチームを残すか」と言われてそれを実行している様が良い。元祖『キャプテン』では春の選抜を層の厚さで戦い、また違った墨谷二中を見せてくれましたからね。

 

さらにプラスして面白いのは随所に「現代野球」の視点を入れてくる事でしょう。

無駄が多いと言われる練習を効率的に

全体練習が長いと自分のとこにボールが回ってくる時間が物理的に短くなるだろ。個人練習を多くした方がひとりひとりがもっとボールをさわれるよね（1話）

 

少数精鋭でなくチーム全体の底上げをすることで次の世代へ遺産を残すのは元祖『キャプテン』でも描かれてたが、コージィ城倉版の『キャプテン2』は「効率的な練習」って観点を示す。

 

例えば守備のノック時。自分の番まで待つ時間が無駄であることを指摘してグランド含めて効率的な質の良い練習をする。そのための工夫が70年代ではありえない。

 

3話

 

ノッカーがひとりとか人数多くて自分の番までノックを受ける時間の無駄問題は今のプロ野球でもあるそうで、元千葉ロッテマリーンズの里崎氏がユーチューブで「待ち時間」について問題提起していました。

 

 

野球の練習は本当に練習してる時間はめちゃくちゃ短い。ほとんど待ち時間であると。だから時間無駄にかかると。やる事ないからやらしとこみたいな練習がまかり通ってること。今のプロ野球ですら効率悪く長時間練習なのにひとりひとりの練習時間めっちゃ短いのである。

 

令和のプロ野球ですら効率悪いという意見がある中で、この問題を解決させ待ち時間を無くし練習をする墨谷二中の唸るね。野球漫画としての視点が新鮮なのがコージィ城倉流です。

 

あと、元祖『プレイボール』で谷口がサッカー部に在籍してた時のキャプテン・相木が近藤の家庭教師ってのも面白い。過去のキャラをうまく使って新たな人間関係やドラマが描かれていく。コージィ城倉先生は本当に『キャプテン』『プレイボーイ』が大好きだったのが分かるね。

昭和時代に最新の概念が入る

2話

 

野球という競技において「長距離競走」の重要性はどれくらいあるのかって意見。長距離するよりも短距離のダッシュを増やした方がいいと。

 

今なら当然だと思うかもしれませんけど『キャプテン』は70年代が舞台ですからね。

 

1970年代なんて根性論がまかり通ってた時代です。とにかく長距離走らせる。うさぎ跳びなど身体に悪い練習。ぶん殴る体罰。水を飲むとバテるので練習中は水を飲むな！という意味不明なロジック。そんなことが常識な時代に現代のスポーツ科学や視点を随所に自然と入れてくるのがめっちゃ面白い。

 

サンデーで無念の打ち切りになってしまいましたけど、『アノナツ-1959-』という現代の選手が昭和にタイムスリップする漫画があった。非常に新鮮で面白かった。それに近い感覚がある。古き根性時代の野球に現代の常識や観点をエッセンスに入れるのが楽しい。

 

 

 

サンデーうぇぶりは『アノナツ』もコージィ城倉先生の『砂漠の甲子園』も無料で読める。

 

無理ない程度に70年代の昭和野球に今のスポーツ科学や練習をうまく落とし込むからこそ、元祖『キャプテン』の面白さを踏襲しつつ違う面白さが効いてる。

コージィ城倉（森高夕次）節

3話

 

『砂漠の甲子園』を彷彿させるコクガクイン大の野球同好会の話をする元墨谷高校サッカー部の今野。今野の実家のエピソードもまた上手い具合に元祖『キャプテン』と繋げてファンは「うおおおお！」となる。

 

今野はサッカー選手で大学からお遊びで野球やってるものの、東都六大に所属する國學院は正式な硬球の部活からあぶれた選手がいてめっちゃレベル高い。その選手も連れてきてコーチングできる。

 

コージィ城倉（森高夕次）節が良い感じに効いてるのがグッド。

 

高校の名門野球部は正式な部からこぼれ落ち、退学するわけにもいかない生徒が多く、体育の野球の授業などで半端ない実力を見せつけたって実体験の着想から生まれた『砂漠の甲子園』を筆頭にすっげーアイデアなんですよね。

 

 

コージィ城倉（森高夕次）節とは既存の完成されてる「野球漫画」ってフォーマットにあえて斬新な視点をフックにすること。『キャプテン2』はこれがめっちゃ効いてる。金属打ちとかあえて取り上げる。もう野球好きにはたまらんわい。

 

青葉学院ェ…

で、肝心の野球トーナメントもかなり面白い。

 

6話

 

名門・青葉学院中学校ェ…。

 

井口卒業しても江田川中が青葉倒しちゃってるんだけど…。

 

いやいや。ちょっと待ってくれと。江田川中って井口のワンマンチームだったやん。打撃は良かったけどお粗末な守備は谷口世代から「お家芸」と言われたし、イガラシ世代の井口率いる江田川でも健在だったやん。

 

去年は井口にねじ伏せられたものの、全国優勝常連の最強チームで2軍のレベルすら高かったのが青葉の名門たる所以です。いくらなんでも落ちぶれすぎである。大橋とか近藤の同級生だと思ってたのに…。

 

元祖『キャプテン』「墨谷快進撃」

 

背番号11を付ける丸井・佐野世代の青葉二軍ピッチャーが大橋である。佐野を先輩と呼んで敬語を使ってるところから年下であったのは明白。二軍投手なのに、地区予選決勝の9回でエース佐野がぶっ倒れて緊急登板することになった大橋。

 

雑魚と思いきやなんのかんので墨谷二中の超怪物打線を抑える活躍をする。まわりからは「あいつだろ次期エースになるってやつは」「けっこうはええな」と言われてました。初登板である事が分かる。つまり1年生…近藤と同世代の青葉期待の星なんだろうなーって。

 

この青葉の大橋こそ近藤と死闘を繰り広げる強敵なのでは…と思ってました。まさかの井口無しの江田川中に敗退って…。旧キャラをうまく拾って話を膨らませてくれるコージィ城倉先生なら大橋を拾ってくれると思ってたのに＞＜。

最高に面白い

青葉の大橋は活躍することなく消えたが、良い感じでかつてのモブキャラを拾って肉付けしてドラマチックに描くコージィ城倉版『キャプテン』がめっちゃ面白いのは間違いなし。

 

斬新な視点を入れるコージィ城倉（森高夕次）は健在だし、JOYがどういうキャラかも分かる。元祖『キャプテン』好きなら絶対に「うおおおおお！」となること間違いなし。「努力・根性・ど根性」なちばあきお版『キャプテン』を軸にしつつ絶妙な野球漫画視点のフックがある。

 

こいつは間違いなく面白いので若い方も旧『キャプテン』と一緒に絶対に読んでほしい不屈の面作の続編です。まる。

 

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ヤンジャン公式アプリ「ヤンジャン！」なら『キャプテン』『プレイボール』がちばあきお版の元祖もコージィ城倉の続編も無料で読めます。他にもわんさか無料で読めるぞ。

 

 

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