『葬送のフリーレン』第110話「勇者一行」の感想・考察です。
久々に帰ってきた『葬送のフリーレン』ですが3週掲載を終えて、またしばらく休載に入ってしまいました。もはやジャンプの『ハンター×ハンター』のようにちゃんとしたクオリティで描いてくれれば不定期で全然OKって心境です。
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これは正史なのか?
私は今から80年以上先の未来から来た。
80年以上前にタイムリープしたフリーレン様は、(自称)残影のツァルトを倒す為にこの時代にない魔法を使い、ヒンメルたちに未来から来たことを告げるのでした。
なるほどね。タイムリープした事を隠し通すでなく、きちんと事情を教えた過去編というわけか。こうなってくると、タイムリープしたこの状態が正史かどうかで読み方も変わってきますね。
もともとフリーレン様はこの期間を「一週間くらい記憶が抜け落ちている気がする(107話)」と言ってました。記憶が無いので、今の状態は未来を変えたわけでなく歴史通りっぽい。
未来から来た事情を話し、80年前と変わったフリーレン様と勇者一行は出会ってるわけです。
ん?下の方に字が彫られている。前来たときは無かったのに…(107話)
女神の石碑に掘られていた聖典「時巡りの鳥の章」に出て来るメッセージ。最近のものでないそうなので、約80年前のヒンメルが掘ったのが濃厚になってきた。タイムリープしたフリーレン様と会い、未来で必ずここで触れると分かってるからね。
アイゼンのヒンメルと話せが深くなる説
そしてアイゼンのヒンメルと会うんだってアドバイスもより深みが増す。
フリーレン。オレオール(魂の眠る地)を探してヒンメルと話すんだ。(8話)
もともとあてのない旅だったところに明確に目的とゴールを提示したアイゼンでした。死者が眠る地でヒンメルと話せと。フリーレン様はあてないからOKって軽い感じで決めたけど、深くなる(ような気がする)。
これも、ヒンメルの葬式で泣いて人間を知ろうと言い出したからだけでなく、約80年後に変わったフリーレン様と邂逅したからこそ、また会えと言ったならエモさが増すよね。
本来の時間軸にどう戻るかは分かりませんけど、80年前のヒンメルと別れる挨拶は間違いなく「またね」だな(確信)。
涙の別れなんて僕達には似合わない。だってまた会ったときに恥ずかしいからね(60話)
フリーレン様は旅路で人と別れる時はすごくあっさり風味で「またね」と言って済ませます。これはヒンメルを踏襲してます。理由は旅を続けていればまた会う事もあり、涙の別れなんてしたら再会した時に恥ずかしいからというものでした。
この過去編で80年以上前にタイムリープしたフリーレン様は、ヒンメルとオレオールで再会するために「またね」で別れる。はらたいらさんに3000点です。
味わいのある表情
110話
37話
えんもー☆
この漫画ってフリーレン様の表情が良い味出してるんですけど(顔芸含め)、今回見せた表情はとびっきりに素晴らしかった。
80年以上先はヒンメルたちは生きてないって振られて「まあね」と笑顔だけど目を細めてどこか寂しげな表情がグッとくるね。
37話でフリーレン様がすごい魔法使いだって知ってると言っても「(人間だから)すぐ死んじゃうじゃん」と返された時に見せたヒンメルの表情ともデジャブる。愛しさと切なさが合わさった実に味わい深い表情である。
魔王城とオレオール
魔族が人類の歴史上に表れ戦争が始まってから、魔王は千年以上に渡り魔族の頂点に君臨し続けています。(110話)
ハイターの背景にあるのは7話で描かれた魔王城…つまり天国と呼ばれるオレオール(魂の眠る地)ですね。
魔王は千年以上に渡りという言い方でこの背景から、長年謎だった「魔王城=オレオール」にフランメが訪れたの詳細かもしれない。ざっくり千年前までオレオールは普通に行けて、魔王がそこを根城にしたってところでしょうか。
- 約千年前に「オレオール」にフランメ訪れる
- 魔王が「オレオール」を根城にする
- 1,000年前の回想で魔王も魔王軍もいた
フランメがオレオールを訪れた時はまだ魔王城でなく、その後に魔王が根城にしたって考えがしっくりくるかな。
魔族が人類の歴史に表れた
そして気になるのは魔王は「魔族が人類の歴史上に表れ戦争が始まって」って部分。というのも人類と戦争をはじめたのは魔王であるのはソリテールが述べてました。
君は嫌ってたようだけれども、魔王様も君と同じような考えだった。その行く末が共存を目指す果てに起こした、人類との大戦争。(103話)
魔王はマハトと同じように人類と共存したいという思想だったらしく、なぜかそのせいで人類との大戦争を起こしたのでした。
ハイターいわく「魔族が人類の歴史上に表れ」「戦争が始まって」と2つを同一線上で語ってることでしょう。ようするに千年以上前に魔王が人類との戦争を起こしたのと魔族が人類の歴史上に表れたのは同時代という。
いやでも魔族自体は神話時代からいたはず。これはゼーリエが神話時代にお前等魔族ぶっ殺しまくったと言ってましたから。
魔族がその恐怖を忘れ去る程大昔に存在した、神話の時代の大魔法使いだよ。(93話)
つまり、神話時代から魔族はいたけど人類の歴史上にはいなかったということである。隠れてたのか、ゼーリエのせいで絶滅寸前に減ったのか、他に事情があるのか分かりませんが…。
千年以上前に魔族(この名称自体フランメが付けた)が人類の歴史に表れ、魔王が戦争起こしたのはほぼイコールの時期という。
- 人類の歴史上に魔族はいなかった(魔族は神話時代から存在)
- 1,000以上前に人類の歴史に魔族が現れた
- 魔族という名称はフランメが付けた
- 魔王が「オレオール」を根城にした
- 魔王が人類と共存しようとして戦争が起きる
これは興味深いなぁ。
勇者ヒンメル株急上昇
魔王を倒せないのなら挑むのをやめるのか?違うだろう。どのような結果になろうと僕達は戦うんだ。僕達は勇者一行なんだから。
ヒンメル△□×(さんかっけー死角無し)
フリーレン様が80年以上先の未来から来たと知り、自分たちは魔王を倒せたのか聞くも、それを遮り結果なんてどうでもいいと言い放つのであった。過去回想で出て来る度に評価を上げる男はまたまた赤丸急上昇ですよ。
なんか国民的漫画『ワンピース』のルフィを彷彿させますね。ルフィもシャボンディ諸島でウソップがレイリーに「ひとつなぎの大秘宝」を聞こうとして遮ってました。
宝がどこにあるかなんて聞きたくねェ。宝があるかないかだって聞きたくねェ!何もわかんねェけどみんなそうやって命懸けで海へ出てんだよっ!ここでおっさんから何か教えて貰うんなら、おれは海賊をやめる。つまらねェ冒険なら、おれはしねェ!!(『ワンピース』507話)
ヒンメルはルフィと同じやね。つまらねぇ冒険ならしない。結果なんて知りたくない。むしろそのプロセスが面白いのである。『ハンター×ハンター』の達成するまでの過程こそが本物の宝って美学にも通じてる。
勇者ヒンメルは国民的少年漫画の主人公メンタルなのである。
確かにヒンメルは前からそういうところが描かれてた。
僕はね、終わった後にくだらなかったって笑い飛ばせるような楽しい旅がしたいんだ。(11話)
「くだらなかったって笑い飛ばせるような楽しい旅」がしたい。だからこそ、結果なんて聞きたくない。目的達成するまでの道のり、楽しさや苦しさ、いいことも悪いことも乗り越えていくからこそ。かっこ良すぎるぜ。
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コメント
ゼーリエの「魔族がその恐怖を忘れ去るほど昔」って発言、恐怖みたいな感情を持つ魔物が登場して魔族と呼ばれる=魔族が誕生するより昔って意味だと思ってました。